呼吸器 平成16年度卒業試験

(復元)
放射線科
1.胸部X線撮影について、誤った記述はどれか。
a)側面像は、フィルムを体の左側につける、左側面像が原則である。
b)少量の胸水の検出には、側臥位撮影(decubitus view)が有用である。
c)右肺中葉無気肺の描出には、肺尖撮影(lordotic view)が有用である。
d)小葉間裂は、正面像では通常左肺野に描出される。
e)胸部立位正面X線撮影では通常背側からX線を照射する。

<解答> d <解説> 右です。

2.片側性に透過性亢進が認められるものを選べ。
(1)気管支内異物 (2)慢性肺気腫 (3)肺水腫
(4)肺胞蛋白症 (5)Swyer-James症候群
a. (1), (2) b. (1), (5) c. (2), (3) d. (3), (4) e. (4), (5)

<解答> b

3.次のサインのうちシルエットサインはどれか。
1) comet tail sign 2) Cervico-thoracic sign 3) Hilum-overlay sign
4) thoraco-abdominal sign 5) Westmark sign

<解答> 2) 3) 4)はシルエットサイン

4.腫瘤陰影に関して、正しい組合わせを選びなさい。
(1) 原発性肺癌・・・・・・Spiculation (2) 過誤腫・・・・・・Air Bronchogram
(3) 結核腫・・・・・・Popcorn Calcification (4) 円形無気肺・・・・・・Notching
(5) アスペルギローマ・・・・・・Meniscus Sign
a. (1), (2) b. (1), (5) c. (2), (3) d. (3), (4) e. (4), (5)

<解答> b
<解答> popcorn calcification…過誤腫 air bronchogram…肺胞性病変 notching…肺癌

耳鼻咽喉科
1.中耳洞に直接開口するものはどれか。
1. 前篩骨蜂巣 2.後篩骨蜂巣 3. 前顎洞 4. 鼻涙管 5. 上顎洞
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

<解答> b? <解説> 中鼻道の間違いでは?

2.次の記載のうち正しいのはどれか。
1. 第3基板は中鼻甲介よりなる。 2. 篩骨洞の外側壁は紙様板である。
3. 前篩骨動脈は顎動脈の枝である。 4. 鼻出血の好発部位はフォンタネラ部位である。
5. 鼻腔に分布する主な副交感神経は翼口蓋神経節を経由する。
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

<解答> c
<解説> 1.○ 篩骨蜂巣の基板(basal lamellae)は5つからなり3番目は中鼻甲介である。
2.× 外側壁は眼窩内側壁である。 3.× 前、後篩骨動脈は内頚動脈の枝である。 4.○ 5.○

3.気管切開について正しいのはどれか。
1. 上気道閉塞による呼吸困難は気管切開の適応である。
2. 一側性反回神経麻痺は気管切開の適応となることがある。
3. 気管支異物は気管切開による摘出が一般的である。
4. 中気管切開では甲状腺の切離を行う。
5. 輪状軟骨を切断するとカニューレ抜去困難症を起こしやすい。
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉c
〈解説〉1)○ 2)× 一側性反回神経麻痺では呼吸困難にならない、両側で適応
3)× 喉頭直達鏡・気管支鏡を用いて除去 4)○
5)○ 甲状・輪状・第一気管軟骨は靭帯で繋がっているので抜去困難になる。

4.反回神経麻痺の原因とならないものはどれか。
1. 喫煙 2. 甲状腺癌 3. 解離性大動脈瘤 4. 下顎骨骨折 5. 側頚嚢胞
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉c    〈解説〉2003年卒試より

5.次の記述のうち正しいものを選択せよ。(複数可)
a. ポリープ様声帯(ラインケ浮腫)の原因は声帯の酷使である。
b. 声帯結節は通常一側性である。
c. 声帯ポリープの原因はパピローマウイルスである。
d. 声帯ポリープの好発部位は声帯膜様部中央である。
e. 声帯白板症は女性に多い。

〈解答〉a d e

外科
1.広義の外傷性気胸の原因病態について正しいものを3つ選べ。
1. 肋骨骨折 2. 人工呼吸 3. 気管損傷 4. 食道損傷 5. 鎖骨下静脈穿刺
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉a

2.胸部救急疾患について正しいものを2つ選べ。
1. 縦隔気腫を見たら気胸の存在を疑い、胸腔ドレナージを考慮する。
2. 急性呼吸不全をきたした緊張性気胸はただちに人工呼吸を行う。
3. 肺挫傷には外科的切除が必要である。
4. 隣接する3本以上の肋骨が2カ所で骨折すると、flail segmentを形成する。
5. 高度な気道損傷は人工肺を用いた緊急手術が必要となる。
a. 1,2 b. 1,5 c. 2,3 d. 3,4 e. 4,5

〈解答〉e 〈解説〉2は禁忌

3.過っているものを2つ選べ。
1. 両側転移性肺癌は手術非適応である。
2. 器質化肺炎は画像上、肺扁平上皮癌との鑑別を要することが多い。
3. 非浸潤性胸腺腫に対する外科切除後の10年生存率は約90%である。
4. パンコースト型肺癌ではホルネル症候群をきたす。
5. 肺軟骨性過誤腫は増大傾向を示し、時に肉腫様転化をきたす。
a. 1,2 b. 1,5 c. 2,3 d. 3,4 e. 4,5

〈解答〉b?
〈解説〉2002年卒試より
1.× 近年は両側の転移性肺癌に対しても完全切除が期待でき、他の臓器に転移が見られないときは、積極的に手術を行っている。 2.○ 3.○ 4.○ 5.×

4.良性肺疾患について、適切な組み合わせを3つ選べ。
1. 肺過誤腫 - Pop corn状腫瘤
2. 肺動静脈瘻 -  脳血栓症
3. 肺分画症 - Osserman分類
4. 肺葉性肺気腫 - 一側肺の1/3以上を占める嚢胞
5. 硬化性血管腫 - 血痰、発熱
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉b     〈解説〉3.× Pryce分類 4.× 一側性に限局するびまん性の肺気腫

5.胸膜疾患について、過っているものを1つ選べ。
a. 切除不能な悪性胸膜中皮腫平均余命は約六ヶ月と言われている。
b. 胸管損傷は1日に1500-2000mlの乳び漏出をきたす。
c. 時間あたり200ml以上の胸腔内出血が3時間継続したら開胸止血の適応である。
d. 膿胸の治療原則は、無菌化・死腔の消滅・瘻孔の閉鎖である。
e. 癌性胸膜炎は、胸部悪性腫瘍に膿胸を併発した状態である。

〈解答〉e 〈解説〉2002年卒試より

6.縦隔疾患について適切な組み合わせを3つ選べ。
1. 気管支嚢腫 - 気胸 2. 胸腺腫 - 重症貧血
3. 拡大胸腺摘出術 - 重症筋無力症 4. 嚢胞内歯牙・毛髪 - 良性奇形腫
5. 前縦隔腫瘤 - von Reckling Hausen病
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉d 〈解説〉2002年卒試より

7.原発性肺癌の治療指針について記せ。

〈解答〉組織形態・Stage・全身状態/合併症で決められる。Stage別治療方針は講義ノートを参考にしてください。

病理 以下の設問に対する最も適切な解答を1つ選び、○を付けなさい。
問1 Wegener肉芽腫に最も関係が深いのは次のうちどれか。 (復元不完全)
A)P-ANCA陽性 B) C) D) E)C-ANCA陽性

〈解答〉E

問2 鼻・咽頭癌で最も多い組織型はどれか。
A)扁平上皮癌 B)唾液腺由来癌 C)悪性リンパ腫 D)嗅神経芽腫 E)リンパ上皮腫癌

〈解答〉A

問3 喉頭結節に特徴的な病理所見は次のうちどれか。
A)白板症 B)多発ポリープ C)類上皮細胞結節 D)嚢胞形成 E)類線維素物質沈着

〈解答〉分かりませんでした。すみません 〈解説〉2003 卒試 病理3と同じです

問4 呼吸窮迫症候群(RDS)と関連の少ない病変、病態は、
A)敗血症 B)免疫グロブリン異常症 C)び慢性肺胞障害
D)血液過凝固 E)高サイトカイン血症

〈解答〉B

問5 25歳男性、不妊、副鼻腔炎、内臓逆位と膿性喀痰を認める。考えられる疾患は?
A.喘息 B.気管支炎 C.気管支拡張症 D.肺気腫 E.BOOP

〈解答〉C 〈解説〉カルタゲナー症候群の病態に矛盾しない

問6特発性間質性肺炎の病理像として乏しいものはどれか。
A)硝子膜形成 B)蜂窩肺 C)慢性炎症細胞浸潤 D)膿瘍 E)線維化蜂隔炎

<解答>D <解説>Dの選択肢のみ過去問と違う。

問7α-1 anti - trypsin inhibitor欠損症に見られる慢性肺気腫に特徴的な病変は
(  )肺気腫である。
A)汎小葉性 B)小葉中心性 C)傍隔壁性 D)不規則性 E)ブラ性

〈解答〉A

問8 Churg-Strauss症候群に特徴的な臨床病理学的所見には、肉芽腫性血管炎、喘
息、単もしくは多発神経炎と( )がある。
A)半月体形成性腎炎 B)好酸球性肉芽腫 C)Masson体形成
D)閉塞性細気管支炎 E)乾酪性肉芽腫

〈解答〉B

問9 以下の肺病変でリウマチ様関節炎と関連が少ない病変は?
A)アミロイド沈着 B)喘息 C)閉塞性細気管支炎 D)間質性肺炎 E)血管炎

〈解答〉E

問10 肺小細胞癌の発生母細胞はどれか。
A)気管支腺細胞 B)化生扁平上皮細胞 C)気管支基底細胞
D)神経上皮細胞  E)クララ細胞

〈解答〉D

問11 2003年11と同じ。

問13 以下の肺病変のうち、肉芽腫性肺病変となりにくいものはどれか?
A)非特異性間質性肺炎 B)サルコイドーシス C)クリプトコッカス肺炎
D)過敏性肺臓炎 E)結核

〈解答〉? 〈解説〉B E×

問14 肺末梢性腺癌の前癌病変として最も重要なのは、
A)異型扁平上皮化生 B)tumorlet病変 C)気管支ポリープ
D)カルチノイド(悪性腫瘍) E)異型腺腫様形成

<解答>E

問題15 2003年度の病理問題15と同じでした。


呼吸器科
1.タバコに関して正しいものを2つ選べ。
a. 肺癌の一番のリスクはタバコである。
b. 喫煙指数(ブリンクマンインデックス)は1日の本数×年数である。
c. 喫煙指数が400を超えると禁煙しても肺癌のリスクは下がらない。
d. 低タール、低ニコチンのタバコは発癌のリスクが低い。

〈解答〉a b

2.肺癌の組織型に関して正しいものを2つ選べ。
a. 腺癌が最も多い。
b. 小細胞癌は末梢にできることが多い。
c. CEAが上昇していたので大細胞癌が考えられた。
d. 扁平上皮癌は空洞を形成しやすい。

〈解答〉a d 〈解説〉b× 肺門部発生が多い c× 腺癌のマーカー

3.癌性疼痛に関して正しいものを2つ選べ。
a. NSAIDから開始する。
b. モルヒネは副作用として呼吸抑制があるのでなるべく使用を控える。
c. モルヒネの極量は200mg/日である。
d. 骨転移の痛みに対して放射線を照射した。

〈解答〉a d

4.治療に関して正しいものを2つ選べ。
a. I期、II期の非小細胞肺癌に対して手術を行った。
b. III期の非小細胞肺癌の標準的治療は抗癌剤+放射線の併用療法である。
c. IV期非小細胞肺癌の抗癌剤治療で約1年の予後の延長が見込める。
d. 小細胞肺癌は抗癌剤治療で80%近い治癒が認められる。

〈解答〉a b

5.肺癌治療の主要な抗癌剤であるシスプラチンの副作用として一般的でないものを1つ選べ。
a. 嘔吐 b. 関節痛 c. 腎機能障害 d. 第8脳神経障害 e.脱毛

〈解答〉b

6.分化度の高い肺腺癌に特徴的なCT所見としてあてはまらないものを1つ選べ。
a. 胸膜陥入像 b. すりガラス状陰影 c. 血管の巻き込み像
d. 結節内部の気管支拡張像 e. 結節周囲の散布巣

〈解答〉e

7.聴診所見で過った組み合わせを1つ選べ。
a. 細菌性肺炎 coarse crackle b. 間質性肺炎 fine crackle
c. 中枢気道狭窄 吸気時のwheeze d. 重症の気管支喘息 低波長のwheeze
e. 胸膜炎 friction rub

〈解答〉c

8.肺動脈血栓塞栓症の診断について正しいものはどれか。
1. 胸痛を伴わない喀血をきたす。
2. 高二酸化炭素血症を伴う低酸素血症を呈する。
3. 心電図上、右軸偏位が認められる。
4. 肺動脈造影で血管内造影欠損が認められる。
5. 肺換気血流スキャンで換気血流のmatched defectが見られる。
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

〈解答〉d or e? 〈解答〉1× 胸痛を伴う 2× 二酸化炭素も下がる 3 4 5○

9.閉塞性睡眠時無呼吸症候群で見られるのはどれか。
1. 日中の傾眠傾向 2. 睡眠中の痙攣発作 3. 睡眠中の著明な血圧変動 4. いびき
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

〈解答〉1 4

10. 気管支喘息について正しいものを2つ選べ。
a. 発症はIV型アレルギーによる。
b. ペット動物の毛垢、羽毛はアレルゲンとなる。
c. 気管支粘膜に好酸球浸潤を伴う炎症がある。
d. β受容体遮断薬の使用により1秒量は増加する。
e. アレルゲン負荷試験は禁忌である。

〈解答〉b c

11.COPDについて正しいものを2つ選べ。
a. 罹患患者数は現在減少傾向にある。 b. 遺伝性要因は関連しない。
c. 残気量は増加する。 d. 胸腔内圧は低下する。 e. 呼気時間は短くなる。

〈解答〉c d

12.COPDの治療について正しいものを2つ選べ。
a. 呼吸リハビリテーションは肺機能を改善し予後が延長する。
b. 発症後の禁煙は病気の進行に影響しない。
c. 吸入ステロイド薬は禁忌である。
d. 吸入抗コリン/β受容体刺激薬/キサンチン誘導体など併用は症状改善に効果がある。
e. 適切な在宅酸素療法は予後を改善する。

〈解答〉a e

13.肺機能検査上、閉塞性換気障害を呈する疾患を2つ選べ。
a. 特発性間質性肺炎 b. アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
c. びまん性汎細気管支炎 d. 肺胞微石症 e. 睡眠時無呼吸症候群

〈解答〉b c

14.気管支喘息のステロイド吸入療法について正しいものを1つ選べ。
a. 主な副作用は糖尿病である。
b. 1日800μg以上長期投与してはならない。
c. スペーサーを用いると薬物の効果は低下する。
d. 急性発作の治療には無効である。
e. 発作の頻度は減少するが、気道過敏性は改善しない。

〈解答〉d

15.ARDS(急性呼吸窮迫症候群)に関する正しいものを選べ。
1. 肺のコンプライアンスは小さい。
2. Kerley's B lineは肺胞性肺水腫の所見である。
3. 肺には直接障害が加わった場合にのみひき起こされる。
4. 死因は肺障害よりも多臓器不全によることが多い。
5. 人工換気が肺障害や炎症を増悪することがあり、換気量を小さめにする傾向にある。
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉c

16.吐血と比較した場合の喀血の特徴で誤りを1つ選べ。
a. 吐血では鮮紅色の出血が特徴的 b. 喀血では泡沫状の出血が特徴的
c. 喀血ではpHが高い d. 喀血は咳嗽とともに出る。 e.喀血の主要死因は失血死である。

〈解答〉a ただし、eは窒息が主な原因では?

17.非定型病原菌による肺炎の特徴はどれか。
1. 好中球優位 2. 高齢者に多い 3. 家族内発生が見られる
4. 理学所見に乏しい 5. 基礎疾患を伴うことが多い。
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

〈解答〉d

18.結核の診断について正しいものを選べ。
1. ツ反強陽性なら活動性肺結核と診断する。
2. 結核性胸膜炎ではADA(アデノシンデアミネース)が上昇する。
3. 病理学的には乾酪性肉芽腫を認める。
4. 最も鋭敏な検査法はPCR法である。
5. 塗抹検査で抗酸菌陽性なら結核と診断する。
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

〈解答〉c

19.40才の女性が肺炎を生じた。膿性の喀痰を伴っている。喀痰グラム染色をしたところ、青紫色の双球菌の好中球貪食像が認められた。以下の細菌でもっとも原因菌として考えられるものはどれか。
a. Streptococcus pneumoniae b. Legionella pneumophila
c. Psuedomonas aeruginosa d. Mycoplasma pneumoniae
e. Haemophilus influenzae

〈解答〉a 〈解説〉肺炎双球菌

20.肺結核の初期治療に通常使用されない薬剤はどれか。1つ選べ。
a. イソジアニド(INH) b. リファンピシン(RFP) c. エサンブトール(EB)
d. ピラジナマイド(PZA) e. サイクロセリン(CS)

〈解答〉e

21.免疫抑制状態にある患者が、乾性咳、発熱とともに呼吸困難を訴え、胸部X線所見ではびまん性スリガラス陰影を呈した。以下の原因菌でもっとも考慮が必要なものはどれか。
a. Streptococcus pneumoniae b. Legionella pneumophila
c. Pseudomonas aeruginosa d. Pneumocystis carinii
e. Aspergillus fumigatus

〈解答〉d

22.空気(飛沫核)感染を生じる呼吸器感染症の原因微生物を1つ選べ。
a. Mycobacterium tuberculosis b. Mycoplasma pneumoniae
c. Influenza virus e. Streptococcus pneumoniae e.MRSA

〈解答〉a

23.次のうち間質性肺炎の所見として誤りを1つ選べ。
a. 肺機能上拘束性障害を示すことが多い。
b. 呼吸音では断続性ラ音を聴取することが多い。
c. 乾性咳嗽を主症状とすることが多い。
d. 胸部レントゲン写真上気管支透瞭像を認めることが多い。
e. ばち指を認めることがある。

〈解答〉d

24.気管支肺胞洗浄液(BALF)について正しい答えを選べ。
1. 通常のBALFの細胞成分は肺胞マクロファージがほぼ90%を占める。
2. 夏型過敏性肺臓炎はBALF中のリンパ球数が増加する。
3. 夏型過敏性肺臓炎はBALF中のCD4/CD8比が増加する。
4. サルコイドーシスはBALF中のCD4/CD8比が低下する。
5. 粟粒結核の診断にはBALが有用である。
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

〈解答〉a

25.次のうちサルコイドーシスの所見として正しいものを1つ選べ。
a. 両側肺門リンパ節腫脹のある患者はステロイド剤内服の適応である。
b. 眼、肺、皮膚の順に病変の出現頻度が高い。
c. 肺胞洗浄液中のリンパ球分画が増加する。
d. 生検組織では乾酪性肉芽腫を認める。
e. 血清ACE値が低下する。

〈解答〉c

26.次のうち薬剤性肺炎について正しいものを1つ選べ。
a. 漢方薬は薬剤性肺炎を起こさない。
b. 抗癌剤による薬剤性肺炎にはアレルギーの関与はない。
c. 原因薬剤のDLST(リンパ球刺激試験)は陽性率80-90%と鋭敏な検査である。
d. 乾性咳嗽や発熱を一般的には伴わない。
e. 一般細菌性肺炎と鑑別が困難なことがある。

〈解答〉e

27.症例は75才、男性。1週間以上続く頭痛と食欲低下を主訴に近医を受診し、胸部X線写真にて左肺門部の腫瘤影を指摘され、血液検査では血清Ca値の増加が認められた。入院後、気管支鏡検査を行ったところ肺腫瘤部より扁平上皮癌細胞が検出され、原発性肺癌と診断された。全身精査の結果、頭部MRI検査にて計3箇所の脳転移巣が認められ頭痛の責任病巣と考えられた。また腹部CT検査では2カ所の肝転移巣が認められたが肝機能に異常はなく全身状態もPS1と比較的良好であった。
問題1)高Ca血症と関連の深い腫瘍産生物質を以下から1つ選べ。
 a. ACTH b. ADH c. PTHrP d. G-CSF e. Pro-GRP

問題2)この組織型の肺癌と関連の深い腫瘍マーカーを以下から1つ選べ。
 a. CEA b. CYFRA c. PSA d. CA19-9 e. NSE

問題3)この症例の治療方針として正しい組み合わせを1つ選べ。
1. 患者が希望しても高齢なので抗癌剤は使用すべきでない。
2. 臓器機能が保たれていれば抗癌剤の全身投与を行ってもよい。
3. 原発巣のみは外科的に切除した方がよい。
4. 脳転移巣に対して放射線治療を行った方がよい。
5. 全ての病巣に放射線療法を行った方がよい。
a.1,2 b.1,5 c.2,3 d.3,4 e.4,5

〈解答〉問題1:c 問題2:b 問題3:c or d?(2と4の組み合わせではないのか?)

28.症例は67才、男性。主訴:咳嗽、発熱、呼吸困難。
既往歴:特記事項なし、職歴:酪農業、生活歴:喫煙10本/日×40年
現病歴:元来健康であったが、飼料となるほし草を使用して以来、上記症状が出現。次第に増強してきたので近医を受診し、気管支拡張剤、抗生物質の投与を受けたが改善せず、当科が以来に紹介受診となった。胸部X線写真及び胸部CTでは、小葉中心性の淡い粒状影を呈したが、入院後自然消退している。
問題1)入院時呼吸機能検査上の所見はどれか。
1. 全肺気量の上昇 2. 肺活量低下 3. 1秒率正常
4. 拡産能低下 5. 気道抵抗の低下
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5
問題2)次に行うべき検査としてふさわしいものはどれか。
1. リンパ球刺激試験 2. 気管支肺胞洗浄(BAL) 3. 経気管支肺生検(TBLB)
4. 外泊試験 5. 気道過敏性試験
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

〈解答〉問題1:d 問題2:d

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