免疫学 平成10年度本試験

1.免疫システムにおける生体防御での3つの条件とは何か。また、MHCはそれぞれにどう関わるか。
出題の意図がよくわかりませんでした。
・多様性…抗原提示においてMHCクラスUが必要。
・自己反応性除去…胸腺で自己反応性のあるT細胞はネガティブセレクションによって、除去される。
・免疫応答の制御…抗原提示、サイトカインネットワーク、クラススイッチ(?)


2.CD8CTLの抗原認識と標的細胞障害の機序について述べなさい。
ウイルス感染細胞に発現しているMHCには、ウイルス由来のペプチドが収容されているので、CTL(Tc)はこれを認識して細胞傷害を行う。CTLが放出する顆粒にはパーフォリンとグランザイムがふくまれている。パーフォリンは細胞膜に穴をあけ、グランザイムはアポトーシスを誘導する。また、FasLを発現し、標的細胞のFasに結合させアポトーシスを誘導する。


3.胸腺でのTcellの分化を次の語句を用いて論ぜよ。
(CD8 CD4 TCR ポジティブセレクション ネガティブセレクション ヘルパーTcell キラーTcell MHC classT MHC lassU)
骨髄から胸腺へ移ったT細胞はプロT細胞、プレT細胞、未熟T細胞、と分化し再構成反応を終え、CD4、CD8を発現する。(ダブルポジティブ)ポジティブセレクションではダブルポジティブ細胞のうちMHCと特異的なT細胞のみが生き残り、他はアポトーシスする。この時MHC classTと結合したものはCD8を持つCTL(キラーTcell)となり、classUと結合したものはCD4を持つヘルバーTcellとなる。
ネガティブセレクションでは自己抗原と反応するT細胞がアポトーシスする。


4.(1)クラススイッチが可変領域ではなく定常領域で起こるのはなぜなのかを考察しなさい。また、クラススイッチの分子的機序を図示して簡単に説明しなさい。
抗原刺激がリンパ節に伝わると、クラススイッチおよび親和性の成熟が起こる。(B細胞の増殖・活性化と体細胞超突然変異による淘汰)その結果、標的抗原に特異的な抗体が選択されるが、もしクラススイッチが可変領域におこると、クラススイッチによって標的抗原との特異性が失われてしまう。よってクラススイッチは定常領域におこらねばならない。
分子機序…抗体の定常領域遺伝子にはμ鎖、δ鎖、γ鎖、ε鎖、α鎖をコードした五つの遺伝子がある。各遺伝子の前にはS領域(switch region)がある。この部分が結合しあうことでクラススイッチは起こる。たとえばSμとSγがくっつくとIgGが産生されるようになる。


(2)サイトカインを3つ挙げ、その生物学的活性について述べなさい。
勝手に分類してます
ヘルパーT細胞系
Th1産生(細胞性免疫)IFNγ…H11の4参照。TNFβ…マクロファージ活性化
IL2…T細胞増殖、Tc活性化、NK細胞活性化。
Th2産生(液性免疫)IL4…平成11年度大問4−(2)参照。IL10…Th1への分化抑制。IL5、IL6

炎症性サイトカイン(Mφなど)IL1 IL6…リンパ球活性化、抗体産生、補体系活性化 IL8…白血球遊走
IL12…Th1分化、NK細胞活性化 TNFα…血管内皮細胞活性化、血管の透過性上昇

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