寄生虫学 平成15年度 追試験

平成15年度寄生虫学追試験(120分)
平成16年3月実施
試験は問題用紙と解答用紙が一緒。B4で2枚。
(1枚目)
T.次の各文は土壌伝播性線虫について述べたものである。該当する線虫の和名を下の語群から選びその記号を記せ。(15点)

1.熱帯地方に多いが、温帯地方にもみられる。野菜などに付着した感染幼虫を経口摂取することにより感染するが、足などから経皮的にも感染する。目本でかつて若菜病と呼ばれていたものはこの線虫の感染が原因である。( )

2.温暖で湿潤な地域を中心に全世界に広く分布し、約14億人の感染者(WHO)がいる。幼虫包蔵卵を経口摂取して感染する。成虫は20−30cmの大型の線虫で、小腸に寄生している。虫卵は特有のたんぱく膜を持っている。( )

3.世界の熱帯・温帯にみられる。成虫は3−5cmであるが、その形は体前部が細長く後部は太くなって鞭のようである。主として盲腸周辺に寄生しており、虫卵は特徴的なレモン型をしている。( )

4・日本で発見された線虫で東アジアに多い。虫卵の形態が鉤虫に似ているが鉤虫卵より細胞分裂が進んでいる。成虫は数ミリと小型で非常に細い。小腸に寄生し腹痛、下痢、貧血などを起こす。( )

5.熱帯・亜熱帯に広くみられ、日本では沖縄地方に多くみられる。生活史は寄生世代と自由生活世代に分かれ、幼虫は直接発育をするものと間接発育をするものがあり、複雑である。もっぱら経皮的に感染し、免疫力が弱っている場合は重篤化することがある。( )

a鞭虫、b鉤虫、c糞線虫、d回虫、e東洋毛様線虫


U.次の文章は吸虫類についての記述である。( )内に入る語句を下の語群から選びその記号を記せ。同じ語を複数回使っても良い。(24点)

吸虫類は扁形動物門に含まれ、前端部表面の口の開口部に( )、腹面に( )を持ち、これらが吸虫という名の由来にもなっている。また排泄系の細胞として( )をもつのが本類や条虫類の特徴である。住血吸虫類を除いて雌雄( )である。生活史においては一般に2個の中間宿主を必要とし、第1中間宿主は( )*類であるが、第2中間宿主は( )、( )などである。虫卵内に最初にできる幼虫は( )と言い、これが第1中間宿主に侵入する。この幼虫は第1中間宿主体内で成長、増殖し、多くの場合水中に遊出してくる。これを( )*と言う。これが水中を泳いで第2中間宿主に侵入し、その体内で被嚢したものが( )*で、これが主として経口的にヒトに感染する。しかし住血吸虫はここでも例外的で( )個の中間宿主しかとらず、ヒトヘの感染型幼虫は( )*で、ヒトが水中に入っているときなどに( )*的に感染する。寄生虫病としての吸虫類は住血吸虫類が世界的に最も重要で、アジアにおいては( )*、アフリカや南米では( )、( )による住血吸虫症が依然としてみられる。その主な病理像は寄生部位や各種臓器における血行性による( )*の栓塞で、これら臓器の癌発生率の増加が疫学的に指摘されている。

aマンソン住血吸虫、b日本住血吸虫、cビルハルツ住血吸虫、dセルカリア、e魚類、f経皮、g経口、h口吸盤、iメタセルカリア、j腹吸盤、k炎(焔)細胞、m虫卵、n成虫、o貝、pミラシジウム、r甲殻類、s異体、t同体、u1、w3


(2枚目)
V.次の問いに簡単に答えよ。(48点)
1a.赤痢アメーバ患者の下痢便と有形便では出てくる虫体の型(栄養型と嚢子型)が異なる。栄養型は主としてどちらの便中にみられるか。

b.どちらの型が感染型であるか。

2a.ニューモシスチスカリニはエイズ患者などにみられるが、通常の状態ではヒトはほとんど発症しない。どのような状態のヒトが発症しやすいか。

b.このような感染を一般に何と言うか。

3a.北海道でみられる多包虫症において、本虫の最も重要な固有宿主(終宿主)を1つ記せ。

b.ヒトはどのようにして多包虫に感染するか。

4a有鉤条虫の虫卵をヒトが摂取すると体内で幼虫になり各種臓器、組織に寄生する。この幼虫の名称(和名)を記せ。

b.この場合ヒトは生活史のどの段階に相当するか。

5a.日本海裂頭条虫(広節裂頭条虫)のヒトヘの感染源となる第2中間宿主(魚類)を1種和名で記せ。

b.その第2中間宿主が持っている幼虫の名称(裂頭条虫類一般に使われているカタカナ名)を記せ。

6a.バンクロフト糸状虫およびマレー糸状虫の成虫は主としてヒト体内のどの部位に寄生しているか。

b.バンクロフト糸状虫感染による慢性症状はいくつかあるが、そのうちの1つを記せ。


W.ヒト体内におけるマラリア原虫の生活史を説明せよ。答案用紙の裏に書いても良い。(13点)

もどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送