病理学 平成10年度追試験

病理病態学(1病理) どの問題も本試、他の年の問題などに類似のものがあるので解答省略。
1.滲出性炎症を病理学的に分類し、それぞれを説明せよ。(10点)

2.梗塞の発生機序と転帰について述べよ。(10点)

3.下記の事項を説明せよ。(各3点)
1)血管壁細胞に与える炎症性サイトカインの影響(effect of inflammatory cytokines on vascular wall cells)
2)自己免疫疾患の成立機序(pathogenesis of autoimmune diseases)
3)NO(nitrogen oxide)
4)白血球・血管内皮細胞接着の多段階モデル(multi-step model of leukocyte-endothelial cell adhesion)
5)乾性壊疽(dry gangrane)


形態機能病理学(2病理)
1.アポトーシスの特徴と生物界における役割について述べよ。(10点)
'Apoptosis'は'the programmed cell death'ともいわれる。生理的な刺激によって引き起こされるもので、細胞内ではエンドヌクレアーゼやプロテアーゼが産生され、クロマチン凝集やDNAの断片化が起こる。さらに細胞がapoptotic bodyを作って細分化され、マクロファージなどに貧食される。この現象は発生の段階で組織や臓器を形成するのに欠かせない。また免疫機構においては、自己反応性Tcellの死やcytotoxic Tcellによって引き起こされる死などがある。

2.癌腫(oarcinoma)と肉腫(sarcoma)を病理学的に比較して述べよ。(10点)
 前者は上皮性の悪性腫瘍を指し、後者は非上皮性の悪性腫瘍を指す。

3.次の事項について略述せよ。(各3点)
1)仕事肥大(作業肥大)
ある器官または臓器の一部が一時的に体積を増大させて機能の増大に応じるもので、妊娠中の子宮壁や乳房に見られる肥大、心臓弁膜症・高血圧の時の心肥大などがそれである。

2)de novo carcinoma
大腸癌・直腸癌の中で、大腸ポリープを経ないで発生するもの。

3)多段階発癌
主に発がんに関して数学的に導かれた考え方で、発がんに至るまでには様々な要因が関与しているという考え方である。

4)消化管アミロイドーシス
消化管にアミロイドタンパクが沈着するものであるが、全身性アミロイドーシスでは、消化管は食道から直腸までいずれにもアミロイドが沈着し(特に十二指腸でかなりの頻度で見られる)、微量のものを含めるとほぼ全例に認められる。粘膜固有層への沈着はAAタンパクが多く、吸収が悪くなるので下痢になりやすい。固有筋層に多量に沈着するのはALタンパクが多く、消化管の動きが悪くなるので便秘になりやすい。

5)消耗性萎縮
悪性腫瘍や飢餓によって栄養状態が悪くなると、全身的に脂肪や骨格筋が萎縮して体重が減ってくるものをいう。

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