<古野先生>
1. 東南アジア、アフリカおよび南米が世界的な流行地域である感染症はどれか。
a マラリア b ペスト c 赤痢 d 黄熱 e ポリオ
<解答>a
a:〇本文のとおり
b:×常在地は東南アジア、アフリカ、南米などだが、「世界的な流行地域」というのに合わない
c:×東南アジアや熱帯地方が主
d:×アフリカ・中南米で見られ、ネッタイシマカによって伝播されるが、やはり「世界的な流行」ではない
e:×インドやバングラデッシュを中心に流行
2. 定期予防接種の対象でないのはどれか。
a 水痘 b 破傷風 c 風疹 d ポリオ e 麻疹
<解答>a.
予防接種法の定める定期接種の対象疾患は、H6年の改正法で百日咳、ジフテリア、破傷風、急性灰白髄炎(ポリオ)、麻疹、風疹、日本脳炎の7疾患とされ、さらにH13年の改正法でこの7疾患を定期1類疾病予防接種とし、インフルエンザが定期2類疾病予防接種と位置づけられた。
a:〇
b:×
c:×
d:×
e:×
3. 節足動物の媒介感染によるのはどれか。
(1)Lyme病
(2)フィラリア症
(3)ノカルジア症
(4)レプトスピラ症
(5)トキソプラズマ症
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>a.
(1)〇マダニによって媒介される
(2)〇アカイエカなどの蚊が媒介する
(3)×媒介生物はいない
(4)×ネズミにより媒介される
(5)×ネコが宿主で、ヒトからヒトへ感染する
4. 結核予防法に基づく結核の定期健康診断について正しいのはどれか。
(1)就学前の者には4歳に達するまでにツベルクリン反応検査を1回行う。
(2)7歳および14歳に達する年にエックス線間接撮影を行う。
(3)小学生のツベルクリン反応疑陽性者はBCG接種を行う。
(4)中学生1年生のツベルクリン反応弱陽性者にはエックス線間接撮影を行う。
(5)15歳以上の者にはツベルクリン反応検査は行わない。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>b
(1)〇
(2)×小学校1年生と中学校1年生時にツベルクリン反応を行い、強陽性を呈した場合にのみ胸部エッ クス線直接撮影を行う
(3)×陰性の場合のみ行う(偽陽性:健常者であるのに検査の結果、陽性を示す場合、疑陽性:検査において陽性に近い反応を示すこと)
(4)×強陽性を示した場合に行う。またエックス線間接撮影ではなく、直接撮影
(5)〇
5. わが国の結核について、正しいのはどれか。
(1)罹患率は先進国の中で高率である。
(2)年間の結核罹患数は肺がん死亡数より多い。
(3)死亡率は東日本より西日本で高率である。
(4)年齢5-9歳以降、罹患率は年齢とともに増加する。
a (1),(3),(4)のみ b (1),(2)のみ c (2),(3)のみ d (4)のみ e (1)〜(4)のすべて
<解答>a
(1)〇
(2)×肺がんの年間死亡者数は約5万3千人(H12)、一方結核罹患者数は約4万人(H12)
(3)〇
(4)〇
6. 感染症について適切なのはどれか。
(1)集団免疫度が高い場合には罹患率も高い。
(2)致命率の高い疾病は治癒後も重篤な後遺症を残す。
(3)食物流行の致命率は水系流行のそれより低い。
(4)致命率は疾病の種類によりほぼ一定している。
a (1),(3),(4)のみ b (1),(2)のみ c (2),(3)のみ d (4)のみ e (1)〜(4)のすべて
<解答>d
(1)×当然罹患率は低いでしょう
(2)×後遺症の程度とは比例しない
(3)×重篤で致命率が高い
(4)〇潜伏期も疾病の種類によりほぼ一定している
7. 正しいのはどれか。
(1)一類感染症の医療費は全額公費負担である。
(2)コレラ疑似症は届け出る必要はない。
(3)日本脳炎は医師が7日以内に保険所長に届け出る。
(4)性器クラミジア感染症は定点医療機関の管理者が翌月初日に知事に届け出る。
(5)一類、二類感染症では知事の勧告による7日間の応急入院の制度が設けられている。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>d
(1)×医療保険により、残額(自己負担)に関しては入院のみ公費負担適用
(2)×二類感染症を診断した場合、届出義務が生じるが、疑似症患者と無症状病原体保有者に関しては政府の定める疾患(現時点ではコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスの4疾患)についてだけ届出義務がある。
(3)〇
(4)〇
(5)×
8. 保菌者の届出が必要なのはどれか。
(1)ラッサ熱
(2)アメーバ赤痢
(3)細菌性赤痢
(4)梅毒
a (1),(3),(4)のみ b (1),(2)のみ c (2),(3)のみ d (4)のみ e (1)〜(4)のすべて
<解答>a
(1)〇一類感染症で、保菌者の届出が必要
(2)×四類感染症で届け出なくてもよい
(3)〇二類感染症の中ではコレラ、細菌性赤痢、腸チフス、パラチフスの4疾患についてだけ届出義務が生じる
(4)〇
9. 正しいのはどれか。
(1)妊娠の届出は都道府県知事に行う。
(2)低体重児が出生した場合、医師は保健所に届け出なければならない。
(3)神経芽細胞腫のマススクリーニングは新生児期に実施する。
(4)1歳6ヶ月児健康診査は市町村が実施する。
(5)3歳児健康診査の精神発達面の精密検査は児童相談所で行われる。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>e.
(1)×都道府県知事→市町村長
(2)×医師→保護者
(3)×新生時期→乳児期
(4)〇
(5)〇
10. 正しいのはどれか。
a 人工妊娠中絶は厚生大臣が指定した医師のみが行う。
b 人工妊娠中絶には配偶者の同意は必要でない。
c 妊娠第4月以後で死児を出産した場合、死産届が必要である。
d 出生の届出は、出生後10日以内にしなければならない。
e 産後4週間を経過すれば女子を就業させてよい。
<解答>c
a.×厚生大臣→都道府県医師会
b.×必要でない→必要
c.〇
d.×「戸籍法」により出生後14日以内に市町区村長に届出をしないといけない
e.×?
11. 老人保健法による保健事業はどれか。
(1)医療計画
(2)市町村保健センターの設置
(3)健康教育
(4)健康診査
(5)健康手帳の交付
a (1),(2),(3) b (1),(2),(5) c (1),(4),(5) d (2),(3),(4) e (3),(4),(5)
<解答>e.
老人保健法の定める保健事業は7種類あり、健康手帳の交付、健康相談、健康診査、医療、機能訓練、訪問指導である。
(1)×
(2)×
(3)〇
(4)〇
(5)〇
12. 高齢者の保健医療福祉について正しいのはどれか。
(1)在宅介護支援センターは都道府県により設置される。
(2)介護特別養護老人ホームの管理者は医師である。
(3)介護老人保健施設は医療を直ちには必要としない虚弱老人を収容する。
(4)ケアハウスは軽費老人ホームの一種である。
(5)訪問看護ステーションはかかりつけ医の指示により看護を行う。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>e.
(1)×都道府県→市町村
(2)×特別養護老人ホームには常勤医師は不要
(3)〇?
(4)〇
(5)〇
13. 精神障害者の入退院について正しいのはどれか。
(1)措置入院には2名以上の精神保健指定医の診察結果の一致が必要である。
(2)精神保健指定医は知事が指定する。
(3)応急入院では本人の同意がなくても入院させることができる。
(4)任意入院の患者は本人の申出があれば退院させなければならない。
a (1),(3),(4)のみ b (1),(2)のみ c (2),(3)のみ d (4)のみ e (1)〜(4)のすべて
<解答>a.
(1)〇
(2)×知事→厚生労働大臣
(3)〇
(4)〇
14. 精神保健法による医療保護入院について正しいのはどれか。
(1)自傷他害のおそれのある場合が対象となる。
(2)保護者の同意が必要である。
(3)知事への届出が必要である。
(4)入院期間は72時間に限られる。
(5)退院には精神保健指定医の診察による許可が必要である。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>c
(1)×医療保護入院ではなく、緊急措置入院
(2)〇
(3)〇
(4)×医療保護入院ではなく、緊急措置入院
(5)×?
15. わが国の医療保障制度について正しいのはどれか。
(1)すべての医師は医療保険での診察を義務付けられている。
(2)組合管掌健康保険と国民健康保険とでは診療報酬点数が異なっている。
(3)国民健康保険では他の医療保険に比べて被保険者の年齢構成が高い。
(4)国民医療費は30兆円を超えている。
(5)老人医療費は国民医療費の約50%を占める。
a (1),(2) b (1),(5) c (2),(3) d (3),(4) e (4),(5)
<解答>d
(1)×
(2)×医療保険の種類にかかわらず、1点10円である
(3)〇
(4)〇
(5)×?
16. わが国の国民医療費で正しいのはどれか。
a 国民医療費の国民所得に対する割合は約20%である。
b 国民医療費の財源としては国庫負担が最も多い。
c 社会保障給付費の中で医療費が占める割合は年金給付額より大きい。
d 国民1人当たりの医療費は年間約40万円である。
e 65歳以上の一般診療医療費は全体の約50%である。
<解答>e.
a:×約7.98%(H12年度)
b:×保険料が約半分を占め、最も多い
c:×?
d:×年間約24万円(H12年度)
e.〇
17. わが国の医療施設について正しいのはどれか。
a 病院における一般病床の平均在院日数は40日を超える。
b 病院総数は1万を超えている。
c 一般診療所の病床数は減少傾向にある。
d 一般病院の病床数は増加傾向にある。
e 全病床数は約100万床である。
<解答>c.
a:×H12年の病院報告の集計によれば一般病床の平均在院日数は39.1日
b:×病院総数はH12年10月1日現在で9266施設で9年連続で漸減している
d:×一般病院の病床数はH12年10月1日現在全国に1647253床あり、前年に比べて0.1%減少している
e:×dの他、一般診療所の病床数も216755(H12年10月1日現在)あり、100万床を大きく上回っている
18. わが国の傷病大分類別医療費のうち最も多いのはどれか。
a 新生物
b 循環系の疾患
c 呼吸系の疾患
d 消化系の疾患
e 筋骨格系および結合組織の疾患
<解答>b.
傷病大分類別医療費のうち最も多くを占めるのは循環器系の疾患で、22.4%を占め、2位は新生物(10.8%)、3位は呼吸器系の疾患(8.3%)の順になっている。
19. 2ヶ月の乳児。出生体重2,930g。出生直後から心雑音を聴取。精密検査の結果Fallot四徴症で、乳児期の短絡手術およびその後の根治手術が必要と判断された。両親は自営業で、国民健康保険に加入しているが、手術に必要な医療費を心配している。
この患者に適切な公費医療はどれか。
a 養育医療 b 育成医療 c 更生医療 d 医療扶助 e 高額医療費
<解答>b?
養育医療:母子健康法第20条に基づき、都道府県、保険諸を設置する市、特別区が入院を必要とする未熟児に対して、その養育に必要な医療給付を行う制度
育成医療:児童福祉法第20条に基づき、都道府県が18歳未満の身体に障害のある児童に対し、生活の能力を得るために必要な医療の給付を行う制度
更生医療:身体障害者福祉法第19条に基づき、市町村が18歳以上の身体障害者に対し、更生(リハビリも含む)が必要であると認めるときに医療の給付を行う制度
20. わが国の医療で誤っているのはどれか。
a 国民皆保険制度である。
b 自由開業医制度である。
c 医療費の自己負担額は一律である。
d 人口当たりの病院数は英米に比べて多い。
e 平均在院日数は英米に比べて多い。
<解答>c
a:〇
b:〇
c:×自己負担率が最も高いのは国民健康保険(入院・外来とも3割負担)。被用者保険(政府管掌もこれに含まれる)は、本人は入院・外来とも2割負担で、家族は入院2割、外来3割負担
d:〇
e:〇
21. 誤っているのはどれか。
a 国際疾病分類(ICD)は世界保健機構(WHO)が定めている。
b 世界保健機構は発展途上国に対する国際保健協力を行う。
c 国際協力事業団(JICA)の国際保健協力は世界保健機関を通じて実施される。
d 国際労働機関(ILO)は労働者の健康保護について勧告を行う。
e 民間による国際保健協力として非政府機構(NGO)の果たす役割は大きい。
<解答>c.
a:〇
b:〇
c:×JICAは政府ベースの国際保健協力(技術協力、青年海外協力隊の派遣、資金協力、人材育成など)を行う機関だが、これらの事業は主に二国間で行われ、WHOとは直接関係ない。
d:〇
e:〇
<溝上先生>
1. 正しいものはどれか。
1) ヘルシンキ宣言はヒト以外の研究をも含む倫理規定を述べている。
2) 臨床研究を実施するにあたっては、ジュネーブ宣言が参考となる。
3) 医師の守秘義務の規定は医師法に明記されている。
4) 交通違反(赤キップ)をした場合、医師免許を受け取れないことがある。
a 1),3),4)のみ b 1),2)のみ c 2),3)のみ d 4)のみ e すべて
<解答>d
1) ×ヘルシンキ宣言:ヒトにおけるbiomedical(生物医学的)研究に携わる医師のための勧告
2) ×ジュネーブ宣言:医師のあるべき姿を宣誓したもの
3) ×守秘義務→刑法の秘密漏洩罪で規定
4) ○
2. 医師の行為として患者の承諾が必要でないのはどれか。ひとつ選べ。
a 患者の勤務先の産業医からの依頼で診療情報を提供する。
b 患者対照研究のため患者の血液を使用する。
c 新薬開発のため偽薬もしくは新薬のどちらかを投与する。
d 身元不明で意識不明の患者に対して救命手術を行う。
e 患者の病理組織標本を研究に用いる。
<解答>d
3. 診療録・診断書について正しいのはどれか。
1) 死亡診断書を自署したが、印鑑は押さなかった。
2) 診療中の患者が受診後36時間経って死亡したので死体検案書を交付した。
3) 勤務医であるため、病院の管理者に診療録の保管を任せた。
4) 死亡診断書は法的にヒトの死を証明するものではない。
5) 患者が死亡退院したため、診療録を家族に渡した。
a 1),2),3) b 1),2),5) c 1),4),5) d 2),3),4) e 3),4),5)
<解答>a
1)○医師本人の著名があれば押印は不要
2)○24時間以上経っているため
3)○
4)×人間の死を医学的、法律的に証明するもの
5)×診療録は5年間の保存が必要
4. 投薬に際し処方箋を交付しなくてもよいのはどれか。
1) 覚せい剤を投薬する場合
2) 患者が不要の申し出をした場合
3) 入院している患者に投薬する場合
4) 投薬の種類が決まっている長期入院患者
5) 主治医不在のため診察できない場合
a 1),2) b 1),5) c 2),3) d 3),4) e 4),5)
<解答>a
医師法に記載
5. 医師が法によって届出なければならないのはどれか。
1) 医療事故
2) 低体重児の出産
3) 後天性免疫不全症候群患者の性・年齢
4) 異状死体
5) 死産
a 1),2) b 1),5) c 2),3) d 3),4) e 4),5)
<解答>e
医師法に記載
6. 麻薬について正しいのはどれか。
1) モルヒネを紛失したため県知事に届け出た。
2) 麻薬の管理については薬事法で定められている。
3) 医師は麻薬施用者の免許を受けなくても麻薬を処方できる。
4) 患者が麻薬中毒患者であると診断したので警察署に届け出た。
5) 麻薬使用を記載した診療録は5年間の保管が義務付けられている。
a 1),2) b 1),5) c 2),3) d 3),4) e 4),5)
<解答>b
1)○
2)×薬事法→麻薬及び向精神薬取締法
3)×麻薬施用者の免許が必要
4)×警察署→都道府県知事
5)○
7. 死亡診断書の原病因が「病死」ではないのはどれか。ひとつ選べ。
a 肺癌患者が術後、院内感染で肺炎を起こし、呼吸不全にて死亡
b パーキンソン病患者が道路を横断中に転倒し、頭部外傷により死亡
c 脳梗塞を発症した2ヵ月後、誤嚥性肺炎にて死亡
d 心筋梗塞術後の患者が、病棟で口論していた最中に突然意識を消失し死亡
e 運転中、てんかん発作のため車が電柱に衝突し、頭蓋内出血で死亡
<解答>b or e?
8. 医療法の医療計画の策定に含まれる事項は何か。
1) 必要医師数の算定
2) 一次医療圏の設定
3) 休日診療、夜間診療等の救急医療の確保
4) 病院の機能を考慮した整備目標
5) 医療圏ごとの基準病床数
a 1),2),3) b 1),2),5) c 1),4),5) d 2),3),4) e 3),4),5)
<解答>e
9. 医療機関についての広告で許可されていないものはどれか。ひとつ選べ。
a 手術成績
b 医師の略歴
c 費用の支払い方法
d 訪問看護に関する事項
e カルテの開示ができること
<解答>a
10. 病院・診療所について正しい文章はどれか。
1) 九州大学医学部附属病院は地域医療支援病院である。
2) 診療所とは病床数10床未満の医療施設のことである。
3) 病院を増床する際には、知事への届け出のみでよい。
4) 医師が開設する診療所については知事への届け出のみでよい。
a 1),3),4)のみ b 1),2)のみ c 2),3)のみ d 4)のみ e すべて
<解答>d
1)×地域医療支援病院→特定機能病院
2)×10→20
3)×知事の許可を受けなければならない
4)○
11. 保健所の業務に含まれるものはどれか。
1) 人口動態統計
2) 母子保健手帳の交付
3) エイズや結核の相談や検査
4) 医療機関の監視
a 1),3),4)のみ b 1),2)のみ c 2),3)のみ d 4)のみ e すべて
<解答>e
12. 在宅医療について正しいのはどれか。
1) 介護者の支援を行う。
2) 在宅での癌の化学療法は医療保険の対象である。
3) インスリン自己注射は在宅医療の一種である。
4) 在宅訪問看護は医療保険で認められている。
a 1),3),4)のみ b 1),2)のみ c 2),3)のみ d 4)のみ e すべて
<解答>e
<清原先生>
人口と疾病の現状、栄養、食品衛生、学校保健の現状 清原
1 我が国の人口動向について正しいのはどれか。
(1)人口ピラミッドは「ひょうたん型」である。
(2)年少人口と老年人口はほぼ等しい。
(3)純再生産率は0.5を下回っている。
(4)老年人口指数は増加傾向にある。
(5)老人の単独世帯は増加している。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 c
2)×老年人口は年少人口より3.5%だけ多い。
3)×純再生産率は約0.65。
2 我が国の人口について正しいのはどれか。
(1)平成13年国勢調査の結果の総人口は1億200万人以上である。
(2)総人口は緩やかに増加している。
(3)人口再生産率からみて、将来人口は減少されることが予測される。
(4)生産年齢人口の割合は増加している。
(5)最近の合計特殊生産率は0.9前後である。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 a
4)×ほぼ横ばい
5)×約1.36(母の年齢別出生数/年齢別女子人口)
3 人口動態統計について正しいのはどれか。
(1)周産期死亡率は早期新生児死亡率より高い。
(2)死産比は死産率よりも低い。
(3)総再生産率は合計特殊生産率より高い。
(4)最近の我が国の0歳平均余命は1歳平均余命より短い。
(5)50歳の平均余命は49歳以下の死亡数が減少しても長くならない。
a.(1),(2) b.(2),(3) c.(3)(4)
d.(4),(5) e.(1),(5)
解答 e
1)○その通り。
2)×死産率≦死産比
4)×我が国では母子保健が優れており0歳平均余命>1歳平均余命
5)○x歳の平均余命=x歳以上の定常人口/x歳の生存数
4 我が国における最近の傷病状況について誤っているものはどれか。
(1)国民生活基礎調査による有訴者が最も低い年齢層は15〜24歳である。
(2)患者調査では、感染症の受療率は減少している。
(3)患者調査による年齢階級別入院受療率では、0歳児が最も高い。
(4)国民生活基礎調査では、「薬を飲んだり、つけたりしている」者のうち、売薬による治療の割合が最も高いのは呼吸器疾患である。
(5)患者調査による傷病別入院受療率では呼吸器疾患が第1位である。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 a
(1)○
(2)○
(5)×精神・行動障害が一位。
5 我が国で年齢調整死亡率が増加傾向にあるのはどれか。
(1)食道癌
(2)胃癌
(3)大腸癌
(4)肺癌
(5)子宮頸癌
a.(1),(2) b.(2),(3) c.(3)(4)
d.(4),(5) e.(1),(5)
解答 c
6 学校保健について正しいのはどれか。
(1)学校給食の目的は栄養素の補給のみではなく教育の一環と考えられている。
(2)学校医は水痘にかかった児童・生徒の出席を停止できる。
(3)小学校で被患率の最も多いのは鼻・咽頭炎である。
(4)学校管理下における児童・生徒の死因の第一位は突然死である。
(5)学校保健の対象には教職員も含まれる。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 c
(1)○
(2)×出席停止は校長の権限であって学校医のものではない。
(3)×う歯が一位、裸眼視力1.0未満が2位。
(4)○心臓系の突然死が多い。
(5)○
7 小・中学校の学校保健について誤りはどれか。
(1)児童・生徒の健康診断は入学直後に行う。
(2)教育委員会の学校保健技師は医師の資格が必要である。
(3)学校薬剤師が置かれている。
(4)児童・生徒の健康診断には寄生虫卵の検査が含まれる。
(5)校長は児童・生徒が伝染病にかかった時には学級を閉鎖できる。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 a
(1)×毎年行う。
(2)×学校における保健管理に関する専門的事項について学識経験がある者でなければならない。
(3)×すべての学校に必須ではない。
(4)○
(5)○
8 学校で行われている健康診断について誤っているのはどれか。
(1)児童・生徒・学生の健康診断は学校教育法に基づいて実施されている。
(2)定期健康診断の実施回数は就学時のほか2年に一回となっている。
(3)学校職員の健康診断は労働安全衛生法に基づいて実施されている。
(4)小学校就学時の健康診断項目には知能検査が含まれている。
(5)小学校就学時の健康診断項目には聴力検査が含まれている。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 a
(1)×学校保健法
(2)×毎年
(3)×学校保健法
(4)○ただし実施者は学校ではなく市町村の教育委員会。
(5)○
9 我が国における最近の食中毒の発生状況について正しいのはどれか。
(1)患者発生数は最近30年間にわたってほぼ横ばいである。
(2)月別の患者発生数では4月から6月にかけて多発している。
(3)年間死亡者数は増加している。
(4)原因物質が判明した事件数は50%を超える。
(5)原因物質が判明した事件数のうち細菌に起因するものは50%を超える。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(4),(5)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 c
(1)○
(2)×夏に好発。
(4)○事件数では95.9%。
(5)○サルモネラ、カンピロバクター、腸炎ビブリオだけで半数を超す。
10 我が国の食中毒についてただしいのはどれか。
(1)カンピロバクターは細菌性食中毒を起こす。
(2)死亡数の最も多いのは腸炎ビブリオである。
(3)ボツリヌス食中毒は食前の手洗いで予防できる。
(4)ブドウ球菌食中毒の治療には抗生物質が有効である。
(5)フグ中毒を診断した医師は保健所長に届け出る義務がある。
a.(1),(2) b.(2),(3) c.(3)(4)
d.(4),(5) e.(1),(5)
解答 e
(1)○
(2)×死亡率の最も高いのはフグ中毒(自然毒)、ボツリヌス中毒(細菌毒)による食中毒である。
(3)×ボツリヌス菌食中毒は耐熱性の外毒素による食中毒。
(4)×ぶどう球菌食中毒はエンテロトキシンによる食中毒で抗生物質は無効。
(5)○フグ中毒を診断した医師は保健所長に届け出る義務がある。
11 国民栄養の現状について誤っているものはどれか。
(1)動物性蛋白質の摂取量は増加している。
(2)脂肪エネルギー比率は年々増加している。
(3)動物性脂肪と植物性脂肪の比率はほぼ1である。
(4)1人1日当たりの食塩摂取量は約20gである。
(5)米類、砂糖類及び菓子類の摂取量は以前と変わらない。
a.(1),(2) b.(2),(3) c.(3)(4)
d.(4),(5) e.(1),(5)
解答 d
(1)○
(2)○
(3)○理想は1:2
(4)×12.3g
12 次のうち正しいのはどれか。
(1)我が国の栄養所要量は生理的最低必要量に安全量を加算したもの。
(2)成人男子の蛋白質所要量は2g/kg/日として策定される。
(3)我が国の1人1日の食塩摂取量は10gを超えている。
(4)皮下脂肪厚の計測は栄養状態評価の指標になる。
(5)ビタミンDとナイアシンについては栄養所要量が定められていない。
a.(1),(2),(3) b.(1),(2),(5) c(1),(3),(4)
d.(2),(3),(4) e.(3),(4),(5)
解答 c?
(1)○栄養必要量+標準偏差の2倍
(2)×生活強度V(適度)の成人男子で約1.1g/kg。
(3)○12.3g
(4)?
(5)×定められている。
<徳永先生>
「公衆衛生学」疫学方法の総括 試験問題 徳永
1)2000人の集団を敏感度95%のスクリニーング法で検査したところ、700人が陽性であり、さらにこの700人を精密検査し380人の患者を発見した。
このスクリーニング法の特異度はどれか。
a.80% b.70% c.60% d.50% e.40%
解答 a
感度95%なので偽陰性が20人、病気がある人が400人なのでない人は1600人。病気がなく検査陰性の人は1280人。よって特異度は1280/1600=0.8
2)ある疾病の有病率が10%である1000人の集団を対象に、その疾病に対するスクリニーングを実施し、次のような四分表を得た。
スクリーニング陽性 | スクリーニング陰性 | 合計 | |
疾病あり | 90 | 10 | 100 |
疾病なし | 180 | 720 | 900 |
合計 | 270 | 730 | 1000 |
正しいのはどれか。
(1)このテストの陽性反応的中率は約33%である。
(2)このテストの敏感度は約80%である。
(3)このテストの特異度は約90%である。
(4)同じ疾病について、有病率20%の集団(1000人)に同じテストを行うと、偽陰性の数は増加する。
(5)有病率5%の集団で同じテストを行うと、その集団の方が陽性反応的中率は高い。
a.(1),(2) b.(3),(4) c.(2),(5)
d.(1),(4) e.(1),(2),(5)
解答 d
(1)○90/270=0.33
(2)×90/100=0.9
(3)×720/900=0.8
(4)○20人
(5)×低い。45/235
3)ROC曲線を作成するにあたって必要がないものはどれか。
(1)カットオフ値(判定基準)
(2)敏感度
(3)有病率
(4)特異度
(5)陽性反応的中率
a.(1),(2) b.(1),(3) c.(1),(5)
d.(3),(5) e.(4),(5)
解答 d?
感度と疑陽性率(1-特異度)は必要。
4)コホート研究について正しいのはどれか。
(1)一般に前向き研究として行われる。
(2)寄与危険度を推定する事ができない。
(3)一般に患者対照研究にくらべて少ない時間と経費で稀な疾患を研究できる。
(4)一般に患者対照研究にくらべて時間と経費がかかる。
a.(1),(2),(4) b.(1),(2)のみ c.(2),(3)のみ
d.(4)のみ e.(1),(4)のみ
解答 e
(1)○原則として前向き(将来に向かって追跡)
(2)×患者対照研究ではできない。
(3)×
(4)○
5)次の表から間接法により求めた観察集団の標準化死亡比(%)はどれか。
標準集団 | 観察集団 | ||||
年齢階級 | 人口 | 死亡数 | 死亡数/人口 | 人口 | 死亡数 |
0〜14 | 500 | 10 | 0.02 | 400 | 17 |
14〜64 | 400 | 4 | 0.01 | 300 | 4 |
65歳以上 | 100 | 8 | 0.08 | 300 | 49 |
計 | 1000 | 22 | 1000 | 70 |
a.318 b.200 c.159 d.63 e.50
解答 b
標準集団の年齢別死亡率より観察集団の期待死亡数は400×0.02+300×0.01+300×0.08=35.よって標準化死亡比は70/35=2.0
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