アレルギー 平成14年度概説試験

1.次の事項と最も関連の深い語句を下の語群から選び、(  )の中に記号で答えなさい。
(4.28 長澤先生)

  1. 炎症性サイトカイン ( j )     2. ヘルパーT細胞  ( f )
  3. HLA-B27 ( e )      4. Fas  ( b )
  5. C5a ( h ) 6. ICAM-1  ( k )

  a. 共刺激因子   b. アポトーシス  c. IL-10       d.CD8
  e. 強直性脊椎炎  f. CD4       g. prostaglandin  h. 走化性因子
  i. SLE       j. TNF-α      k. 接着因子     l. 自己抗体

2. 膠原病の概念について以下の記述をうめよ。(5.17 堀内先生)

 1942年、アメリカの病理学者である( 1 )は膠原病の概念をJournal of American Medical Association(JAMA)に発表した。この中で膠原病に共通する特徴として病変がここの臓器ではなく、( 2 )に存在することを強調し、この概念は50年あまりを経た現在も広く受け入れられている。その後、彼は1950年にThe concept of collagen diseaseという論文で、( 3 ), ( 4 ), ( 5 ), ( 6 ), ( 7 ), ( 8 )の六つの疾患を膠原病に含めた。このように膠原病は本来は形態学的観点より提唱された概念であるが、その後膠原病は臨床免疫学的にさまざまな( 9 )が出現する症候群であることが明らかにされた。したがって膠原病は臨床免疫学的には( 10 )疾患ということができるが、一方共通の症状として関節痛、筋肉痛などを伴うことが多く、( 11 )疾患とも呼ぶことができる。
 膠原病は( 12 )と( 13 )が発症に関与する多因子疾患と考えられており、少しずつその病因が解明されつつある。これらの知見により、従来の非特異的な免疫療法からより特異的な療法へと治療法が進歩しており、たとえば( 14 )などが最近では施行できるようになった。

<解答>
(1) Paul Klemperer (2) 結合組織 (3) RA (4) SLE (5) SSc (6) DM (7) PN (8) RF (9) 自己抗体 (10) 自己免疫 (11) リウマチ性 (12) 遺伝要因 (13) 環境要因 (14) 自己造血幹細胞移植?

3. 全身性エリテマトーデスの診断には、アメリカリウマチ学会の1982年分類基準が用いられて
きたが、1997年にその一部が改訂された。(5.24)

 (1) 全(  )項目のうち、(  )項目以上が陽性のとき、SLEと診断される。 …答:11、4

 (2) 以下の項目のうち、診断基準に含まれるものを選べ。 …答:@BDFIL
   @蝶形紅斑 A爪の変形 B日光過敏症 C皮膚潰瘍 D精神障害 E白血球増加
   F抗核抗体高値 G筋力低下 H発熱 I溶血性貧血 Jリンパ節腫脹 
   Kソーセージ様手指 L抗Sm抗体 M抗RNP抗体 Nフェリチン高値        

 (3) 1997年の改訂では(   )が削除され、( )抗体陽性の知見が新たに加えられた。
…答:LE細胞陽性、抗リン脂質

4. 以下で正しい組み合わせは○、間違いには×をつけよ。(5.24と5.31)
 1) 強皮症; 食道拡張     ○
 2) CREST症候群; ぶどう膜炎     ×
 3) 皮膚筋炎; ゴッドロン徴候     ○
 4) シェーグレン症候群; 静脈血栓症    ×
 5) ベーチェット病; 結節性紅班      ○
 6) 補体C1欠損症; 全身性エリテマトーデス ○    
 7) 混合性結合組織病; 抗SS-A抗体陽性   ×
 8) 成人スチル病; 抗核抗体陽性     ×

<解説>
2) SScの亜型。
Calcinosis(石灰化)、Raynaud現象、Esophageal dysfunction(食道ぜん動低下)、
Sclerodactylia(強指症)、Telangiectasia(毛細血管拡張)。
4) Behcet病など。
7) シェーグレン症候群。

5. 正しいものを選びなさい。(5.18 塚本先生)
(1) 補体の活性化経路は2経路ある。
(2) ベーチェット病やライター症候群ではHLA検査が有用である。
(3) SLEにおいてCRPは疾患活動性の把握には不適である。
(4) 悪性関節リウマチでは血清補体価は上昇する。
 a. (1)(3)(4) b. (1)(2) c. (2)(3) d. (4) e.すべて     答 c

<解説>
(1) 3つ。
(4) 低下。

6. 正しい組み合わせを選びなさい。
(1) 蛍光抗体法による抗核抗体のパターンが辺縁形のときは二本鎖DNA抗体陽性のことが多い。
(2) ループス腎炎WHO分類V型はびまん性増殖性糸球体腎炎である。
(3) 抗セントロメア抗体が陽性となるのは全身性硬化症である。
(4) ループスアンチコアグラント陽性のときはAPTTが延長する。 
 a. (1)(3)(4) b. (1)(2) c. (2)(3) d. (4) e.すべて     答 a

<解説>
(2) 膜性糸球体腎炎。

7. 正しい組み合わせを選びなさい。(5.25)
(1) 巨細胞性血管炎は中血管の血管炎に分類される。
(2) P-ANCAでは細胞の辺縁が染まる。
(3) 高安動脈炎では動脈の中膜内層から内膜にかけての繊維化が認められる。
(4) 結節性多発動脈炎では腹部大動脈分枝の血管造影が診断に有用である。
 a. (1)(3)(4) b. (1)(2) c. (2)(3) d. (4) e.すべて     答 d

<解説>
(1) 大血管。
(2) perinuclear。
(3) 中膜外層?

8. 正しい組み合わせを選びなさい。
(1) 顕微鏡的多発血管炎は若年女性に好発する。
(2) 結節性多発動脈炎はone shot diseaseと呼ばれることがある。
(3) Wegener肉芽腫症では中・小細動脈の壊死性血管炎が認められる。
(4) Churg-Strauss症候群では、気管支喘息、好酸球増加、血管炎症候群がほぼ同時期に発症するのが特徴である。
 a. (1)(3)(4) b. (1)(2) c. (2)(3) d. (4) e.すべて     答 c

<解説>
(1) 40-60歳の女性。
(4) 気管支喘息と好酸球増加が先行。

9. 関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)に関する次の文章の(a)〜(j)に適当な単語を語句欄から選び、その数字を解答欄に記しなさい。(5.28 大塚先生)

 滑膜細胞の増加がRAの本体と考えられ、IL-1, ( 7 ), ( 9 )などの炎症性サイトカイン産生が関節炎の遷延化に関与している。滑膜炎の遷延化にはその他にさまざまな要因が考えられるが、種々の免疫担当細胞の増殖を支持しうる( 24 )細胞の存在が増殖滑膜中に見いだされ、骨髄由来とも考えられる。

 浸潤した炎症細胞からは細胞外マトリックスを分解するプロテアーゼなどの酵素が産生され、( 4 )は赤血球沈降速度(ESR)やCRPとともにRA炎症の活動性指標になりうる。

 RA診断が確定すればできるだけはやい時期から抗リウマチ剤を開始すべきであるが、効果発現には数ヶ月を要するものも少なくない。一方、葉酸代謝拮抗作用に基づく抗腫瘍薬である( 2 )は比較的効果発現がはやい。今後新しい治療薬が多種類使用可能になるが、上記の炎症性サイトカインを中和抗体や( 14 )で不活化する方法は特に迅速な効果発現が期待される。

 早期診断・早期治療が求められるところであるが、滑膜増殖を確認する手段として単純X線撮影のみならず( 12 )も有用である。血管炎を伴うRAは悪性関節リウマチと命名されて厚生省特定疾患指定されているが、血清中では炎症マーカーと共にリウマトイド因子や免疫複合体の増加がある。一方( 10 )は低下する。

 RAの臓器病変のひとつにアミロイドーシスがある。罹患期間の長い患者に認められることが多く、沈着アミロイドの型はRAでは( 20 )である。アミロイドの検出には( 21 )の生検が有用である。

(語句欄)
1. ブシラミン 2. メソトレキセート 3. ビンクリスチン 4. MMP-3 5. TIMP1 6. IL-3 7. IL-6 8. IL-10  9. TNFα 10. 補体価 11. プラスミン 12. MRI撮影 13. 骨シンチ 14. 可溶性レセプター 15. マトリックス蛋白 16. プロテアーゼ 17. アミラーゼ  18.沈降速度 19. ALアミロイドーシス 20. AAアミロイドーシス 21. 胃・十二指腸 22. 骨髄 23. 肺 24. 間質 25. 造血幹

10. 次の文章の@〜Kに当てはまる語句を考え解答欄に記入せよ。
@、A、Cは、ふたつのうち適切な語句を選び記入し、他は下の語群から選び番号を記入すること。(6.1 占部先生)

 関節リウマチ(RA)の診断には、1987年改訂米国リウマチ協会の関節リウマチ診断基準が用いられる。この診断基準は感度、特異度ともに90%である。特異度とは患者が(@関節リウマチ/○関節リウマチでない)のときに、診断基準や検査が(A陽性/○陰性)にでる確率である。RAの薬物治療は、痛み、こわばり、倦怠感などの患者の苦痛を軽減し、QOLの改善を図ることにあるが、それだけではRAの関節破壊を抑制することが出来ない。NSAIDsは、細胞膜のリン脂質からプロスタグランジン合成へと向かう経路に作用する( 4 )の抑制を行うことが作用機序であるが、この酵素には2種類のアイソタイプが存在する。従来のNSAIDsは、腎臓や胃粘膜に(C○恒常的に/誘導的に)発現している( 10 )をも標的にするため腎障害、胃粘膜障害をきたす副作用を有している。炎症作用を有する( 11 )を特異的に抑制するNSAIDsが開発された。また胃酸の分泌を抑える( 17 )の減少が胃粘膜障害のひとつの要因と考えられ、その投与も行われることがある。副作用を軽減したNSAIDsが開発されているが、この薬剤のみでは、RAの関節予後を改善しないと考えられている。従って、早期より抗リウマチ剤を使用して、関節破壊の進行を抑えることが重要である。

 RAは、関節予後ばかりではなく、生命予後も悪い疾患である。生命予後の悪いことに関しては、治療薬の有害反応が寄与している事実がある。RAの患者に対して処方を行う際には、抗リウマチ剤には生命に関わる重要な副作用があることを熟知しておく必要がある。( 20 )と呼ばれるD-ペニシラミンやブシラミンには、軽度の蛋白尿から高度なネフローゼ症候群まで呈することがある。さらに( 30 )は大きな副作用であり、致死的であるため十分に経過をフォローする必要がある。抗がん剤である( 21 )は、比較的早くから効果がみられる薬剤であるが、( 30 )の副作用には十分に気をつける必要がある。最近開発された抗TNF-α抗体は、効果発現もはやく、症状の改善も劇的ではあるが、( 24 )の併発に充分に注意する必要がある事が示唆されている。

1) アルカリフォスファターゼ 2) 乳酸脱水素酵素 3) トランスアミナーゼ 4) シクロオキシゲナーゼ 5) フォスフォリパーゼA2 6) ルシフェレーゼ 7) アンギオテンシン変換酵素 8) ALP1 9) ALP2 10) COX1 11) COX2 12) LDH1 13) LDH2 14) プロトンポンプ 15) ガストリン 16) セクレチン 17) プロスタグランジン 18) 金属剤 19) サルファ剤 20) SH基キレート剤 21) メソトレキセート 22) シクロスポリン 23) FK502 24) 結核症 25) 炎症性腸疾患 26) 糖尿病 27) 高血圧症 28) 精神神経症状 29) 間質性肺炎 30) 骨髄抑制

11、アレルギーに関する以下の問に答えよ。(5.7、5.10 久保先生)
1)誤った組み合わせはどれか?
a、1型アレルギー反応 Th1細胞 ……… 答
b、2型アレルギー反応 溶血反応
c、3型アレルギー反応 血清病
d、4型アレルギー反応 ツベルクリン反応
e、4型アレルギー反応 パッチテスト

<解説>
4型。

2)喘息について正しいのはどれか?
1、アトピー型では遅発型喘息反応はほとんどおこらない。
2、気管支拡張薬は非アトピー型よりアトピー型の方が有効である。
3、アトピー遺伝子が第9染色体に存在することが報告されている。
4、アトピー型、非アトピー型で気道の炎症や気道過敏性に差異は見られない。
5、成人はアトピー型と非アトピー型がほぼ同じ割合である。
 a、12   b、15   c、23   d、34   e、45     答 e

<解説>
(1) 起こる。
(2) ?
(3) 第11染色体。

3)アレルギー検査法について正しいのはどれか?
1、P-K反応は1型アレルギー反応を調べる検査法である。
2、immune complex測定は2型アレルギー反応を調べる検査法である。
3、溶解反応は3型アレルギー反応を調べる検査法である。
4、リンパ球幼若化試験は4型アレルギー反応を調べる検査法である。
5、補体は3型アレルギー反応に関係している。
 a、123  b、125  c、145  d、234  e、345 答 c

<解説>
(2) 3型。
(3) 2型。

4)減感作(免疫)療法に関して正しいのはどれか?
1、皮内注射で施行する。
2、副作用としてアナフィラキシーを起こす。
3、カンジダによる治療は推奨されない。
4、注射局所の皮膚反応の大きさを維持量の目安とする。
5、遮断抗体はIgA抗体に属する。
 a、123  b、125  c、145  d、234  e、345 答 d

<解説>
(1) 皮下注射。
(5) IgG。

5)気管支喘息の二相性反応について正しいのはどれか?
1、細胞性免疫と体液性免疫が関与していることをいう。
2、遅発型反応は細胞性免疫が関与している。
3、即時型反応と遅発型反応がある。
4、即時型反応は吸入誘発試験の15分後ぐらいに生じる。
5、喘息患者では二相性反応が必ずしも見られない。
 a、123  b、125  c、145  d、234  e、345 答 e

<解説>
(1) 即時型と遅延型反応。
(2) 炎症細胞。

6)抗アレルギー薬の作用機序として正しいのはどれか?
1、PAF拮抗作用
2、トロンボキサンA2受容体拮抗作用
3、H2受容体拮抗作用
4、シクロキシゲナーゼ阻害作用
5、Th1サイトカイン産生抑制作用
 a、12  b、15  c、23  d、34  e、45 答 a

<解説>
(3) H1。
(5) Th2。

7)吸入ステロイド薬連続使用により起こりうる副作用はどれか?
1、高ナトリウム血症
2、女性化乳房
3、嗄声
4、口腔内カンジダ症
5、副腎機能抑制
 a、123  b、125  c、145  d、234  e、345 答 e

<解説>
吸入ステロイドでは全身的副作用は生じない。

8)ステロイド薬について正しいのはどれか?
1、Tリンパ球のapoptosisを促進する。
2、重要な副作用として大腿骨骨頭壊死がある。
3、内服中に生じた糖尿病では直ちに中止すべきである。
4、持続的筋注ステロイドは使用してはならない。
5、長期投与に際しては骨粗鬆症の予防に注意すべきである。
 a、123  b、125  c、145  d、234  e、345     答 c

<解説>
(2) 重要なのか?
(3) ステロイド離脱症候群?

12、リウマチ熱の診断基準の主症状は? (4.27 原教授)
1、( 1 ) 2、( 2 ) 3、( 3 ) 4、輪状紅斑 5、皮下小結節

<解答>
(1) 心炎 (2) 多関節炎 (3) 舞踏病

13、若年性関節リウマチの診断は?
1)6週間以上続く多関節炎があるか、
2)それがない場合、a( 1 )、b( 2 )、c( 3 )、d弛張熱、e屈曲拘縮、f頚椎の疼痛またはX線像の異常、gリウマトイド因子陽性 の1項目を伴い、他の疾患が除外された場合に行なう。

<解答>
(1) 虹彩炎 (2) リウマトイド疹 (3) 朝のこわばり

14、小児気管支喘息、アレルギー疾患に関する下記の記述で、正しいものに○、誤っているものに×をつけなさい。(5.19 西間先生)
1)近年、気管支喘息の病態は、好中球を中心とした慢性気道炎症と考えられている。×
2)喘息での死亡は、中高年層より思春期、青年期の年齢層に多発する。      ○
3)乳幼児アトピー性皮膚炎の食物アレルゲンで多いのは卵、牛乳、小麦である。  ×
4)中高年喘息に比して小児の喘息では、アレルギー性鼻炎の合併頻度が高い。   ○
5)運動誘発喘息は低温、低湿度下の環境で生じやすい。             ○
6)気管支喘息、アレルギー性鼻炎、花粉症の有症率は増加している。       ○

<解説>
(1) many cells and celluler element。
(3) 小麦→大豆(皮膚科)。
(4) 50%以上。

15、誤りはどれか?(4.30 古江教授)
1)表皮内にはラングハンス細胞と呼ばれる抗原提示細胞が存在する。 … 答
2)蕁麻疹の発症には肥満細胞が関与する。 
3)接触皮膚炎はT細胞が関与する遅延型皮膚反応である。 
4)アトピーとはIgEを産生しやすい体質をさす。
5)卵アレルギーでは卵白に対するポリクロナルな抗IgE抗体が検出される。

<解説>
ランゲル。

16、全身性強皮症の皮疹について述べよ。
   授業プリント見てください

17、中毒性表皮壊死症型薬疹(TEN型)について述べよ。
   授業プリント見てください

18、RAの関節症状について正しいものを選べ。(5.27 首藤先生)
1)RAの関節症状として、朝のこわばり、関節痛、関節腫脹、可動域制限、関節不安定性などがある。
2)RAの治療法を考える上で、活動性の滑膜炎や関節水腫による症状(可逆性)と骨関節破壊による症状(非可逆性)を区別する必要がある。
3)RAの上肢の変形として手指の尺側偏位、スワンネック変形、ボタン穴変形、ムチランス型RAではオペラグラス変形が見られる。
4)手指の屈筋腱の腱鞘滑膜炎により弾発指(ばね指)が見られることはない。
5)足関節、股関節は荷重関節のため急速に関節破壊が進行することが多い。
 a,123  b,125  c,145  d,234  e,345       答 a

<解説>
(4) ある。
(5) 股関節だけなら〇。

19、RAの頚椎および関節外症状について正しいものを選べ。
1)頑固な頚部痛、後頭部痛を訴えた場合は、頚部の環軸椎亜脱臼を疑う。
2)環軸関節は滑膜関節であるため、ここに慢性炎症が続くと軸椎の歯突起を固定している環軸後横靭帯が弛緩するなどのため、環軸関節に亜脱臼が生じる。
3)環軸椎亜脱臼が進行して脊髄が圧迫されると歩行困難、巧緻運動障害などの脊髄症状が現れることがある
4)側面単純X線で環椎歯突起間距離(ADI)が1mm以上の場合は、環軸椎亜脱臼を疑う。
5)リウマトイド結節は前腕近位伸側に好発し、治療によって縮小したり拡大したりすることはない。
 a,123  b,125  c,145  d,234  e,345       答 a

<解説>
(4) 3mm。
(5) ?

20、RA画像診断に関して正しいものを選べ。
1)RAの関節の単純X線所見として軟部組織腫脹、関節裂隙の狭小化、関節周囲の骨萎縮、骨びらん、アラインメント異常、関節強直などがある。
2)骨関節破壊進行度のX線評価としてSteinbrockerのX線stage分類とLarsenのX線Grade分類が有名である。
3)早期RAの関節滑膜炎、骨びらんの描出にはMRI(核磁気共鳴法)より単純X線写真の方が優れている。
4)脊椎、脊髄病変の診断、評価にはMRI(核磁気共鳴法)よりも脊髄造影の方が患者の身体的負担が少なく、一般的である。
5)骨シンチグラフィーは活動性滑膜炎のある関節の把握、触診困難な深部の関節炎(股、仙腸関節など)の評価やinsufficiency fracture(脆弱性骨折)の診断に有用である。
 a,123  b,125  c,145  d,234  e,345 答 b

<解説>
MRIは早期RAの関節滑膜炎、骨びらんの描出にすぐれており、又、脊椎・脊髄病変の診断・評価にきわめて有用である。

21、RAの外科的治療とその合併症について正しいものを選べ。
1)膝関節に対する主な外科的治療法としては滑膜切除術や人工膝関節置換術がある。
2)人工股関節置換術の合併症として人工関節の脱臼、感染、ゆるみ、磨耗、人工関節周囲の骨折、深部静脈血栓、肺塞栓などは極めてまれなので術前に患者には説明する必要はない。
3)足関節に対する外科的治療法としては人工足関節置換術が一般的である。
4)足趾の変形やべんち形成に対して切除関節形成術(resection arthroplasty)がよく行なわれる。
5)手関節部に対する外科的治療法として手関節形成術、滑膜切除術、関節固定術、手指伸筋腱断裂に対する腱移行、腱移植術などが行なわれる。
 a,123  b,125  c,145  d,234  e,345 答 c

<解説>
(2) 説明して。
(3) 痛みはとる。

22、血清反応陰性脊椎関節症に関して正しいものを選べ。
1)血清反応陰性脊椎関節症は、強直性脊椎炎、乾癬性関節炎、反応性関節炎、ライター症候群、腸疾患に伴う関節炎などを包含した疾患概念である。
2)反応性関節炎は、クラミジアやサルモネラなどの微生物感染後に起こる無菌性の関節炎である。
3)最近欧米では、典型的な三徴が揃わない不全型のライター症候群を含めたライター症候群の別名として反応性関節炎という疾患名が用いられている。
4)ライター症候群の古典的な三徴は肺炎、尿道炎、結膜炎である。
5)血清反応陰性脊椎関節症には、HLA-B27陽性例が少ない。
 a,123  b,125  c,145  d,234  e,345        答 a

<解説>
(4) 肺炎→関節炎。
(5) 多い。

23、関節痛をきたしうる疾患を鑑別していく際のポイントとして、正しいものを選べ。
1)易感染性を有する患者が関節痛などを訴えた場合には感染性関節炎も疑う必要がある。
2)若い男性が朝方、突然に片側の母趾の痛みを訴えた場合で、血清尿酸値が高値である場合には、偽痛風を強く疑う。
3)高齢男性が、急性の膝関節炎をきたして、レントゲン上、関節軟骨や半月板の石灰化を認めた場合には痛風を強く疑う。
4)変形性膝関節症でも関節腫脹をきたすことがある。
5)ステロイドパルス療法を受けたSLE患者が急に股関節痛を訴えた場合には大腿骨頭壊死症も疑う。
 a,123  b,125  c,145  d,234  e,345 答 c

<解説>
(2) 痛風。
(3) 偽痛風。

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