歯科口腔外科 平成13年度卒業試験


歯科口腔外科 平成13年度卒業試験+概説らしきもの
一応これも載せておきます。解答は、この年に特徴的なものだけ…
やはり、「口唇裂口蓋裂」の問題は去年まで担当されていた大石先生のプリントを参照しました。

(1,2,3,4の問題を別々の用紙に解答すること、また各用紙には名前、学籍番号の記入を忘れないこと)
1−(1)口唇裂口蓋裂について知るところを述べよ。
 (2)下顎枝矢状分割法について知るところを述べよ。

解答
(1) だけ解答つけておきます。
「知るところ」なので、先輩のページに見習って、分類、発生頻度、合併症、発生原因・メカニズム、治療に分けて記述します。

上唇や口蓋が先天的に裂けている奇形を総称して口唇裂口蓋裂という。
〔臨床的分類〕
口唇から顎、口蓋、口蓋垂に至る部位による臨床的分類として、以下が挙げられる。
1) 口唇裂
完全裂:唇が完全に割れている
不完全裂:途中から割れている
  皮下裂:皮膚はつながっているが、皮下筋層に裂が認められる。

 両側性と片側性(左側、右側)がある。
2) 顎裂(歯槽裂)
3) 口蓋裂
軟口蓋裂:軟口蓋のみの裂は少なく、多くは口蓋骨後縁が後鼻棘で割れている。
硬軟口蓋裂:明らかに裂が硬口蓋にまで及ぶもの。
粘膜下口蓋裂:粘膜はつながっているが筋層に裂を認めるもの。

両側性(両側の口蓋が鋤骨より分離しているもの)と片側性(一側が鋤骨とつながっているもの)がある。
4) 口蓋垂裂
5) 唇顎口蓋裂
唇より口蓋に至る裂のあるもの
〔発生頻度〕
人種により差があり、東洋人(日本人)では約700出産に1例(0.14%)、西洋人では約1000出産に、黒人では約2000出産に1例である。
分類別頻度(日本人の場合)
口蓋裂…0.05% 男:女=2:3
唇裂…0.07% 1:1
唇顎口蓋裂…0.08% 3:2

左側唇(顎口蓋)裂:右側唇顎口蓋裂=7:3

〔合併症〕
筋骨格系では多指症、合指症、小顎症、斜頚、 口腔内では小帯の異常、歯の異常、
消化器系ではヘルニア、巨大結腸、肛門閉鎖、 他に心奇形、耳介の形態・位置異常
下唇瘻孔など
〔発生原因・メカニズム〕
家族内に多発することが多いことから遺伝要因が関与すると考えられる。この奇形に関与する遺伝子は多数存在し、両親より受け継がれるこれらの遺伝子がたまたま多くなった時、また数は少なくてもそれらの遺伝子の組み合わせがうまく合った時にこの奇形が発生すると考えられる。(多遺伝子説)しかし、一卵生双生児に同時に発生する確率が100%ではないので遺伝要因のほかに、環境要因(機械的刺激、ホルモン異常、放射線、ビタミン欠乏、ウイルス感染など)の関与も考えられる。(多因子説)

発症のメカニズムについてはH14概説を参照
〔治療〕
治療には、口腔外科、耳鼻科、形成外科など多科のチームアプローチによる一貫的治療を行う。
口唇裂に対しては、見た目を良くするために、唇裂の広いものには口唇癒着術(仮留め)を行った上で、1.5〜4ヶ月ごろ口唇形成術を行う。手術法としては、口輪筋の再建を余り考慮せず、皮膚と筋肉を一緒に切る三角弁法などの他、口輪筋の再建を図るため皮膚と筋肉を別々に剥離切開する方法がある。その他、偏位した患側の鼻翼軟骨の剥離整復を行うこともある。また術創の肥厚性瘢痕の防止のため、ナイロン糸を用いた皮下縫合を十分に行う。

口蓋裂に対しては、発音障害(開鼻声)、摂食困難(呼吸障害、嚥下障害)、易感染性(中耳炎、上気道感染)をなくすため、口蓋形成術を行い解剖学的修復を行う。手術時期は、言葉を話し出す1.5〜2才頃。手術の概要としては、口蓋帆挙筋を修復して筋輪を形成することで軟口蓋を吊り上げ、軟口蓋の長さが足りないことが多いため口蓋弁後方移動術(V-Y push
back)で口蓋を延長し、顎発育障害の予防のため粘膜弁法を工夫して口蓋裂部位を周囲の粘膜だけで覆う。
術後は、言語発達の観察、発音治療を行い、鼻咽腔閉鎖不全、口蓋裂言語などに注意を払う。その他の治療として、永久歯の萌出し始める頃よりの矯正治療、顎裂に対しては骨移植による閉鎖、口唇・鼻の二次的修正術、歯科矯正治療のみで満足な結果がえられない時(上顎歯槽弓、上顎の後退、下顎前突)は外科的顎矯正手術(観血的)を行う。

解説
H8卒試、H11卒試でまったく同じ問題があります。(先輩のページ参照)
合併症まではいらないと思います。
先天奇形の3大疾患は、先肢脱、心奇形、口唇裂

2.下顎骨骨折の観血的治療の利点、欠点について論ぜよ。

解答 竹之下先生の問題
よく分かりません。プリントには特に書かれていませんでした。
授業中先生が口で言ったのかもしれません。授業を受けてみないことには分かりません。

あえてプリントの中から解答すると
利点
骨片の偏位の大きい例、整復・固定が困難な例、機能障害(咬合不全、開口障害、顎運動経路のズレなど)を後遺する例、審美障害を後遺する例でも用いることが出来る。
治療期間が短縮される。
欠点
治癒不全例がある。感染、non-union(つながらない)、delay -union(遷延癒合)、変形治癒、
偽関節、プレート露出など。
審美障害(顔貌の変形、瘢痕、顔面神経麻痺)が残ることがある。
機能障害(咬合不全、顎運動障害、三叉神経知覚異常、顔面神経麻痺)が残ることがある。
といったところでしょうか??

解説
治療期間の短縮について。
手術では、チタンのミニプレートでスクリュー固定を行うのだが、そのメリットとして、顎間固定の期間を減らせるということがある。顎間固定はゼロにしたほうが患者は楽だがかみ合わせのためにも、術前にまず一週間ほど固定してから手術を行う。そして半年から1年後にプレートを摘出する。


3.口腔領域に生ずる嚢胞について分類、列挙し、それぞれの臨床的特徴について簡単に述
べよ。

略 
4.う蝕と歯周病(辺縁性歯周炎)との相違点を下記の項目に沿って述べよ。
(1) 原因
(2) 発症の機序
(3) 疾患の本態

(追加問題)
13年とかかれたものがあったのですが手書きなのでよく分かりません。その中で、目新しいものは、顎関節症の診断と治療でした。プリントを見てください。

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