感染症・中毒 平成17年度卒業試験

平成17年11月11日実施(獲得)
ウイルス感染症総論、輸入感染症  担当:林純
以下の設問について、回答群より選びなさい。
a.(ア)のみ正しい  b.(エ)のみ正しい  c.(ア)(イ)(ウ)が正しい
d.全て正しい  e.全て誤っている
【1】コレラについて、正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)コレラに感染すると米のとぎ汁様下痢をきたす。
(イ)胃切除者ではコレラに感染すると重症化する。
(ウ)ペストはノミにより感染するが、空気感染もある。
(エ)ペストはペスト菌の内毒素による出血傾向が症状としてみられる。

【2】マラリアについて、正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)四日熱マラリアは感染期間が数年におよぶことがある。
(イ)熱帯熱マラリアの赤血球感染率は10%以上のこともある。
(ウ)熱帯熱マラリアでは悪寒・戦陳は激しくない。
(エ)メスのコガタアカイエカの媒介により感染する。

【3】インフルエンザについて、正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)表面蛋白のヘマグルチニンはウイルスが感染細胞へ侵入するのに関連する。
(イ)インフルエンザA型に抗原変異がみられる。
(ウ)トリインフルエンザはA型である。
(工)インフルエンザB型はA型に比較して重症化する。

【4】デング出血熱について、正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)ネッタイシマカから感染する。
(イ)ヒトからヒトの感染はない。
(ウ)デング・ショック症候群ではヘマクリットの上昇がみられる。
(エ)フィロウイルスによる感染症である。

【5】新興感染症について、正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)西ナイル熱は蚊とトリによってウイルスが媒介され、蚊から感染する。
(イ)ニパ脳炎はコウモリとブタによってウイルスが媒介されブタから感染する。
(ウ)クリミア・コンゴ出血熱はマダニからウイルスに感染する。
(エ)SARSは空気感染のみでなく、接触感染も重要である。

【6】持続感染症について、正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)肝細胞癌の大部分はHBV及びHCVの持続感染者から発生する。
(イ)EBVは主として経皮感染が主である。
(ウ)ヘリコバクタ・ピロリ感染は大腸癌と関連している。
(エ)HIVはCD8陽性細胞に感染し、エイズを起す。

【7】院内感染対策について正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)空気予防策が必要な感染症は麻疹、結核である。
(イ)飛沫予防策が必要な感染症は風疹、流行性耳下腺炎である。
(ウ)接触予防策では病室内にカルテを持ち込まない。
(エ)標準予防策は全ての感染症に応用される。

【8】院内感染について正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)手掌での細菌の増殖は20分で20倍である。
(イ)手洗い方法としては、最初に石鹸を手にぬり、次に水で洗い流すのがよい。
(ウ)手掌の常在菌としてはレンサ球菌がある。
(エ)院内感染対策上重要な細菌は、MRSAやVREなどの多剤耐性菌のみである。

【9】院内感染について正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)針刺し事故で本邦で最も多い医療行為としてば注射時である。
(イ)院内感染対策は医療経済的に負担が大きい。
(ウ)HBV,HCV,HIV,HTLV-1の中でHIVが最も感染力が強い血液由来ウイルスである。
(エ)院内感染の対策をたてる上で、サーベイランスは重要である。

【10】人獣共通感染症について正しい記述の組合せを選びなさい。
(ア)出血性黄疸レストスピラ病はネズミの排泄物からの感染が多い。
(イ)慢性蕁麻疹の原因の1つに犬回虫がある。
(ウ)生のモクズガニを摂取すると気胸を起すことがある。
(エ)マスの刺身の接触で体重減少をきたすことがある。

細菌・真菌感染症  担当:下野信行
【1】24歳の女性。生来健康。家族歴、既往歴には特記すべきことはない。
現病歴として、3月にインドに卒業旅行し、4月10日に帰国した。4月21日、38℃台の発熱。近医で感冒薬、抗生物質(β-ラクタム剤)の処方を受けるも解熱しなかった。4月28日、精査・加療目的にて入院した。身体所見としては、体温38.8℃、脈拍84/分、貧血・黄疸なく、皮膚に発疹など認めなかった。口腔内、胸部、腹部に特記所見認めなかった。便の性状はやや軟便。検査所見では、検尿に異常なし。血沈は1時間値26mm、2時間値54mm。末梢血でHb:13.3g/d1 、RBC:466x10^4/mm3、WBC:6,900/mm3 (Meta1 ,St9, Seg43, Ly30, Mo17, Eo0, B0)、生化学では、AST49IU/l, ALT40IU/l, LDH529IU/l, CRP4.4mg/dl。その他異常認めず。
問題1画像検査と同時に培養検査も行おうと思う。以下の検査のうち、重要なものを2つ挙げよ。(2)
(a)尿培養  (b)血液培養  (c)骨髄培養  (d)便培養  (e)喀痰培養

問題2この時点で考慮すべき抗菌薬は以下のうちのどれか。(2)
(a)Cefmetazole (b)Cefazoline (c)Levofloxacin (d)Imipenem (e)Clarithromycin

【2】生来健康な23歳男性。平成16年5月8日に全身倦怠感、38.5℃の発熱が出現し、近医を受診。3日間ペニシリン系抗生物質を処方され、解熱した。しかしながら、5月15目に再度39℃の発熱があり、近医を受診し、4日分のセフェム系抗生物質の処方を受け、翌日には解熱した。1週間ほどは調子がよかったが、5月25日には再度38.7℃の発熱、全身倦怠感が出現。他院を受診し、胸部レントゲン写真検査を受けるも異常なく、キノロン系抗菌薬の投与を受けた。しかしながら、微熱が持続するため、6月4目、当院を受診した。来院時の身体所見は、貧血・黄疸を認めず、胸部では呼吸音に異常なく、心音では収縮期雑音を聴取した。腹部では、肝臓触知しないものの、脾濁音界の軽度拡大を認めた。四肢に異常所見は認めなかった。検査所見は、検尿:蛋白(-)、糖(-)、潜血(3+)、末梢血:RBC475x10^4、 Hb12.9g/dl、 Ht38.1%、 WBC8,990 (Neut87%, Ly9%, Mo4%, E0%, Ba0%)、生化学:T.P7.2g/dl, Alb3.9g/dl, BUN11mg/dl, Cr0.52mg/dl, T.Bil0.5mg/dl, AST17U/L, ALT17U/L, ALP236U/L, γ-GTP17U/L, LDH194U/L, T.Chol131mg/dl, TG66mg/dl, Glu103mg/dl, CRP3.3mg/dl
問題1診断のために重要な検査を以下から選びなさい。(2)
(1)血液培養  (2)骨髄培養  (3)尿培養  (4)腹部エコー検査  (5)心臓エコー検査
a(1,2)  b(1,5)  c(2,3)  d(3,4)  e(4,5)

問題2起炎菌として、最も考えられるものを以下の中から選びなさい。(2)
(1)Staphylococcus epidermidis  (2)Mycoplasma pneumoniae
(3)Streptococcus constellatus  (4)Streptococcus pneumoniae
(5)Hemophilus influenzae

【3】感染症と疾患の関係について次の記述で正しいもの2つ選べ。(2)
(1)腸管出血性大腸菌の合併症の一つとして、溶血性尿毒症症候群がある。
(2)マイコプラズマは、ベロ毒素を産生し、関節炎、異型肺炎、脳炎の原因となる。
(3)Guillan-Barre症候群に先行して、エルシニアによる感染が考えられている。
(4)胃炎や胃潰瘍の一つの原因として、Helicobacter pyloriが考えられている。
(5)リポポリサッカライド(リポ多糖)はグラム陽性菌感染症に伴い菌体から遊離し、エンドトキシンショックを引き起こす原因となる。

【4】最近の真菌感染症に関した以下の記述の中で誤っているものの組み合わせはどれか。(2)
(1)クリプトコッカスを鏡検する際には墨汁法を用いると墨汁に染まらない菌糸様の菌体を検出できる。
(2)アスペルギルス症は免疫不全の患者に発症しやすく、中でも侵襲型アスペルギルス症は進行も早く致死的であることが多い。
(3)剖検患者の中で、最も多い真菌症はアスペルギルス症である。
(4)ムコール症はアスペルギルス症と比較するとさらに抗真菌薬が効きにくく、有効な抗真菌薬に乏しい。
(5)抗真菌薬は現在開発も盛んで、新規の薬剤も多数でてきており、以前使われてきていたアムホテリシンBは耐性菌の出現とともに使われなくなってきている。
a(1,2)  b(1,5)  c(2,3)  d(3,4)  e(4,5)

【5】72歳男性。基礎疾患に肺気腫がある。数日前から発熱、咳嗽、喀痰が出現。食欲も低下し、元気がなくなってきたため、家族につれられて来院。右胸部でラ音を聴取し、胸部レントゲン写真では右中下肺野に浸潤影を認めた。喀痰検査でグラム染色を施行したところ、好中球を多数みとめ、グラム陰性の双球菌を認めた。最も考えられる起炎菌は何か?以下の中から一つ選べ。(2)
(1)Pseudomonas aeruginosa  (2)Moraxella catarrhalis
(3)Methicillin-resistant Staphylococcus aureus
(4)Streptococcus pneumoniae  (5)Hemophilus influenzae

【6】以下の文章で正しいものには○、誤りには×をつけよ。(6)
1)黄色ブドウ球菌感染症では、抗生物質に耐性であるMRSAが問題であるが、日本では、全体のブドウ球菌の中に占める分離頻度は約40%である。
2)髄膜炎菌による髄膜炎を疑う場合には採取した髄液は保温して検査室に提出しなければならない。
3)炭疽菌による感染症の約半数が肺炭疽であり、ヒト−ヒト感染に注意しなければならない。
4)腸管毒素性大腸菌は旅行者下痢症の原因菌として知られ、赤痢様の症状を呈する。
5)コレラ感染で、重要なのは菌の産生するトキシンであり、症状としては発熱しやすく、脱水とアルカローシス、腹痛である。
6)バンコマイシン耐性腸球菌は腸球菌の中で、バンコマイシンに耐性を有する強毒株で、腸管内に検出されたら血中に入る前に除菌すべきである。
7)クラミジアは骨盤内、肝臓周囲の感染症を起し、不妊の原因となりやすい。
8)カンジダは呼吸器感染を起こしやすく、肺に空洞を形成しやすいのが治療上問題である。
9)B群連鎖球菌による感染症として重要なものは、新生児に発症する髄膜炎と敗血症である。妊婦の産道感染が感染経路として重要で、致死率は極めて高い。
10)MRSAはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌の略で、メチシリンを初めとするペニシリン系には耐性であるが、第3世代セフェム系やカルバペネム系には感受性である。
11)クリプトスポリジウムは塩素に対して抵抗性で、上水施設に感染しやすいためにアウトブレイクを起こすことがある。
12)サルモネラによる食中毒は、海産物が原因であることが多い。

【7】わが国の食中毒について正しいものの組み合わせはどれか。(2)
(1)最も患者数の多いのはカンピロバクターによる食中毒である。
(2)腸炎ビブリオによる食中毒は、鶏肉、鶏卵が原因であることが多い。
(3)ブドウ球菌による食中毒は通常毒素型である。
(4)ウェルシュ菌による食中毒は肉の入ったカレー、スープ、肉団子、チャーシューなどが原因食となることが多い。
(5)サルモネラによる食中毒は、海産物が原因であることが多い。
a(1,2)  b(1,5)  c(2,3)  d(3,4)  e(4,5)

【8】感染経路として、空気感染と飛沫感染があるが、両者の違いを述べ、代表的な微生物を2つずつ述べよ。(4)

【9】78歳の男性。糖尿病があり、治療を受けていたが、あまりコントロールはよくなかった。脳梗塞を起こし、食事がとれなくなったために中心静脈栄養を行うことになった。また排尿も困難で、尿カテーテルを挿入した。数目後に、38℃台の発熱が出現した。診察上は、心音、呼吸音に異常なく、腹部でも特に圧痛は認めない。あなたは、発熱に対して何を考えてどのようなことをしますか?(4)

神経病理  担当:岩城徹
【1】誤っているのはどれか。
1.プリオン蛋白の正常型はβ-sheet構造に富み、異常型はα-helix構造に富む
2.異常型プリオン蛋白は凝集体を形成する
3.プリオン蛋白のノックアウトマウスは感染材料を接種してもプリオン病を発症しない
4.コドン102の変異を伴うゲルストマン・ストロイスラー・シャインカー病はアミロイド斑を多数認める
5.Gajdusekはクールー(Kuru)の実験的伝播に成功し、ノーベル医学生理学賞を受賞した

【2】孤発性クロイツフェルト・ヤコブ病の画像所見として正しいものはどれか。
(a)発症時には脳の高度な萎縮はみられない (b)進行期の大脳の萎縮は左右差が著しい
(c)進行期にも小脳は萎縮しない  (d)長期生存した症例ほど、脳萎縮が軽い
(e)MRIの拡散強調画像で大脳皮質や線条体に高信号領域をみとめる
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【3】プリオン(伝達性海綿状脳症の感染因子)として正しいものはどれか。
(a)ホルマリン固定した病理標本は感染性がない
(b)器具の消毒にガス滅菌が有効である
(c)器具の消毒にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)による煮沸が有効である
(d)通常のオートクレーブでは失活しない  (e)紫外線照射で失活する
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【4】動物のプリオン病について正しいものはどれか。
(a)羊のスクレイピーは日本にはみられない
(b)アメリカ合衆国ではシカの慢性消耗病が流行している
(c)牛海綿状脳症では初期に音に対する異常反応や不安動作がみられる
(d)英国における牛海綿状脳症の発症のピークは2000年である
(e)ヒトのクールー(Kuru)は牛海綿状脳症からの感染である
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【5】硬膜移植歴を有するクロイツフェルト・ヤコブ病について正しいものはどれか。
(a)日本で最も多くの症例が発生している  (b)角膜移植による症例より少ない
(c)移植から発病までの期間は平均3年である
(d)初発症状は硬膜の移植部位と関係しない
(e)脳波でPSDを欠き、緩徐に経過する症例もある
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【6】脳真菌症として誤っているものはどれか。
1.カンジダ症は内臓病変から血行性に脳に多発性微小膿瘍を形成する
2.ムコール症は鼻腔−眼窩−脳型の致死率が高い
3.アスペルギルス症は血管侵襲が強く、出血性梗塞を合併しやすい
4.クリプトコッカス症は消化管に最も多く、次いで中枢神経をおかす
5.病理組織標本ではPAS染色が有用である

【7】英国で多発した変異型クロイツフェルト・ヤコブ病について正しいものはどれか。
(a)輸血により感染した症例は報告がない
(b)ミオクローヌスや舞踏運動などの不随運動で発症する
(c)脳波で周期性同期性放電がほとんどの症例にみられる
(d)MRIの拡散強調画像で両側の視床枕に高信号領域をみとめる
(e)虫垂や扁桃などの末梢リンパ組織に異常プリオン蛋白が蓄積する
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【8】正しいものはどれか。
(a)単純ヘルペス脳炎は側頭葉や前頭葉底面をおかしやすい
(b)結核の肉芽腫は石灰化の頻度が高い
(c)ヒト免疫不全ウイルスによる脳病変は一般に白質より灰白質に強い
(d)進行性多巣性白質脳症は麻疹ウイルスによる
(e)成人T細胞性白血病ウイルスによるミエロパチーではウイルス抗体価は低い
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【9】正しいものはどれか。
(a)細菌性髄膜炎の死亡率は極めて低い  (b)結核菌は乾燥に弱い
(c)癩菌はZiel-Neelsen法では染まらない
(d)サイトメガロウイルスは核内封入体を形成する
(e)トキソプラズマはネコが固有宿主である
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

【10】ウエストナイルウイルス感染症について正しいものはどれか。
(a)帰国した者を含め日本人の感染者はいない  (b)主に蚊により媒介される
(c)ウイルス系統樹では日本脳炎ウイルスに近い
(d)カラスは感染しても死亡することは稀である
(e)脳炎患者は筋力低下を示すことは稀である
1(a)(b)  2(a)(e)  3(b)(c)  4(c)(d)  5(d)(e)

衛生学 槙田裕之
【1】A群と関係の深い語句をB群から選びその記号を解答欄に記せ。(同一語句の重複使用は不可)
A群:1.PAM  2.サリン  3.流涙  4.ヒ素  5.アトロピン  6.有機水銀
7.イペリット(マスタードガス)  8.筋線維性攣縮  9.カドミウム  10.パラコート
B群:ア)ニコチン様作用  イ)イタイイタイ病  ウ)ハンターラッセル症候群
工)アセチルコリンエステラーゼの再生  オ)肺線維症  カ)神経剤
キ)ムスカリン様作用 ク)びらん剤 ケ)アセチルコリンの拮抗作用 コ)ボーエン病

総合診療部:鍋島茂樹
【1】文章内の(  )に適切な記号を入れよ。
細胞内寄生菌は主として(  )内で増殖する菌のことであり、殺菌の免疫担当細胞となるのは(  )である。代表的な菌種は(  )である。
A.結核菌 B.肺炎球菌 C.Tリンパ球 D.食細胞 E.インフルエンザ菌 F.Bリンパ球

呼吸器においては鼻腔から肺胞に至るまで(  )なバリアがあり、病原微生物に対応している。最終的に(  )ミクロン以下の大きさの物質が肺胞に侵入できるといわれている。肺胞内には(  )が常在しており侵入微生物に反応して(  )などのシグナルを出し、炎症細胞を誘導する。
A.2  B.10  C.好中球  D.マクロファージ  E.サイトカイン
F.細菌  G.間歌的  H.連続的  I.アドレナリン  J.リンパ球

【2】A群と関係の深い語句をB群から選べ(B群は1つあまる)。
A群 1.浸潤影  2.初感染結核  3.肺癌
4.心とのシルエットサイン陽性  5.成人型肺結核症
B群 ア)舌区  イ)結節影  ウ)肺尖
エ)びまん性小粒状影  オ)気管支肺炎  カ)胸水

【3】(  )内の適切な語句を1つ、または2つ○でかこめ。
代表的な市中肺炎の原因菌として(肺炎球菌・溶連菌・緑膿菌)があげられる。また、最近は(肺炎クラミジア・嫌気性菌・結核菌・非定型抗酸菌)による非定型肺炎が増加しており注意が必要である。肺炎の抗生剤治療を開始するにあたり最も重要なことは(喀痰グラム染色・末梢血白血球数・CRP)である。PRSPによる肺炎の抗生剤治療は(セフェム系・ペニシリン系・カルバペネム系・ニューキノロン系)が有効である。移植後の難治性肺炎は(細胞壁・バイオフィルム・きょう膜)をもつ菌によるものが多い。

担当:平方秀樹
【1】経口摂取による中毒の処置として、催吐が禁忌なものはどれか
1.ガソリン  2.タバコ  3.パラコート  4.漂白剤  5.マニキュア除光液
a)1,2,3  b)2,3,4  c)3,4,5  d)1,2,5  e)1,4,5

【2】次にあげる中毒a)〜e)の特徴として適切な説明文はどれか?
1)〜5)の選択肢より選べ
a)タバコ  b)テトロドトキシン  c)パラコート  d)ヒ素  e)有機リン
1)乳幼児の中毒原因として最も頻度が高い。特に、水に浸された場合の抽出液が危険である。
2)コリンエステラーゼ活性を阻害し、縮瞳・流涙などの副交感刺激症状を呈す。アトロピンやPAMが治療薬である。
3)極めて少量(10-15ml)の服用で致死的となる農薬で、数日で急性腎不全を、3〜10日で肺線維症を併発する。
4)地下鉱床からの土壌や井戸水汚染による慢性中毒の集団発生が報告されている。また、殺人を目的に使用されることがある。早期には嘔吐・下痢、1〜2週間後に末梢神経障害解毒薬としてBALがある。
5)食物連鎖により蓄積した自然毒で、全身の骨格筋麻痺をきたし、急性期の呼吸循環管理が重要である。

小児科
【1】4歳男児。家族歴、既往歴に特記すべきことなし。昨日より咳嗽、鼻汁がみられていたが、今朝より38℃台の発熱がみられ、昼頃より咳が"オットセイが鳴くような(母親談)"咳にかわってきた。夕方より、息づかいが粗くなり、息を吸い込む時にヒューという音がし、息が苦しいと訴えるため、外来を受診した。
【身体所見】体温38.7℃、脈拍112、呼吸数27、口唇チアノーゼ軽度あり、鼻翼呼吸あり、肩呼吸あり、聴診器なしで吸気性の喘鳴が聴取される
咽頭:軽度発赤喉頭窩、胸骨下方で肋間の陥没あり
胸部:湿性ラ音および呼気性ラ音は聴取せず、腹部:異常なし
下記の検査・治療の中で、この患児にまず行うべきものを3つ選べ。
(1)喉頭高圧X線撮影  (2)胸部X線撮影  (3)β刺激剤吸入
(4)酸素吸入  (5)アドレナリン吸入

【2】16生日女児。妊娠中、母体にとくに異常なく、在胎39週、2,620gにて出生。仮死なし。12生日頃より哺乳力低下し機嫌不良が続くため入院した。身体所見では、黄疸、肝腫大を認め、神経学的所見では、易刺激性と筋トーヌスの軽度亢進がみられた。検査結果は以下のとおりであった。
【CBC】WBC11,260/μl(N:37, Ly:52, Mo:9, Eo:1, Ba:0.3), RBC470万/μl, Hb17.0g/dl, Ht49.7%, Plt10.1万/μl
【血液生化学】T.P.6.6g/dl, BUN9mg/dl, Cr0.2mg/dl, GOT72IU/l, GPT60IU/l, LDH698IU/l, T-Bil4.7mg/dl, D・Bil2.4mg/dl, IgG925mg/dl, IgA43mg/dl, IgM57mg/dl
【検便】正常 【胸腹部X-p】正常 【頭部CT】脳室周囲に石灰化
以下のうち、本症例のウイルス抗体検査結果として可能性が高いものを3つ選択せよ。
(1)ヒトヘルペスウイルス6型IgM抗体陽性  (2)サイトメガロウイルスIgM抗体陽性
(3)風疹IgM抗体陽性 (4)サイトメガロウイルスIgG抗体陽性 (5)麻疹IgG抗体陽性

【3】感染症と病原体の組み合わせで誤っているものを2つ挙げよ。
(1)無菌性髄膜炎:ムンプスウイルス  (2)巨細胞封入体症:麻疹ウイルス
(3)手足口病:エンテロウイルス71  (4)カポジ水痘様発疹症:水痘帯状疱疹ウイルス
(5)伝染性単核症:Epstein-Barrウイルス

【4】これまで健康であった2歳6か月男児。発熱の持続と、傾眠傾向、痙攣がみられ、髄液検査を行ったところ好中球優位の細胞数増多、糖4mg/dl、蛋白171mg/dlという所見であり、塗抹標本でグラム陽性球菌を認めた。
1)起炎菌として最も可能性の高い細菌は次のいずれか。
(1)肺炎球菌 (2)リステリア菌 (3)表皮ブドウ球菌 (4)B群溶レン菌 (5)髄膜炎菌

2)起炎菌確定までにこの症例に組み合わせて使用すべき抗生物質を2つ選べ。
(1)セフォタキシム  (2)アンピシリン  (3)クロラムフェニコール
(4)ペニシリンG  (5)ゲンタマイシン

【5】6歳女児。3日前より、両側頬部全体の紅斑と、四肢の近位部の網目状に融合した紅斑をみとめ、少しかゆみを訴えている。次の中から本症と関連が高いものを2つ挙げよ。
(1)耳後部のリンパ節腫大  (2)胎児水腫  (3)貧血
(4)ヒトヘルペスウイルス6型  (5)コプリック斑

【6】小児期にみられる感染症に関する次の文中の空欄をうめよ。
1)RSウイルスは乳幼児の(  )の原因微生物として最も頻度が高く、短時間のうちに呼吸困難をきたし、人工換気が必要となることがある。
2)百日咳の罹患者は(  )ワクチン未接種の児に多い。連続性・発作性の咳嗽を特徴とするが、乳児では咳嗽の出現なしにいきなり無呼吸をきたすことがある。血液検査では(  )の増多を認める。
3)結核のワクチンは(  )である。わが国では管針法により接種されるが、2005年4月より定期接種対象者が6か月未満となった。
4)(  )は急性扁桃炎、膿痂疹の起炎菌であるが、罹患後は定期的に検尿を行い(  )の発症に注意する必要がある。
5)乳幼児でインフルエンザに罹患してまもなくけいれん・意識障害が出現したときには(  )の合併を疑う。解熱剤との関連性も指摘されており、インフルエンザ罹患時に(  )以外の解熱剤は原則として禁忌である。
6)腸管出血性大腸菌感染症の治療で、小児に推奨されている抗菌薬は(  )、ノルフロキサシン、カナマイシンである。乳酸菌製剤は併用するが、止痢剤は使用してはならない。腸管出血性大腸菌感染症の小児の6〜7%に出現する合併症に(  )があり、重症例では輸血や透析療法が必要となることがある。

消化器感染症  担当:古庄憲浩
【1】細菌性食中毒について正しいものを2つ選びなさい。
1)細菌性食中毒は、発症様式の違いによって、感染型、毒素型、混合型(中間型)に分類される。
2)食中毒の起炎菌では、腸炎ビブリオ、カンピロバクター、黄色ブドウ球菌が多い。
3)初診時は原因菌が不明であるため、抗生物質にニューキノロン系薬やホスホマイシンが使用されることはない。
4)毒素型食中毒は、食品の加熱処理により多くは予防可能である。

【2】ヘリコバクター・ピロリ感染症について正しいものを3つ選びなさい。
1)ピロリ菌は胃十二指腸潰瘍との関連が報告されるが、生検組織から検出されることはない。
2)胃癌において、疫学的な研究から本菌感染により慢性萎縮性胃炎が胃前庭部に発生し、長い年月にわたって炎症が続くことが胃癌発生の危険因子となるとされている。
3)一般に、加齢とともに本菌感染率は低下する。
4)本菌感染の有無の診断には尿素呼気テスト、血清抗体測定など非侵襲的方法がある。
5)本菌陽性の消化性潰瘍については、制酸薬と抗菌薬の併用療法が薦められている。

【3】胃アニサキス症について正しいものを3つ選びなさい。
1)刺身、すし、ばってら、しめサバなど、生食後数日して胃痛、悪心・嘔吐などを呈することが多い。
2)胃アニサキス症が疑われた場合は、速やかに胃透視検査を行い、虫体の証明をする。
3)胃粘膜は、浮腫状に隆起し、出血斑などを伴った粘膜に胃アニサキス幼虫が刺入しつつある所見が観察される。
4)鑑別診断としては、消化管穿孔、イレウス、急性虫垂炎などの急性腹症などがある。
5)治療は、内視鏡的に病変部を摘出する方が望ましい。

【4】腸管出血性大腸菌について誤っているものを1つ選びなさい。
1)腸管出血性大腸菌感染症は、Vero細胞に致死的に働くVero毒素を産出する。
2)腸管出血性大腸菌感染症の主症状は、血便と激しい腹痛である。
3)血便を訴えて数日後に溶血性尿毒症症候群や脳症を続発することがある。
4)感染初期は補液のみの対症療法に徹し、決して抗生物質の投与は行わない。

【5】ウイルス性肝炎について誤っているものを1つ選びなさい。
1)A型肝炎は高率に慢性化する。 2)B型肝炎において性行為は重要な感染経路である。
3)C型肝炎は高率に慢性化し、原発性肝臓癌の主因である。
4)Epstein-Barr virus(EBV)感染は成人の場合、一過性の肝障害やリンパ節腫脹を来す。

一内科、医学部保健学科:永淵正法
【1】以下の設問につき正否(○×)で答えよ。(10点)
@ウイルス抗体測定で、IgM、IgGのクラスが判定できるのは酵素免疫測定法(EIA)である。
A血球凝集阻止反応(HI)抗体は既感染のスクリーニング抗体として有用である。
BEBウイルスは骨髄移植時の間質性肺炎、網膜炎、肝炎などと関連がある。
Cツツガムシ病に第三世代セフェム系抗生物質が有効である。
Dアデノウイルス感染症にガンシクロビルが有用である。
E伝染性単核症患者末梢血では、CD8陽性Tリンパ球が著明に増加している。
F伝染性単核症患者に細菌感染症の合併予防目的でアンピシリンの投与が推奨されている。
Gヒトヘルペスウイルス6は突発性発疹の病原体である。
Hエンテロウイルス69は急性出血性結膜炎を来す。
Iレオウイルスは手足口病と関連がある。

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