受胎・成長・発達 平成16年度概説試験

平成16年7月5日実施 120分
産科・小児外科:問題はA3でそれぞれ4枚と2枚。解答用紙はそれぞれA4で1枚ずつ。いずれも問題冊子は持ち帰り可。
小児科:問題は解答用紙と兼用、A3が4枚。
病理・整形外科:問題は解答用紙と兼用、A4が1枚。
小児科・病理・整形外科は復元。
102人受験、4人不合格。

<産科>
1.通常の妊婦健康診査の項目に含まれないものを一つ選べ。
a.子宮底長の計測   b.体重測定   c.尿ケトン体の定性検査
d.尿蛋白の定性検査   e.尿糖の定性検査

[解答] c
[解説] 一般の妊婦検診では体重測定、血圧測定、尿蛋白および尿糖検査、腹囲および子宮底長の測定は必須検査事項である。(NEW産婦人科学)

2.正しいものを一つ選べ。
a.プロゲステロンは妊娠初期には黄体から分泌される。
b.エストリオールは妊娠の進行とともに減少する。
c.ヒト絨毛性ゴナドトロピンは妊娠の進行とともに増加する。
d.ヒト胎盤性乳汁分泌ホルモンは妊娠中は母体血中から検出されない。
e.プロラクチンの増加はプロゲステロンが下垂体を刺激することによる。

  [解答] a
  [解説] 4月13日の休講分のプリントを参照。
a, ○。妊娠初期は黄体、以降は胎盤から分泌される。
b, ×。増加します。
c, ×。8〜10週にピーク。
d, ×。検出されます。
e, ×。エストロゲンの刺激によります。

3.妊娠にともなう母体の生理的変化に関して正しくないものを一つ選べ。
a.循環血液量は増加する。
b.心拍出量は増加する。
c.心電図は右軸偏位を示す。
d.呼吸数は増加する。
e.心胸郭比は増加する。

  [解答] c
  [解説] 4月9日の佐藤先生のプリントを参照。
      c, 左軸偏位を示します。

4.正しいものを一つ選べ。
a.子宮外妊娠の大部分は卵管間質部妊娠である。
b.子宮外妊娠の場合は子宮内に着床している可能性はない。
c.卵管流産は卵管峡部妊娠の場合に最も多く認められる。
d.卵管破裂は卵管膨大部妊娠の場合に最も多く認められる。
e.頸管妊娠は子宮内の妊娠であるが異所性妊娠である。

  [解答] e
  [解説] 4月16日の野崎先生のプリントを参照。
      平成15年度の概説の問4と同じです。
      a.×。卵管膨大部がほとんど。
b.×。多胎妊娠の場合が考えられます。
c.×。卵管膨大部妊娠のときに多い。
d.×。卵管狭部、間質部妊娠に多い。
e.○。

5.26歳の経産婦。月経は28日型、整順で、最終月経は平成16年1月12日より7日間で通常とかわりなかった。3月8日に当科を初診し、妊娠8週0日と診断した。その後、当科で妊婦健診を行っていたが、妊娠経過および胎児発育は順調であった。平成16年7月5日に頻回の下腹部痛と性器出血を訴えて来院。来院時、5分毎の有痛性の子宮収縮を認め、胎動は良好であった。内診所見は、外子宮口開大度2cm、展退度60%、先進部は児頭小泉門で下降度sp−2、子宮口位置は中央、硬度中等度であった。胎児心拍数陣痛図は、胎児心拍数基線140bpmで、子宮収縮の頻度は8回/60分、持続時間は30秒であった。
次の処置のうち正しいものを一つ選べ。
a.インドメタシンの投与   b.オキシトシンの投与
c.β2刺激剤の投与   d.頸管縫縮術   e.帝王切開術

  [解答] c
  [解説] 25週の切迫早産のようです。Bishopスコアは6点。生ませないほうが賢明のようです。a,c,d,のうち、dは頸管無力症の治療法、aのインドメタシンは母体・胎児への障害の可能性があり慎重に使われるようなのでcを選択しました。

6.羊水量の異常を生じない胎児疾患を一つ選べ。
a.胎児型多嚢胞腎   b.十二指腸閉鎖   c.Hirschsprung病
d.小顎症   e.先天性食道閉鎖症

  [解答] c
  [解説] a-羊水産生の低下→羊水過少
      b,d,e-羊水消失の現象→羊水過多
      c-Hirschsprung病は新生児期にイレウス症状で発症

7.23歳の初産婦。既往歴・家族歴に特記すべきことはない。妊娠初期から九州大学病院で妊婦健診を受けており、経過は順調であった。妊娠28週より子宮底長の増加が不良であった。妊娠30週より浮腫と蛋白尿が出現し、塩分制限の指導を受けていた。妊娠31週6日、午前1時より頭痛および右上腹部痛が出現したため、同日午前3時に来院した。
来院時所見:身長156cm、体重62kg、呼吸数18/分、子宮底長24cm、腹囲82cm、血圧186/120mmHg、尿蛋白(3+)、全身に浮腫を認めた。理学所見では右季肋部の圧痛および深部腱反射の亢進を認めた。膣鏡診で羊水流出は認めなかった。内診所見は、外子宮口開大度lcm、展退度40%、先進部は児頭小泉門で下降度sp−2、子宮口位置は後方、硬度中等度であった。
1)患者に対してまず行うべき処置として正しいものを一つ選べ。
a.アンギオテンシン変換酵素阻害剤の投与   b.フェノバルビタールの投与
c.利尿剤の投与   d.解熱鎮痛消炎剤の投与   e.硫酸マグネシウムの投与

入院後の胎児心拍数陣痛図で、基線細変動の消失および反復する遅発一過性徐脈をみとめた。
2)この時点で行うべき処置を一つ選べ。
a.β2刺激剤の点滴静注   b.オキシトシン点滴静注
c.帝王切開分娩   d.人工破膜   e.母体への十分な輸液

  [解答] d-c
  [解説] 1)高血圧、蛋白尿、浮腫ときました。妊娠中毒症です。血小板凝集抑制療法としてアスピリンの投与を行います。アンギオテンシン変換酵素阻害剤は妊婦には禁忌。フェノバルビタールと硫酸マグネシウムは子癇発作に対して用います。利尿薬は妊娠中毒症には原則用いないそうです。また2)では基線細変動の消失および反復する遅発一過性徐脈ということで胎児が危険な状態です。帝王切開がいいのではないでしょうか。(Bishopスコアは4点)

8.常位胎盤早期剥離について正しいものを一つ選べ。
a.患者のほとんどは、妊娠中毒症を合併している。
b.無痛性性器出血を特徴とする。
c.胎児心拍数異常を生じることはまれである。
d.DICを合併することが多い。
e.胎盤の位置異常を有することが多い。

  [解答] d
  [解説] 4月20日の佐藤先生のプリントを参照。
      a.×。80%は特発性です。
b.×。有痛です。
c.×。胎児死亡や胎児仮死が起こりえます。
d.○。これ大事です。
e.×。胎盤の位置は「常位」です。

9.糖尿病合併妊娠について正しいものを一つ選べ。
a.日本では1型より2型糖尿病の合併妊娠が多い。
b.妊娠中は経口糖尿病薬を使用する。
c.糖尿病合併妊娠において、インスリンの需要量は妊娠期間を通じて一定である。
d.糖尿病合併妊娠において形態異常児の発症頻度は一般頻度と差異はない。
e.1型糖尿病では巨大児出生の頻度が高い。

  [解答] a
  [解説] 4月19日のプリントを参照。
a.○。
b.×。食事療法とインスリンで血糖コントロールします。
c.×。インスリンの需要量は増えます。
d.×。一般頻度と差異あります。
e.×のようです。

10.胎児の臓器機能の発達について、正しくないものを一つ選べ。
a.妊娠20週では、尿の産生が認められる。
b.妊娠28週では、肺は成熟している。
c.妊娠30週では、嚥下が認められる。
d.妊娠28週では、腸管から水分吸収が認められる。
e.妊娠32週では、肝臓から胆汁分泌がある。

  [解答] b
  [解説] 4月26日のプリントを参照。
a.○。13-14wで
b.×。34-36週でサーファクタント産生され肺が成熟します。
c.○。11wより嚥下。
d.○。28-30wまでには機能的に成熟します。
e.○。選択肢より。

11.血液型不適合妊娠について正しくないものを一つ選べ。ただし、児の突然変異などは考慮しないものとする。
a.両親ともにRh(+)であれぱ、児は必ずRh(+)である。
b.両親ともにRh(−)であれば、児は必ずRh(−)である。
c.両親ともにRh(+)であれば、Rh式血液型不適合妊娠は起こらない。
d.父親がRh(−)であれば、Rh式血液型不適合妊娠は起こらない。
e.母親がRh(+)であれば、Rh式血液型不適合妊娠は起こらない。

  [解答] a
  [解説] 4月27日のプリントを参照。
a.×。両親ともヘテロのRh(+)であれぱ、児はRh(-)になりえます。
b.○。その通り。
c.○。血液型不適合妊娠は母親がRh(-)のときに問題となります。
d.○。母親がRh(-)なら子もRh(-)、母親がRh(+)なら児がRh(+)となっても問題ありません。
e.○。その通り。

12.子宮筋の収縮について正しいものを一つ選べ。
a.ヒト子宮筋は内側の輪状筋と外側の縦走筋に分類される。
b.妊娠10週では子宮筋のオキシトシン感受性は亢進する。
c.プロゲステロンは子宮筋の収縮を引き起こす。
d.マグネシウム製剤は子宮筋の収縮を抑制する。
e.プロスタグランジンは子宮筋の収縮に関与しない。

  [解答] d
  [解説] 4月28日の内容、H.15概説の問12に同じ。
a.×。内縦、中輪、外縦です。
b.×。第10月です。
c.×。収縮を抑制して妊娠の維持に働きます。
d.○。子宮収縮抑制薬として用います。
e.×。思いきり関与します。

13.24歳の初産婦。既往歴・家族歴に特記すべきことはない。
平成15年10月6日から7日間を最終月経として妊娠成立し、平成15年12月3日に当科を受診し、妊娠8週2日と診断した。以後、当科で妊婦健診を受けており、妊娠経過は順調で、胎児の発育も良好であった。平成16年7月5日(妊娠39週0日)、午前2時頃より痛みを伴う10分毎の子宮収縮が出現し、午前4時に当科に入院となった。入院時、身長158cm、体重61kg、血圧120/68mmHg、体温36.2度、子宮底長32cmであった。膣鏡診で、羊水の流出はなく、血性粘液調の分泌物を認めた。内診所見は、子宮口開大2cm、展退度70%、先進部は児頭小泉門で下降度sp−2、子宮口位置は中央、硬度軟であった。胎児心拍数陣痛図では心拍数基線140bpm、一過性頻脈を認め、一過性徐脈は認めなかった。子宮収縮は4分毎に認めた。陣痛発来と診断し、胎児心拍数陣痛図をモニターしながら分娩経過を観察した。
図1に入院後の分娩経過を示す。

1)入院時(午前4時)の内診所見におけるビショップスコアーは何点か
a.5点   b.6点   c.7点   d.8点   e.9点

2)同日13時の内診所見は子宮口開大7cm、展退度80%、児頭の位置sp+1、子宮口の位置中、硬さ軟であった。また、先進部の小泉門を1時方向に触知した。陣痛周期は7分で、陣痛の持続時間は60秒であった。
このときの診断として正しいものを一つ選べ。
a.正常分娩経過
b.回旋異常
c.原発性微弱陣痛
d.続発性開大停止
e.頸管熟化不全

  [解答] 1)c 2)a
  [解説]  H.15概説の問13、H.15卒試の問9が類題となっています。
1)子宮口開大2cm(1点)、展退度70%(2点)、児頭下降度sp-2(1点)、子宮口位置は中央(1点)、硬度軟(2点)の計7点となります。
      2)子宮口開大7cm(3点)、展退度80%(3点)、児頭の位置sp+1(3点)、子宮口の位置中央(1点)、硬さ軟(2点)でBishopスコアは12点、頚管は成熟しています。陣痛も起こっているようですし、分娩は正常に進んでいると考えられます。

14.頸管開大度曲線(Friedman)について正しいものを一つ選べ。
a.緩徐期(latent phase)には主として展退度が進行する。
b.開大度7−8cmで活動期(active phase)に入る。
c.活動期は麻酔で遷延する。
d.開大度10cmで児頭は固定する。
e.急昇期(maximum slope)には初産婦で2cm/時間以上開大する。

[解答] e
[解説] H.15概説の問14に同じ。
      a.?。
b.×。2-2.5cmで入ります。
c.?。
d.×。もっと早く固定します。
e.○。Friedman曲線を見てみると、このくらいの速さで開大しているようです。

15.児頭骨盤不均衡の際に起こりやすい疾患を一つ選べ。
a.肩甲難産   b.微弱陣痛   c.前期破水   d.過期妊娠   e.常位胎盤早期剥離

[解答] e
[解説] H.15概説の問13に同じ。
a.×。肩甲難産は児頭が娩出された後の問題。児頭骨盤不均衡は児頭が娩出されないのが問題。
b.×。微弱陣痛は児頭骨盤不均衡がないことが条件。
c.×。児頭骨盤不均衡は分娩開始後に問題が生じるのではないでしょうか。
d.×。分娩の開始には影響しないと思われます。
e.○。分娩が遅れてるうちに胎盤が剥離してしまうと思われます。

16.子宮破裂について正しいものを一つ選べ。
a.不全子宮破裂とは、子宮筋の一部が断裂した状態である。
b.完全子宮破裂では、総出血量は外出血量にほぼ等しい。
c.子宮破裂の好発部位は子宮底部である。
d.Bandl収縮輪の上昇は、子宮破裂後に認められる所見である。
e.過強陣痛が無くても子宮破裂を生じることがある。

  [解答] e
  [解説] 5月6日のプリントを参照。
a.×。筋層の断裂のうち破れていないもののことを言います。
b.×。外出血量よりも内出血量の方が多いので注意が必要です。
c.×。体部(特に左の側壁)に多いそうです。
d.×。子宮破裂の前駆症状として重要です。
e.○。破裂の原因は手術後の瘢痕などさまざまです。

17.次の文を読み、1)と2)の問いに答えよ。
34歳の2回経産婦。本日(妊娠34週5日)突然性器出血および下腹部痛が出現し、当科に緊急搬送された。来院時、患者は持続する強い下腹部痛を訴えており、顔面は蒼白、血圧80/50mmHg、脈拍数120/分、呼吸数18/分、子宮は板状硬であった。膣鏡診では、血性の羊水流出が認められた。超音波検査では胎盤は子宮底部に付着し著明な肥厚像を認めた。内診所見は、外子宮口開大度2cm、展退度70%、先進部は児頭小泉門で下降度sp−1、子宮口位置は後方、硬度中等度であった。来院時の胎児心拍数陣痛図を図2に示す。

17−1)診断として正しいものを一つ選べ。
a.常位胎盤早期剥離  b.前置胎盤  c.弛緩出血  d.子宮破裂  e,仰臥位低血圧症候群

17−2)この患者に対してまず行うべき処置として正しいものを一つ選べ。
a.帝王切開術   b.オキシトシンの点滴静注
c.人工破膜   d.吸引分娩   e.β2刺激剤の点滴静注

  [解答] a-a
  [解説] H.15概説の問19に同じ。
      顔面蒼白、血圧低下、頻脈、下腹部痛などの症状、またエコーでの胎盤の肥厚像により常位胎盤早期剥離と診断。分娩が進行していないことから、帝王切開するのが妥当だと思われます。

18.28歳の1回経産婦。妊娠経過は順調であった。妊娠39週2日に自然陣痛発来し、入院となった。陣痛発来から約6時間後に3870gの男児を頭位経膣分娩した。分娩時の出血量は100mlであった。児娩出後30分経過しても胎盤の剥離徴候を認めなかったため、膀帯を軽く牽引したところ胎盤が膣外に娩出された。また胎盤に引き続いてテニスボール大の暗赤色のかたまりが膣口に突出し、患者は強い痛みを訴えた。診断として正しいものを一つ選べ。
a.頸管裂傷   b.子宮破裂   c.弛緩出血   d.筋腫分娩   e.子宮内反症

  [解答] e
  [解説] H.15概説の問18に同じ。
      胎盤を剥離しようと牽引したら、暗赤色のかたまりが突出して激痛を訴えたというのは、子宮内反症の典型例です。

19.甲状腺機能亢進症合併妊娠について正しいものを一つ選べ。
a.甲状腺機能亢進症より甲状腺機能低下症の合併妊娠が多い。
b.妊娠により甲状腺機能亢進症は軽快する。
c.妊娠中の甲状腺機能の評価には血中T3、T4、TSHを用いる。
d.胎児甲状腺機能低下症を合併することがある。
e.羊水過多の発症頻度が高い。

  [解答] c
  [解説] 5月14日のプリントを参照。
a.×。甲状腺機能亢進症の合併妊娠の方が多いです。
b.×。悪化します。
c.○。
d.×。胎児には亢進症が起こります(甲状腺刺激ホルモン受容体抗体の移行により)
e.×。選択肢より。

20.誤っているものを一つ選べ。
a.マタニティー・ブルーズは産後に起こる一過性の情緒障害である。
b.マタニティー・ブルーズに対する主な治療は、母児分離である。
c.マタニティー・ブルーズを発症した褥婦は、産後うつ病のハイリスクである。
d.産後うつ病では、授乳中であるので薬物療法は禁忌である。
e.精神障害の既往歴を有する症例は、産褥期精神機能障害のハイリスク群である。

  [解答] bかd
  [解説] 5月18日の内容。
a.○。一過性の精神的な変化です。
b.×。これはよくなさそうですが…。
c.○。マタニティー・ブルーズを経験した褥婦は産後うつ病の罹患率が高い。
d.×。使わざるをえない場合もある。その場合には授乳を中止する。
e.○。産褥期に悪化することが多いそうです。

21.30歳の初産婦。妊娠38週0日に自然陣痛発来し、入院となった。外子宮口開大度6cmの時点で、胎児心拍数陣痛図で胎児仮死の徴候が発現したため帝王切開分娩を行った。児は2560gの男児であった。娩出1分後の新生児は弱々しく啼泣し、筋緊張は不良で、カテーテルによる口腔内吸引で顔をしかめる。四肢にチアノーゼを認め、心拍数は80/分であった。
この児にまず行うべき処置を一つ選べ。
a.気道内吸引   b.マスクによる人工換気   c.気管内挿管による酸素投与
d.アシドーシスの是正   e.心マッサージ

[解答] b
  [解説] H.15概説の問20に同じ。

22.26歳の初産婦。妊娠38週0日に前期破水で入院。陣痛が発来しないため分娩誘導を行ったが、オキシトシンに対する反応が不良で、破水3日後(妊娠38週3日)に2800gの児を頭位経膣分娩した。母親は、その後産褥2日目より38度台の発熱が3日間続いている。分娩後、褥婦は疲労が激しいため、直接授乳はまだ行っていない。
この褥婦に考えにくい疾患を一つ選べ。
a.腎孟腎炎   b.子宮内膜炎   c.血栓性静脈炎   d.乳腺炎   e.骨盤腹膜炎

[解答] d
  [解説] 5月19日の内容。H.15概説の問22に同じ。

<小児科>
問1 ( )の中をうめよ。
1)大泉門が膨隆している場合は( )、陥凹している場合は( )を考える。
2)バイタルサインは( )、( )、( )、血圧である。

[解答] 順に脳圧亢進、脱水、脈拍、呼吸、体温
[解説] 15年度の概説試験の問2に同じ

問2 正常新生児に見られることがある所見に○をつけよ。
1.蒙古斑( )
2.サーモンパッチ( )
3.カフェオレ斑( )
4.洞性不整脈( )
5.乳房腫大( )

[解答] 順に○○○○?です。
[解説] 4月12日の原先生のプリントを参照
    3、6個以上は以上らしいです。
      5、すいません。よくわかりません。

問3 モロー反射は正常では生後( )ヶ月頃消失する。モロー反射に左右差がある場合には( )、消失しない場合には( )などの疾患を考える。

[解答] Moro反射の消失:4ヶ月、左右差:分娩麻酔・鎖骨骨折・脳性麻痺、消失しない場合:脳性麻痺・運動発達遅滞
[解説] 5月25日の原先生のプリントを参照

問4 以下の病原微生物の主な感染防御機構は抗体(A)か細胞性免疫(B)か?( )にABを記入しなさい。
1( )一般化膿菌
2( )細胞内寄生性細菌
3( )サイトメガロウイルス
4( )細胞融解型ウイルス
5( )カンジダ

[解答] 順にABBAB
[解説] 6月7日の原先生のプリントを参照

問5 下の語群より当てはまるものを選べ。
1)乳児期早期からの化膿性リンパ節炎、肛門周囲膿瘍
2)α-fetoproteinの異常高値
3)テタニー、先天性心疾患
4)口蓋扁桃、アデノイドの低形成、乳児期後半の細菌感染
5)乳児期早期からの口内カンジダ症、カリニ肺炎、下痢、発育障害
語群
a.伴性無γグロブリン血症  b.ataxia teleangiectasia  c.Di George症候群
d.重症複合免疫不全症  e.慢性肉芽腫症

[解答] 1-e、2-b、3-c、4-a、5-d
[解説] 6月7日の原先生のプリント、6月11日の高田先生のプリントを参照

問6 正しいものはどれか。2つ選びなさい。
1)HbFのO2親和性はHbAに比べ低い
2)正常新生児の造血の場は主に肝臓である
3)正常新生児ではHb19/dlは正常範囲
4)離乳食の開始が遅れた場合人工栄養児に比べ母乳栄養児の方が貧血傾向が高い
5)Hb値の男女差は多くの場合幼児期に明らかになる

  [解答] 3、4
[解説] 6月8日の住江先生のプリント、ノートを参照
1、 ×。高い
2、 ×。生まれたときにはもう骨髄
3、 ○。その通り
4、 ○。母乳に足りないもの…鉄とVitK。鉄が足りなくて貧血になりやすい。
5、 ×。思春期にアンドロゲンの作用で明らかになります。

問7 正しいものはどれか。2つ選びなさい。
1)正常新生児では、0生日の末梢血中白血球数5000/μlは正常範囲である。
2)健康な1歳児の末梢血中リンパ球数は好中球数よりも多い。
3)小児における特発性血小板減少性紫斑病はほとんどが急性型である。
4)乳児ビタミンK欠乏性出血症は人工乳栄養児に好発する。
5)小児急性リンパ球性白血病の5年無病生存率は約40%である。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] 2,3
[解説] 6月8日の住江先生のプリント、ノートを参照
1、 ×。少なすぎます
2、 ○。5日から5歳まではリンパ球優位です。
3、 ○。成人と異なり、約80%が急性型だそうです。
4、 ×。母乳栄養児っで起こりやすいです。母乳にはVitKが足りません。
5、 ×。ALL---今では80%以上の長期生存が期待されるそうです。

問8 伴性無ガンマグロブリン血症(X-linked agammaglobulinemia)の診断に関して正しい組み合わせはどれか。
1)免疫グロブリンのうち、IgGのみが欠損し、IgMはむしろ高値を示す。
2)BTK蛋白が欠損している。
3)B細胞分化の障害により、末梢血B細胞の欠損が見られる。
4)顔貌の異常は約20%に見られる。
5)胸腺が低形成である。
a(1)(2)  b(1)(5)  c(2)(3)  d(3)(4)  e(4)(5)

[解答] c
[解説]  6月11日の高田先生のプリントを参照
1、 ×。Ig値はすべて低下
4,5、ともに×。Di George Synd.の説明かと思われます。

問9 高IgE症候群(Job症候群)について正しいものの組み合わせはどれか。
1)多くが伴性劣性遺伝である。
2)寒冷膿瘍がこの疾患の特徴としてあげられる。
3)特にブドウ球菌やカンジダに対して易感染性であり、ブドウ球菌特異的IgEは診断に有用であるといわれている。
4)骨折の起こりやすい傾向があり、歯牙の萌出の異常、脊椎の異常がみられることがあるのも、この疾患の特徴である。
5)血清IgG値は通常250mg/dl以下に著しく低下している。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

[解答] d
[解説]  6月11日の高田先生のプリントを参照
1、 ×。常染色体優性遺伝です。
5、×。IgG4は増加とありますね…

問10 次の文章のうち、正しいものの組み合わせはどれか。
1)肺血管抵抗は出生直後より急速に低下する。
2)胎児期には心奇形の存在による影響を受けない。
3)カテコラミンによる収縮性は高い。
4)三尖弁閉鎖症における卵円孔開存は血行動態維持のため必須である。
5)未熟児動脈管開存の閉鎖誘導にインドメタシンが有効である。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

[解答] c
[解説] 6月3日の大野先生のプリントを参照
2、 ×。受けないことはないのでは?
3、 ×。低いみたいです。よくわかりません。
4、 ○。卵円孔が閉じていたら、右房より先に血がいきませんね。
5、 ○。PGEによる動脈管開存の作用を阻害。

問11 川崎病について正しいものの組み合わせを選べ。
1)男児よりも女児に発症頻度が高い。
2)治療として免疫グロブリンの大量投与が有効である。
3)非化膿性頸部リンパ節腫張は主要症状のひとつである。
4)膜様落屑は慢性期の所見として重要である。
5)急性期にリンパ球を主体とした白血球増多が認められる。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

[解答] d
[解説] 6月3日の大野先生のプリントを参照
1、 ×。男児に多い。
5、×。好中球・多核白血球の増加

問12 ( )の中を適切な語で埋めよ。
1)脳性麻痺とは( )期から( )期までの間に生じた脳の( )に基づく永続的であるが変化しうる運動および姿勢の異常である。
2)脳性麻痺の診断には( )、( )などがないかをチェックすることが大切である。
3)脳室周囲白質軟化や脳室内出血は( )児より、いわゆる( )児で起こりやすい周産期神経障害である。

  [解答] 順に受胎、新生児、非進行性病変、発達全体の遅れ、原始反射の残存、成熟、未熟
  [解説] 6月2日の吉良先生のプリントを参照

問13 次の文章のうち、誤っているものを一つ選べ
1)ミトコンドリアDNAは、細胞質遺伝(母系遺伝)する。
2)ミトコンドリアDNAに変異があるミトコンドリア脳筋症では、骨格筋に赤色ぼろ繊維(ragged red fiber)が存在する。
3)ミトコンドリア脳筋症では、乳酸・ピルビン酸(髄液)の測定が、診断に重要である。
4)副腎白質ジストロフィーでは極長鎖脂肪酸(血中)が増加する。
5)krabbe病では、骨髄空胞細胞がみられる。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] e
  [解説] 6月4日の吉良先生のプリントを参照
      5、×。Krabbe病は白質の変性。骨髄空胞細胞は灰白質の変性の特徴。

問14 次の組み合わせのうち、誤っているものを1つ選べ。
1)結節性硬化症:虹彩過誤腫
2)神経線維腫症1型:視神経膠腫
3)神経線維腫症2型:両側第8脳神経腫瘍
4)Sturge-Weber症候群:三叉神経領域の血管腫
5)von Hippel-Lindau病:網膜血管芽細胞腫
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] a
  [解説] 6月4日の吉良先生のプリントを参照
1、 ×。網膜の過誤腫
5、○.中枢神経系と網膜の血管芽細胞主が特徴的です。

問15 生後1ヶ月頃から筋力低下、筋緊張低下に気付かれている6ヶ月女児。3ヶ月頃から哺乳障害も出現している。血清CK値は正常で頭部MRIにも異常はない。また外表奇形もない。最も疑われる診断を以下から1つ選べ。
1)Duchenne型筋ジストロフィー
2)Werding-Hoffman病
3)Zellweger症候群
4)福山型筋ジストロフィー
5)Kugelberg-Welander病
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] b
[解説] 血清中のCK値が正常であることから神経原性であることがわかり、筋ジストロフィーが除外されます。筋力低下、筋緊張低下が気づかれた時期などからWerding-Hoffmanが適当かと思われます。

問16 次の記述のうち、正しいものを3つ選べ。
1)早産児とは、在胎28週以上37週未満で出生した児をいう。
2)極低出生体重児とは、在胎週数を問わず出生体重が1500g未満の新生児をいう。
3)symmetrical IUGR の児では、発育遅延の原因として染色体異常を含めた児の異常を考慮すべきである。
4)健康な新生児は出生直後から1日25〜30gの体重増加が見られる。
5)在胎26週未満の未熟児では、啼泣を促すために強い刺激を与えたりせず、可及的速やかに気管内挿管をする。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] a、b、c、e
  [解説] 5月27日の中山先生のプリントを参照
      4、×。生後数日の間に生理的体重減少があります。
   答えが4つになってしまいました。どれかが間違ってるんでしょうがよくわかりませんm(_ _)m

問17 次の記述のうち、正しいものを3つ選べ。
1)新生児では、褐色細胞で熱を産生するため、震え(shivering)は生じない。
2)産瘤は、頭蓋骨骨膜下の出血であるため、高ビリルビン血症に注意する。
3)32週未満の早産児でも、全身状態がよければ、経口哺乳を開始する。
4)呻吟呼吸は、呼気時に声帯を閉めるためにうなり声がきかれる。
5)中枢性チアノーゼは、中枢性呼吸抑制・呼吸器疾患・チアノーゼ型の心疾患を疑う所見だが、生後早期に病的チアノーゼを見分けるのは難しい。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] a、d、e
  [解説] 5月28日の曳野先生の先生のプリントを参照
2、 ×。これは頭血腫の説明。産瘤は皮下もしくは帽状腱膜下のうっ血と浮腫のこと。
3、 ×。32週以前は有効な陰圧は生じない(non-nutritive sucking)。

問18 次の記述のうち、正しいものを3つ選べ。
1)新生児の胃液を採取・攪拌し、小さな泡の数を数えるMicrobubble testは、呼吸急迫症候群の診断に有用である。
2)胎便吸引症候群は、気胸、新生児遷延性肺高血圧、肺炎などの合併が多い。
3)呼吸窮迫症候群(RDS)では、スリガラス状陰影、気管支透亮像、網状顆粒状陰影などの胸部X線所見に基づくBomsel分類により、その重症度を判定する。
4)慢性肺疾患とは、「先天性肺疾患を除き、生後28日を超えて人工呼吸が必要な呼吸障害を残したもの」と定義される。
5)周期性呼吸とは、20秒以上の呼吸の休止または、休止がそれ以下でもチアノーゼや心拍低下を伴うものをいう。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] a、b、c、d
[解説] 5月31日の曳野先生のプリントを参照
4、 ×。これは未熟児無呼吸発作の説明です。周期性呼吸とは、5〜10秒の呼吸停止を伴う呼吸のことで、新生児では正常。
答えが4つになってしまいました。どれかが間違ってるんでしょうがよくわかりませんm(_ _)m

問19 次の記述の中から、正しいものを3つ選びなさい。
1)未熟児の脳性麻痺の主要な原因は、上衣下出血である。
2)未熟児の脳室内出血の原因は、上衣下出血の脳室内穿破が原因であり、出血後水頭症に至る場合がある。
3)脳室周囲白質軟化症は在胎27〜32週の未熟児に好発し、錐体路の障害に基づく下肢優位の痙性麻痺を残す。
4)黄疸の後遺症は、錐体外路の障害に基づく不随意運動型脳性麻痺を呈する。
5)未熟児網膜症は高濃度酸素投与などが原因となる疾患であり、自然治癒は稀で、重症なものでは網膜剥離を来たすため治療が必要である。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] b、c、d
[解説] 5月31日の曳野先生のプリントを参照
1、 ×。上衣下出血だけでは後遺症は残りません。
5、×。自然治癒傾向は強いです。

問20 次の記述の中から、正しいものを3つ選びなさい。
1)未熟児貧血のうち、早期貧血の治療としてエリスロポエチン投与は確立した治療法であり、輸血の回避がその重要な目的の1つである。
2)在胎期間の短い未熟児は、ビタミンDの投与や母乳強化剤の使用による未熟児くる病の発症予防が重要である。
3)未熟児動脈管開存症の治療はPG(プロスタグランジン)製剤および動脈管結紮術である。
4)未熟児の高カリウム血症の治療としてグルコース・インスリン療法がある。
5)敗血症や貧血の進行により、無呼吸発作を来たすことは稀である。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] a、b、d
  [解説] 5月31日の曳野先生のプリントを参照
3、×。インドメタシンなどのPG阻害剤を用います。
5、×。起こります。

問21 新生児マススクリーニングの該当疾患を3つ選びなさい。
1)クレチン症
2)ガラクトース血症
3)ホモシスチン尿症
4)新生児糖尿病
5)ヒスチジン血症
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] a、b、c
[解説] 5月21日の授業プリント(都先生)を参照

問22 糖原病1型について、正しいものを2つ選びなさい。
1)診断には筋生検が必要である。
2)低血糖は、成人以降ほとんどおこらない。
3)人形様顔貌が特徴的である。
4)高脂血症を認める。
5)解糖系が障害されている。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] c、d
[解説] →15年度の概説試験の問25に同じ

問23 次の疾患のうち、無治療でも治癒するものを1つ選びなさい。
1)ヒスチジン血症
2)クレチン症
3)フェニルケトン尿症
4)ガラクトース血症1型
5)Wilson病
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] a
  [解説] 6月9日の河野先生のプリントを参照
      1、ヒスチジン血症の大部分が無治療で正常な発育を示すことが明らかにされ、マス・スクリーニングの対象疾患から削除されています。

問24 ケトン性低血糖症について、正しいものを3つ選びなさい。
1)食事後に発作性に生じることが多い。
2)膵体尾部切除を行うことがある。
3)血中インスリンは低値である。
4)尿中にケトン体を証明する。
5)ブドウ糖静注で症状は改善する。
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] c、d、e
[解説]  5月21日の授業プリント(都先生)を参照
1、 ×。食事を取らなかったときに起こりやすい
ケトン性低血糖症は原因不明だが予後良好の疾患。低血糖の原因が高インスリン血症ではないので、血中インスリンは下がっている(なので3は○)。したがって膵の部分切除を行ってインスリン分泌能を抑えようとする治療は不適当(よって2が×)。治療法としては対症療法(ブドウ糖の静注)でしのぎ、発作の起こらなくなる年齢までをしのぐことになる。

問25 次にあげる疾患のうち、成長障害が特徴であるものを3つ選びなさい。
1)成長ホルモン欠損症
2)ターナー症候群
3)軟骨無形成症
4)クラインフェルター症候群
5)甲状腺機能亢進症
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

  [解答] a、b、c
  [解説] 6月9日の河野先生のプリントを参照
      5、×。甲状腺機能に関してはクレチン症などで低下している場合に低身長になります。

問26 8歳女児。2ヶ月前から多飲・多尿が出現し、体重も3kg減少した。今朝から嘔吐が出現し、昏睡状態になったので救急車で来院した。口腔内は乾燥しており、クスマウル呼吸がみられた。病態について正しいものを3つ選べ。
1)低血糖
2)脱水症
3)代謝性アシドーシス
4)尿ケトン体強陽性
5)呼吸性アシドーシス
a(1) b(2) c(3) d(4) e(5)

[解答] b、c、d
[解説] 5月26日の都先生のプリントを参照。
      多飲・多尿、体重減少ときました。糖尿病のようです。嘔吐→昏睡は高血糖性の昏睡と思われます。口腔内の乾燥、Kussmaulの大呼吸はそれぞれ脱水、代謝性アシドーシスを反映したものです。低血糖性の昏睡の場合は、高血糖性の昏睡と違って脱水を伴いません(Step3のp35)。したがって、aは外れます。Eは論外。

<小児外科>
1.小児外科疾患の好発時期について正しい組み合わせをえらべ
1)腸重積:学童期
2)Hirschsprung病:学童期
3)悪性腫瘍:新生児期
4)虫垂炎:新生児期
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] h
[解説] 6月14日のプリントを参照。
      1)×。乳・幼児期。
2)×。新生児期・乳児期。
3)×。乳幼児期。
4)×。学童期。

2.新生児外科手術の術前術後管理について正しい組み合わせをえらべ
1)新生児は胸式呼吸の方が腹式呼吸よりも優位である。
2)右上葉は無気肺がおこりやすい。
3)パルスオキシメーターは保温に用いる器械である。
4)新生児の心拍数として80/minは異常である。
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] e
[解説] 6月14日のプリントを参照。
1)×。腹式呼吸優位です。
2)○。右上葉と左下葉で起こりやすいです。
3)×。パルス(脈拍)とオキシ(酸素飽和度)をみます。
4)○。徐脈です。注意です。

3.次の新生児外科的疾患のうち出生前診断率が高い組み合わせをえらべ
1)水腎症
2)十二指腸閉鎖
3)Hirschsprung病
4)鎖肛
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] a
[解説] 6月14日のプリントを参照。
1)○。水腎症→羊水過少。
2)○。十二指腸閉鎖→羊水過多
3)、4)×。下部腸管の通過障害・閉鎖では羊水過多がこないので診断は難しいです。

4.小児の頸部疾患について正しい組み合わせを選べ。
1)正中頸嚢胞の手術は舌骨を温存することが重要である。
2)大きな血管腫が原因で血小板減少をきたすものはKasabach Merritt症候群とよばれる
3)第一鰓裂由来の側頸瘻は外耳道に向かって走行する。
4)梨状窩瘻は右側に多い
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] d
[解説] 6月17日のプリントを参照。
1)×。舌骨もとります(舌骨合併切除)。
4)×。左に多いです。

5.先天性横隔膜ヘルニアについて正しい組み合わせを選べ。
1)PPHNの診断には心エコー検査は重要である。
2)PPHNの治療としてNO吸入療法は禁忌である。
3)欠損孔が大きいとGERをおこしやすい。
4)ECMOの合併症として出血は稀である。
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] b
[解説] 6月22日のプリントを参照。
2)×。NOは用います。
3)○。食道裂孔ヘルニアで問題です。
4)×。大事です。血液を固まりにくくするので出血が起こりやすいです。

6.小児臓器移植について正しい組み合わせを選べ。
1)肝移植は小児例のほうが成人例よりも成績がよい。
2)小児生体肝移植ではグラフトは右葉を用いるのが大部分である。
3)小腸移植は肝移植よりも拒絶が起こりにくい。
4)小児の肝臓移植の適応疾患として胆道閉鎖が最も多い。
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] c
[解説] 6月28日のプリント、ノートを参照。
      2)×。左葉を用います。
      3)×。起こりやすいです。

7.食道閉鎖症について正しい組み合わせをえらべ
1)コイルアップがあり消化管のガス像がある場合は、Gross分類のA型またはB型である。
2)出生体重2000gで心奇形がない場合はSpitzのrisk分類のGroupTになる。
3)VATER associationのVはvirus感染をさす。
4)術後合併症として胃食道逆流症はよく起こる。
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4  f)3,4
g)すべて正しい  h)すべて間違い

[解答] e
[解説] 6月22日のプリントを参照。
1)×。C型(まれにD型)です。
3)×。VertebraのVです。脊椎奇形です。

8.次の( )内に正しい語句を記入せよ
1)腸重積症の注腸造影では( )サインが診断に重要である。
2)腸回転異常症では小腸間膜が後腹膜に固定されていないため上腸間膜動脈を軸に( )方向に捻転を起こし易い。
3)直腸肛門奇形術後の排便をコントロールするのに重要な筋肉として外肛門括約筋と( )筋がある
4)ヒルシュスプルング病の診断に重要な検査所見は注腸造影のnarrow segment、直腸肛門内圧検査での( )の欠如、直腸粘膜生検でのAchE活性陽性線維の増加である。
5)先天性水腎症の成因として最も多いのは( )の狭窄である。
6)重複腎孟尿管では下部尿管開口異常の1つとして( )がある

[解答] 1)蟹爪様 2)時計針 3)恥骨直腸 4)直腸肛門反射 5)腎盂尿管移行部 6)尿管瘤
[解説] 6月23日、6月16日、7月2日のプリントを参照。

9.神経芽腫に関する正しい記述の組み合わせを、以下より選べ
1)神経芽腫の好発部位で最も多いのは副腎であり、次に後腹膜である。
2)神経芽腫には、自然に退縮するものが存在する。
3)神経芽腫のstage WSは、転移巣は肝、骨、皮下に限る。
4)神経芽腫の全ての症例で尿中VMA、HVAが高値を示す。
5)乳児神経芽腫マススクリーニングで発見された症例の生存率は95%以上である。
a)1,2,3  b)1,2,5  c)1,4,5  d)2,3,4  e)3,4,5

[解答] b
[解説] 6月30日のプリントを参照。
      3)×。stageWSの転移巣は肝と皮下と骨髄。
      4)×。約70%に陽性です。

10.抗ガン剤の特異的な副作用の組み合わせで正しいものを選べ。
1)サイクロフォスファミド−聴力障害
2)アドリアマイシン−心筋障害
3)ビンクリスチン−末梢神経炎
4)シスプラチン−出血性膀胱炎
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4

[解答] d
[解説] 6月30日のノートを参照。
      1)×。サイクロフォスファミドは出血性膀胱炎。
      4)×。シスプラチンは腎障害と難聴。

11.神経芽腫の分子生物学的予後不良因子の組み合わせを選べ。
1)MYCN遺伝子増幅
2)aneuploid
3)TrkAの高発現
4)1番染色体短腕の欠失
a)1,2  b)1,3  c)1,4  d)2,3  e)2,4

[解答] c
[解説] 6月30日のプリントを参照。
      予後不良因子はN-myc遺伝子の増幅、1pの欠失、DNAのdiploid。Trk遺伝子はTrkAの高発現、TrkBの低発現で予後良好。

12.膀帯ヘルニア、腹壁破裂で人工被膜を用いる手術に( )法がある。

[解答] Allen-Wrenn法
[解説] 6月29日のプリントを参照。

13.小児鼠径ヘルニア手術の基本は( )が重要である。

[解答] 高位結紮(Potts法)
[解説] 6月29日のプリントを参照。

14.小児の代謝的特徴に関して、誤った文章を1つ選べ。
1)小児は水分出納が大きく、脱水や水分過剰になりやすい。
2)新生児・乳児の尿比重は低いことが多い。
3)新生児、特に低出生体重児では、血糖の細かなモニタリングが必要である。
4)小児、特に新生児では脂肪の投与は、腎への負担となる。
5)新生児は脂肪の蓄積が低く、必須脂肪酸欠乏を起こしやすい。

[解答] 4)
[解説] 6月15日のプリントを参照。
2)○。濃縮が苦手です。
4)×。蛋白と無機質が腎への負担となります。

15.次の文章の中で、誤ったものを1つ選べ。
1)短期のタンパク代謝の指標として、rapid turnover proteinの測定は有用である。
2)亜鉛欠乏症では、口や肛門の周囲に湿疹様皮膚炎が生じる。
3)長期の静脈栄養における合併症には、肝障害がある。
4)経腸栄養剤投与中の合併症として、下痢や腹部膨満がある。
5)栄養サポートチームの構成員は、医師と看護師のみからなる。

[解答] 5)
[解説] 6月15日のプリントを参照。
      5)×。常識かな。

16.次の文章の中で、誤ったものを1つ選べ。
1)CCAMの病理所見の特徴として、終末細気管支の嚢状の拡張が認められる。
2)CCAMの病理学的分類として、Stocker分類が広く用いられている。
3)CCAMの中で、胎児水種を合併する場合、予後は良好である。
4)肺分画症における、分画肺の動脈は主に大動脈より供給されている。
5)肺葉外肺分画症では、検診などで偶然発見されることがある。

[解答] 3)
[解説] 6月18日のプリントを参照。CCAMは先天性嚢胞性腺腫様奇形。
3)×。胎児水種を合併する場合、予後は不良です。

17.次の文章の中で、誤ったものを1つ選べ。
1)気管狭窄症では、病変部は気管の膜様部がなく、軟骨で覆われている。
2)気管狭窄症では、気管形成術を行うことがある。
3)気管軟化症では、呼気時に喘鳴が強くなる。
4)気管軟化症では、診断に気管支鏡が有用である。
5)気管軟化症は、横隔膜ヘルニアに合併することが多い。

[解答] 5)
[解説] 6月18日のプリントを参照。
      5)×。食道閉鎖症に合併することが多い。

18.肥厚性幽門狭窄症の特徴的な症状について記せ

[解答] 生後4〜6週頃に発症する非胆汁性噴水状嘔吐
[解説] 6月24日のプリントを参照。

19.先天性十二指腸閉鎖症の診断に最も重要なレントゲン上の所見を記せ

[解答] double bubble sign
[解説] 6月24日のプリントを参照。

20.胆道閉鎖症に関する記述で( )内に正しい語句を記せ。
胆道閉鎖症(V−b1−μ)の根治手術法は( )である。

[解答] 肝門部空腸吻合(葛西原法)
[解説] 6月21日のプリントを参照。
     T型・U型には肝管空腸吻合、V型には肝門部空腸吻合(葛西原法)。

21.先天性胆道拡張症のtrias(三主徴)を記せ。(1点)

[解答] 右上腹部腫瘤、黄疸、腹痛
[解説] 6月21日のプリントを参照。
      それぞれ60%、55%、65%に起こり、すべてそろうのは30%程度。

22.( )内に適切な語句を記せ。
1)肝芽腫は( )の家系に好発する。
2)肝芽腫の転移部位としては( )が多い。
3)Wilms腫瘍には( )症候群が合併することがある。
4)両側性Wilms腫瘍はStage( )である。
5)卵黄嚢癌では血中( )の上昇が診断に有用である。
6)PAX3−FKHRキメラ遺伝子の検出が( )では診断に有用である。

[解答] 1)FAP(家族性大腸ポリポーシス) 2)肺 3)WAGR 4)X 5)AFP 6)横紋筋肉腫
[解説] 7月1日のプリントを参照。

<病理>
1.新生児肺疾患、肺生理について正しいものの組み合わせを選べ。
1)呼吸急迫症候群の主な原因は、児の未熟性による肺サーファクタント欠乏である。
2)肺サーファクタントの主成分は中性脂肪である。
3)新生児期酸素療法の遅発性合併症に気管支肺異形成と未熟児網膜症がある。
4)肺分離症は、気管支との交通を欠いた肺循環系で灌流される肺組織をいう。
5)先天性嚢胞性線維腫様奇形は、肺胞の形成異常である。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(3)(4)  d(4)(5)  e(1)(3)

[解答] e
[解説] 4月5日のプリントを参照。
2)×。リン脂質です。
4)×。体循環系で灌流さます。
5)×。選択肢より。

2.新生児脳疾患について正しいものの組み合わせを選べ。
1)新生児低酸素性脳症では、未熟児大脳の層状皮質壊死を好発する。
2)新生児脳出血は基底核部に発生しやすく、内側型と外側型に大別される。
3)新生児脳室周囲白質化は、側脳室外側に好発する。
4)核黄疸の主な原因は、血管・脳関門の発達の未熟性である。
5)脳室上衣下出血は、線条体静脈の出血に由来する。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(1)(3)  d(2)(4)  e(3)(5)

[解答] c
[解説] 4月5日のプリントを参照。H.15概説の問2を参考にさせていただきました。

3.新生児感染症について正しいものの組み合わせを選べ。
1)胎児ウイルス感染は先天性奇形の原因となる。
2)胎児パルボウイルス感染症は胎児水腫の原因の一つである。
3)全身性単純ヘルペス感染症は肝・副腎・脳の壊死性出血性炎症の原因となる。
4)サイトメガロ感染は肺に好発し、特徴的な多核感染細胞として認められる。
5)先天性風疹症候群は、妊娠後期の母体感染により招来される。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(4) c(1)(2)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

[解答] a
[解説] 4月5日のプリントを参照。
4)×。中枢神経系の症状が好発、巨細胞性封入体が特徴的です。
5)×。妊娠初期の母体感染によります。

4.以下の記述で誤りは、
1)新生児仮死は一過性であり、予後良好である。
2)臍帯動脈血の酸素濃度分圧は、臍帯静脈のそれより低い。
3)胎児赤芽球症の原因として最も多いのはABO血液型不適合である。
4)新生児呼吸急迫症候群の病理学的所見として肺硝子膜形成は必須である。
5)クララ細胞(細気管支非絨毛非粘液分泌細胞)の分化、発生は、U型肺胞上皮細胞のそれに先行する。
a(1)(2)  b(2)(3)  c(1)(4)  d(2)(4)  e(3)(5)

[解答] c
[解説] 4月5日のプリントを参照。
1)×。しばしば致命的です。
2)○。臍帯動脈には静脈血、臍帯静脈に動脈血です。
3)○。Rhは減ってきて、今はABOでの不適合が増えています。Rhのそれより軽症です。
4)×。RDSのすべて硝子膜形成が起こるとは限りません。

<整形外科> 過去問と同じです。
1.軟骨無形成症について以下の中から誤りを選べ。
1)軟骨無形成症は躯幹短縮型の小人症である。
2)多くは成長終了後に判明する。
3)知能正常なことが多い。
4)身長は成長終了後で大体120cm程度である。
5)成長ホルモンを使うことがある。
a.135のみ  b.12のみ  c.23のみ  d.4のみ  e.1〜5のすべて

[解答] b
[解説] 4月6日のプリントを参照。
四肢短縮型の小人症で、生下時に分かります。

2.骨形成不全症について誤っているものを選べ。
1)typeUcollagenの遺伝子変異と言われている。
2)骨折の頻度は、大腿>下腿>前腕である。
3)青色強膜が特徴的である。
4)知能は正常なことが多い。
5)成長終了後に骨折の頻度は増加する。
a.12  b.23  c.34  d.45  e.15

[解答] e
[解説] 4月6日のプリントを参照。
      TypeTコラーゲンの遺伝子変異で、成長終了後は骨折の頻度が減少します。

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