精神医学 平成18年度概説試験

(復元)(便宜上大問番号をふっています)
○ 実施日: 2006.5.31 13:00〜15:00
○ 試験時間: 120分
○ 問題用紙: 問題用紙・解答用紙セットでB4三枚くらい。
○ 不合格: 0人

【1】次の文が正しければ○、誤っていれば×を解答欄に記入せよ。
(2)神経症性障害の薬物療法において、抗不安薬に加え、抗うつ薬も主要な選択薬である。
(4)いわゆる森田神経質とは、感情の不安定さと攻撃性、衝動性の強さを主とする人格の障害である。
(7)強迫性障害にみられる強迫観念は、本人の意思に反して湧き起こる不快な思考であり、本人自身が思考した内容ではない。
(8)従来の分類におけるヒステリー神経障害は、現在の分類における離人(転換)症と同義である。
(9)解離性(転換性)障害は心因性の失立失歩や失声又は、各種知覚障害が主症状で、健忘や昏迷といった記憶、意識に関する症状などを呈することはほとんどない。
(10)身体表現性障害は〜略〜うつ病との鑑別が重要である。

(2)○ 抗精神病薬を使うこともある。
(4)× 神経質(森田神経質)の特徴←ネットからコピペ。
 一般にいう神経質とは少しニュアンスが異なる。
 ここでいう神経質は,日本人の特徴でもある几帳面,羞恥心の強さのみならず,自己内省力,執着心,よりよく生きようとする欲望(生の欲望)などが人一倍強い。
 そのため,自分の心身の状態や変調などに過敏に反応する傾向(森田はこれをヒポコンドリー性基調と呼んでいる)がある。
 そして誰にでもある生理現象(例えば食後胃がもたれるとか運動後に動悸がする)に「とらわれ」てしまう。
 その生理現象を自らなくそうと思えば思う程,ますます胃や心臓に注意が集中し,胃のもたれ,心拍に対する感覚はさらに鋭敏となり,不安が強まり,実際に胃の不快感や動悸が強まる(精神交互作用,心身交互作用)。
 また、かくあるべしという観念にとらわれ、よけい事実との矛盾を感じ、とらわれを増す「思想の矛盾」となって,いわゆる神経質症状を呈する。

(7)× 強迫観念は自分自身の心から生まれたものであり、外部から強制されたもの(思考吹入)ではないという認識がある。
(8)× ヒステリーは現在の解離性障害にあたる。
(9)× 解離性健忘といって心的外傷に関連した出来事を思い出せなかったり、また解離性昏迷といって随意性運動が極端に減少して、ほとんど動かなくなることもある。
(10)○

【2】次の文が正しければ○、誤っていれば×を解答欄に記入せよ。
(2)振戦せん妄は飲酒時におこる
(5)ナルコレプシーにはREM睡眠の過剰がみられる。
(6)インターフェロンの副作用としての精神状態は気分障害が多い♪
(8)抗てんかん薬は投与開始してから中止は不可能である。
(9)SLEでは、○○症状が出やすい。

(2)× 飲酒中止後1〜3日目に出現します。
(5)○ 健常人ではまずnon REM睡眠の状態になって70〜100分後にREM睡眠になるが、ナルコレプシーではいきなりREM睡眠に陥る。
(6)○ インターフェロンの副作用でうつになって自殺することもある。
(8)× 日本神経学会のてんかん治療ガイドラインでは、2年間発作がないとき、抗てんかん薬の中止の可能性を考慮し、患者と話し合うとなっています。
(9)?

【3】次の文が正しければ○、誤っていれば×を解答欄に記入せよ。
(1)高齢者に見られるうつは内因性の鬱病が多く薬物治療に反応しやすい
(2)軽度認知障害は自立生活に支障はなく、認知症とは関係ない。
(3)アルツハイマーの特徴的な病理所見は、老人班と神経原繊維変化である。
(7)高齢化社会とは全人口にしめる老年人口の割合が14パーセント以上である!!!
(8)認知症などにより自身の財産を管理することができない人を保護するために、成年後見人制度がある。
(9)血管性認知症の有病率よりも、アルツハイマー病のそれの方が高い。
(10)現在アルツハイマー病患者に対して用いられるアセチルコリンエステラーゼ阻害薬は、この病気の進行をある程度遅らせることができる。
<解答>
(1)×高齢者のうつは、身体疾患や喪失体験とからんでいることが多く、身体症状が前景に立ち、治療抵抗性のことが多い。
(2)×軽度認知障害Mild Cognitive Impairment MCIは痴呆の診断基準を満たさない認知障害でアルツハイマー型認知症の前駆状態だと考えられている。
(3)○
(7)× 65歳以上が7%以上で高齢化社会、14%以上で高齢社会。
(8)○
(9)このごろは○
(10)○
http://jsa-web.org/jn9/jn9a.html
日本脳卒中協会
○痴呆の頻度(有病率)
 わが国では1970年頃から、多くの自治体で痴呆の有病率に関する疫学調査が行われています。その結果、現在の65歳以上人口における痴呆の有病率は大体7%程度であり、人口の高齢化とともに増加していき、2025年には約10%となることが予測されています。従来わが国では、多くの欧米諸国と異なり、血管性痴呆の相対的な割合がアルツハイマー病よりも多く、血管性痴呆は最も多い痴呆の原因であるといわれてきましたが、最近では欧米と同じくアルツハイマー病の方が多いという研究が多くなってきています。例えば、東京都ではほぼ同じ方法で在宅の高齢者の痴呆の有病率の疫学調査をくり返し行っていますが、痴呆全体の有病率は大きな差がないにも関わらず、1980年には血管性痴呆の有病率がアルツハイマー病のほぼ2倍であったのが、1995年には反対にアルツハイマー病の有病率の方が血管性痴呆よりも多かったことが示されています。これには、後期高齢者の増加によりアルツハイマー病の有病率が増えた、あるいは、診断能力が高くなり従来は血管性痴呆や原因不明の痴呆と誤って診断されていたものを正しくアルツハイマー病と診断できるようになってきた、などの種々の理由が考えられますが、血管障害の危険因子の認知とそのコントロールの必要性の周知と実施により、重篤な脳血管障害の発生率が減少してきたことによることも考えられます。血管性痴呆はアルツハイマー病と異なり、ある程度予防が可能であるため、適切な一次予防、二次予防を行っていくことが大切です。

【4】次の文が正しければ○、誤っていれば×を解答欄に記入せよ。
(1)自閉性障害と診断された子供の中核症状は、知能の遅れである。
(3)注意欠陥多動障害の生涯り患率は1%である。
(5)児童精神外来を受診する子の主訴と親の主訴はほとんど一致している。
(6)教育従事者の情報は養育者の情報ほど、精神障害の診断に寄与することは少ない。
(7)被虐待児では、注意欠陥多動性障害の発症率がそうでない子供に比べて低い。
<解答>
(1)知能低下が見られることもあるが、「中核」となると対人関係発達障害か。自閉症の主症状は、「対人関係発達障害、言語・意志伝達発達障害、活動・興味の極端な限定」。
(3)× 日本ではADHDの頻度は7.7%。
(5)× 親が過剰に不安になってたり、親のほうが精神障害のことも。
(6)× 学校での観察も重要です。ADHDの診断基準では家庭と学校でなど異なる場面で症状がでることが必要です。
(7)× 被虐待児では発症率が高いという報告がある。 

【5】各問いに答えよ。
(2)統合失調症の陽性症状はどれか? 
 1、意欲減退  2、思考抑制  3、作為体験  4、感情鈍麻
答え 3  他は陰性症状
(3)統合失調症の予後を不良にする因子は?
  1,発症年齢が低い。  2,急性に発症  3,明らかな誘因がある  4,病前社交的な性格  5,緊張型症状
答え 1 予後不良因子は、ゆるやかな発症、発症年齢が低い、誘因がない、発症前の社会適応と分裂気質、      
     家族歴あり、典型的な分裂病。

(5)「脳が溶けてしまった。脳が空っぽだ。」と訴える統合失調患者の症状はどれか。
1、 妄想知覚、2、妄想着想、3、被害妄想、4、体感幻覚、5、作為体験
答え 4

【6】各問いに答えよ。

もどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送