心身医学 平成18年度概説試験

(獲得)
○ 実施日: 2006.6.2 10:00〜12:00
○ 試験時間: 120分
○ 問題用紙: 問題用紙・解答用紙セットでA4 枚。
○ 不合格: 1人

【1】次の問に答えよ。(15点)
(1) 心身症の定義について述べよ。また、DSM−IV(精神疾患の分類と診断の手引)では心身症はどのようになっているか。第T軸、第V軸の点から述べよ。
<解答>心身症とは身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的因子が密接に関与し、器質的ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など、他の精神障害に伴う身体症状は除外する。
DSM-Wでは心身症の病名はなく、身体表現性障害や身体疾患に影響を与える心理的要因の中での選択に置き換わっている。
身体疾患に影響を与える心理的要因と診断するには二つの条件を満たす必要がある。
AxisT:身体的状態に影響を与える心理的因子、AxisV:身体疾患、身体症状
<解説>5/26授業プリント

(2) Alexithymiaとは何か。
<解答>失感情(言語外)症
1.ファンタジーが少ない 葛藤の言語化ができない 2.情動の感知と表現が制限されている 3.真実をくどくどと述べ、感情を伴わない 4.面接者とのコミュニケーションが困難
<解説>5/26授業プリント

(3) 心理療法の効果と機序について5つ述べよ。
<解答>治療者・患者の関係の質、 情緒的緊張の解放、 認知的洞察の獲得、 オペラント条件付け
 治療者との同一化、暗示と説得、新たな行動・思考パターンのリハーサルと反復
<解説>6/28授業プリント


【2】心身相関
(1) CannonAの緊急反応で見られる症状はどれか?
@ 唾液の分泌低下
A 瞳孔の縮小
B 血圧の低下
C 心拍出量の増加
a@A b@C cAB dBC
<解答>b
<解説>(5)まで5/26授業プリント
キャノンは、ネコをイヌに対峙させたときの血液に腸管の運動を抑制する物質が含まれていることを実験で確かめた(ノルアドレナリンの分泌の状態を見た)。緊急反応で見られる症状とは、交感神経刺激による症状。

(2) セリエの汎適応症候群(general adaptation syndrome)でみられる状態の反応で正しいのは?
a抵抗期−疲はい期−ショック期−反ショック期
b抵抗期−反ショック期−ショック期−疲はい期
cショック期−抵抗期−反ショック期−疲はい期
dショック期−反ショック期−抵抗期−疲はい期
<解答>b

(3) 神経伝達物質について正しいのはどれか。
@ ドーパミンやアドレナリンはカテコールアミンと総称される。
A うつ病では中枢性ノルアドレナリンやセロトニンの上昇が推定されてる。
B 情動ストレスでは、カテコラミン・コルチゾールが低下する。
C 不安の発現には、セロトニンやノルアドレナリンの関与が示唆されている。
a@A b@C cAB dBC
<解答>b
<解説>15年度概説1(5)参照

(4)ストレスによる身体反応でみられるものはどれか。
@胃・十二指腸潰瘍の発生
Aリンパ節の腫大
B副腎皮質の萎縮
Cグルカゴンの分泌増加
a@A b@C cAB dBC
<解答>b
<解説>セリエの三徴は、胸腺の萎縮・副腎の肥大・胃の出血性病変。

(5)神経伝達物質について正しいのはどれか。
@ドーパミンやアドレナリンはカテコールアミンと総称される。
A情動ストレスでは、カテコラミン・コルチゾールが低下する。
Bうつ病では中枢性ノルアドレナリンやセロトニンの上昇が推定されてる・
C不安の発現には、セロトニンやノルアドレナリンの関与が示唆されている。
a@A b@C cAB dBC
<解答>b
<解説>15年度概説1(5)参照


【3】摂食障害と内分泌系の心身症
(1)神経性食欲不振症について正しい解答を1)〜5)の中から一つ選びなさい。
@完全主義 強迫的な人性格傾向の人は発症しにくい。
Aスリムな体型は価値があるという社会状勢が、発症率の増加に影響を与えている。
B二卵性に比べて一卵性双子で発症率が高い。
D 閉経後の女性には発症しない。
1)@A 2)AB 3)BC 4)@B 5)@C
<解答>2
<解説>(10)まで6/8授業プリント

(2)DSM-IVによる神経性食欲不振症の診断基準について述べた。正しい解答を1)〜5)の中から一つ選びなさい。
@25歳以下。
A20%以上のやせ。
B過食や嘔吐の存在。
C尿中ケトン体陽性。
1)@のみ正しい。2)Aのみ正しい。3)Bのみ正しい。4)すべて誤り。5)すべて正しい。
<解答>4
<解説>ABは厚生労働省の診断基準

(3)神経性食欲不振症の検査所見について述べた。正しい解答を1)〜5)の中から一つ選びなさい。
@血清コレステロール値はしばしば低値を示す。
A無茶食い・排出型では低カリウム血症をしばしば認める。
B血清コレステロールはしばしば高値を示す。
C白血球数はしばしば高値である。
1)@A 2)AB 3)BC 4)@B 5)AC
<解答>2

(4)摂食関連物質について述べた。正しい解答を1)〜5)の中から一つ選びなさい。
@Leptinは摂食抑制物質である。
AGhrelinは摂食促進物質である。
B神経性食欲不振症ではGhrelinは高値であることが多い。
C神経性食欲不振症ではLeptinは低値であることが多い。
1)@Aのみ正しい。2)ABのみ正しい。3)Cのみ正しい。4)@のみ誤り。5)すべて正しい。
<解答>5

(5)心因性多飲症について、1)〜5)の中から正しい組み合わせを選びなさい。
@水制限試験で尿浸透圧/血清浸透圧<1ならば、心因性多飲症である。
A摂食障害の患者にもみられることがある。
B心因性多飲症ではADHに対する感受性が低下している。
Cデスモプレシン(DDAVP)投与は、臨床上鑑別に有用である。
1)@のみ正しい。2)Aのみ正しい。3)Bのみ正しい。4)すべて誤り。5)すべて正しい。
<解答>2?
<解説>Cデスモプレシン(DDAVP)投与は水中毒を来たす危険性があり禁忌である。

(6)神経性食欲不振症の病態について正しい記述の組み合わせを選びなさい。
@精神分析論的に、強迫的防御と理解する立場がある。
A行動論的に、発達課題からの現実回避反応と理解する立場がある。
Bうつ病の併発例もしばしばみられる。
C人格障害の併発例もしばしばみられる。
a@A bAB cBC dAC eすべて
<解答>e?

(7)神経性食欲不振症の行動療法について正しい組み合わせを選びなさい。
@刺激統制下におき、症状持続・強化因子を消去する。
A食事量や体重、尿量の記録、観察は不可欠である。
B面接では、過去のトラウマを掘り下げて直面下させる。
C違反行為があってもすぐに指摘するのは望ましくない。
a@A bAB cBC dAC eすべて
<解答>a?e?
<解説>@Aは正しい。BCはわかりません。

(8)神経性食欲不振症の入院治療について誤った記述の組み合わせを選びなさい。
@病院内では自由に行動させるのが原則である。
A食べられない食事は残すのが原則である。
B面接制限をしないのが原則である。
C高カロリーの食事から開始するのが原則である。
a@A bAB cBC dAC eすべて
<解答>e
<解説>@行動制限が必要 A全量摂取が原則 B通信制限が必要 C低カロリーから

(9)摂食障害患者によくみられる認知のパターンとその具体例について誤った記述の組み合わせを選びなさい。
@過度の一般化:自分が病気のほうが家族がうまくいく。
A選択的抽出:吐いたらやせた。吐かなかったらどんどん太る。
B全か思考:一度過食するともう今日はダメな日と考え、一日中過食する。
C肥満恐怖:太りやすい体質だ。水を飲んでもすぐ太る。
a@A bAB cBC dAC e@C
<解答>?
<解説>過度の一般化:「いくつかの」失敗を額面どおりに評価できず「いつも」自分は失敗していると思い込んでしまうこと
選択的抽出:自分の信念を正当化し支持するようなひとつの思考根拠にすがりつき、その他の情報や知識を無視してしまう思考のパターン
全か思考:物事を白か黒か、very good か very bad か、善か悪か、という両極端に捉えてしまう発想

(10)神経性食欲不振症の治療に際し、家族のとるべき対応としてふさわしくない記述の組み合わせを選びなさい。
@患者の食行動異常には中立的に対処する。
A両親が一致した考えや態度で患者に向き合う。
B患者の無断離院の際には、暖かく受容し退院を勧める。
Cできるだけ速く退院できるように励ます。
a@A  bAB  cBC  dAC  e@B
<解答>c?


【4】代謝系の心身症
(1)正しい組み合わせを選べ。
a.家族内の葛藤は、患者が糖尿病の治療方針を守れなくなるひとつの原因である。
b.糖尿病を持って生きることは、多くの場合大変ストレスに満ちたものである。
c.1型糖尿病の場合、インスリン注射をする以外に、食事療法や運動療法も2型糖尿病以上にしっかりやらなければならない。
d.患者が常に100%の力を出して自己管理するように、励ますべきである。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>1
<解説>(10)まで6/25授業プリント参照 c: 1型は遺伝的にインスリン産生がうまくいかない状態なので、インスリン注射さえ怠らなければ健常人とかわらない

(2)正しい組み合わせを選べ。
a.1型糖尿病は、生活習慣病の悪化がその発症の引き金となる。
b.1型糖尿病と2型糖尿病は成因が異なるので、治療法法も変える必要がある。
c.糖尿病であることで、患者はしばしば大きな引け目を感じるものである。
d.患者に糖尿病教育を行うことで、ほとんどの患者の血糖コントロールは改善する。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>2

(3)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病治療において、家族、友人、医療スタッフは重要な支援者である。
b.2型糖尿病は成人病であり、小児の2型糖尿病は1型糖尿病に比べて少ない。
c.糖尿病合併症が出現した場合の患者の反応には、いろいろな種類がある。
d.1方糖尿病も2型糖尿病も、食べ過ぎや運動不足が発症の原因である。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>5?
<解説> bも正しいような?c: 治療に対し無気力になったり、逆に意欲的になったり、死を恐れて脅迫的になったりする。

(4)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病という病気を受け入れることは、簡単なことではない。
b.インスリン注射の導入は内因性インスリンの分泌低下につながるので、やむおえない場合に限るべきである。
c.1型糖尿病に合併した摂食障害で最も多いのは、神経性食欲不振症である。
d.糖尿病患者はうつ病を合併することが多い。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>4
<解説> c:過食症のほうが多い

(5)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病患者は、人生のほかの仕事よりも、常に糖尿病治療を優先させるべきである。
b.過食を繰り返す糖尿病患者には、指示カロリーを少なくして食事制限の大切さを協調する必要がある。
c.糖尿病の若い女性では、体重を減らそうとしてインスリン注射を省略したり減量したりするものが少なくない。
d.身体面だけでなく,心理社会的要因をも評価する医師にかかれば、患者は糖尿病にうまく適応しやすくなり、より良い医学的結果が生まれる傾向がある。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>3

(6)正しい組み合わせを選べ。
a.1型糖尿病はインスリン注射さえ適切に行っていれば、特別の食事制限・運動療法をしなくても比較的良好な血糖コントロールが得られる。
b.患者が糖尿病のセルフケアがうまくできないでいるときには、もっと苦しんでいる人は世の中にいくらでもいることに、気づかせることが重要である。
c.糖尿病患者が自己管理できないのは,合併症の怖さを知らないからであり、それを協調して知らせることが、糖尿病教育の主な目的である。
d.患者と治療者の間で、同意できる治療目標を確立することが、糖尿病治療において重要である 。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>3?

(7)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病治療では、医師が治療目標を決定し、治療結果に責任を持つことが何よりも重要である。
b.糖尿病に合併したうつ病は、遷延したり再発を繰り返すことが多い。
c.糖尿病患者は人生のほかの仕事よりも、常に糖尿病治療を優先させるべきである。
d.糖尿病の診断に対して、患者は様々な情緒反応を示す。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>6
<解説> a:患者が治療方針を遵守することが大切でそれができていない場合に察知して改善しようとすることが大切

(8)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病燃え尽き状態とは、糖尿病によって圧倒されてどうしようもない感じや、挫折感、絶望感によって特徴付けられる。
b.糖尿病のコントロール不良と、摂食障害の存在が互いに悪循環をなし、1型糖尿病に合併した摂食障害の治療は、非常に難しいといわれている。
c.糖尿病患者は、やせていなければいけない。
d.若い1型糖尿病の場合、血糖コントロールを大切と思っているので、過食をする人は普通人に比べて少ない。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>1

(9)正しい組み合わせを選べ。
a.糖尿病の食事療法がうまくいくためには、発症後間もない時期に徹底した食事制限をして、少ないカロリーに慣れてもらうことが重要である。
b.1型糖尿病も2型糖尿病も糖尿病であることに変わりはなく、ほとんどの面で治療方法は変わりない。
c.若い女性の糖尿病患者においては、太るのを防ぐために、インスリン注射を指示されただけで打たず、血糖コントロールを悪くさせる患者が少なくない。
d.患者の関心ごとや感情について耳を傾けることが、医師と患者の信頼関係を良好なものにする。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>3

(10)正しい組み合わせを選べ。
a.現在では、糖尿病に対する、就職や結婚の差別ない。
b.糖尿病に合併したうつ病の治療は、患者の気分・血糖コントロール・QOLに望ましい効果をもたらす。
c.患者さんの心と体の両面捉え治療する心療内科は、糖尿病治療をしていく上で、有利な綿を持っている。
d.糖尿病教育は、発症時にしっかり行っておけば、そのあとは必要のないものである。
1(a,b) 2(b,c) 3(c,d) 4(a,d) 5(a,c) 6(b,d)
<解答>2
<解説>a: 社会的な無知、偏見、差別が依然として存在する。 


【5】ストレスと免疫
(1)ストレスと神経ー免疫ー内分泌系に関する次の記述のうち正しいものを挙げよ
1.種種の心理社会的ストレスで免疫機能が影響される。
2.インターロイキン1には視床下部ー下垂体ー副腎軸を活性化させる作用がある。
3.免疫系組織に分布している自律神経は副交感神経のみである。
4.脳の特定部位の刺激や破壊によって免疫機能は必ず亢進する。
5.インターロイキン3は発熱に深く関与している。
a(1,2) b(2,3) c(3,4) d(4,5) e(1,5)
<解答>a
<解説>(5)まで6/10授業プリント参照 2: 発熱、摂食抑制にも関与している。 5: 発熱に関与するのはIL−1、TNF、IFN−αなど

(2)ストレスと神経ー免疫ー内分泌に関する次の記述のうち正しいものを挙げよ
1.ストレス刺激は、主として副交感神経及び視床下部ー下垂体ー副腎系を活性化させる。
2.ベルナールによって提唱されたホメオスタシス【生体向上維持】の概念は、セリエによってさらに発展し、汎適応症候群として集大成された。
3.身体的ストレスの方が心理的ストレスよりも免疫系に強く影響を与える。
4.過労もストレスの原因になりうる。
5.神経系と免疫系は共通の情報伝達物質及び受容体機構を持っている。
(1,2) b(2,3) c(3,4) d(4,5) e(1,5)
<解答>d
<解説>1:副交感神経ではなく交感神経。 2:ベルナールの内部環境の概念を発展させ、キャノンがホメオスタシスを提唱。
3:選択肢より×。 5:サイトカインと総称。

(3)次ぎのうち正しいものの組み合わせをあげよ
1.配偶者との死別________リンパ球幼若化反応の亢進
2.自然災害___________NK細胞活性の亢進
3.交感神経___________グルココルチコイド
4.疲労_____________口唇ヘルペス再発
5.インターフェロン_________食欲低下
(1,2) b(2,3) c(3,4) d(4,5) e(1,5)
<解答>d
<解説>1:低下する 2:活性は低下する。 3:交感神経はカテコラミンを伝達物質とする。

(4)次ぎのうち正しいものの組み合わせをあげよ
1.内部環境___________W.B.キャノン
2.火傷_____________物理・化学的ストレッサー
3,うつ病________NK細胞活性低下
4,インターロイキン5____視床下部−下垂体−副腎系の活性化
5,軸索反射______マクロファージ
a,(1,2)b,(2,3)c,(3,4)d,(4,5)e,(1,5)
<解答>b
<解説>1:ベルナール。キャノンは緊急反応とホメオスタシス。 2:他に寒冷、騒音なども物理・化学的ストレッサー。
4:5ではなくIL−1。 5:よくわかりません。選択肢より×。

(5)ストレスと神経−免疫−内分泌系に関する次の記述のうち正しいものを選べ。
1,下垂体にはサイトカイン受容体は存在しない。
2,Tリンパ球はホルモン産生能を有している。
3,成長ホルモンはT細胞増殖反応を増殖する。
4,脾臓には交感神経系の繊維は分布していない。
5,内分泌ホルモンの免疫系への作用はリンパ球に限られている。
a(1,2)b(2,3)c(3,4)d(4,5)e(1,5)
<解答>?


【6】アレルギー・呼吸器系心身症
(1)過喚起症候群で正しいのはどれか。下記の()から1つ選べ。
a,過喚起症候群を診断する時はパニック障害との鑑別が必要である。
 b,過喚起発作の時はPaO2に著名な低下とアシドーシスが認められる。
 c,過喚起症候群は中年男性に多い。
 d,過喚起症候群の重症例は痙攣や意識障害を伴うものである。
1(a,b)2(b,c)3(c,d)4(d,a)
<解答>d
<解説>(5)まで6/25授業プリント参照 b:PaO2に著明な変化は見られず、むしろPaCO2の低下が顕著。これによりpHは上昇する。
c:女性が1.6〜2倍多い。

(2)次の中で正しいのはどれか。1つ選べ。 
 a,過喚起症候群の治療ではまず酸素を投与することが大事である。
 b,過喚起症候群の治療として最近ではpaper bag rebreathing法はあまり行われなくなってきた。
 c,過喚起症候群では発作時に脳血管が拡張し、拍動性の頭痛を伴うことが普通である。
 d,神経性咳嗽ではcough variant asthmaとの鑑別が重要となる。
<解答>d
<解説>b:安心感を与えることと共に重要。c:収縮して血流は低下する。これにより意識を失うことも。
d:他にはてんかん、脳腫瘍、副甲状腺機能低下症など。

(3)気管支喘息の治療の中で正しいものはどれか
a,気管支炎症論に基づき気管支拡張剤の使用が多くなった。
 b,l吸入ステロイド剤は発作時に用いるのが普通である。
 c,治療では家族からの影響など患者背景も調べる必要がある。
 d,喘息があることによって、二次的におこる障害も心身医学的治療の対象となる。
1(a,b)2(b,c)3(c,d)4(a,d)
<解答>3
<解説>a 気管支拡張剤→吸入ステロイド剤 b 長期管理においても吸入ステロイド剤を用いる。

(4)アレルギー疾患の心身医学的観点について誤っているものを1つ選べ。
 a,思春期喘息患者の治療に関しては、親子関係に配慮することが大切である。
 b,高齢者喘息患者では最近一人暮らしが多くなっているので、ほっさじにどのように対応するかが問題になっている。
 d,アトピー性皮膚炎ではストレスがitch-scratch cycleに影響を及ぼすことがある。
e,アレルギー因子の強い人は、治療において心理的社会的背景は考えなくて良い。
<解答>e

(5)気管支喘息の心身医学的病態の中で正しいものはどれか。下記の()の中から選べ
 a,発作のきっかけとしては風邪や気象の変化、精神的ストレスなどが多い。
 b,ストレスから喘息発作にいたるpathwayは自律神経系、内分泌・免疫系および患者の行動を通して起こることと考えられる。
 c,喘息患者では他人や家族に気兼ねして発作を放置してしまい、喘息状態が悪化してしまうことがある。
 d,小児喘息時では小児期から思春期に移行するにつれて、薬の飲み忘れが増加してくることが知られている。
1(a,b)2(b,c)3(c,d)4(d,a)5全て
<解答>5


【7】消化器心身症
(1)次の質問から正しい組み合わせを選べ
 a,消化器心身症は、器質的疾患の除外診断だけで診断できる症候群である。
 b,消化器心身症の診断、治療に心理社会的因子を考えることは重要である。
 c,準備因子、発症因子、持続因子をちょうしゅすることは、消化器心身症の治療に非常に重要である。
 d,腹痛、腹部不快など消化器症状の原因のみでなく、それらの症状の持つ意味を考えることは消化器心身症の治療を行ううえで重要である。
@aAb,cBa,c,dCa〜d
<解答>C
<解説>(10)まで6/22授業プリント参照

(2)次の各々の記述のうち正しい組み合わせ1つを選べ
 a,潰瘍性大腸炎においても消化器心身症の側面があり、心身両面の治療が必要である。
 b.過剰適応と消化器心身症の強い関りを認める症例がある。
c,失感情症という心理特性は、消化器心身症の発祥、持続に関連することはない。
 d.胃、十二指腸はヘリコバクター・ピロリの除菌により全て治癒する。
@a,bAb,cBa,c,dCa〜dすべて
<解答>@

(3)次の各々の質問を読み、以下の項目のうち正しいもの1つを選べ
a.消化器心身症は消化管の運動異常のみで説明できる。
b.消化器心身症を心理的因子だけで説明できる。
c.消化器心身症の治療の目的は症状の消失より、症状のコントロールが主である。
d.消化器心身症の多くにヘリコバクター・ピロリが関与している。
@aAbBcCd
<解答>B
<解説>d:ピロリ菌感染はFDに関連する因子の一つであるが、関与は大きくない。

(4)次の各々の質問を読み、正しい組み合わせを1つ選べ
a.機能性消化管障害のメカニズムとして脳腸相関の異常が考えられる。
 b.うつ病の多くの症例が身体症状を抱え、最も多い症状は消火器症状である。
 c.dyspesia症状は器質的疾患では起こらない。
 d.胃・十二指腸潰瘍は、単一の要因で発症する。
@a,bAb,cBc,dCa,d
<解答>@

(5)functional dyspesia のRomeU診断基準の症状の記述のうち正しいものを1つ選べ
 a.過去12ヶ月に連続する12週以上、上腹部中央に腹痛かつ腹部不快感が持続的または間歇的に見られる。
 b.過去12ヶ月に必ずしも連続しない12週以上、上腹部中央に腹痛または腹部不快感が持続的または間歇的に見られる。
 c.過去12ヶ月に連続する12週以上、上腹部中央に腹痛または腹部不快感が持続的または間歇的に見られる。
 d.過去12ヶ月に必ずしも連続しない12週以上、上腹部中央に腹痛かつ腹部不快感が持続的または間歇的に見られる。
@aAbBcCd
<解答>A
<解説>ROME UによるFDの診断基準とは、「先行する12ヶ月のうち、少なくも12週以上(連続している必要はない)、@持続あるいは再発するdyspepsia症状(上腹部を中心とした腹痛と不快感)が存在し、Aその症状を説明し得る器質的疾患を認めず、B排便によって症状が著明に改善したり、便の性情や頻度の変化と関連していないこと」である。

(6)functinal dyspesiaについて正しい組み合わせを1つ選べ
 a.functinal dyspesiaは胃・十二指腸潰瘍をふくむ。
 b.functinal dyspesiaは逆流性食道炎を含む。
 c.functinal dyspesiaのRomeU診断基準の分類では胃・食道逆流型はない。
 d.functinal dyspesiaの診断には上部消化管の内視鏡検査は重要である。
 e.functinal dyspesiaは排便によって腹痛が軽快する事が多い。
@a,bAb,cBc,dCd.eDa,e
<解答>B
<解説>a.b: 器質的疾患は含まれない。e:排便との関連が認められないことが条件

(7)functinal dyspesiaの病態生理について正しい組み合わせを選べ
 a,functinal dyspesiaは食道・胃の運動機能障害に関与していると考えられている。
 b,functinal dyspesiaはストレスとの関連性は少ないとされている。
 c,functinal dyspesiaの発生の多くにヘリコバクターピロリ感染が関与している。
 d,functinal dyspesiaの診断には食道内圧検査は不要である。
 e,functinal dyspesiaは粘膜知覚異常との関連性が大きい。
@a,bAb,cBc,dCd,eDe,a
<解答>D
<解説>d.e:食後の胃運動機能をみる胃排出能検査や胃電図の異常、食道や胃内圧検査による異常から、上部消化管の運動機能障害および粘膜知覚異常が主に症状発現に関与していると考えられる。

(8)過敏性腸症候群について正しい組み合わせを1つ選べ。
a.一般人口の20%程度で男性に多い。
 b.過敏性腸症候群では血便が見られることが多い。
 c.過敏性腸症候群では、便秘と下痢が交互に繰り返されることが多い。
 d.過敏性腸症候群は小腸の機能異常も含める。
 e.過敏性腸症候群様症状が炎症性疾患で見られることもある。
@a.bAb,cBc,dCd,eDa,e
<解答>C
<解説>a:女性に多い b:血液の混入は無い c:下痢便秘交替型のみ d: 腸管のみならず全身の平滑筋の機能異常として捉えると、病態が理解しやすい。 e: 便回数の増加、軟便化などは炎症性腸疾患にも見られる。

(9)過敏性腸症候群の病理生理について正しい組み合わせを選べ
a,過敏性腸症候群の機能異常は運動異常と知覚異常が関与しており、脳との関連も大きい。
b.過敏性腸症候群患者は下部消化管の知覚(痛覚)閾値が高い事が多い。
c.過敏性腸症候群の消化器症状は不安・緊張やうつ症状と相関することも多い。
d.精神的ストレスが、視床下部の自律神経の中枢に作用して起こると考えられている。
    @a Ab, c Ba, c, d Ca〜dすべて
<解答>B
<解説>b:閾値は低い

(10)過敏性腸症候群の治療について正しい組み合わせを選べ。
a.過敏性腸症候群の治療で、症状が消失すると再発は少ない。
b.過敏性腸症候群の治療は、社会生活に支障をきたさない程度の症状のコントロールがもっとも重要である。
c.過敏性腸症候群の治療では、生活指導・食事療法など規則正しい生活習慣をつけさせることも重要である。
d.過敏性腸症候群の治療では、カウンセリングのみでよい。
    @a Ab, c Ba, c, d Ca〜dすべて
<解答>A
<解説>・症状は一時的に完全に消失しても、種種のストレス環境下にある場合再現されることも多い。
・治療の主な目的は日常の社会生活に支障が無い状態にまで症状をコントロールできることである。それゆえ、心身両面からの治療が必要になってくる。


【5】 慢性疼痛
(1)次の文章の空欄に適切な言葉を下記から選べ。
国際疼痛学会による痛みの定義(1994)によると、"痛みとは組織の実質的あるいは(a)な組織の損傷と結びつくか、そのような障害を表す言葉を使って述べられる(b)な(c)体験である。"と定義されている。
(1)顕在的 (2)潜在的 (3)知覚 (4)痛覚・情動 (5)客観的 (6)不快
<解答>a:2、b:6、c:4
<解説>(10)まで6/9授業プリント参照

(2)痛みを伝える神経伝道路は複雑であり複数の経路が知られているが、大脳皮質の広い領域に投射して局在のはっきりしない不快な痛み体験に関連しているのは次のうちどの伝道路か?
(1)脊髄橋扁桃体経路 (2)内側脊髄視床路 (3)脊髄網様体視床路 (4)脊髄中脳路 (5)外側脊髄視床路
<解答>2

(3)次の文章の空欄に適切な言葉を下記から選べ。
近年痛みの研究が盛んになり、大脳皮質の体性感覚野以外に(a)や島皮質といった情動に関与する(b)系が侵害刺激によって活性化されていることがわかってきた。
(1)前部帯状回 (2)末梢神経 (3)情動 (4)脳下垂体 (5)運動 (6)大脳辺縁
<解答>a:1,b:6

(4)次の文章の空欄に適切な言葉を下記から選べ。
1987年の米国精神医学会による診断基準(DSMV-R)で(a)と呼ばれていた慢性疼痛の概念は、現在のDSMW-TRでは(b)と呼ばれている。
(1)疼痛性障害 (2)学習性疼痛 (3)妄想性疼痛 (4)心因性疼痛障害 (5)身体表現性疼痛障害 (6)認知性疼痛
<解答>a:5,b:1

(5)次の文章の空欄に適切な言葉を下記から選べ。
  慢性疼痛に対しての治療として有効性が知られている行動療法では、治療の対象を「痛みの存在を周囲の人に示す行動」である(a)として考え、(a)の持続によって得られていた擁護反応、現実回避、葛藤回避、および(b)といった個々の患者にとっての社会生活での報酬を(c)によって獲得できるように援助していくことが重要である。
(1)家族システムの維持 (2)適応行動 (3)疼痛行動 (4)疼痛 (5)逃避行動 (6)心因性顕示行動
<解答>a:3,b:1,c:2

(6)次の文章の空欄に適切な言葉を下記から選べ。
  抗うつ薬が痛みに奏功する機序は、シナプス間隙でのセロトニンや(a)といった神経伝達物質の(b)という作用により、(c)の機能を賦活することで、脊髄後角での侵害受容ニューロンを抑制することが知られている。
(1)再取り込み促進 (2)アセチルコリン (3)ノルアドレナリン (4)グルタミン酸 (5)逃避行動 (6)再取り込み阻害 (7)下行性疼痛抑制系 (8)脊髄視床路
<解答>a:3,b:6,c:7

(7)次の文章の空欄に適切な言葉を下記から選べ。
  米国では2001年からの10年を(a)と国家的に定めて、1990年代の(b)に引き続く大きな国家的研究の動きがおきている。
(1)Decade of Brain (2)Decade of Pain Control and Research (3)Decade of Psychological Pain   (4)Decade of Somatoform Pain Disorder
<解答>a:2,b:1

(8)疼痛性障害の説明に関して正しいものを全てあげよ。
  (a)虚偽性障害は含まれない。
  (b)疼痛は社会的、職業的、そのほかの重要な領域の機能障害を引き起こしている。
  (c)抗うつ薬よりも鎮痛薬が著効することが多い。
  (d)脊柱管狭窄症や関節リウマチなどの一般身体疾患が存在すれば疼痛性障害という診断はできない。
     (1)a, b (2)a, b, c (3)全て (4)d
<解答>1
<解説>c:抗うつ薬が有効なことが多い。

(9)うつ病と痛みについて正しいものを全てあげよ。
(a)うつ病の身体症状には、重量感(頭痛、肩こり)、筋肉痛(背部痛、腰痛)、神経痛といった体の痛みの症状が40~90%の高い頻度で観察されるため、鎮痛薬で改善されない痛みが持続している症例では、うつ病を疑うことが重要である。
(b)鎮痛作用を期待して三環系抗うつ薬を投与する際は、めまい、立ちくらみ、口渇、便秘、排尿障害といった抗コリン作用が副作用として出ることを十分に説明して患者に納得してもらった上で投与することが重要である。
(c)抗うつ薬に認められる鎮痛作用は抗うつ効果が出てくる前に発現する。
(d)うつ病に伴う自律神経系の機能異常による末梢血管や消化管、胆道系の不安定な収縮や拡張、骨格筋の緊張によっても機能性疼痛の痛覚過敏が起こる。
(1)a, b (2)a, b, c (3)全て (4)d
<解答>3
<解説>c:抗うつ効果よりずっと早く、4−5日で鎮痛効果が出現

(10)慢性疼痛の治療について正しいものを全てあげよ。
  (a)痛みを客観的に分析して、理学的所見がなければ「痛みがあるはずはない」と患者の訴えを拒否することが重要である。
  (b)患者の痛みに対しては、患者の訴えや理学的所見が重要で、患者の行動やその情景となる環境に目を向けるべきではない。
  (c)患者が痛がっているときだけ注目し、患者が痛みを訴えないときには受容しないことが重要である。
  (d)病態解明のための客観的分析は重要であるが、患者の情動や患者の困っている問題解決への援助の配慮が重要である。
(1)a, b (2)a, b, c (3)全て (4)d
<解答>4
<解説>a: 「痛みがあるはずはない」という医療スタッフの対応により、痛み体験が増悪、複雑化していく


【9】循環器心身症
1)タイプA行動についての適切な文章はどれか。
(1)遺伝や素因に基づくために行動修正は不可能である。
(2)交感神経機能が亢進した状態になりやすい。
(3)強い競争心をもち、精力的で野心家である。
(4)心身症の危険因子である。
     a(1)(2) b(2)(3) c(3)(4) d(1)(4)
<解答>c
<解説>(5)まで6/16授業プリント参照 a: 行動療法により修正は可能。

2)本態性高血圧症についての適切な文章はどれか。
(1)ノンコンプライアンスの原因はすべて患者に問題がある。
(2)家庭で患者が測定した血圧値は参考にしないほうが良い。
(3)生活習慣の改善が治療の基本となる。
(4)仕事上のストレスが高血圧を引き起こすことがある。
     a(1)(2) b(2)(3) c(3)(4) d(1)(4)
<解答>c
<解説>2:白衣高血圧の可能性

3)循環器系の心身症についての適切な文章はどれか。
(1)タイプA行動は日本と欧米では質の違いがある。
(2)喫煙は血圧に影響が少ないので、高血圧患者を無理に禁煙させる必要はない。
(3)神経調節性失神の判断にはヘッドダウン・チルト試験が用いられる。
(4)パニック障害患者の多くは救急施設を繰り返し訪れる傾向がある。
     a(1)(2) b(2)(3) c(3)(4) d(1)(4)
<解答>d

4)パニック障害の治療に用いられる薬剤についての適切な文章はどれか。
(1)血管拡張薬
(2)SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
(3)ベンゾジアゼピン系抗不安薬
(4)非定型抗精神病薬
     a(1)(2) b(2)(3) c(3)(4) d(1)(4)
<解答>b

5)起立性低血圧を起こしやすい病気や病態、状態はどれか。
(1)長期間の宇宙旅行からの帰還時
(2)アミロイドーシス
(3)うつ病
(4)気管支喘息の治療薬
a (1) (2) b (2) (3) c (3) (4) d (1) (4)
<解答>a


【10】生物検査法、バイオフィーバック、神経筋肉系の心身症
(1)生理学的検査法について正しいものを選べ
a.心身症においては、特有の脳波異常が見られる。
b.Polysomnography(PSG)は、身体・精神症状の背景にある器質的睡眠障害を検出するのに有効である。
c.情動ストレス負荷によって、血圧、脈拍数、皮膚コンダクタンス(電機抵抗の逆数)は上昇する。
d.CVR-Rは心拍間隔が均等であるほど低値となり、加齢や糖尿病による神経障害によって減少する。
1 (a,b)、 2 (b,c)、 3 (c,d)、 4(a,b,c)、 5 (a,b,d)、 6(b,c,d)
<解答>6?
<解説>(5)まで6/21授業プリント参照 d:健常者に比較して糖尿病者ではR-R間隔のばらつきは著明に小さい。プリントMN参照

(2)バイオフィードバック療法について正しいものを選べ
a.生体情報を、音・視覚情報などによりモニターし、セルフコントロールの訓練を行う。
b.効果が期待できるのは心理的要素についてであり、器質的な原因があるときはあまり適応とはならない。
c.機器によるフィールドバックを前提とするため、その効果フィードバックをかけている間だけのものである。
d.自律神経活動は不随意であり、自己コントロールすることは本来困難である。
e.本能性高血圧や麻痺性排便障害の治療にも用いられる。
1 (a,e)、 2 (a,b,c)、 3 (a,d,e)、 4(a,b,c)、 5 (b,c,d)、 6 (a,b,c)
<解答>3?

(3)頭痛について、正しいものを選べ
a.自律訓練法は筋弛緩をもたらすため緊張性頭痛には適応があるが、片頭痛には無効である。
b.ベンゾジアゼピン系抗不安薬や抗うつ薬が有効なのは、主に抑うつ症状をしての頭痛のみである。
c.心理的ストレスによる頭痛は、心拍数の上昇による末梢循環血流量の増加のために起こることが多い。
d.緊張型頭痛の予防薬としてCaブロッカー、βブロッカー、抗てんかん薬などが用いられる。
1 (a)、 2 (b)、 3 (c)、 4 (d)、 5 全て誤り
<解答>?

(4)ジストニア症候群(痙性斜頸・書痙・眼瞼痙攣)
a.特定筋の酷使や外傷など、器質的な要因が発症因子となる場合がしばしばある。
b.心理的因子が増悪・持続要因となっている例では、特定の筋の肥大はあまり認められない。
c.緊張場面で増悪する事が多く、筋弛緩作用を伴った抗不安薬が有効な場合が多い。
d.心因で悪化した痙性斜頸の治療には、ポツリヌス毒素の局注は有効ではない。
1 (a,b)、 2 (b,c)、 3 (c,d)、 4 (a,c)、 5 (b,d)、 6 (a,d)
<解答>?

(5)次の中から正しいものを選べ
a.心因性の耳鳴は、難聴など器質的疾患がある場合には除外される。
b.うつ病にはしばしば耳鳴が合併するが、うつの改善と耳鳴の改善はあまり相関しない。
c.心因性めまいとは異なり、メニエル症候群は内耳に起因する器質的疾患であるため、心因の関与は薄い。
d.心理的葛藤などの心因が身体症状の発症因子である場合、通常患者はそのことに気付いている。
1 (a)、 2(b)、 3(c)、 4(d)、 5全て誤り
<解答>3?


【11】.自律訓練法
(1)自律訓練法の訓練の仕方について、正しい記述の組み合わせを選べ
a.ドイツの大脳生理学者フォクト(Vogt.0)の睡眠に関する研究が、自律訓練法の重要なヒントになっている。
b.フォクト(Vogt.0)は、繰り返して中性的睡眠状態に入る「予防的休息法」を考案した。
c.ドイツの精神科医であったシュルツ(Schultz,JH)は、他者睡眠に導入された人が腕や脚に重たさや温かさをしばしば
 報告するという事実から、他者暗示法による自律訓練法を考案した。
d.自律訓練法は四肢の重感と温感の体験を中心とした基本的な練習段階として考案され、それは今日自律療法の体系の中で
 自立性修正法と呼ばれている。
1 (a,b)、 b (b,c)、 3 (c,d)、 4 (d,a)
<解答>?
<解説>(5)まで6/23授業プリント参照

(2)自律訓練法の効果に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを選べ
a.腕や脚が重たい感覚は、筋肉の弛緩反応と関係がある。
b.腕や脚が暖かい感覚は、末梢の皮膚温の上昇として確認できる。
c.リラックスすることを目的とした他者暗示法である。
d.副交感神経優位な状態から交感神経優位な状態へと自律神経を調整する。
1 (a,b)、 2 (b,c)、 3(c,d)、 4(d,a)
<解答>1
<解説>4:交感神経優位な状態から副交感神経優位な状態へ

(3)自律訓練法の医学的効果に関する記述のうち、正しいものの組み合わせを選べ
a.身体的な弛緩反応が中心であり、心理的な効果は小さい。
b.心身症だけでなく神経症にも効果認められている。
c.抑うつ状態の強いときには、訓練の効果が現れにくい。
d.疲労回復効果があるため、夜間行うと入眠が困難となる。
1 (a,b)、2(b,c)、 3(c,d)、 4(d,a)
<解答>2
<解説>b:不安神経症なども自律訓練法の適応になる。

(4)自律訓練法の禁忌症(準禁忌症)について、正しい記述の組み合わせを選べ
a.心臓疾患のある患者は、心臓の活動に恐怖感を感じることがあるので心臓調整練習を省略する。
b,過換気症候群は呼吸器に異常が認められる疾患ではないので、積極的に呼吸調整練習を行い、息苦しくなる
 心配を取り除くのがよい。
c,糖尿病の患者が腹部温感練習を行うと、血糖値が上がる傾向にあるのでこの練習は行わないほうがよい。
d,頭痛やてんかんを症状としてもつ患者は、額部涼感練習を行わない。
1 (a,b)、 2(b,c)、 3 (c,d)、 4(d,a)
<解答>4
<解説>b: 過換気症候群の人は、第4公式(呼吸調整練習)は禁忌なので省略する。
c: 血糖値が下がる傾向にあるが、禁忌というわけではなさそう。(「慎重に指導していく必要がある」)

(5)自律訓練法の訓練方法について、正しいものの組み合わせを選べ
a.訓練者(患者)が一人で行うのは危険である。
b.毎日行うのが好ましい。
c.2〜3分の短時間の訓練を繰り返し行うと、効果が得やすい。
d.1度により長時間訓練するほど、効果が得やすい。
1 (a,b)、 2 (b,c)、 3 (c,d)、 4 (d,a)
<解答>2
<解説>b: 一日数回行う。 c: 一度にあまり長い時間行うと受動的態度を保つのがそれだけ難しくなる。


【12】.交流分析
(1)交流分析について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
1.交流分析では、人間関係において、相手を変えることで問題を解決していく。
2.交流分析でいう自我状態とは、思考・感情・行動パターンを包括したものである。
3.交流分析では、1つの自我状態だけを常に機能させることが健康な状態と考える。
4.交流分析でいう自我状態には、それぞれ肯定的側面と否定的側面の両方がある。
a. (1,3)、 b.(2,4)、 c.(1,2)、d.(3,4)
<解答>b
<解説>(5)まで6/10授業プリント参照 1: 相手を変えるのではない。 
3:5つの自我状態を、その時の状況などに応じて柔軟に機能できることが健康な状態であるとされる。

(2)構造分析について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
1.CPとは、責任感が強く批判的な自我状態のことである。
2.Aとは、思いやりがあり世話好きな自我状態のことである。
3.FCとは、客観的に現状がみられないことをあらわす。
4.ACとは、相手に合わせ遠慮している自我状態のことである。
a. (1,3)、 b.(2,4)、c. (1,4)、d.(2,3)
<解答>c
<解説>CP:厳しい教育、命令、批判、義務、〜しなさい、だめ!、など。
NP:思いやり、保護、世話、養育、〜は大丈夫よ、まかせて、など。
A:考える私、コンピュータ(5W1H)、予測、現状分析、事実中心、打算的、など。
FC:自由な感情表現、本能的、防衛的、直感、独創的、芸術的、など。
AC:親の期待に沿おうとする部分、いい子、遠慮、陰性感情、我慢、など。

(3)交流パターン分析について、正しいものの組み合わせを1つ選びなさい。
1.交流パターン分析とは、個人の無意識の人生計画を探る治療である。
2.交流パターン分析において、分析するのは自分自身の交流の持ち方のみである。
3.交流パターン分析では、表情や姿勢、声の調子など非言語的なものも含まれる。
4.交流パターンでは図を用いる事が多い。
a. (1,3)、b. (2,4)、c. (1,2)、d. (3,4)
<解答>d

(4)交流パターン分析について、以下の文章と図をみて正しいものを1つ選びなさい。
1.相補的交流を示しているのは、下図のイ.である。
2.交叉的交流を示しているのは、下図のア.とウ.である。
3.裏面的交流とは、予想外の反応が起こってゆき違いになっている交流である。
4.交叉的交流を行うことで、交流はスムーズにすすむ。
a.(1)、b.(2)、c.(3)、d.(4)
<解答>a or b 図がないのでわかりません
<解説>3: 交叉的交流 4: 相補的交流

(5)ゲーム分析と脚本分析について、正しい組み合わせを1つ選びなさい。
1.ゲームとは、定型化し繰り返され、不快感と非生産的な結末で終わるものである。
2.ゲームは生育の過程で、肯定的ストロークを交換する態度が習慣化したものである。
3.脚本分析では、幼少期に与えられた禁止令は重視されない。
4.脚本から脱却するための方法として、再決断療法がある。
a.(1,2)、b.(3,4)、c.(1,4)、d.(2,3)
<解答>c
<解説>1:予測可能で定型化し、破壊的な結末で終わるもの。 3:脚本とは「幼少期に与えられた禁止令によって繰り返される人生のプログラム」 4:脚本に従わなくてもよい、という許可を得ること。


【13】.心理テスト
(1)心理テストに関する記述のうち、正しい記述を選びなさい。
a.心理テストで得られた結果は、普段の行動視察で得られた情報よりも正しい。
b.ある1つの心理テストの結果から、被験者の心理の全体像を評価することができる。
c.心理テストで得られた結果は、テスト場面での状況や被験者の状態によって影響を受けるものである。
d.心理テストには、科学的・統計的な裏づけはない。
1.a、 2.b、 3.c、 4.d
<解答>3
<解説>(5)まで6/9授業プリント参照

(2)心理テストに関する記述のうち、誤った組み合わせを選びなさい。
a.MMPI-多面的な人格検査
b.SDS-状態不安と特性不安
c.P-F Study-欲求不満場面でのストレス対処
d.WAIS-R-得意・不得意分野の評価
1.a、 2.b、 3.c、 4.d
<解答>4
<解説>a: 多面的な人格検査。550項目もの質問から成り、結果は妥当性尺度と臨床尺度の2面から分析される。
b: 抑うつ状態の把握に用いる。身体面にも着目している。
d:成人知能検査

(3)心理テストに関する記述のうち、正しい記述の組み合わせを選びなさい。
a.質問紙法は投影法より、結果の処理が容易である。
b.質問紙法は、意識的な構えによって回答が歪曲されることが少ない。
c.投影法は、「はい」、「いいえ」、「どちらでもない」などの回答を求める形式である。
d.投影法は、被験者に侵襲的になる場合があるので、配慮が必要である。
1.aとb、 2.bとc、 3.aとc、 4.aとd
<解答>4
<解説>a:投影法は査定が難しい

(4)心理テストに関する記述のうち、正しい記述の組み合わせを選びなさい。
a.心理テストを行っただけでは、治療効果は得られない。
b.心理テストによって、客観的に診断を行うことができる。
c.観察や面接では分からないような深層心理を、心理テストによって診断することができる。
d.知能は心身症には無関係なので、診療内科では知能検査を実施しない。
1.aとb、 2.bとc、 3.aとc、 4.bとd
<解答>2
<解説>a:治療の効果を得る(調査・研究的側面)

(5)心理テストに関する記述のうち、正しい記述を選びなさい。
a.心理テストはあくまで補助的道具であり、それで得られた結果が被験者の全てではない。
b.心理テストを行う際には、被験者の抵抗感や劣等感について話し合う必要はない。
c.投影法は質問紙法よりも検査が難しいので、できるだけ質問紙法を行った方がよい。
d.「テスト結果を知りたい」と被験者に求められれば、気軽に応えてよい。
1.a、 2.b、 3.c、 4.d
<解答>1
<解説>a:よって結果は控えめに解釈するに留める。


【14】心理面接
(1)面接について正しいものを選べ
a.受容とは批判や拒否の反対概念である。
b.感情移入と共感は別の概念である。
c.共感と同情は同様の概念である。
d.患者を支援することは、受容共感を含んでいる。
1.(a,b)、 2.(b,c)、 3(c,d)、 4(a,d)
<解答>?
<解説>(5)まで6/22授業プリント参照

(2)インテーク面接について正しいものを選べ
a.インテーク面接とは患者との関係づくりを主要目的をする面接である
b.インテーク面接では、患者の心理社会的背景を聴取し、できるだけ早く介入するのが重要である。
c.インテーク面接で前医に対する不信感を表明した患者は、現在の治療に対しても不信感を持つ可能性がある。
d.インテーク面接で、患者は過労によるうつ病であろうとの病態仮説が得られたため、主治医は患者に休養を勧めた
1.(a,b)、 2.(a,c)、 3.(b,d,)、 4.(c,d)
<解答>2

(3)面接について正しいものを選べ
a.「カウンセリング」は支持的精神療法とほぼ同じ意味で使われることがある。
b.評価や判断を加えず受け入れることを受容と言う。
c.教育や福祉分野で実施されるのが心理療法で、医療分野で実施されるのが精神療法である。
d.患者に対する共感的姿勢と治療者側の治療方針が矛盾した場合、どちらの立場を治療者がとるのか早急に決定すべきである。
1.(a,b)、 2.(b,c)、 3.(c,d)、 4.(a,d)
<解答>1
<解説>b:患者の要求を許容することとは異なる 
c:医療領域では臨床心理士が実施する場合を「心理療法」、医師が実施する場合を「精神療法」と呼ぶことが多い。

(4)面接について正しいものを選べ
a.インテーク面接は受理面接とも呼ばれる。
b.患者を受容できないのは、治療者の面接技術に問題があることが多い。
c.治療者は患者の気持に共感しようといつも心掛けるのが良い
d.患者の話にどうしても共感できず、患者を否定したい考えが治療者の中に浮かんでしまう場合は、治療者はそうした
 批判的な考えをできるだけ無視するよう心掛けるのが良い。
1.(a,c)、 2.(b,c)、 3.(c,d)、 4.(a,d)
<解答>1?
<解説>a:これは正しい b:選択肢より× c:○?,d:×?

(5)面接について以下の文章を読み正しいものを選べ
25歳の抑うつ神経症の女性患者のt医療をある医師が担当している。薬物療法と神経療法によって治療している。
次第に患者は個人的なことを治療者に語るようになっており、治療者患者関係は安定してきたと思われた。
職場の人間関係のストレスが面接では語られ、自分を正当に理解してくれない上司や同僚、家族に対する不満を患者はしばしば述べていた。
治療開始後半年がたったある日の治療場面で、患者は「先生は私のことをわかっていない。」と訴えた。

a.この治療者は患者への共感が不足していると考えられる。
b.この治療者の共感技能は低いのかどうかは判断できない。
c.患者は様々な場面で他者への不満を持っていることが多いと推測される。
d.この患者に共感するのは患者の不満を強める可能性がある。
1.(a,b)、 2.(b,c)、 3.(c,d)、 4.(a,d)
<解答>2

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