臨床検査・放射線医学 平成14年度概説試験

1.胃X線検査法について誤りはどれか。
1.圧迫法で描出された病変は、前後壁の区別が容易である
2.充満法、圧迫法、二重造影法の組み合わせで行うのが基本である
3.背臥位の二重造影法では、前壁の小病変の描出が難しい。
4.胃小区の描出という点では、明らかに圧迫法が他の方法よりすぐれている
5.半立位第2斜位の二重造影法は前庭部を描出することが目的である
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)C
1.×→これは二重造影法の話ではないかと。圧迫法は病変の凹凸の診断が容易です。(→標放p.393)
2.○→その通りです。
3.○→二重造影法では重力方向の下側の壁が優位に造影される
4.×→(胃の造影検査)背臥位二重造影検査は胃小区レベルまで描出する。
5.×→(胃の造影検査)半立位第2斜位で噴門部が正面視できる。

2.胃病変について正しいのはどれか。
1.胃角の線状潰瘍でみられる変形をのう状胃という。
2.bridgingfoldは粘膜下腫瘍で見られるX線所見の一つである。
3.胃憩室は噴門穹窿部に最も多く見られる。
4.早期胃癌の3型は潰瘍底の下に癌が存在するものである。
5.山田分類の3型は明らかな茎を有する隆起性病変のことである。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)A
1.○→胃角部の線状潰瘍に起こる変形を嚢状胃といいます。小彎が著しく短縮し、大彎が嚢状に拡張した状態のことです。(→標放p.407)
2.○→立ち上がりがなだらかで、腫瘍に向かって粘膜ひだが乗っかった様な像です。
3.○→噴門穹窿部が殆どです(75〜90%)。他は前庭部、体部の順になります。
4.×→明らかに深い陥凹が存在するもので、良性腫瘍の辺縁にのみ癌があるものです。
5.×→4型のことです。

3.小腸X線検査法について正しいのはどれか。
1.経口的な小腸造影法は微細粘膜病変の描出が困難なことが多い。
2.小腸ゾンデ法は小腸の精密X線検査法である。
3.小腸疾患の頻度は少なく、ルーチンX線検査は胃透視後に引き続いて行われる
4.小腸ゾンデ法に使用するバリウムの濃度は、150〜170W/V%である。
5.経肛門的(逆行性)に空腸を二重造影にする方法も行われる
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)A
1,2,3.○
4×→60〜80W/V%。
5×→行われません。大腸造影に関しては行われます。

4.大腸X線所見について誤りはどれか。(2-GI-009)
1.大腸X線像でみられる半月ひだをKerckring鍍嚢と呼ぶ。
2.X線上の大腸粘膜模様の最小単位はfine network pattemと呼ぶ。
3.虚血性大腸炎の急性期にはthumb Printing像が特徴的である。
4.潰瘍性大腸炎は右側結腸が好発部位で、直腸に病変がみられることは少ない。
5.クロ一ン病は大腸に限局する病変であり、小腸に病変を見ることは少ない。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)A
1,2,3.○→
4.×→直腸より連続したびまん性病変が特徴です。右側型は稀です。
5.×→全消化管に起こります。

5.癌の放射線治療上の問題点の一つは近くに放射線障害を受けやすい組織、器官がある時,いかに障害を少なくするかである。そのような正常組織はどれか。
1.小腸
2.脊髄
3.成人骨
4.子宮
5.水晶体
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)B
平成15年概説の48番参照。脊髄と子宮は迷うところかもしれませんが、6月29日の授業プリント4枚目の表にも「肺癌の放射線治療では対向二門法で脊髄をはずし、…」とあります。しかも先生が「脊髄の耐容線量は40〜50Gyだから気をつけないと駄目」みたいなことを言ってたので間違いないでしょう。

6.X線やγ線に低抗性なのはどれか。
1.肺小細胞癌
2.甲状腺未分化癌
3.悪性リンパ腫
4.骨肉腫
5.子宮体癌
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)E
 平成15年概説の50番参照。

7.放射線治療について正しいのはどれか。
1.高分化な腫瘍細胞ほど放射線感受性が低い。
2.therapeutic ratioは高いほど放射線治療の適応になる
3.一般に使用されているγ線、X線では組織内酸素分圧は問題にならない。
4.細胞周期のM期とG1期で放射線感受性が低い。
5.照射野が大きくなると正常組織耐容量は小さくなる。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)B
 平成15年概説の53番と同じです。

8.低酸素圧細胞の処理に有用と考えられる放射線治療法はどれか。
1.高LET放射線照射
2.低エネルギー放射線照射
3.高線量率放射線照射
4.放射線増感剤併用療法
5.1日多分割照射法
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)C
1.○→高LET放射線は酸素分圧による影響が小さいです。
4.○→有効です。抗癌剤(DNA損傷を増加)や、nitroimidazole系化合物(低酸素細胞を増感)など。他にもたくさんあるようです。
5.○→分割すれば低酸素分圧細胞が再酸素化されます。(15年概説52番参照)

9.放射線治療が第一選択となる腫瘍はどれか。
1.舌癌(T1,No)
2.喉頭癌(Tl,No)
3.肝癌
4.直腸癌
5.胃癌
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)A
1.○→舌癌(早期)は形態・機能保存面から放射線治療が第一選択になる。
2.○→T1N0の喉頭癌は放射線による根治照射を行う。
3.×→肝癌の治療は肝切除、マイクロ波凝固療法(MCT)、経皮的エタノール注入療法(PEIT)、ラジオ波焼灼療法(RFA)が第一選択となり、放射線治療が第一選択となることはない。
4.
5.×→胃癌・大腸癌の根治術は外科的切除のみである。多くは高分化型腺癌であるから放射線感受性は低い。

10.正しいのはどれか。
1.腫瘍体積が倍になると治療に必要な線量も倍になる。
2.照射中の酸素分圧が低いと効果は少ない。
3.組織の種類によって放射線感受性は違う。
4.α線よりもγ線で照射した方が細胞は良く死ぬ。
5.陽子線のRBEは、中性子線のそれと同等である。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)C
1.×→腫瘍体積が倍になっても線量は同じ。
2.○→文章通り。酸素はもっとも修飾係数が大きい線量効果関係修飾因子である。
3.○→形態的・機能的に未分化な細胞ほど放射線感受性は高い(Bergonie-Tribondeauの法則の一つ)
4.×→α線は組織に与える障害が大きく透過力が弱い。γ線は透過力が非常に強く組織への影響は少ない。
5.×→RBE(relative biological effectiveness/生物学的効果比)は放射線の種類による効果の違いを表す指標であり、]線を1として計算する。陽子線はほぼ1であり、中性子線は1.5〜2である。

11.放射線の深部等線量曲線について正しいのはどれか。
1.コバルト遠隔照射装置によるγ線のビノレドアップは15mmである。
2.リニアック6MVX線のビルドアップは5oである。
3.陽子線はブラックピークをもつ。
4.電子線はγ線、X線と違い、ある深さまで行ったら急速に減弱する。
5.中性子線の深部等線量曲線は電子線のそれと類似している。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)D
1.×→ビルドアップとは吸収線量が表面よりも深い部位で大きくなることをいう。コバルト遠隔照射によるガンマ線のビルドアップは5mmである。
2.×→約1.5cmである。
3.○→ブラッグピークとは粒子が止まる寸前に非常に高い放射線を放つことである。陽子線、重粒子線で起こる。
4.○→文章通り。よって表面にしか放射線をかけたくない場合などに用いられます。
5.×→深部線量曲線とは、吸収線量率を表面からの深さに対して表したもの。ピークを100%として表されることが多い。中性子線の深部線量曲線はブラッグピークを持たず、γ線と同じような曲線を描く。

12.治療可能比について正しいのはどれか。
1.Bergonie-Tribondeauの法則そのものである。
2.正常組織耐容量/腫瘍致死量で表される。
3.照射される周囲正常組織が充分小さければ、治療可能比は大きい。
4.分割回数を増やせば、回復により正常組織耐容量は向上する。
5.病理組織型に特有なものであり、改善は認めない。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)D
1.×→治療可能比とは腫瘍の治療線量と正常組織の耐容線量との比をいう。
2.○→定義通り。
3.○→分子が大きくなるので治療可能比は大きくなる。
4.○→亜致死障害からの回復による。
5.×→線量配分や、腫瘍の大きさ、腫瘍の状態や局所の合併症で異なる。

13.腫瘍と使用される密封小線源又は使用方法の組み合わせで正しいのはどれか。
(→6月28日、6月29日の講義。しかしプリントには全然詳しく載ってません。)
1.舌癌一コバルト針
2.口腔底癌一イリジウムヘアピン
3.軟口蓋癌一シード
4.食道癌一線状線源
5.子宮癌一イリジウムシンワイヤー
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)分かりません。とりあえずAかCで。4と5はたぶん違います。
1.×?→授業では137Cs針、192Ir針、198Au針しか出てきませんでしたが…。
2.○?→「口腔底癌ではAuグレイン、Irワイヤが用いられます。(→標放p.718)」とあるのでひょっとしたらIrヘアピンも可能かも知れません
3.○?→軟口蓋癌に198Auグレインを使うらしいので、シードも有りかもしれません。
4.×→食道癌も腔内照射なので、線状線源(たぶんワイヤーとか針のこと)はおそらく使いません。
5.×→子宮癌では腔内照射なのでワイヤーを使いません。Applicatorが用いられます。
密封小線源を用いた治療には、大きく分けて組織内照射、腔内照射の2つがあります。
・組織内照射:線源を刺入して行う。周囲の正常組織への影響が少ない。線源の形状としては針、グレイン、シード、ワイヤーなど。グレインとシードは永久埋没法に用いられる。
・腔内照射:子宮癌や、管腔構造の臓器にできる癌(食道癌など)に用いられる。線源を刺入せず、できるだけ腫瘍に近づけることにより照射する。管状の線源がよく用いられる。
●子宮癌内腔照射Applicator:
 2本のovoid、その間のtandemから成り(この名前は覚えとけと先生が言ってました)、子宮頚部
までこのApplicatorを進めたあと、線源を挿入して腔内照射します。

14.医療用リニアックについて正しいのはどれか。
1.電子を加速する装置である。
2.X線を加速する装置である。
3.磁場により回転しながら電子を加速する。
4.中性子治療を目的としている。
5.一般にコバルト60γ線のエネルギーよりも高いエネルギーの放射線を発生する
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)B
1.○→その通り。
2.×→加速されるのは電子。ターゲットに当ててX線を発生させることができる。
3.×→これはベータトロンの説明。リニアックはlinear accelerator(直線加速器)の略である。
4.×→電子線や高エネルギーのX線が得られる。
5.○→その通り。

15.シンチレーションカメラについて正しいのはどれか。
1.半導体を用いた検出器である。
2.β線の検出に適している。
3.シンチレータは放射線を光に変換する。
4.シンチレータにはNaI(T1)を用いる。
5.コリメータは放射線の検出効率を上げる。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)D
1.×→半導体を用いるのは半導体検出器。シンチレーションカメラはシンチレータを用いる。
2.×→γ線の検出をする。
3.○→その通り。
4.○→その通り。
5.×→コリメータはまっすぐきたγ線のみ通すようにしている。

16.シンチグラフィ用放射性核種として適当な崩壊形式はどれか。
1.α崩壊
2.β−崩壊
3.β+崩壊
4.電子捕獲(EC)
5.核異性体転移(IT)
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)E
シンチグラフィーに用いるのは生体への影響が少ないγ線がほとんどである。γ線を放出する崩壊形式としては、4.電子捕獲と5.核異性体転移である。α崩壊ではα線が、β崩壊ではβ線(電子)が発生するので、生体に対する影響が大きいためシンチグラフィーには不適当である。

17.シンチグラフィ用核種として適当なのはどれか。
A)123I
B)125I
C)131I
D)3H
E)137Cs
解答)AかC
1.○→MIBGシンチや甲状腺シンチで使います。ただ、MIBGに関しては、日本では123IMIBGシンチは保険が通らないと先生が言っていました。
2.×→RIAにおいて使われるようです。
3.○→これもMIBGシンチとか他にもいろいろ使われるそうですが。
4.×→三重水素。まだ実験段階ですが核融合発電に使われます。
5.×→密封小線源療法で用いられます。

18.99mTcについて正しいのはどれか。
1.核異性体転移により崩壊する。
2.99Tcを親核種とするgeneratorより得られる。
3.γ線とβ線を放出する。
4.γ線エネルギーは140keVである。
5.半減期は6時間である。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)C
1.○→
2.×→親核種は99Moです。
3.×→β線は放出しません。γ線のみです。
4.○→選択肢より。
5.○→その通りです。
●generatorについて
 99Moは99Mo(親核種)→99mTc(娘核種)→99Tc(孫核種)というふうに崩壊します(核異性体転移)。99Moの半減期は2.7日、99mTcの半減期は6時間なので、99Moを病院内に保存しておけば必要なときに99mTcが取り出せます(※99mTcを保存していたのではすぐに99Tcに転移してしまって効率が悪い)。(→6月30日の講義。)

19.ラジオイムノアッセイ(RIA)と関係あるのはどれか。
1.固相法
2.生物学的活性の測定
3.インジウムー111(111In)
4.標準曲線
5.オートウエルシンチレーションカウンター
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)C  (→6月30日の講義)
1.○→RIAは固層免疫測定法の中で最も初期に実用化されたらしいです。
2.×→RIAの欠点は生物学的活性が計測できないことです。RRA(放射受容体測定法)が生理的受容体を用いて測定するのに対して、RIAは免疫学的活性を用います。
3.×→シンチグラフィに使用される。
4.○→横軸が抗原濃度、縦軸がB/F比です。
5.○→125Iの測定に用います。

20.イムノラジオメトリックアッセイ(IRMA法)にっいて正しいのはどれか。
1.抗体を放射性核種で標識する。
2.標識核種としては125Iが最も広く用いられている。
3.固相法は抗体の放射性核種標識法の一つである。
4.B/F分離とは、抗原と標識抗体を分離することである。
5.測定するのは免疫活性である。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)B
1.○→
2.○→
3.×→抗体を固層化したビーズまたはプラスチックチューブを用いて、B/F分離を行うという方法です。
4.×→抗体と結合した抗原(B;Bound)と結合しなかった遊離の抗原(F;Free)とを分離します。
5.○→

21.関係の深い組み合わせはどれか。
1.縦隔腫瘍一extrapleural sign
2.肺胞性陰影一air bronchogram
3.粟粒結核一silhouette sign
4.肺癌一Kerley's B line
5.間質性陰影一vanishing lung
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)A
平成15年概説の23番参照。

22.関係の深い組み合わせはどれか。
1.側臥位正面像一胸水貯溜
2.気管支造影一欝血性心不全
3.叉腔位撮影一気管支内異物
4.呼気撮影一気管支拡張症
5.低圧撮影一肋骨転移
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)B
1.○→
2.×?→気管支造影は、気管支拡張症の診断、末梢型肺癌と所属気管支との関係を知る、などの目的で行う。
3.?→
4.×?→呼気撮影は気胸などの診断に有用。
5.○→肋骨の観察に適した撮影法である。

23.悪性腫瘍の骨転移について正しいのはどれか。
1.病的骨折を起こすことはない。
2.転移の経路はリンパ行性である。
3.前立腺癌では骨融解性転移を示すことが多い。
4.Wilms腫瘍では転移は極めて稀である。
5.骨スキャンはX線検査より検出に関して優れている。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)E
平成15年概説の25番参照。

24.KerleyのB線について正しいのはどれか。
1.両肺尖部に認められることが多い。
2.約4〜5cmの長さのことが多い。
3.気管支肺炎でみられることが多い。
4.リウマチ性心臓病でみられる。
5.本態は肥厚した小葉間隔壁である。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)E
平成15年概説の27番参照。

25.心奇形と胸部正面X線写真の所見の組み合わせで誤っているのはどれか。
1.完全大血管転位一卵形心
2.Fallot四徴症一木靴心
3.総肺静脈還流異常一箱形心
4.Ebstein奇形一snow man appearance
5.心室中隔欠損症一左第二弓拡大
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)A,B?
1.○→
2.○→ゴルフクラブ型
3.×→snowman 
4.×→右室化した右房の拡大のため右第2弓が突出
5.○→

26.体外式超音波診断の適応になりにくいのはどれか。
A)閉塞性黄疸
B)胆嚢ポリープ
C)偽性膵嚢胞症
D)水腎症
E)大腸ポリープ
解答)E
空気の多い消化管は無理

27.診断用超音波装置で使用する超音波の周波数をあげると、
A)分解能が改善する。
B)透過深度が増す。
C)屈折が増す。
D)焦点距離が長くなる。
E)副作用が増加する。
解答)A
周波数が上がるほどパルス幅が短くなり、分解能が上がります(→標放p.45)。

28.超音波の強度と生体作用に関して誤っているのはどれか。
A)診断用装置からの連続波による生物学的作用は、その強さと照射時間で決まる。
B)エネルギーの高い超音波は、触媒中で空洞化現象を起こす。
C)持続的な強い超音波は、触媒中で吸収され熱を発生する。
D)極めて強い超音波は、触媒中で振動による破壊作用を示す。
E)波の強度は、単位時間に伝播方向に垂直な面積を通過するエネルギーで表す。
解答)C?
A)○→でしょう
B)○→8W/cm2以上の強度で起こる
C)?→触媒を振動させて熱を生ずる、って吸収とは違うのかな
D)○→示す
E)○→W/cm2

29.超音波検査と他の検査との比較のうち正しいのはどれか。
1.尿管結石の検出能は尿路造影より優れている。
2.胆石の検出能はCTに及ばない。
3.肝内結石の検出能はMRより優れている。
4.腎嚢胞の検出能はCTに及ばない。
5.肝嚢胞の検出能は血管造影より優れている。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)E
1.×→優れているとは言えないでしょう
2.×→胆石の診断にUSは有用で、第一に行うべき検査です。(→標放p.497)
3.○→
4.○→嚢胞が小さい場合、普通の嚢胞で見られるはずの後方エコーの増強が見られないことがあるので注意が必要です。CTなら小さくても発見可能です。(→標放p.538、542)
5.○→USの方が嚢胞検出に優れています。そもそも嚢胞検出のために血管造影をしたりしません。

30.CT値について正しいのはどれか。(2-Ab-005)
1.Hounsfield unitは機種によって異なる。
2.CT値の微小な差を強調するには、window幅を大きくする。
3.肺野を観察するには、window幅を大きくし、windowlevelを下げる。
4.正常脂肪のCT値は通常−20以下である。
5.骨組織は非常にCT値が高く、どのように条件を変化させても観察できない。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)D
1.×→設定できる
2.×3○4.○
5.×→普通に見られます。

31.CT読影の妨げとなるアーチファクトの原因として正しいのはどれか。
1.多量の皮下脂肪
2.消化管造影後に残存したバリウム
3.人工関節等の金属
4.腸管ガス
5.刺青
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)C

32.MR検査法について正しいのはどれか。
1.被検者を静磁場に入れる必要がある。
2.体のどの部分を撮影するときにも同じコイルを使用する。
3.MR用の造影剤はヨード系のものである。
4.スピンエコー法では呼吸停止下に撮影することはできない。
5.閉所恐怖症の人には施行できないことが多い。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)C
2.×→目的によって専用コイルも必要となります。 (→標放p.50)
3.×→ガドリニウム系の造影剤です。
4.○→スピンエコー法(※空間分解能が高い)は数分間かかるので確かに不可能です。

33.肝の区域診断基準について正しいのはどれか。
1.肝の頭側では左肝静脈により左葉と右葉にわけられる。
2.肝の尾側ではCantlie線により左葉と右葉にわけられる。
3.右肝静脈の主幹により右葉は前区域と後区域にわけられる。
4.左葉外側区と内側区の境界には門脈左枝と臓部、肝円索などが指標となる
5.Cantlie線とは尾状葉と左門脈本幹を結ぶ直線である。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)D
1.×→中肝静脈により、前区域(右葉)と内側区域(左葉)に分けられる。Cantlie線と一致。
2.○→Cantlie線により機能的右葉と機能的左葉に分けられる
3.○→
4.○→肝鎌状間膜(下縁に肝円索)により左葉の外側と内側に分けられる。門脈左枝は、左葉内側区域枝と左葉外側区域枝に分かれ、それぞれ分布する。
5.×→Cantlie線は胆嚢窩と下大静脈を結ぶ線

34.後腹膜腔の正常解剖について正しいのはどれか。(2-Ab-017)
1.十二指腸、膵臓、上・下行結腸は、前腎臓傍腔(anterior pararenal space)に存在する。
2.腎、副腎は腎臓周囲腔(perirenal space)に存在する。
3.腹大動脈、下大静脈は後腎臓傍腔(posterior pararenal space)に存在する。
4.前腎臓傍腔は側腹部の側腹線条(flank stripe)と呼ばれる脂肪層と連続する。
5.後腹膜腔を3腔に分けているのは腎臓筋膜(Gerota's fascia)である。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)B?
1.○→
2.○→筋膜と腎(線維)被膜の間にある脂肪組織が「脂肪被膜」で,perirenal spaceとも呼ぶ
3.×→腎周囲腔
4.? →
5.○→後腹膜は大きく前腎傍腔、腎周囲腔、後腎傍腔の3ヶ所に分けられ、Gerota筋膜(腎筋膜)によって腎周囲腔が形成される。

35.腎臓の正常解剖について誤っているのはどれか。
A)腎臓は腎臓周囲腔(perirenal space)に存在する。
B)腎門部は両腎ともに内側前方を向いている。
C)右腎動脈は下大静脈の背側を走行する。
D)左腎静脈は腹大動脈の腹側を走行する。
E)単純CTで腎皮質と髄質が分離される。
解答)E
E)×→造影することにより区別が可能

36.水溶性ヨード造影剤の副作用について誤っているのはどれか。
A)副作用の70%は造影剤注入開始後5分以内に発現する。
B)非イオン性造影剤による副作用の頻度は4%以下である。
C)造影剤の予備テストの施行により重篤な副作用の予知が可能である。
D)副作用の95%以上は特別の治療を要さない軽症のものである。
E)何らかのアレルギー歴がある場合、副作用の発現頻度は高い。
解答)C
A)〇→イオン性造影剤の副作用は、使用後数分〜30分以内に発現する即時型アレルギーが大部分を占めていたのに対して、非イオン性造影剤では、投与後1時間以上、ときに数時間以上も経過して発現する遅発性アレルギーの報告が少なくない
B)〇→イオン性造影剤(12%)が非イオン性造影剤(3%)と比べて遙かに高い
C)×→確実な予知テストがなく、予知テストによってショックになることもあるので、テストを行うよりも検査時に医師が患者の傍らで注意深い観察を行うことが重要。遅発性副作用を示す非イオン性造影剤等を使用した場合には、帰宅後、遅発性の重篤な副作用を起こす危険性があるので、観察を十分にできる入院患者に使用し、外来患者への使用は避けることが望ましい。
D)〇→重篤・死亡は0.04%未満
E)〇→アレルギー暦がある場合は、ない場合に比べてイオン性・非イオン性剤のいずれも、副作用・重篤副作用の発現率が約2〜3倍に増える。気管支喘息がある場合は、重篤副作用の発現率が、イオン性剤で10倍、非イオン性剤で8倍に増加。

37.ヨード造影剤の副作用のうち重篤な副作用の前駆症状の可能性が高いものはどれか。
1.蕁麻疹   2.血管痛   3.嘔吐   4.顔面紅潮   5.嗄声
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)B?
 検査中、蕁麻疹、悪心、嘔吐及び胸内苦悶など認めた場合には、アナフィラキシーの前兆であることが多い。主な副作用として、嘔気(63%)、発疹・発赤(33%)、嘔吐(25%)、血圧低下(10%)

38.造影剤として現在用いられている元素はどれか。
1.鉛   2.トリウム   3.ヨード   4.バリウム   5.タングステン
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)D

39.動脈瘤の好発部位はどこか。
1.前交通動脈
2.内頚動脈後交通動脈分岐部
3.中大脳動脈分岐部
4.前下小脳動脈起始部
5.前脈絡動脈起始部
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)A
脳動脈瘤は内頚・後交通動脈分岐部が最も多く、次いで前交通動脈、中大脳動脈とウィリス動脈輪の前半部に多い。

40.脳のCTについて正しいのはどれか。
1.脳動脈瘤破裂によるクモ膜下出血では、脳実質に血腫を伴うことは稀である。
2.脳動静脈奇形においてみられる出血は、脳実質内より、クモ膜下腔のみのことが多い。
3.視床出血においてしばしば、脳室内穿破が認められる。
4.急性硬膜下血腫は通常三日月状の高吸収域として認められる。
5.急性硬膜外血腫は凸レンズ状の高吸収域として認められる。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)E
1.×→くも膜下出血と同時に脳内血腫や脳室内出血を伴うこともある。
2.×→出血巣はnidus(奇形部)内とその周辺に多く脳内出血となり、脳表の場合はクモ膜下出血、流出静脈が脳深部に入る場合には脳室内出血を伴う。
3.○→
4.○→頭蓋骨下に三日月様の高吸収域を認め、正中構造が対側へ偏位
5.○→頭蓋内板と硬膜の間に血腫ができるので凸レンズ状。

41.MRIについて正しいのはどれか。
1ペースメーカー装着者も行える。
2.血流は信号強度に影響する。
3.使用する経静脈性造影剤(Gadolinium製剤)の副作用頻度は低い。
4.検査中、患者はかなりの騒音にさらされる。
5.骨によるartifactのため、後頭蓋窩は診断しにくい。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)D  (平成15年概説36番と同じ)
MRIは磁気を用いて検査するため、体内に金属を埋め込んだ人(ペースメーカー装着者も含む)には行えない。また、骨によるartifactが問題になるのはCT。よって1→×、5→×。ちなみにMRIは大電流を装置に流すため機械的部分が振動し大きな音にさらされる。(現在、騒音が軽減されたMRIも開発されたそうですが…)。血流は信号強度に影響するといわれる。Gadolinium製剤は、ヨード製剤に対して副作用発現因子である浸透圧や粘調度が低いため副作用は起こりにくい。 

42.MRIの方がCTよりも鋭敏にとらえられるものはどれか。
1.くも膜下出血  2.脳内石灰化  3.血管内の血流  4.急性期の梗塞  5.陳旧性出血巣
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)D (平成15年概説37番と同じ)
1.×→くも膜下出血はCTが第一選択である。
2.×→石灰化の描出はCTが得意とする。
3.○→血流はMRIが鋭敏にとらえる。
4.○→新鮮な梗塞巣の描出に優れる
5.○→陳旧性出血巣はMRIが鋭敏にとらえる

43.血管造影について正しいのはどれか。
1.胸部大動脈造影は、肺分画症の診断に用いられる。
2.肺動脈造影は、肺癌の手術適応決定のためには不可欠である。
3.肝腫瘍の診断には、腹腔動脈造影のみを行う。
4.門脈系の側副血行路は、動脈造影では診断できない。
5.静脈造影法は、Budd-Chiari症候群の診断に有用である。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)?
1.○→胸部大動脈造影は、動脈瘤・動脈炎・動脈奇形の診断とともに肺分画症の診断にも用いられる。
2.×?→X線CTやMRIで診断可能なことが多いようです。(→標放p.203)
3.×→通常腹腔動脈,上腸間膜動脈造影の両方が必要とされる。
4.×→門脈系の側副血行路は動脈造影では診断できない。
5.○→静脈造影法は上大静脈症候群,Budd-Chiari症候群,下肢静脈瘤などの診断に有用です。USやCTやMRIで容易に診断可能ですが、治療を前提として狭窄の部位や程度の詳細な把握のために施行されます。(→標放p.492)

44.膵の血管造影について正しいのはどれか。
1.膵癌はhypervascularであることが多い。
2.膵癌と慢性膵炎は、鑑別が容易である。
3.膵頭部癌の診断に、胃十二指腸動脈造影は不要である。
4.粘液性嚢胞腺腫はhypervascularであることが多い。
5.グルカゴノーマはhypervascularであることが多い。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)E?
1.×→膵癌は一般的に血管が少ないという特徴がある。つまりHypovascular。
2.×→鑑別は難しい。
3.×→膵臓は胃十二指腸動脈により支配されている。
4. →
5.○→膵癌とは異なり造影で濃染される。

45.腎癌の血管造影像の一般的な特徴で正しいのはどれか。
1.spoked-wheel appearanceが見られる。
2.著明な腫瘍血管が認められる。
3.腫瘍が濃染される。
4.動静脈シャントは見られない。
5.静脈内に腫瘍の進展を認めない。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)C
1.×→spoked-wheel appearanceは肝臓の腫瘍に見られる像である。
2,3.○→腎腫瘍はhypervascularである。
4.×→血流が豊富なため動静脈シャントは見られてもおかしくない?
5.×→腎の構造上、静脈内への進展を認めないことは難しい

46.腹部の血管造影について正しいのはどれか。
1.海綿状血管腫の特徴は造影剤のpoolingである。
2.転移性肝癌の特徴はring状の濃染像である。
3.胆管細胞癌でencasementが認められることは少ない。
4.腎孟腫瘍は通常hypervascularである。
5.胞状奇胎は通常hypovascularである。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)A
1.○→綿花状のpoolingを見る点が海綿状血管腫の特徴
2.○→造影CTではring状濃染像が特徴。
3.×→胆管細胞癌ではencasementがよく認められる(そうだ)。encasement:径不整狭窄?
4.×→腎盂腫瘍は新生血管が乏しいため、血管造影上腫瘍部はhypovascularとなる。
5.×→胞状奇胎は骨盤血管造影をし、画像としてはpooling patternを示すので、hypervascularといえるだろう。

47.Digital Subtraction angiography(DSA)について正しいのはどれか。
1.従来のフィルムスクリーン法と比較し、濃度分解能は低い。
2.経静脈性に造影剤を投与しても、肺動脈の描出は可能である。
3.患者の体動による画像の劣化が著しい。
4.腫瘍濃染の描出には適さない。
5.動脈内への造影剤注入量は、フィノレムスクリーン法と同量である。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)C
DSAは腕の静脈から、上大静脈手前までカテーテルを通して造影するため動脈の描出が可能である。これにより、腫瘍の描出を行える。また、コンピューター処理を行うためフィルムスクリーン法よりも少ない造影剤でコントラストの良い画像が得られる。よって、1→×、2→○、4→×、5→×。あと、コンピューター処理をするため体動があると画像は乱れると思われる。

48.血管造影にっいて正しいのはどれか。
1.最も広く行われている方法は、キンモンス法と呼ばれる。
2.直接穿刺法は、現在ほとんど行われない。
3.合併症の危険を有する侵襲的検査法である。
4.治療目的に施行されることはほとんどない。
5.DSAはフィルムスクリーン法と比較し、空間分解能に優れる。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)C
1×,2○→キンモス法とはリンパ管造影検査の手技。直接穿刺法は、皮膚切開により血管を目視下に置いた状態でカテーテルを通す方法である。現在は、ガイドカテーテルを用いたセルディンガー法が主流。
3.○→造影剤により副作用が起こりうる侵襲的検査法である。
4.×→血管造影検査手技を利用した治療法として、バルーンによる血管拡張術や血管塞栓術などがある。
5.×→DSAはデジタル処理をするためにぼやけてしまうので、空間分解能はフィルムスクリーン法のほうが格段に上である。

49.肝の血管造影について正しいのはどれか。
1.肝細胞癌は血管に富む。
2.胆管細胞癌は比較的血管に乏しい。
3.転移性肝癌の特徴はpooling像である。
4.海綿状血管腫は輪状濃染像が特徴的である。
5.focal nodular hyperplasiaを、肝細胞癌と鑑別することは難しい。
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)B   (→7月2日プリント2枚目、標放p.478)
1.○→造影早期よりhypervascularity
2.○→辺縁部がring状に造影、内部は造影効果に乏しい。
3.×→転移性肝癌の血管造影で特徴的なのはリング状濃染です。
4.×→動脈相から静脈相までずっと斑状のpooling が見られます。
5.○→どちらも早期に濃染し、分かりづらいようです。中心瘢痕がポイントで、中心瘢痕があればFNHと分かります。

50.interventional radiology(IVR)について正しいのはどれか。  (7月6日の講義)
1.人工塞栓術は、頭頚部領域の疾患へは殆ど行われない。
2.腎癌は人工塞栓術の適応とならない。
3.肝細胞癌は人工塞栓術の適応である。
4.腎血管性高血圧症は経皮的血管形成術の適応である。
5.閉塞性動脈硬化症は経皮的血管形成術の適応でない。
A)1,2 B)1,5 C)2,3 D)3,4 E)4,5
解答)D
1.×→
2.×→
3.○→
4.○→経皮経管的腎血管形成術PTRA バルーンカテーテルによる血管拡張術
5.×→小範囲の狭窄や閉塞には、経皮系内腔的にバルーンによる拡張 PTA

51.リンパ管造影について誤っているのはどれか。
A)造影剤として油性ヨード剤を用いる。
B)足背部から行った場合、骨盤、腹部のすべてのリンパ節が造影される。
C)造影後の肺のmicroembolismは必発である。
D)リンパ浮腫ではリンパ管に異常が見られることが多い。
E)悪性リンパ腫、癌のリンパ節転移例では、リンパ節の内部構造の異常が見られる。
解答)C
C)×→必発ではない

52.経カテーテル動脈塞栓術(TAE)について正しいのはどれか。
1.切除不能肝癌の治療法として広く普及している。
2.腎癌の術前に、止血目的で施行される。
3.上部消化管出血は、TAEの適応とならない。
4.頚動脈一海綿静脈洞痩(CCF)は、TAEの適応とならない。
5.腎動静脈痩は、TAEの適応となる
A)1,2,3 B)1,2,5 C)1,4,5 D)2,3,4 E)3,4,5
解答)B
3.×→出血性病変は広くTAEの適応となります。 (→標放p.666〜667)
4.× 5.○→脳・脊髄・腎の動静脈奇形や動静脈瘻はTAEの適応です。(→標放p.667)

53.経皮的血管形成術(Percutaneous transluminal angloplasty:PTA)の 適応とならない疾患はどれか。
A)急性心筋梗塞
B)腎血管性高血圧症
C)閉塞性動脈硬化症
D)Budd-Chiari症候群
E)下肢静脈血栓症
解答)E
B、C、Dは7月6日の講義で出てきました。Aについてはカテーテルの宣伝のサイトにありました。普通は血栓に対しては血栓溶解術を使うと思うのでEが×かと。

54.一検体採取タイミングの守るべきルールについて、正しいのはどれか。
1)食後12時間経過していれば、採血する時間はいつでも構わない。
2)出来れば、診断行為や治療行為が行われる前に検体採取を行う。
3)検体採取の正確な時間を常にカルテや指示簿に記録しておく。
4)いつ検体を採取するかは、検査測定値には影響はない。
解答:3
1)×→日内変動のある項目(例えば血糖値はコルチゾールの日内変動の影響を受ける)については、ちゃんと1日のうちいつ採取するのかが一定していないと駄目らしいです。
2)×?→○でもいいかもしれません。治療中に採取するのはよくないと言ってましたし。しかし治療の効果を知るために治療中や治療後に検査を行いたいときもありますので、3に比べたら×かと。(でも2つ選べとかだったらこれも○と思います)
3)○→正しそうですよね。採取の時間帯で値が変わることもあるって言ってましたし。
4)×→1)に書いた通りです。

55.検体の保存について正しいのはどれか。
1)早く搬送し保存時間を短くすると検査結果の信頼性は高くなる。
2)検体の保存は、例外なく、冷却して保存するとよい。
3)原則として、全血では保存しない。
4)全血は冷蔵庫で保存する。
解答:1
1)○
2)×→髄液と全血は冷やしてはいけないそうです。髄液については長時間保存しなくてはならないときに限り冷やします。髄液は冷やすといろんなものが凝集してしまうので。
3)×→あまり保存はしたくないけど、どうしてもすぐに検査できないなら半日くらいは大丈夫らしいです。ただしその際に絶対冷やしてはいけません。冷やすと赤血球が壊れていろいろ値が狂います。
4)×→3)を参照。冷やすのは絶対駄目です。

56.検体の保存について正しいのはどれか。
1)解凍した検体はそのまま測定する。混和などしないように注意する。
2)直射日光に当てるとビリルビン、ビタミンC、ポルフィリンなどが低下する。
3)全血で保存していると、乳酸は低下し、pHは上昇する。
4)出来るだけ、検体が空気に触れるのをさける。
解答:2
1)×→解答した場合はシリンジの上層と下層でイオン濃度とかに大きな差が生じていますので、必ず混和しないと駄目です。
2)○→ビリルビンとポルフィリンは直射日光に弱いので必ず遮光して保存するらしいで。あとビタミンCは大変不安定らしいです(別に日光に限った話ではなさそうでしたが)。→「三菱化学ビーシーエル」のホームページを参照しました。
3)×→全血で保存すると乳酸は上昇し、pHは低下します。(→http://www2.kpu-m.ac.jp/~picu/blood/blood-a.html
4)×?→血液ガス検査については空気に触れないようにガラスシリンジを用いるそうですが、他の検査については空気のことに触れてませんでした。

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