組織学総論 平成13年度

1.実習で観察した組織標本の染色法を3つ挙げて、それらの特徴を簡潔に述べなさい。
  cf:H.11の6

2.細胞骨格(cytoskeleton)とは何か説明しなさい。
  細胞の形態の保持や細胞間接着の内部補強などの役割を演じる。
  中間径フィラメントや微細管が関与している。

3.合成された蛋白質の細胞内分配機構について述べなさい。
  cf:H.6の5

4.上皮組織の特徴と多様性について述べなさい。
・ 細胞間質がほとんどなく、細胞同士が密着して、細胞間結合が発達している。
・ 必ず基底膜を介して結合組織と接する。
・ 血管がない。
・ 極性がある。
・ 中間径フィラメントはサイトケラチン(cytokeratin)である。
 上皮組織は形や機能によって次のように分類される。
  ・形による分類
    単層上皮…単層扁平上皮、単層立方上皮、単層円柱上皮、移行上皮
    多列上皮…多列線毛上皮
    重層上皮…重層扁平上皮、重層立方上皮、重層円柱上皮
  ・機能による分類
    被蓋上皮…保護機能
    腺上皮 …分泌機能(内分泌腺と外分泌腺)
    吸収上皮…吸収機能
    感覚上皮…外界の刺激を神経系に伝える
    呼吸上皮…ガス交換機能、肺胞のみ

5.軟骨基質の構成と特性について述べなさい。
軟骨基質はゴムに似たゲル状プロテオグリカンを大量に含み、軟骨に特有の質感と物理的特徴を与えている。他にコンドロネクチン・U型コラーゲンを含む。
ヘマトキシリンで藍色に染まり、好塩基性を示す。トルイジン青では、硫酸基の存在により、強いメタクロマジー(異調染色)を示す。また、均質に見える軟骨基質には細い無数の膠原繊維が埋め込まれているため、渡銀染色によって黒く染まる。

6.血球の分化過程について簡潔に述べなさい。
血球の起源は未分化間葉細胞だが、単一の幹細胞から血球が生じるという単元説が支配的である。多能性幹細胞(THSC)からまず骨髄系幹細胞(CFU-S)とリンパ系幹細胞(CFU-Ly)に分かれ、前者はさらにCFU-E、CFU-Meg、CFU-Eosinophil、CFU-Basophil、CFU-Neutrophil、CFU-Mに分かれた後、各種芽細胞になり、それぞれの血球に分化する。後者はCFU-LyBと CFU-LyTに分かれた後、リンパ芽球を経てリンパ球となる。

7.筋細胞の種類と特徴について述べ、類似性と多様性について論じなさい。
  cf:H.12の5

8.Axonal flow とは何か。簡潔に説明しなさい。
神経細胞体と神経終末の間を結ぶ軸索内の物質輸送を軸索流(Axonal flow)と呼び、神経細胞体から終末に向かう順行性のものと、終末から細胞体へ向かう逆行性のものがある。前者はkinesinがmotor proteinとして働き、神経伝達物質などが運ばれ、後者はdyneinがmotor proteinとして働き、信号や老廃物が運ばれる。

9.脊髄前角の運動神経細胞の興奮から骨格筋繊維の収縮にいたる過程で見られる反応について説明せよ。

もどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送