循環器 平成16年度概説試験

2004年度 概説試験問題(復元)
2.(1)〜(7)の記述について、正しい記述の組み合わせを選べ。
(1)NOは特にcAMPを増加させる。
(2)健常者の最大負荷時冠血流量は安静時の3倍をこえることはない。
(3)冠静脈の血液酸素含量は上大動脈のそれより少ない。
(4)心筋細胞の収縮と比べると、血管平滑筋細胞の緊張は収縮装置のCa感受性変化の影響をより強く受けている。
(5)交感神経より放出されたノルアドレナリンは平滑筋細胞のα受容体やβ受容体を介して血管緊張調節に関与する。
(6)血管平滑筋細胞の緊張の程度は主にCaイオンと結合するカルポニンの量によって決定される。
(7)安静時の冠血流量は心拍出量のほぼ1%である。
a,123 b,345 c,167 d,256 e,247

答)b
(1)×cGMPを増加させる。(2)×運動時、6〜7倍になる事もある。(3)○(4)○(5)△β受容体はアドレナリンによって抑制作用を示すが、ノルアドレナリンとの反応性は低い。(6)×Caはトロポニンと結合する。(7)×約5%。

3.活動電位について、正しいのはどれか。
(1)洞房結節の活動電位はCa電流により緩やかに立ち上がる。
(2)心室筋の活動電位はNa電流により急峻に立ち上がる。
(3)K電流は内向きで活動電位の再分極にあずかる。
(4)Kチャネルブロッカーは活動電位を短縮させる。
(5)交感神経刺激によって、歩調とり電位は急峻となる。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

答)a
(1)○心筋活動電位の立ち上がりと比較すると遅い。(2)○(3)×外向き。(4)×Kは流出によって再分極を起こすため、ブロックによって活動電位は延長する。(5)○迷走神経刺激でなだらかになる。

4.不整脈の発生機序について、次の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ。
(1)リエントリーの発生条件は一方向性のブロックと伝導遅延である。
(2)リエントリーによる不整脈は極めてまれである。
(3)トリガー活動の原因は歩調取り電位の異常である。
(4)心筋細胞が障害されると、静止電位が浅くなり異常自動能が生じる。
(5)細胞内Ca過剰状態では、活動電位の再分極直後に遅延後脱分極が生じる。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

答)c
(1)○(2)×(3)×再分極後の一過性脱分極によって起こる。(4)○(5)○これによって起こるのがトリガー活動である。

7.次の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ。
(1)心電図のPQ時間は房室伝導時間を示しており、正常時は0.12秒以上0.21秒未満である。
(2)心電図の平均電気軸は-30度(0度)より負の場合を左軸偏位、-30度〜+90度(0度〜90度)を正常軸、+90度以上を右軸偏位と定義している。
(3)QRS波は全ての心室筋の興奮から再分極が終了するまでの時間を反映している。
(4)心電図のP波は心房興奮、QT時間は心室興奮の伝播を反映する。
(5)正常のQRS波の幅は0.10秒以下である。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

答)b   (1)○(2)○(3)×再分極はT波。(4)×心室興奮はQ〜S。(5)○

8.正しい組み合わせはどれか。
(1)右軸偏位の原因としては若年者の滴状心(立位心)や、右室肥大を来す心疾患、左脚後枝ブロックなどでみられる。
(2)左軸偏位は肥満者の横位心や、左室肥大を来す心疾患、左脚前枝ブロックなどでみられる。
(3)QT時間は心拍数(RR間隔)の変化には影響を受けない。
(4)心電図の横軸の目盛りは5cmが1秒である。
(5)心電図を記録する時には必ず校正波をいれ、1cmが1mvか、0.5cmが1mvかわかるようにしておく。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

答)b     (1)○(2)○(3)×影響を受け、徐脈で延長、頻脈で短縮する。(4)×0.4秒。(5)○

9.正しい組みあわせはどれか。
(1)右房負荷でU、V、aVF誘導などでP波が幅広くかつ高振幅になり、V1、V2誘導では陰性P波が優位となる。
(2)左房負荷で、U、V、aVF、V1、V2誘導などではP波が先鋭かつ高振幅になる。
(3)心房下部から刺激が発生すると、U、V、aVF誘導などでP波が陰性となる。
(4)異所性調律は洞結節以外の心房節や房室結節近傍で発生した自動能によって発生する。
(5)左房負荷は僧帽弁の異常に伴って起こることが多い。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

答)e?   (1)×?P波は先鋭化する。(2)×?P波の幅は広がる。(3)○(4)○(5)○

12. 正しいのはどれか。
1)完全左脚ブロックではQRS幅が0.12sec以上でV1誘導ではrSパターンを、V6誘導ではR波と陰性T波を認める。
2)完全右脚ブロックでは、QRS幅が0.12sec以上でV1誘導ではrSR'パターンを、T,aVL,V6誘導では幅の広いS波を認める。
3)右脚ブロックの時には右室肥大の存在は診断できない。
4)左脚ブロックの時にはその他の心電図異常も診断できる。
5)左脚ブロックは何らかの心疾患に伴って起こることが多いが、右脚ブロックは伴わないことも多い。
a.123 b.125 c.145 d.234 e.345

答)e?
(1)×V1はQS型になる。(2)×V5V6で幅の広いS波を示す。(3)○左室肥大は可能。(4)?心筋梗塞は困難。(5)○

(14)図は胸骨左縁長軸像を示す。それぞれの番号に相当する解剖名の正しい組み合わせを選べ。
(1)右心室  (2)左心室   (3)大動脈弁   (4)僧帽弁
a,134 b,12 c,23 d,4 e,1-4

(答え)図がないので分かりません。

(15)次の文章のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
(1)パルスドップラー法は速い血流の流速を計測するのに用いられる。
(2)狭窄部における圧較差は4×(流速)2で求められる。
(3)カラードップラーにおいては探触子に近づく血流を赤く遠ざかる血流を青く表示する。
(4)連続波ドップラーは血流速度を測定する部位(深さ)を指定できる。
a.(1)(3)(4)のみ b.(1)(2)のみ c.(2)(3)のみ d.(4)のみ e.(1)〜(4)の全て

(答え) C
(1)× パルスドップラー法はどの部位の流速を測定しているのかが分かる(range resolution)が、流速が早いと折り返し現象が生じる。早い血流を測定するには連続波ドップラー法が用いられる。但し連続波ドップラー法はrange resolutionがほとんどない。
(2)○ 簡易ベルヌーイの式 ΔP=4×[流速(m/sec)]2 (3)○
(4)× 連続波ドップラーでは、マーカーの直線上にある全ての点での血流速度を表示し、マーカー上のどの部位から反射した信号なのかを区別できない。

17.タリウム心筋シンチグラフィー検査において用いられる負荷法には以下のものがある。
(1)運動(2)アデノシン(3)バルサルバ(4)アセチルコリン(5)ジピリダモール
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

(答え) b
他にドブタミン負荷もある。(4)のアセチルコリンやエルゴノビンは冠?縮性狭心症の検査時に用いられることがある。

20.次のうち誤っているものを選べ。
(1)心内シャントがある場合の心拍出の測定には、直接Fick法ではなく熱希釈法を用いるのが適当である。
(2)左室造影により、僧帽弁逆流の重症度を表すsellers分類のV度とは、「左房は中度に造影されるが、左室よりも薄い」と定義されている。
(3)冠攣縮性狭心症が疑われる症例で、冠動脈造影上有意な器質的狭窄病変を認めない場合は、ニトログリセリンの冠動脈内投与により冠攣縮を試みる。
(4)心臓カテーテル検査の重篤な合併症として、脳血管事故を生じる。
(5)心房中隔欠損では右房において有意な酸素飽和度のステップアップを認める。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

(答え) C
(1)? 選択肢的には○ではないかと。
Fick法は呼気ガスを3分間集め、呼気ガス中の酸素分圧を測定し全身の酸素消費量を求める。さらに動脈血酸素飽和度と肺動脈血酸素飽和度を測定し心拍出量を算定する。
酸素消費量と酸素飽和度の関係は以下の式で表せる。
酸素消費量(ml/min)=1.36×10×心拍出量(L/min)×ヘモグロビン量(g/dl)×[動脈血酸素飽和度(%)−混合静脈血酸素飽和度(%)]÷100
※混合静脈血酸素飽和度=(3×上大静脈血酸素飽和度+下大静脈血酸素飽和度)÷4であり、シャントのない場合は肺動脈血酸素飽和度に等しい。
とするとシャントのある場合は、混合静脈血酸素飽和度が肺動脈血酸素飽和度に等しくないのでFick法は望ましくないということでしょうか?
(2)× Sellers分類 T度:LAへのjet流を認めるが、LA全体は造影されないもの、U度:LA全体が造影されるがその程度はLVよりも薄いもの、V度:LAとLVがほぼ同じ程度の濃度で造影されるもの、W度:LAがLVやAoよりも濃く造影されもの
(3)× 冠?縮の誘発にはエルゴノビンないしアセチルコリンが用いられる。生じた?縮はニトログリセリンの注入により軽快する。
(4)○ カテーテルを動脈内に入れて操作したため、動脈壁に付着していた血栓や動脈硬化組織を遊離させ末梢に飛ばしてしまうことがありうる。塞栓子が脳に流れ込むと脳梗塞を起こす。
(5)○

22.正しいものの組み合わせを選べ。
(1)冠動脈インターベーション(PCI)とは、バルーン形成術、冠動脈ステント留置術、冠動脈粥腫切除術などの総称である。
(2)PCIと冠動脈バイパス術(CABG)を比較した場合、PCIはCABGより低侵襲という利点がある反面、再狭窄を生じ得るという欠点を持つ。
(3)冠動脈バルーン形成術(POBA)の急性期成功率は95〜99%であるが、慢性再狭窄が30〜40%に生じるとされている。
(4)冠動脈疾患の治療方法を選ぶ際には、年齢・症状の重症度・左室機能・病変の重症度やその他の患者背景(腎不全、脳血管障害、悪性新生物など)を考慮すべきである。
選択肢不明

(1)○ (2)○ (3)? 再狭窄に関しての記述は正しいと思いますが、急性期成功率に関しては分かりません。 (4)○

25.正しいのはどれか。
(1)心音にはT・U音の他V・W音、僧帽弁開放音、心膜ノック音、クリック音などがある。
(2)V音は平均左房圧の上昇、硬い左室、駆出分画の低下を伴う大きな左室が存在するときに認められ、心筋症など左心機能不全に伴うことが多い。
(3)僧帽弁狭窄の拡張期雑音は僧帽弁開放の直後から始まり、低調で拡張中期遠雷様雑音といわれる。
(4)ASDでは収縮期雑音とU音の奇異性分裂を認める。
a,123 b,124 c,34 d,4 e,全て

(答え) a?
(1)○ (2)○? 選択肢的には○? (3)○
(4)× ASDはU音の固定性分裂と肺動脈弁領域の収縮期駆出性雑音(相対的PS)。U音の奇異性分裂はASや左脚BlockBlockなどがある。

(26)脈拍測定により推測できないものはどれか。
(1)呼吸性不整脈  (2)期外収縮  (3)心房細動  (4)完全左脚ブロック
a,(1)(2)のみ b,(1)(2)(4)のみ c,(3)のみ d,(4)のみ e,(1)〜(4)の全て

(答え) d?
(1)推測できる。 脈拍数が吸気時に多く,呼気時に少なくなる.(2)推測できる。 リズムは基本的には規則正しいが,ときに規則的な時期よりも早く心拍が起こる状態である.心臓の収縮が有効な心室内血液の駆出にならずに末梢動脈の拍動とならない場合〔脈拍欠損(pulse deficit)〕や,小さな脈拍として触知する場合がある.(3) 推測できる。 絶対性不整脈(absolute arrythmia):脈拍がまったく不整で,規則性のない状態をいう.大きさも不同で,脈拍欠損により心拍数に比べて脈拍数は少ないことが多い.心房細動が原因であることが多い.(4)出来ない

29.慢性心不全の病態生理について正しいものを選べ。
1交感神経系やレニンアンジオテンシン系などの神経体液性因子が心不全の予後と関連している。
2心室リモデリングとは心疾患の進行に伴い左心室が拡大していくことである。
3拡張機能不全による心不全は心不全患者の約40%を占める。
4脳性ナトリウム利尿ペプチドBNPは心不全患者の重症度や予後とよく相関する。
a134、b12、c23、d4、e全て      

(解答)a (解説)2.左心室だけが拡大するわけではない。

34.心室性頻脈について誤った組み合わせをa~eから選べ。
1. 心室期外収縮は最も頻度の多い不整脈の1つである。
2. 心室頻脈の際、心電図上房室解離を認める。
3. Torsades de Pointesは心室細動の一種である。
4. 心室性期外収縮は必ず治療しなければならない。
5. 突然死の家族歴があり、V1、V2誘導でST上昇を伴う不完全右脚ブロックを認めた
  場合はBrugada 症侯群の可能性は低い。
a.1 2 3 b.1 2 5 c.1 4 5 d.2 3 4 e.3 4 5

(解答)d (解説)2.房室解離を認めるのは3度房室ブロック。3. Torsades de Pointesは時に心室細動に移行する。4.心室性期外収縮は健常人にも約半数見られる。

38.狭心症の問診に極めて有用な「SAVES」の特徴について正しい記述の組み合わせは以下のうちどれか。
(1)S:sudden onset(突然の出現)
(2)A:anterior chest pain(左前胸痛)
(3)V:vague chest pain(鋭利な痛みではなく締め付けられるような圧迫感)
(4)E:ectopic beats(期外収縮による脈不整の自覚)
(5)S:shortness of breath(息切れを伴う)
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345

(解答)a (解説)4.E: effort or excitement 5.S: short duration

41.冠動脈インターベンションについて正しい組み合わせを選べ。
(1)バルーンによるPTCAでは3〜6ヶ月の間に30〜40%の症例に生じる再狭窄が問題だった。
(2)冠動脈ステント術の導入によりその頻度が半減した。さらに最近の薬剤溶出性ステントの導入により再狭窄の減少が期待される。
(3)一枝病変は原則として薬物療法を優先させる。
(4)左冠動脈主幹部病変も冠動脈形成術(PTCA)のよい適応である。
(5)動脈バイパス術には長期開通度の高い静脈グラフトが用いられる。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

(解答)a (解説)4.左主幹部病変は基本的にバイパス術が適応。 5.開通度が高いのは動脈グラフト。

42.虚血性心疾患について正しい組み合わせを選べ。
(1)危険因子として重要なものは高コレステロール血症である。中でもLDLコレステロール値が高いほど虚血性心疾患の発生率が高くなる。
(2)危険因子の数が多いほど虚血性心疾患の発症リスクが高くなる。
(3)コレステロール低下療法によって虚血性心疾患の発生率が低下することは証明されている。
(4)我が国において虚血性心疾患の発生頻度は増加している。
a,124 b,12 c,23 d,123 e,全部

解答:e

45.急性心筋梗塞について正しい記述の組み合わせを選べ。
1.発症早期(6時間以内)には冠動脈閉塞部位を再疎通させる再還流療法が予後の改善に有効である。最疎通療法として血栓溶解療法、或いは経皮的冠動脈形成術が選択される。
2.Forresterの血行動態分類は心機能の評価と治療の選択に有用である。SubsetU(肺うっ血+、末梢循環不全−)の場合、利尿薬と血管拡張薬が選択される。
3.二次予防(再梗塞防止)にはβ遮断薬やアンギオテンシン変換酵素阻害薬が選択される。これらの薬剤が有効な機序として心室拡大(心室再構築:remodeling)の防止が注目されている。
4.3枝病変で心機能が低下している場合、冠動脈バイパス術のよい適応である。
a.134のみ b.12のみ c.23のみ d.4のみ e.1〜4のすべて

解答:e

48、人工心肺法について、正しいものを選べ。
(1)人工心肺よりの送血カニューレを流れる血液の酸素飽和度は80%である。
(2)人工心肺の流量は体温を下げると、常温の時よりも多く維持する必要がある。
(3)右心系を開く右房中隔欠損閉鎖術などでは、右心房へ脱血カニューレを一本挿入するだけで十分である。
(4)人工心肺への脱血カニューレは上下大静脈か右心房へ挿入する。
a.(1)(2)(3) b.(1)(2) c.(2)(3) d.(4) e.(1)-(4)

解答:e  (4)が○なので!?

51.下記の記述で妥当と思われるものをa〜eより選べ。
(1)VVIRペーシングはVVIペーシングに比べより生理的である。
(2)VVIRペーシングは完全房室ブロックに対する第一選択モードである。
(3)Rubenstein分類は房室ブロックに対する分類系である。
(4)Afに対する外科手術としてはMaze手術がある。
(5)Vfに対するICDの治療法はDCショックのみである。
a(1)(2)(3) b(1)(2)(5) c(1)(4)(5) d(2)(3)(4) e(3)(4)(5)

解答:c   3が×。4が○。

53.IABP(大動脈内バルーンポンピング)について正しいものの組み合わせはどれか。
(1)高度の大動脈弁閉鎖不全による心不全には特に有効である。
(2)成人には200cc、小児には50ccのバル−ンが一般的である。
(3)解離性大動脈瘤には使用しない。
(4)不安定狭心症には特に有効である。
(5)IABPはあくまで圧補助であり補助循環として限界がある。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

解答:c

55.心臓外科周術期の管理について正しい組み合わせはどれか?
(1)高脂血症、高血圧でヘビースモーカーの82歳の男性。心拍動下冠動脈バイパス手術3日目に39度の発熱をきたした。最も考えられる原因は肺炎である。
(2)30歳女性。心房中隔欠損術後、尿量減少、食欲不振、抹消冷感、頻脈、低血圧、頚静脈が怒張している。第一に考えられるのは心タンポナーデである。
(3)軽い心不全で人口弁置換予定者の鼻腔と咽頭からMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が検出された。自覚症状がないので予定通り手術を行った。
(4)ペニシリンに感受性のない黄色ブドウ球菌(MRSA)による心内膜炎の67歳の女性。ドパミン15γ/Kg/minの投与を10年うけの高度うっ血性心不全 (大動脈弁逆流4度、僧房弁逆流4度) 。白血球数13,000/mm3。39度であったが手術に踏み切った。
(5)Swan-Ganz Catheterで測定しうる肺動脈の混合肺静脈血酸素飽和濃度は心拍出量と正の相関を示す。
a.1,2,3 b.1,2,5 c.1,4,5 d.2,3,4 e.3,4,5

解答:d

56.僧帽弁疾患について正しいのはどれか。
(1)置換術適応となるための重要な要素は@NYHAが3度以上A弁口面積が1,0cm2以下B血栓塞栓症の既住がある、の3つである。
(2)僧帽弁閉鎖不全or狭窄症の外科治療の第一選択は置換術である。
(3)大動脈弁と僧帽弁は解剖学的に連続性を有しないため置換術の際は大動脈弁の損傷はそれほど危惧することはない。
(4)僧帽弁閉鎖不全症の原因は現在でもリウマチ熱の後遺症が最も多い。
(5)僧帽弁狭窄症の外科治療には人工弁を使わないこともある。
a,12 b,15 c,23 d,34 e,45
(答え)a  (1)△ MSに限定するなら正しい (2)× まず弁形成、切開術。置換術は最後。 (3)× 連続性を有します。 (4)× 現在ではほとんどない。 (5)○

58.心臓移植について正しくないものはどれか。
(1)転移性心臓腫瘍も適応となる。
(2)急性拒絶反応診断は、心筋壊死に伴い上昇する血清中のAST(GOT)やCPK-MB値により診断する。
(3)心臓移植後経過が良くても医学的に社会復帰は難しい。
(4)慢性期における閉塞性冠動脈閉塞病変は主に動脈粥状硬化が原因である。
a,134 b,2 c,12 d,23 e1-4

(答え)e  (1)× 心臓に転移するような癌はその原発巣の予後が悪すぎて適応とならない。(2)× CRPや免疫組織反応を使う。(3)× (4)× 拒絶反応など
 
59.感染性心内膜炎(IE)に対する外科治療について正しいものはどれか。
(1)菌塊による脳塞栓を生じたときは緊急手術の適応である。
(2)起因菌が不明なときは現在でも成績が不良である。
(3)手術の基本は膿瘍部を外科的に切除し修復することであるか、房室結節、弁輪部あるいは冠動脈に病変が及んだときは病変を残して手術を施行せざるを得ない。
(4)外科治療の再燃性PVE(prosthetic valve endocarditis)に対しては手術適応にはならない。

(答え)(1)  (1)○ (2)×起炎菌とは無関係 (3)×どこでも切除する (4)×
 
60. CABGについて正しい組み合わせを選べ。
(1)急性心筋梗塞にはCABGよりPCIのほうが良い。
(2)左主幹部冠動脈にはCABGの適応である。
(3)陳旧性心筋梗塞にはCABGの適応である。
(4)PCIが進歩してもCABGの適応は不変である。
(5)80歳以上の人にはCABGの適応はない。
選択肢不明

(答え)(1)(2)?   (1)△ 頻度的にはPCIの方が多いが良いかどうかは微妙な話。 (2)○ (3)×壊死した場所は適応外 (4)× そんなん誰にも分からないでしょう (5)×
   
61. 冠動脈バイパス手術成績、手術手技について正しいものを選べ。
1 早期開存率、遠隔期開存率のいずれにおいても、動脈グラフトは静脈グラフトより優れている。
2 最近我が国における初回待機CABG手術の病因死亡率(手術後在院死亡率)は全国平均で約5%である。
3 OPCAB(off-pump CABG)は体外循環を使用しない心拍動下バイパス手術で、大動脈に触れずに手術できる点は大きな利点の一つといえる。
4 多枝バイパス手術においては、内胸動脈グラフト一本のみの使用より、両側内胸動脈グラフトを使用したほうが遠隔期生存率において優れている。
5 冠動脈バイパス手術では、初回手術より、再手術のリスクのほうが大きい。
a. 1 2 3 b. 2 3 4 c. 3 4 5 d. 1 2 3 4 e. 1 3 4 5

(答え)おそらく145(なぜ全ての選択肢に3が?)
(1)○ (2)× もっと低い (3)×? 体外循環を使用しない点は正しいが、大動脈から流すのに常識的に大動脈を触れずにはできないでしょう。 (4)○ (5)○

62.急性心筋梗塞合併症の外科治療について正しいものを選択せよ。
(1)左室自由壁破裂は致死率が高いが、手術により救命される場合がある。
(2)心室中隔穿孔では一般に心原性ショックに陥る前の急性期外科治療が必要である。
(3)僧帽弁乳頭筋完全断裂による急性僧帽弁閉鎖不全では、内科治療による心不全コントロールの後に手術を行う。
(4)左室瘤は一般に慢性期に手術適応となるが、最近はDor手術がよく行われる。
a123 b234 c134 d124 e1〜4の全て

(答え)d  (1)○ (2)○ (3)× 緊急手術の適応である  (4)○

63.血管造影に使用しないものを選べ。
aガイドワイヤー b造影剤注入器 c内視鏡 d空気 eカテーテル
1ab 2ae 3bc 4cd 5de

(答え)4   ガイドワイヤーを通してカテーテルをいれます。造影剤注入器もあったら便利。空気は入ったら大変です。

64.正しい組み合わせはどれか。
(1)姑息手術とは、根治手術ができない症例に行うもので、延命を目的とした手術である。
(2)動脈管開存のある大動脈離断症で早期治療としてPGE1を使う。
(3)完全型心内膜床欠損症に対する外科治療として肺動脈こうやく術がある。
(4)大動脈縮窄症に対するsubclavian flap法は鎖骨下動脈を末梢部で切断し、その断端を下行大動脈に吻合する術式である。
a-134 b-12 c-23 d-4 e-すべて

(答え)e  (1)○ (2)○ (3)○ 現実的ではないが試験問題としては○ (4)○

65.
1、goose−neck signは心室中隔欠損と心内膜床欠損症に特徴的である。
2、心房中隔を閉鎖すると右房、右室、肺動脈などの右心系に負荷が増す。
3、大動脈弓離断症に心室中隔欠損症を合併した場合には二期的手術しかない。
4、心内膜床欠損症を根治するには心房中隔閉鎖、心室中隔閉鎖、房室弁をつくる。
a,134 b,12 c,23 d,4 e,1-4

(答え)d  (1)× VSDは関係ない。VSDを伴わないECDでもみられる。 (2)× 減ります。 (3)× ほとんどではあるがそうでないものもあります。 (4)○

69.動脈管依存性心疾患はどれか。
(1)エプスタイン奇形  (2)大動脈離断複合   (3)純型肺動脈閉鎖症
(4)三心房心       (5)総肺静脈還流異席症
a,12 b,15 c,23 d,34 e,45

<解答>c  (1)× (2)○体循環を動脈管に依存 (3)○肺循環を動脈管に依存 (4)(5)×

71.胸痛を伴う救急患者で、早期診断・治療が生命予後を直接左右する疾患はどれか。
(1)急性大動脈解離  (2)自然気胸  (3)急性肺塞栓症  (4)急性心筋梗塞
a,134 b,12 c,23 d,4 e,全て

<解答>e   どれも重要な胸痛の鑑別診断

72.解離性大動脈瘤について正しいものを選べ。
1.DeBakey分類T型は大動脈弁輪直上に内膜亀裂(entry)を有し、解離の広がりが腹部大動脈までおよびStanford分類ではA型に相当する。
2.急性大動脈解離では解離腔が血栓で完全に閉塞している例は早期血栓閉塞型とされStanford分類B型に多く手術適応は少ない。
3.解離のエントリー部位は大動脈基部が60%、鎖骨下動脈遠位部が30%を占める。
4.Stanford分類A型の自然予後は極めて不良で発症後48時間で50%が死亡するが退院後の予後は良好でA型B型で差がなく手術例とも差がない。
a(1,3,4),b(1,2),c(2,3),d(4),e(1-4)

<解答>e 授業プリント参照

73.次の組み合わせのうち正しいものをひとつ選べ。
1.甲状腺機能亢進症 - 心房細動
2.Duchenne型筋ジストロフィー - 拡張型心筋症
3.サルコイドーシス - 心臓弁膜症
4.褐色細胞腫 - 低血圧
5.全身性エリテマトーデス - 心膜炎
a.(1)(2)(3) b.(1)(2)(5) c.(1)(4)(5) d.(2)(3)(4) e.(3)(4)(5)

<解答>b    (3)サルコイドーシス-刺激伝導系障害 (4)褐色細胞腫‐高血圧

75.正しい組み合わせを選べ。
(1)wpwに伴う心房細動はカテーテルアブレーションの良い適応である。
(2)カテーテルアブレーションは左心系に起源のある不整脈は適応外である。
(3)カテーテルアブレーションのエネルギー源は低周波である。
(4)発作性上室性頻拍はカテーテルアブレーションで90%以上根治可能である。
(5)心室頻拍の一部にもカテーテルアブレーションは有効である。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

<解答>c       (1)○ (2)△ (3)×高周波 (4)○ (5)○

76.乳児の心不全症状として比較的多いものはどれか。
(1)皮膚蒼白  (2)大泉門膨隆  (3)チアノーゼ  (4)呼吸困難  (5)体重増加不良
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

<解答>?      (1)(3)(4)(5)は比較的見られる
小児の心不全の診察時のcheckポイント:@顔色,皮膚色,A哺乳力,食欲,B体重増加,C活動性,乳児では泣き声の強さ,D多呼吸,陥没呼吸,鼻翼呼吸,その他呼吸状態,E発汗の状態,F皮膚冷感,G太鼓ばち指,H頚静脈怒張,I顔貌(染色体異常など)である。  (今日の診療Vol.11)

77.胎児循環の特徴として誤りはどれか。
(1)肺血管抵抗は出産後24時間ほとんど変化しない。
(2)胎生期には心奇形の存在により状態は変化しない。
(3)心臓の予備能は十分である。
(4)肺動脈には両心拍出合計の約7%しか流れない。
(5)卵円孔・動脈管・静脈管が重要な役割をもつ。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

<解答>a    (1)×出生後呼吸開始すぐに肺血管抵抗低下 (2)× (3)× (4)○ (5)○

78.先天性心疾患の疫学について正しいのはどれか。
(1)Marfan症候群はelastin遺伝子の異常により生じる。
(2)21trisomyは約50%頻度で心奇形を合併する。
(3)先天性心疾患と関連の深い遺伝子としてWilliams症候群がある。
(4)生産児における先天性心疾患の発生頻度は約1.0%である。
(5)Noonan症候群で高頻度に見られる心疾患は大動脈縮窄である。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

<解答>d      (1)×fibrillin遺伝子の異常 (5)×肺動脈狭窄

79.正しい組み合わせを選べ。
(1)三尖弁閉鎖症においてBASを必要とすることがある。
(2)総肺静脈還流異常症は通常新生児期に発症する。
(3)完全大血管転移症T型は新生児期を比較的無症状で通過する。
(4)肺動脈血流のための動脈管開存維持にはインドメタシンが有効である。
a,134 b,12 c,23 d,4 e,1-4

<解答>b   (3)×出生直後からチアノーゼ (4)×インドメタシンは動脈管閉鎖作用がある

82. チアノーゼ型心疾患の合併症として正しいものはどれか。
(1)脳膿瘍 (2)蛋白尿 (3)高尿酸血症 (4)感染性心内膜炎
a,134 b,12 c,23 d,4 e,1-4

解答 e

83.正しいものを選べ。
(1)粥状硬化症の概念には動脈硬化症や小・細動脈硬化症などいくつかの病態が含まれている。
(2)小・細動脈硬化症は高血圧や糖尿病が原因のことが多い。
(3)粥状硬化症は動脈の内膜をおかす病態である。
(4)粥状硬化症の続発症には虚血性疾患、脳梗塞、腹部動脈瘤など重篤なものが多い。
(5)メンケベルグ中膜石灰化硬化症では著名な石灰沈着によりしばしば内腔が閉塞される。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

解答 d       1)×粥状硬化症⇔動脈硬化症 5)×内腔は開いている。

84.誤っているものを選べ。
(1)粥腫(atheroma)が破綻すると動脈周囲に出血し、その圧迫のため内腔が狭窄することがある。
(2)粥状硬化巣は石灰化をきたしやすく、CTなどで発見されることがある。
(3)粥状硬化症の主たる危険因子には年齢、高脂血症、高血圧、糖尿病がある。
(4)粥状硬化症は冠動脈、腎動脈、腸間膜動脈に発生しやすい。
(5)閉経前の女性は男性より粥状硬化症の程度は一般的に軽いが、妊娠を契機として増悪することが多い。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

解答 b  
1)×粥腫(atheroma)が破綻すると血栓が形成され動脈内腔を閉塞することがある。2002年卒試
5)女性は閉経後に血清コレステロール値が増加するとともに虚血性心疾患の危険が上昇する。

86.虚血性心疾患に関係する病変について正しい記載はどれか。
(1)急性冠症候群の疾患概念の特徴は冠動脈内血栓の病態的意義に着目した点にある。
(2)急性心筋梗塞は貧血性梗塞であり病変内出血はまれである。
(3)労作性狭心症の責任病変として75%以上の冠動脈内腔狭窄が重要である。
(4)心筋収縮帯壊死は最灌流障害によるところが多い。
(5)前下行枝閉塞は後下壁梗塞を生ずることが多い。
A,123 b,245 c,345 d,125 e,134

解答 e 5)LAD閉塞は前壁や心室中隔梗塞を生じやすい。

88.次のうち最も正しいものの組み合わせはどれか。
(1) リュウマチ熱によって僧帽弁狭窄症(MS)が発生することがある。
(2) マルファン症候群で弁輪が拡大すると僧帽弁閉鎖不全症(MR)になる。
(3) 大動脈弁閉鎖不全症(AR)ではfloppy bulbが見られる。
(4) 僧帽弁狭窄症(MS)の原因としては大動脈二尖弁がある。
a. 1 2 3のみ b. 1 2 4のみ c. 1 2のみ d. 2 3のみ e. 1〜4のすべて

解答 c 1)2)○ 3)×AR→僧帽弁逸脱症 4)×MS→大動脈弁狭窄症

89.次の中で正しいものを選べ。
(1)DCMの組織学的特徴の1つとして、心筋細胞の細小筋線維(myofibrillary loss)欠如がある。
(2)DCMは細胞周囲線維化(pericellular fibrocis)がある。
(3)HCMは錯綜配列が特徴的である。
(4)RCMはアミロイドーシスが原因である。
a,134 b,12 c,23 d,4 e,1-4

解答 a 2)×DCM→RCM

90.正しいものを次から選べ。
(1)非細菌性血栓性心内膜炎は感染性心内膜炎と異なり、弁に血栓を作らないことが多い。
(2)心臓腫瘍では、lipomaが最も多い。
(3)cardiac myxomaは左心房が最も多く、僧帽弁の形態的・機能的異常をきたすことがある。
(4)ウイルス性心筋炎はコクサッキーウイルス/ECHOウイルスによるものが多い。
(5)非細菌性血栓性心内膜炎の背景には、癌・結節などの慢性消耗性疾患があることが多い。
a,123 b,125 c,234 d,234←かぶってます  e,345

解答 e  2)×lipoma→粘液腫myxoma 

92.慢性動脈閉塞症について正しいものを選べ
(1)原因疾患として閉塞性血栓性血管炎(Buerger病:TAO)が閉塞性動脈硬化症(ASO)より頻度が高い。
(2)脊柱管狭窄症などの整形外科疾患との鑑別が必要である。
(3)安静時疼痛や潰瘍・壊疽がある場合、原則的には血行再建術の適応である。
(4)バルーン血管拡張術やステント挿入術などの血管内治療は、大腿動脈以下の下肢動脈閉塞に対する第一選択の治療である。
(5)解剖学的バイパスより非解剖学的バイパスのほうが、低侵襲で、長期開存成績も良好である。
a,12 b,15 c,23 d,34 e,45

解答)c
頻度はASOの方が高い。慢性動脈閉塞症の治療方針はFontaine分類に基づいて考えられ、T度とU度では主に薬物療法、V度とW度では主に外科療法になるので部位によって決まるわけではないと考えられる。5)に関しては不明。消去法でc

93.腹部大動脈瘤について正しい組み合わせを選べ。
1. 突然の腹痛、有痛性拍動性腫瘤、ショックがあるときは、腹部大動脈瘤破裂を疑う。
2. 診断には腹部エコーが有用。
3. 虚血性心疾患と脳血管障害の合併は稀。
4. 腫瘤径6cm以下なら、破裂の危険は少なく、放置して良い。
5. 待機手術の死亡率は10%以上である。
a.1 2  b.1 5  c. 2 3  d.3 4  e.4 5

解答)a
80歳以上の高齢者発症が増加しつつあり、虚血性心疾患などの冠動脈疾患や脳血管障害合併を認めることが多い。径4cm以上、または腎下部の正常動脈の径の2倍以上では手術適応となる。待機手術の死亡率は2〜3%

94.下肢静脈瘤について正しい組み合わせを選べ。
(1)一次性静脈瘤の原因としては、大腿静脈の弁不全が多い。
(2)一次性静脈瘤では、肺塞栓症を来たしやすい。
(3)Perthes試験では、深部静脈の開存性を評価する試験である。
(4)弾性ストッキングによる圧迫は、下肢のうっ血を軽減させるので、保存的療法には有用である。
(5)標準手術法として大伏在静脈の全長を抜去するストリッピング手術が行われるが、再発率が高く、再発率の低い硬化療法が一般的になりつつある。
a,12 b,15 c,23 d,34 e,45

解答)d
一次性は大・小伏在静脈や交通枝の弁不全。肺塞栓を来たしやすいのは二次性。ストリッピング手術と硬化療法は併用される事が多い

95.下肢深部静脈血栓症について正しい組み合わせを選べ。
(1)静脈血栓にはおもに血小板が関与している。
(2)下肢の腫脹、うっ血性皮膚炎等をきたす静脈炎後症候群は、発症後早期に起こる。
(3)危険因子として、静脈血栓症の既往、下肢の外傷、骨盤内手術、長期のベッド上安静、急性心筋梗塞、慢性心不全、悪性腫瘍、避妊薬服用中などがある。
(4)初期治療として、持続的ヘパリン投与を行い、引き続きワーファリンの経口投与による抗凝固療法を3〜6ヶ月以上継続する。
(5)肺塞栓症予防目的でときに下大静脈遮断や下大静脈フィルターの挿入が行われる。
a,123 b,125 c,145 d,234 e,345

解答)d
静脈血栓に主に関与しているのは炎症。予防目的で下大静脈フィルター挿入は行われるが、下大静脈遮断は行われない。

96.正しい組み合わせをa−eの中から選択せよ。
(1)古典的結節性多発動脈炎は、中・小動脈壁およびその周囲における病変を主体とする壊死性血管炎である。
(2)顕微鏡的結節性多発動脈炎は、毛細血管および細動静脈などの小血管を主体とする白血球破砕性血管炎が特徴的である。
(3)好中球細胞質抗体(perinuclear ANCA)はウェゲナー肉芽腫症に特異性が低い。
(4)ウェゲナー肉芽腫症は上気道、下気道や腎に好酸球が多数浸潤した肉芽腫を伴う壊死性血管炎を特徴とする。
(5)古典的結節性多発動脈炎の主な死因は腎不全で、ついで心不全が多い。
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45

解答)b
顕微鏡的PNも壊死性血管炎が主体。ウェゲナー肉芽腫にはC-ANCAが特異的で肉芽腫には好中球浸潤を伴う。

99.正しい組み合わせをa−eの中から選択せよ。
(1)観察研究では要因の作用する時期と疾病が発生する時期に時間的なずれがある。この時間経過を考慮した方法を"縦断研究"と呼び、考慮しない方法を"横断(断面)研究"と呼ぶ。
(2)コホート研究は、要因暴露の情報を調査開始時点で取る"後向きコホート研究"と、過去の記録や資料をもとにする"前向きコホート研究"に大きく分類される。
(3)縦断研究は、比較する2群の調査集団の設定を暴露の有無で行う"コホート研究"と疾病の有無で行う"患者対象研究"に大きく分類される。
(4)コホート研究は患者対象研究と異なり罹患率を直接測定できる。
a.134のみ  b.12のみ  c.34のみ  d.4のみ  e.1〜4のすべて

解答)a 
調査開始時点から過去にさかのぼるのが後向きコホートで、開始時点の要因暴露情報をとるのが前向きコホート。

100.誤っている記述を一つ選択せよ。
a.循環器疾患のリスクは、通常観察研究によって測定される。この代表的研究が米国Framingham研究や久山町研究である。
b.臨床経験だけでなく、再現性があり偏りのない臨床観察を系統的に行い、予後や診断、治療に応用する方法の一つとしてEBM(evidence-based medicine)が提唱されている。
c.選択バイアス(selection bias)は研究のために集めた患者それぞれが研究に関係する因子以外の点で異なっているときに起こる。
d.バイアスを制御する方法として、ランダム化、マッチ、層化、標準化などの手法が用いられる。
e.バイアスが少ない点で症例対象研究は無作為割付比較試験よりも優れている

解答)e    無作為割付比較試験が最もバイアスが少ない

(番号不明)労作性狭心症の典型的な症状で正しいものを選べ。
(1)痛みは胸骨裏面で広さを持っていて、指尖で指すことはできない。
(2)痛みは心臓の負担が増す状態(運動、食事、興奮、排便など)でおこる。
(3)持続は数分、長くとも15分以内が多い。瞬間的な痛みは狭心症ではない。
(4)運動の停止やニトログリセリンの舌下投与が痛みの軽減に有効である。
a,134 b,12 c,23 d,4 e,1-4

解答)e   
Nitoroglycerin SAVES angina
Sudden onset/Anterior chest pain/Vagous chest pain/Effort or Excitement/Short duration
瞬間的な痛みで多いのは筋・骨格系由来の痛みや期外収縮などが多い。

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