臨床の講義が始まったみなさんへ

後輩の方々に聞かれて、僕なりに意見を書いてみたものを載せてみます。
<教科書の紹介>と、<4年次の試験について>です。

<教科書の紹介>
内科学書
「内科学」とか書いてあるでっかい(そして高価な)教科書です。僕は朝倉書店のものを持っていて、非常に気に入って愛用しています。僕の知っている限りでは朝倉のものか、ハリソンを持っている人が多いみたいです。ハリソンだと日本語と原書(英語)とありますね。ハリソン原書は新しい版も出て、すごくためになるとは思いますが気楽に読むには…。どちらにしても持っていて損はないと思います。3万円弱しますので臨床講義が始まったからといって急いで買うことはないかもしれませんが。(僕は今のうちから読み込もう!と思って3年の秋に購入しました。)選択のポイント、として僕が思いつくのは、読んでみて読みやすいこと、値段、重さ(朝倉は5つに別れている分冊版がありますが、ハリソンは2分冊しかないので1冊が重いです。)、改訂時期でしょうか。気に入った教科書に改訂予定があるなら新しくなるまで待って買ったらいいかもしれません。治療や病態の解明は日々進歩していますから。

外科学書
僕は新臨床外科学という本を持っていますが、同じ本を持っている人をほとんど見たことがないです。手術方法が図つきで解説されて結構読みやすいし気に入ってるんですが…学生が読むには実際的すぎるのかもしれません。標準外科学を持っている人が多いかな、という印象です。ただし、最多数派は何も持ってない、という人です。手術適応になる疾患でも病態や疫学については内科学書の方がよく書いてあって、外科学書はそれに対する外科学的アプローチについてだけ書いてあるという感じですので。これも安くないので興味があれば、と考えればいいでしょう。

イヤーノート
内科・外科の国試用教科書、と考えてください。CBTにもいいのかも?僕は5年の春に買いました。毎年春に改訂版が出版されるので、4年か5年の春に買うといいかもしれませんが、これ1冊で試験に重要な、内科と外科のポイントがわかる、というのがメリットです。ただ、大学内の試験は講義をした先生が自分の好みでマニアックな内容まで問うてくるので、それほど有用でない、という話も聞きます。いろんな疾患に出くわすベッドサイドでは重宝します。成書(内科学書)が好きな僕は実は買ったもののあまり使ってないんですが…。

ステップ各種
かなりいっぱい買いました…。通読すればなんとなく、ではありますがその領域全般を見渡すことができます。これメインで試験勉強する人は多いのですが、読みやすい反面、流し読みして頭に残らない、とか、間違った記述がある(多い!?)といった声も聞かれます。わかりやすくしよう、という努力のために記載する疾患が絞られる、記述が長くなる、という弊害が生じている感があります。内科が6冊で1冊5000円くらいですので、たくさん買うと安くはないです。

概説試験対策には…
授業プリントをしっかり見て、過去問を授業プリント見ながらやれば充分です。教科書はいらん、と言っても過言ではないかも…。というわけでじっくり選べばいいかな〜、というのが僕の意見です。貸してくれそうな先輩がいればちょっと借りて使ってみるのも手かも。

あとはマイナー。要するに内科学書、外科学書で対応できないものですが。整形外科(脊椎運動器)、眼科、耳鼻科、泌尿器科、産婦人科、小児科、皮膚科、精神科、麻酔科あたりでしょうか。いずれも成書もステップもありますが…。自分の興味がない科ならステップを買うか、授業プリントだけでもどうにかなるでしょう。
興味のある科とか、整形、小児、産婦あたりは成書を見てみてもいいかもしれませんね。(これらはステップでもかなり分厚いですし…。)標準整形外科学やNEW産婦人科、といった教科書は結構持っている人がいます。


<4年次の試験について>
結局どれもあんまり落ちないので、「普通に」してれば受かる印象です。以下個別に。あくまで僕の学年の話なのでそのへんはご了承を…。

視器
総論オンリー。基本は眼の解剖、網膜の組織、視力調節、眼科的検査法など。過去問を1,2年分やったら押さえられます。僕たちより下の学年では各論も出た、という噂ですが未確認です。ただ、各論と言ってもチェックすべきは白内障、緑内障、糖尿病網膜症、ぶどう膜炎の4つで及第点には十二分と思います。このへんは卒試の過去問で勉強したらいいのでは?落ちるのはせいぜい10人。あと、授業はプリントなくて高速でノートをとらねばならないものが多いです。注意!

聴・嗅・味覚器
僕たちの代から教授が替わっているので、それ以降の過去問を研究すべきかと。耳、鼻、のど、そして形成、とそれぞれの専門家が問題を作って寄せ集める感じで、のどの梅崎先生なんかは例年似通った問題を出してきます。ただ、小宗教授はありがた〜いことにとても教育に情熱があるようなので、過去問と変えてくる可能性も…。僕たちの年は10人くらいしか落ちませんでした。

皮膚
これも教授が熱心で…。問題は毎回持ち帰りオッケー、という試験。それだけに、「似てるけど同じじゃない」系の問題が多い気がします。しかも範囲が広い+病名が難しい…。1割超落ちました。

内分泌・代謝
これが手強い。落ちる、という意味でなく、内容が難しいです。臓器や内容別に17分類されており、それぞれの内容について講義を担当した先生が問題を作って出題してきます。教授が退官したので内容が変わるかも…(彼が作ってた問題は総論だけだけど…)。担当の先生毎に毎年変えてるか、過去問やればできそうか、分析したらラクできるかも。要注意人物は甲状腺の岡村先生。授業の感じ悪い、抜き打ちで出席(小テスト)とる、内容面白くない、わかりにくい、試験毎年変わる、の5拍子が揃ってます。

感染症・中毒
これも1割弱しか落ちませんでした。注意すべきは神経病理の岩城先生と小児科でしょうか。この2分野は結構難しい問題が出る気がします。他は毎年あまり変化ない…はず。

アレルギー・膠原病
過去問やっとけばよさそうな…。僕たちの学年は落ちませんでした。試験問題は(記憶からなくなってたけど、見直す限り)1疾患1問、みたいな感じで、それぞれ疾患の要点を聞いてくるので、変えようがないのかも。

受胎・成長・発達
なんといってもこれが重い!4月から講義が毎日のようにあるくせに、試験は7月…。とっても範囲が広いです。ただ、産科、小児外科、整形外科は過去問ベース。重点的に勉強すべきは小児科、といっていいと思うけど、これが多い…。さらに、過去問通りが多い産科も、毎年同じ問題が出るけど、その答えが分からない、という厄介な問題が…。あと、原教授の授業中は注意すること!携帯いじってるのがばれて試験落とされた輩がおりますので。意外にも(?)僕たちの学年は4人しか落ちませんでした。

心身医学
これは楽勝科目。去年は問題が変わったという話ですが…。常識問題が結構多くて癒されます。全員合格だったし。問題量が多いので解くのがだるい、という難点はありますが。

精神医学
これもほぼ全員合格するはずです。過去問をやっておけばいいのでは。余談ですが、至誠の精神医学の項に授業ノートがあります。予習に使うとか、授業中に見るとかすると効率がいいかもしれません。

侵襲医学
僕たちの代は最終週に「(前の週の金曜日:心身医学試験)、月曜日:受胎成長発達試験、水曜日:歯科口腔外科試験、金曜日:1限侵襲医学講義、2限その試験、3限放射線講義、4限その試験」という日程でした。このへんになると根性勝負です…。例年形式は2大問+マルチプルチョイス30問程度、という感じ。大問は的を絞れるし、何でも書けますが(教授が「点数に自信のない人は私に手紙を書いてください」とか言い出すし…)、マルチョイが難しい…。毎年出る問題もあるんだけど…。ただ、まんべんなく出題される、という点で過去問を勉強するのが効率的かな、という気がします。1割弱が落ちました。

臨床検査・放射線医学
放射線を使う、というだけで各臓器の検査から治療まで広範な知識を問われるので結構厳しいです。落ちる人はわずかだったけど。対策の柱は過去問です。解剖などの基礎知識から聞いてくるので結構勉強になります。放射線科は脳、胸部、腹部(肝胆膵メインかな、CTやMRI)、消化管(バリウムの造影や内視鏡)、核医学(シンチとか)、放射線治療(ガンマナイフとか)の6グループに分かれており、それぞれの出題がくっきり分かれているのでグループ別に過去問分析したら面白いかも知れません。消化管グループは問題毎年変わらないみたいだし。最後に臨床検査医学(浜崎先生)の問題と「画像問題」があります。画像問題は直前の講義で教授が全て説明しました。追い込み勉強はほどほどにして解説をよく聞いておきましょう。(僕はマッタク見てなくて激しく後悔しました。)

歯科口腔外科
やる気なくみんな合格になりました。講義数も少ないし、先生のやる気もあんまりないので過去問で対応出来るでしょう。

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