神経 平成16年度概説試験

2004年 概説試験(復元)
(2)上位運動ニューロン障害で起こるものはどれか。
a、筋萎縮     b、線維束性収縮   c、仮性球麻痺  
d、Babinski反射陽性  e、腱反射の低下もしくは消失
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

【解答】a、b、eは下位運動ニューロン障害。仮性球麻痺、Babinski反射陽性は上位運動ニューロン障害で生じる。球麻痺は下位運動ニューロン障害。 →4

(3)小脳性運動失調症で見られる所見はどれか。
a、深部感覚低下  b、Romberg徴候  c、企図振戦  d、断綴性発語  e、測定異常
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】a、bは脊髄性運動失調で見られる。 →5

(4)次の神経徴候とその障害部位との組み合わせで正しいものはどれか。
a、垂れ足 - 脛骨神経
b、垂れ手 - 橈骨神経
c、鷲手   - 尺骨神経
d、ガワーズ徴候(Gower`s sign) - 両下肢近位筋
e、ラセーグ徴候(Lasegue sign)  - 脊髄後索
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】(a)× 垂れ足は腓骨神経障害。 (b)○ (c)○ (d)○ (e)× ラセーグ徴候は髄膜刺激症状。→4

(8)ハンチントン病について正しいものはどれか。
a、黒質ドパミンが減少する。   b、常染色体優性遺伝である。
c、痴呆症と舞踏病を合併する。 d、IT15遺伝子のCAGリピートも増加がある。
e、末梢血中に有棘赤血球が見られる。
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】(a)× ドパミン作動性ニューロンが過剰興奮する。ドパミンが減少するのはパーキンソン病。
(b)○ (c)○ (d)○ (e)× 家族性有棘赤血球性舞踏病で見られる。 →4

(9)パーキンソン病の特徴はどれか。
a、無動 b、筋強剛(硬直)  c、著名な筋萎縮  d、アテトーゼ  e、静止時振戦
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】(a)○ (b)○ (c)× (d)× 不随意運動は見られない。 (e)○ パーキンソン病の振戦は静止時に強く見られる。 →2

(10)筋萎縮性側索硬化症で通常初期には見られないものはどれか。
a、褥創  b、眼球運動障害  c、排尿障害  d、腱反射亢進  e、舌の萎縮
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】上位および下位運動ニューロンが選択性に障害される神経変性疾患。原因不明。一側上肢から始まることが多く、さまざまな症状が現れるが、原則的に眼球運動障害、膀胱直腸障害、感覚障害、褥創は認められず、これらを陰性4徴候という。  →1

(14)LCCAの特徴はどれか。
a、遺伝性のものは、Menzel型とよばれる。        b、自律神経障害を伴うことが多い。
c、鑑別すべき疾患としてビタミンE欠乏やparaneoplastic syndromeがある。
d、TRHが失調症に有効なことがある。          e、MR2画像では小脳萎縮のみが認められる。
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】5
【解説】LCCA=晩発性小脳皮質萎縮症。OPCAとの鑑別が重要で、LCCAは病変が小脳(特に虫部)に限局し、Parkinson症状(−)であるのが鑑別のPOINT。
a)×:Menzel型=SCA-2(遺伝性のOPCA類似疾患)。遺伝性LCCAはSCA-6。
b)×:自律神経障害を伴うのはOPCA。LCCAは小脳性運動失調。
c)○:悪性腫瘍に関連した小脳変性症にparaneoplastic syndrome(=傍腫瘍性神経障害症候群)がある。 血中VIt.Eが欠乏すると、Friedreich運動失調症に類似した失調症を呈する。
d)○:TRH=酒石酸プロチレリン。Friedreich失調症、OPCA、LCCAの治療薬。 e)○:そのとおり。

(15)ギラン・バレー症候群(Guillan−Barre syndrome)について正しいものはどれか。
a、1ヶ月以上進行することが多い。         b、抗ガングリオシド抗体が認められる。
c、日本人では先行感染菌としてはCampylobacter jenuniが多い。
d、γ-グロブリン大量静中療法が有効である。  e、副腎皮質ステロイド剤投与が治療に有効である。
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】4
【解説】
GBSは脱髄性炎症性ニューロパチーで、弛緩性運動麻痺と外眼筋麻痺と蛋白細胞解離が重要。
a)×:急性発症で、発症後数日〜2週間で症状は完成し、その後徐々に改善していく。
b)○:GQ1bガングリオシド(VWYのRanvier絞輪の周囲に局在)に対する抗体が高率にみられる(特にFisher症候群で)。
c)○:前駆症状で消化器症状を示す時はこれが多い。C.jejuniはガングリオシド様糖鎖構造をもつ。
d)○:治療はγグロブリン大量静注(IVIG)、血漿交換。   e)×:上記。

(17)低カリウム性周期性四肢麻痺について正しいものを選べ。
a、四肢麻痺は弛緩性である。           b、予防にはアセタゾラミドが有効である。
c、日本では家族性(遺伝子の異常)と二次性(甲状腺機能亢進症等)がほぼ同数である。
d、呼吸筋障害が一般的である。         e、持続は30分〜1時間程度が多い。

【解答】a
【解説】
周期性四肢麻痺は低K性が最多、甲状腺機能亢進の合併症としての発症が多い(東洋人男性)。
a)○:周期的・発作的に四肢・体幹の筋(特に四肢近位筋)が弛緩性麻痺を生じる。
b)×:アセタゾラミド(ダイアモックス)は近位尿細管に作用してNa・HCO3再吸収阻害。低Kを誘発。
c)×:家族性は稀。甲状腺機能亢進症によるものが圧倒的に多い。
d)×:顔筋・眼筋・球部筋・呼吸筋・括約筋は通常侵されない。
e)×:持続時間については、高K性:一時間以内、低K性:数時間〜数日、正K性:2〜20日。

(19)65歳、男性。8年前早期胃癌のために胃の3分の2を切除した。2ヶ月ほど前より歩行時のふらつき、両下肢のジンジン感出現。両側アキレス腱反射消失、両側膝蓋腱反射低下、両側病的反射陽性。両下肢温痛覚軽度低下、振動覚関節位置覚の高度低下を認める。この症例でよく見られるのはどれか。
(a) 脊髄の後側索の脱髄変性      (b) 大球性正色素性貧血       (c) 心不全
(d) 浮腫                    (e) 末梢神経障害
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】2
【解説】胃切後の神経障害ときたら亜急性連合性脊髄変性症。
a)○:脊髄後索と側索が最も強く障害される。
b)○:内因子欠乏によるVit.B12欠乏で悪性貧血。Schilling試験(+)。  c)・(d)×
e)○:感覚優位の末梢神経障害。(感覚障害があるので、側索障害があっても腱反射が亢進したり低下したり不定である)

(25)正しい文の組み合わせを選べ。
a、X型糖原病は、嫌気性運動負荷試験で血中乳酸・ピルビン酸が上昇する。
b、Fabry病は、男児に四肢の疼痛、発汗低下などの症状で発症することが多い。
c、ガラクトシアリドーシスは、眼底にcherry-red spotを認めることが多い。
d、Lesch-Nyhan病は、高尿酸血症を呈する。
e、副腎白質ジストロフィーは血中の極長鎖脂肪酸値が低値を呈する。
1,abc 2,abe 3,ade 4,bcd 5,cde

【解答】4
【解説】V型は筋型糖原病(筋の糖代謝障害)で、ホスホリラーゼ欠損。運動時疼痛、筋力低下、高CK血症。Fabry病は伴劣で、激しい四肢痛、無汗症、反復性下痢、angiokeratoma。ガラクトシアリドーシスは常劣で本邦に多く,思春期に歩行障害,視力・聴力障害で発症し,cherry red spot,小脳失調,ミオクローヌス,痙攣,骨変形,被角血管腫がみられる。。Lesch-Nyhan病は伴劣の、プリン代謝酵素欠損による尿酸合成が増加した疾患で。自傷行為が有名。副腎白質ジストロフィーは伴劣で、脳白質と副腎に極長鎖脂肪酸が蓄積し、進行性の脱髄と副腎機能不全を呈する。
a)×:健常者は増加するが、V型糖原病患者は増加しない。  b)・(c)・(d)○:そのとおり。
e)×:血清スフィンゴミエリン中の極長鎖脂肪酸が増加する。

(26)18歳女性。幼小児期に問題なし。手の震えと体の動きが悪く転びやすくなったなどの症状で来院。軽度の知能低下を認め、性格は多幸的。頚部と四肢に筋固縮、寡動、右手のジストニーあり。病的反射なし。感覚障害、小脳症状、骨格の変形などはない。血液生化学検査で軽度の肝機能障害を認め、腹部超音波検査で肝硬変の所見、肝生検で肝細胞に銅の沈着が認められた。この疾患に関して正しいものはどれか。(H15概説24に類似)
a,血清セルロプラスミン値は高値となる   b,血清銅は高値となる
c,Kayser-Fleischer角膜輪を認める   d,D-ペニシラミンとビタミンB6の併用内服治療が有効である
e,日常生活上で、貝類、甲殻類、レバー、チョコレートなどを食べることは出来るだけ避ける
1.a,b,c 2.a,b,e 3.a,d,e 4.b,c,d 5.c,d,e

【解答】5
【解説】Wilson病。肝におけるセルロプラスミンの生成障害により、組織に銅が沈着。若年者に多く、基底核の変性、肝硬変、Kayser-Fleischer輪がtrias。
a)×:生成障害なので、当然低値。
b)×:セルロプラスミン結合銅↓の為、遊離しやすいアルブミン結合銅が増加して尿中への銅排泄↑
c)○:角膜後面のDescemet膜に銅が沈着して、角膜周辺が緑色調を呈する。
d)○:D-ペニシラミンで銅をキレートし、銅排泄を促進させる。酢酸亜鉛も有効。
e)○:銅の多い食品は避ける。

(29)重症筋無力症について正しいものは?
a腱反射は保たれる。    b治療はコリンエステラーゼ剤である。
c末梢神経反復刺激において2〜3Hz刺激でwaxingを認める。
d女性に多い。         e一般に起床後よりも午後の方が症状は憎悪する。
1abc、2abe、3ade、4bcd、5cde

解答 3
解説 bcが明らかに× 治療はコリンエステラーゼ阻害薬→そしてAch濃度をあげる(診断用にはテンシロン<エドロホロニウム>、治療用にはネオスチグミン)。誘発筋電図ではだんだん反応が無くなる=waning。waxingはEaton-Lmbert症候群。
残されたadeは明らかに○。

(30)25歳女性。視野の右半分なキラキラ光る点が見え、その部分が見えなくなり、10分後に激しい頭痛が起こる。全身所見、神経学的検査に異常を認めず、頭部MRI検査も正常であった。正しいものは?
a頭痛は嘔吐を伴うことが多い。    b若年成人に多い。
c持続は数時間のことが多い。     d頭痛は非拍動性の締め付けられるような痛みが多い。
e100%酸素吸入が有効である。
1abc、2abe、3ade、4bcd、5cde

解答 1
解説 閃輝性暗点、若年女性から偏頭痛を疑う。偏頭痛といえば拍動性血管性頭痛なのでdは×。eは成年男性に多い群発頭痛の特徴なので×。以上よりabcが○

(34)脳梗塞について正しい組み合わせを選べ。
a. ラクナ梗塞では脳出血を合併することは少ない。
b. アテローム血栓性梗塞では内頚動脈や中大脳動脈に病変が多い。
c. 心原性脳塞栓症では出血性梗塞を合併する頻度が多い。
d. ラクナ梗塞は脳皮質にも出現する。
e. アテローム血栓性脳梗塞では症状が突発完成することはない。
1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de

解答 3
解答 
ラクナ梗塞=小さな穴の梗塞という意味。被殻・橋・視床・尾状核・内包・放線冠に生じる直径15mmまでの小さな梗塞。穿通枝梗塞。安静時の発症が多い。起こり方は緩徐,段階的。意識障害や皮質障害はない。背景に高血圧のあることが多い。脆くなった血管からの出血も多い。
アテローム血栓性梗塞=アテローム硬化の部分が様々な要因で詰まってしまう。内頚動脈や中大脳動脈など。 安静時の発症が多い。起こり方は緩徐段階的な場合が多い。意識障害はあっても軽い,皮質障害を伴うことが多い。背景に高血圧,糖尿病,高脂血症などがあることが多い。X線CTで境界域,基底核,深部白質,皮質などに梗塞巣
心原性脳塞栓症=心臓・大血管にあった血栓などの塞栓が飛んできて詰まったもの。突発的に発症,数分以内に完成。意識障害は高度なことがある.皮質症状を伴いやすい。塞栓源としての心疾患 (心房細動などの不整脈,弁膜疾患,心筋梗塞) 。X線CTでは,皮質を含む辺縁明瞭な梗塞巣
出血性梗塞を合併しやすい。

(40)脳波で誤った記載はどれか。
a、α波の周波数は8〜13Hzである。 b、α波は開眼時に消失する。
c、α波は前頭部有意である。 d、α波の振幅は100mv以上である。
e、α波は覚醒度が低下すると周波数が遅くなる。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

解答 4
解説 
δ(デルタ)波 0.5〜4Hz未満: ぐっすり寝ている時に現れる。
θ(シータ)波 4〜8Hz未満:とろとろと眠くなって来た時に現れる。
α(アルファ)波 8〜13Hz未満:脳の休めている部位に現れる波である。
健康な成人の、安静、リラックス、閉眼時に後頭部に現れる。前頭部にはあまり見られない。このα波は、目を開けると消えてしまい、振幅も小さいβ波へと変わる。これは、今まで休んでいた後頭部の視覚野が、開眼したことにより活発に働き出したからである。
β(ベータ)波 13〜40Hz未満:精神活動している部位に現れる。

(41)正しいものの組み合わせを選べ。
a、三相波 - 肝性脳症
b、平坦脳波 - 脳死
c、サブレーション・バーストパターン - アルツハイマー病
d、PSD - ヘルペス脳炎
e、PLEDs - クロイツフェルトヤコブ病
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

解答 (誤っているものを1つ選べ、でcを選ばせたかったのか?)
解説 サプレッションバースト=EIEE、ヒプサリズミア=West症候群、三相波=肝性脳症、PSD(周期性同期性高振幅徐波)、PLEDs(周期性一側性てんかん発作波)=ヘルペス脳炎、SSPE、CJD
平坦脳波については脳死判定の1項目にあげられている。

(42)神経原性萎縮と筋原性萎縮の記載で正しい組み合わせを選べ。
a、神経原性筋萎縮では近位筋が萎縮し、筋原性萎縮では遠位筋が萎縮する。
b、神経原性筋萎縮は筋原性萎縮に比べ、筋力が比較的保たれる。
c、神経原性筋萎縮では、巨大電位giant potentialが出現する。
d、筋原性萎縮では、運動単位が減少する。
e、筋原性萎縮では、線維攣縮電位fibrillation potentialが出現する。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

解答 3    
神経原性萎縮と筋原性萎縮の違い
神経原性 筋原性
萎縮する部位                   遠位筋優位の萎縮 近位筋優位の萎縮
感覚障害 + ―
筋力 保たれる(側枝が伸びるため)  低下する
筋電図 fibrillation, MUP(運動単位)減少、giant potential MUP減少なし、低電位
CK 正常〜軽度上昇 上昇すること多い
線維束性攣縮 + ―
筋電図については次の図でも見て落ち着きましょう。

(45)てんかん発作について正しいものはどれか。
a.単純部分発作では意識障害が起こる
b.単純部分発作では焦点性棘波が出現する
c.複雑部分発作では前兆(aura)がみられる
d.複雑部分発作では焦点性棘波が出現する
e.複雑部分発作では二次性全般化は起こらない
1.abc 2.abe 3.ade 4.bcd 5.cde

解答 4
部分発作:焦点性棘波が見られるので「部分」発作
単純部分発作:意識は障害されない。auraがある。二次性全般化=Jackson発作
複雑部分発作:意識が障害される。二次性全般化しやすい。

(47)不随意運動と病変部位の組み合わせで誤っているものはどれか。
1. ミオクローヌス  小脳歯状核
2. コレア         線状体(尾状核、被殻)
3. ヘミバリズム   視床下部
4. 静止時振戦    黒質
5. 動作時振戦    赤核

解答 3
解説 ミオクローヌス:電撃様の急激な筋収縮が不規則に起こる。 病変部位:小腦、脳幹、脊髄
     コレア:舞踏病。不規則で早い滑らかな不随意運動随意運動。ハンチントン舞踏病が有名。
           病変部位:尾状核、視床下核
     ヘミバリズム:近位筋の急速な力強い運動。 病変部位:反対側の視床下核
     静止時振顫:(≒Parkinson振戦) 安静時に顕著な指の律動的な運動。病変部位:黒質
     動作時振戦:(≒赤核性振戦)安静時に見られ運動時に増強する粗大な律動的な運動。 
           病変部位:赤核
これらを全部知らなくても、視床下部が内分泌などの中枢だから不随意運動随意運動の病変部位としては違ってそうということはわかるでしょう。

(48)拮抗筋と共同筋の相反性神経支配が保たれている不随意運動は
(1)振戦 (2)コレア (3)ヘミバリズム  (4)ミオクローヌス (5)ジストニア

解答 1?
運動には、作動筋,拮抗筋,共同筋,固定筋の4つの働きが重要である。
主働筋は、ある動作の際の主体となる筋肉、拮抗筋はその主働筋と逆の働きをする筋肉。共動筋は主働筋の補助、固定筋は動きを目的とした収縮ではなく、骨や身体を固定するための働きをする筋肉。
たとえば,肘関節を屈曲させる場合では、上腕二頭筋=作動筋、上腕筋=共動筋、上腕三頭筋=拮抗筋、大胸筋など=固定筋 といった感じ。つまり、共同筋が収縮するときは拮抗筋は弛緩する。
振戦:表面筋電図で、頻度5〜7Hzの規則正しい主働筋と拮抗筋からの相反性筋放電がみられる。
ミオクローヌス:共同筋と拮抗筋に同時に速い筋収縮がおこる不随意運動
ジストニア:表面筋電図で作動筋と拮抗筋に持続時間の長い非相反性収縮が見られる。
コレア: ? バリズム:?
といった感じで…、おそらく1だと思います。

(49)熱性けいれんについて正しいものはどれか
a 単純型と複合(複雑)型に分類される。  b 大部分の症例が全般発作を呈する。
c 中枢神経感染症とは症状が異なる。    d 約30%がその後てんかんを発症する。
e 小児の0.6〜0.7%に発症する。
1.(a)(b) 2.(a)(e) 3.(b)(c) 4.(c)(d) 5.(d)(e)

 解答 1
熱性痙攣とは上気道感染などによる38℃以上の発熱に伴ってみられる痙攣で,中枢神経感染症や水分・電解質不均衡など痙攣の原因になる明らかな異常のないものをいう.好発年齢は6か月〜3歳で,この年齢の3%の児にみられる.痙攣重積や痙攣後の入眠状態で来院したときには,急性脳炎や急性脳症との鑑別が必要となる.
分類としては、単純型熱性痙攣 と複合型熱性痙攣に分けることができる。
単純型熱性痙攣とは
" てんかんの家族歴なし。
" 発作以前に明らかな神経症状、知能・性格障害を有しない。
" 脳障害の原因となりうる疾患の既往がない。
" 生後6ヶ月から満6才以内。
" 発作時間:最高20分以内。
" 痙攣;左右対称性、巣症状(脳のいずれかの局所との明らかな関係)(−)。
" 発作終了後、意識障害は持続しない。四肢の麻痺など残さない。
" 発作が短時間に頻発することはない。
と定義されていて、約80%がこれにあたる。
発作型としては15%が焦点性痙攣で,残りのほとんどは全般性強直間代性痙攣か全般性強直性痙攣で,6%に脱力発作がみられる.
半数以上は発作を1回しか起こさず,25〜50%(平均33%)は再発し,9%は3回以上起こすとされている.2回目の発作の50%は最初の発作から6か月以内に,90%は2年以内に起こす.何回も繰り返すときには乳児重症ミオクロニーてんかんとの鑑別が必要になる.なお,脳波所見は鑑別には役立たない   今日の診療Vol.11 (C)2001 IGAKU-SHOIN Tokyo

(51)Lennox Syndromeで正しいものは
(a)発作型は欠伸発作のみであることが多い
(b)発症は成人期が多く、West Syndromeからの移行は1%以下である
(c)けいれんは難治性であるが、知能障害を伴うことがほとんどない
(d)脳波所見は遅棘徐波結合が特徴的である
(e)覚醒中だけでなく、夜間睡眠時にも発作がおこる
1(a)(b) 2(a)(e) 3(b)(c) 4(c)(d) 5(d)(e)

(答)5
(a)× 強直発作、脱力発作、非定型欠伸が混在してみられる。
(b)× West症候群に60%は移行する。
(c)× 難治性であり、精神発達遅滞をもって成人期を迎え、予後は極めて悪い。

(55)次のうち正しいものは。
(a)sacral sparingが認められれば麻痺としてFrankel Aではない。
(b)椎体圧迫骨折では基本的に椎体後壁の骨折は伴わない。
(c)非骨傷性損傷ではむち打ち損傷と同義で、骨折、麻痺は基本的にはない。
(d)脊髄ショックとは受傷直後に心臓が停止することを言う。
(e)硬膜内髄外腫瘍で最も頻度が高い腫瘍は神経鞘腫である。
1.(a)(b)(c) 2.(a)(b)(e) 3.(a)(d)(e) 4.(b)(c)(d) 5.(c)(d)(e)

(答)2
(b)○ 椎体の後方まで至る骨折の場合は破裂骨折となり,神経管に突出して麻痺などを来す。
(d)× 脊髄に急激に横断性障害が生じたときの症候群で,障害部位以下の弛緩性運動麻痺,感覚脱失,尿閉からなる。筋トーヌスは低下し,腱反射,表在反射ともに消失する。自律神経障害として障害部位以下で発汗減少,皮膚温上昇,立毛筋反射消失がみられる。週数後より徐々に表在反射,腱反射の順に回復してくる。次第にバビンスキー徴候が出現し,さらに足底部への痛み刺激で下肢全体に屈曲がみられるようになる(脊髄性自動運動)。その後,腱反射は次第に亢進を示し,筋トーヌスも痙性に移行する。障害が完全でなければ最初から腱反射が保たれている場合や亢進している場合がある。弛緩性麻痺が痙性麻痺へ移行する機序は興奮性下行性線維の部分的回復,前角細胞の除神経過敏,残存ニューロンから前角細胞への分芽形成などが考えられている。
(e)○ 神経鞘腫>髄膜腫

(56)尺骨神経麻痺に関して正しいのはどれか。
a、母指の内転筋が低下する。 b、Perfect O テスト陽性である。 c、猿手になる
d、高位麻痺では手背橈側に知覚障害がおきる。 e、小指球に萎縮
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

(答)e
低位麻痺, 高位麻痺の2型が代表的麻痺型である。 は手内筋(小指球筋,1〜4骨間筋,3〜4虫様筋,母指内転筋)の麻痺,フロマン徴候が陽性となる。時間の経過とともに鉤爪手(claw hand)変形を来しうる。知覚障害の領域は小指と環指尺側である。 は低位麻痺に加えて,尺側手根屈筋,4〜5深指屈筋の麻痺,さらに手背尺側(手背皮枝)の知覚障害が加わる。 は手関節レベル(尺骨管など)での原因で, は肘関節(肘部管など)レベルとその中枢レベルでの原因でもたらされる。原因となる絞扼性神経障害は肘部管症候群と尺骨管症候群であるが,前者の頻度が高く,後者の頻度は低い。

(57)橈骨神経麻痺の徴候に関して正しいものはどれか。
a、高位麻痺では手関節の背屈が障害される b、手指のMP関節の伸展が障害される
c、Froment徴候が陽性となる d、知覚障害は必発である e、小指の外転障害が出現する
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

(答)1
橈骨神経は第6〜8頸髄根,主として第7頸髄根に由来し,上腕三頭筋,腕橈骨筋,回外筋,手首・手指の伸筋と母指外転筋を支配する。完全麻痺では肘の伸展,手首の伸展,母指の伸展と外転が不能となるが,手首の伸展,母指の伸展・外転が障害される場合が多い。症状としては垂れ手(wrist-drop)を呈する。そのほか前腕後面と手背橈骨部特に背側第1骨間部付近の感覚障害が起こる。松葉杖による腋窩部での圧迫のほか,より下部で上腕骨周囲を回って肘部へと下行する部分での睡眠中の圧迫,上腕骨骨折,上腕への不注意な注射による障害が多い。回外筋上縁での圧迫性障害は深枝のみ障害され後骨間筋症候群という。

(58)正中神経低位麻痺に関して正しいものはどれか
a.母指の対立運動が障害される b.手根管のこうやくが原因になり得る
c.鷲手が出現する d.手掌全域に知覚障害が出現する e.示指の屈曲が障害される
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

(答)1
高位麻痺では運動麻痺として母指・示指の屈曲不能,中指の屈曲力減弱,前腕回内不能が発生し,知覚障害は固有手部の正中神経支配領域に発生する。低位麻痺の運動麻痺は母指球筋に発生し前腕に起始する筋は障害されない。しかし,前腕近位部での損傷では損傷高位と筋枝の分岐部との位置関係によって麻痺の状態が異なる。臨床的には手根管症候群が最多である。このほか比較的遭遇しやすいのは上腕骨顆上骨折による前骨間神経麻痺,回内筋入口部での絞扼による前骨間神経麻痺,手関節部掌側の外傷による低位麻痺である。

(59)PETとSPECTに関する記述について正しいものはどれか。
a、PET用核種の物理的半減期はSPECT用核種に比べて長い。
b、99mTc-ECDは脳組織に取り込まれると水溶性が脂溶性に変化する。
c、99mTc-HMPAOは脳血流SPECT検査に用いられる。
d、123I-イオマゼニルはてんかん焦点の診断に用いられる。
e、15O-ガスによるPET検査は保険適用されている。
選択肢不明

(答)
(a)× PETは炭素11(半減期 20分),酸素15(半減期 2分),窒素13(半減期 10分),フッ素18(半減期 110分)等、超短寿命の陽電子(ポジトロン)放出核種で標識した放射性薬剤を用いるもので,他の検査法では得ることができない生体内の代謝や機能を定量的に測定できる特徴がある。これに対して,SPECT 検査ではテクネシウム99m(半減期 6時間)やヨウ素123(半減期 13時間)等、比較的寿命の長いガンマ線放出核種を用いる。
(b)× 脂溶性が水溶性に変化するはず。    (c)○ 
(d)○ 脳疾患診断薬;中枢性ベンゾジアゼピン受容体シンチグラフィにより、てんかんにおけるてんかん焦点の検出に用いられる新有効成分含有医薬品。

(61)CTで高吸収となることがある疾患はどれか?
a.脳出血 b.頭蓋咽頭腫 c.脳梗塞 d.類上皮腫 e.脂肪腫 
1a,b 2 a,e 3 b,c 4 c,d 5 d,e

(答)1

64.ウィリス動脈輪を構成しない脳動脈は?
a)前大脳動脈 b)前交通動脈 c)中大脳動脈 d)椎骨動脈 e)後大脳動脈
1-ab 2-ae 3-bc 4-cd 5-de

(解答)4Willis動脈輪は、前後大脳動脈と前後交通動脈からなる。

(65)頭蓋内圧亢進の三徴はどれか。
a、頭痛  b、項部硬直  c、片麻痺  d、嘔吐  e、うっ血乳頭
1,abc 2,abd 3,abe 4,bcd 5,cde

(解答)?(おそらく解答は3で、abeではなくadeの間違いだと考えられる)
頭蓋内圧亢進の症状としては、@頭痛 A嘔気、嘔吐 Bうっ血乳頭 C意識レベルの低下 D複視 ECushing現象(血圧上昇、徐脈) がある。

(69)65歳男性。突然の左片麻痺で発症、単純CTを図に示す。正しいものはどれか。
1、脳室穿破を伴った被核出血である。
2、脳室穿破を伴った視床出血である。
3、原因は脳動脈瘤の破裂であることが多い。
4、脳ヘルニアを示す所見を認める。
5、早急に腰椎穿刺をして髄液所見を調べることが原因である。

(解答)2 図が2003年度概説(69)に同じであるなら、脳室穿破を伴った視床出血である。

(70)20歳男性。左内頚動脈撮影の側面像を図に示す。正しいものはどれか。(動静脈奇形)
1、良性神経膠腫との鑑別が必要である。  2、痙攣発作で発症することが多い。
3、出血で発症することは稀である。      4、放置すると急速に増大する。
5、確定診断のために生検を行う。

(解答)2
1.× 2.○? 30%に痙攣発作。AVMの2大症状はSAHと痙攣。 3.× 20〜40歳でSAH見られたらまずAVMを疑う。 4.× AVMは先天的なもので、それが症状に出てくるのは20歳とかなので、急速に増大することは考えられない。 5.× 確診は脳血管造影による。 
(2003年度概説(70)参照)

(71)60歳男性。急性に進行する右動眼神経麻痺で来院。右内頚動脈撮影の正面像を図に示す。診断で正しいものはどれか。
1、前大脳動脈遠位部動脈癌    2、前交通動脈癌  3、中大脳動脈分岐部動脈癌
4、脳底動脈先端部動脈癌     5、内頚動脈・後交通動脈分岐部動脈癌

(解答)5  画像がないので何とも言えないが、IC-PC分岐部動脈瘤でよく動眼神経麻痺を来たす。

(72)60歳男性突然の頭痛で発症した。図に示すようなCT所見があり、すぐに開頭手術を行った。術後 経過は良好であったが1週間後から意識混濁と右片麻痺が生じてきた。最も適切な治療の組み合わせはどれか。
(a)Hypertension (b)Hyperglycemia (c)Hyperventilation (d)Hypervolemia (e)Hemodilution
1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde

(解答)3 2003年概説(72)に同じ。

(73)痙攣発作を起こした14歳女性の左右脳動脈撮影を示す。神経学的所見は見られなかった。診断名は何か?
1.脳動靜脈奇形  2.硬膜動脈婁  3.ウィリス動脈輪閉塞性(モヤモヤ病)  4.脳炎

(解答)1?
画像がないのでわからないが、年齢、神経学的所見がないことなどから、AVMが1番疑われる。

(75)延髄背外側症候群(Wallenberg症候群)の症状のうち、誤りはどれか。
1、病変側の矢調と共同運動障害  2、病変対側上下肢の痙性麻痺
3、ホルネル症候群  4、同側触覚と対側身体の温痛覚の脱失、低下
5、めまい、眼振

(解答)2
1.○ 下小脳脚の障害による。 2.× 錐体路は障害されないため、四肢麻痺は来たさない。
3.○ 交感神経の障害による。 4.○? 触覚も温痛覚も、顔面では同側、頚部以下では対側で脱失または低下する。 5.○ 前庭神経核の障害による。

(76)34才男性のGd造影の図、この腫瘍の発生母地は何か。
1、硬膜  2、聴神経  3、三叉神経  4、椎骨動脈  5、外転神経

解答 画像がないのでなんとも。

(77)視力障害で発症した27歳男性のGadolinium造影とMRIを示す。血液中のプロラクチン濃度は14940mg/mlであった。正しい診断はどれか。
1、頭蓋咽頭腫 2、髄膜腫 3、背索腫 4、巨大内頚動脈瘤 5、下垂体腺腫

<答え>5?
画像がないので分からないが、成人(27歳)であること、PRL濃度が高いこと、Gd造影を行ってい ることから下垂体腺腫ではないか?

(79)転移性脳腫瘍の原発巣として頻度が最も高いものを選べ。
a、肺 b、胃 c、肝臓 d、前立腺 e、乳腺
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

〈答え〉 2.ae. 肺癌が最多で52.7%。次いで乳癌で8,8%、消化器癌(胃、大腸、直腸)。

(81)61歳女性。3ヶ月前から言葉の出にくさを自覚し、徐々に進行してきた。(図)Gadlinium造影MRIを示す。鑑別診断はどれか。
a、髄膜腫 b、神経膠芽腫 c、転移性腫瘍 d、血管腫 e、上衣腫
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

<答え> 画像が無いので分からない。

(82)11歳,女児。生来チアノーゼがあり3歳の時心臓臓弁膜症の手術を受けている。2週間前に抜歯後 発熱があり、全身痙攣をきたした。MRI(T1強調画像(左)とGd造影(右))を図に示す。最も可能牲 の高い診断名はなにか
1.転移性脳腫瘍  2.Glioblastoma  3.脳膿瘍  4.Hemangioblastoma  5.脳内寄生虫症

<答え> 3. 画像がないので断定はできないが、病歴から脳膿瘍が推定される。

(83)下の頭部外傷のうち最も予後が悪いものを選べ。
a、脳震盪 b、前頭骨陥没骨折 c、幅状腱膜下血腫 d、急性硬膜外血腫 e、急性硬膜下血腫

<答え>e.
早期に手術しても脳挫傷、脳腫脹が著明なことが多いため、死亡率も40〜60%と高い。急性硬膜外血腫は放置すれば予後は不良となるので即座に開頭し、血腫除去と出血源の止血を行う。

(84)76歳の男性。1ヶ月前に転倒して頭部を打った既往がある。1週間前から元気がなくなり、2日前から右手に持った箸を取り落とすようになった。適切な診断は以下のどれか?
1. 急性硬膜外血腫  2. 慢性硬膜下血腫 3. 脳挫傷 4. 脳梗塞 5. 高血圧性脳出血

<答え> 2. 病歴より慢性硬膜下血腫が疑われる。他は急性に発症する。

(85)40才男性。書字で字が震えるようになり、食事ができなくなってきた。安静時には震えは見られない。定位脳手術で破壊または深部刺激の治療対象となる部位はどこか。
(1)視床 (2)海馬 (3)尾状核 (4)黒質 (5)補足運動野

<答え> ?

(86)22歳男性のMRIを示す。幼児期に熱性頸攣の既往がある。10歳の頃より宙を見、右手で無目的にまさぐる発作を10数秒間生じるようになった。発作の焦点はどこにあるか。
1、視床下部 2、淡蒼球 3、運動野 4、脳梁 5、海馬

<答え> ?

(88)脊髄髄膜瘤の手術を0生日にうけた。合併しやすい病態はどれか。
(a) 頭蓋縫合早期癒合症 (b) くも膜嚢胞 (c) Chiari奇形 (d) 水頭症 (e) Dandy-Walker症候群
1.ab 2.ae 3.bc 4.cd 5.de

<答え> 4.cd.
脊髄髄膜瘤は神経管の閉鎖不全によるもので腰仙部に好発し、感染の危険があるので早期に手術が必要。合併症としては、ChiariU型奇形や水頭症が挙げられる。

(89)73歳男性。進行性の両側上肢鈍麻、膀胱直腸障害を認める。次にCT,MRIを示す。正しいものはどれか。
1、脊髄硬膜外腫瘍  2、頚椎後縦靭帯硬化症  3、頚椎黄色靭帯硬化症
4、脊髄硬膜外血腫  5、頚椎空洞症

<解答>?
1〜5のいずれも両側上肢の感覚鈍麻および膀胱直腸障害を認めることがある。頸髄空洞症では、体節性に深部覚は正常で温痛覚のみ障害される解離性感覚障害(宙づり型)を認める。

(90)73歳男性。2年前から右下肢の脱力が見られはじめた。歩行障害・膀胱直腸障害も見られる。
神経学的検査ではTh10以下に感覚鈍麻と痙性対麻痺があり、膀胱直腸障害が認められた。胸椎のMRI画像と胸髄血管造影の写真を示す。次のうち、最も可能性の高い診断はどれか。
1. 胸髄髄内腫瘍  2. 胸椎横靭帯骨化症  3. 胸椎硬膜動静脈瘻
4. 胸椎空洞症    5. 化膿性脊椎炎

<解答>?

(92)正しいものはどれか。
a、脳の酸素消費量は体全体のおよそ5%である。
b、心房細動はラクナ梗塞の危険因子である。
c、脳血管アミロイドは出血の原因となる。
d、古い脳出血病変ではヘモジデリンの沈着が見られる。
e、くも膜下出血後の脳血管攣縮はまれである。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5.de

<解答>4
a,×脳の酸素消費量は全体の25%、血流量は全循環血液量の15%(50〜70ml/100g/min)、重量は体重の2%
b,×Afは心原性脳梗塞の危険因子である。ラクナ梗塞の危険因子は、高血圧と加齢。
c,○特に高齢者の脳血管アミロイドは反復性多発性の脳葉型出血(皮質下出血)の原因となる。
d,○ e,×くも膜下出血後、約4日後より脳血管攣縮が認められることがある。広範な脳梗塞の原因となるので注意を要する。

(93)正しいのはどれか?
a. ミトコンドリアの遺伝子は両親から受け継がれる。
b. Wilson病は銅の腸管での吸収障害による銅欠乏症である。
c. 肝性脳症では脱髄がおこる。
d. 低ナトリウム血症を急に補正すると橋に障害がおこる。
e. Tay-Sachs病はガングリオシドが蓄積する。
1.ab 2.ae 3.bc  4.cd  5.de

<解答>5
a,×ミトコンドリア遺伝子は母系遺伝。
b,×銅の代謝異常で、組織に銅が沈着する常染色体劣性遺伝の疾患。錐体外路症状・構音障害・肝硬変・Kayser-Fleischer輪(角膜周辺が緑調を呈する)を認める。
c,×肝性脊髄症では生じる。
d,○橋中心髄鞘崩壊症のこと。症状としては意識障害・嚥下障害・四肢の運動障害・痙攣・呼吸障害等。  e,○

(94)45歳男性、大脳の水平断と髄鞘染色をカラー図に示す。この疾患について正しいのはどれか。
a、脊髄は侵されにくい。 b、視神経が好発部位である。
c、血管周囲に泡沫マクロファージが見られる。 d、高血圧が危険因子である。
e、Binswanger病である。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

<解答>?

(96)腫瘍の組織図をカラー図(HE染色)に示す。次のうちどれか。
1神経鞘腫 2頭蓋咽頭腫 3星細胞腫 4髄膜腫 5神経膠芽腫

<解答>? *多分、神経鞘腫の図でした。

(97)正しいものは?
a、膠芽腫は高齢者に多い。
b、オリゴデンドログリオーマは化学治療感受性が低い。
c、原発性膠芽腫はp53遺伝子異常を持つことが多い。
d、上衣腫は血管周囲偽ロゼットを形成する。
e、脳原発の悪性リンパ腫はB細胞性のものが多い。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

<解答>5
a,×好発年齢は30〜60歳。好発部位は大脳半球(前頭葉、次いで側頭葉)。
b,×1pおよび19qの欠損を伴う症例はprocarbazine,lomustine,vincristinによる全身化学療法(PCV療法)がよく奏効する。
c,×神経膠腫ではp53遺伝子異常がみられることが多い。 d,○ e,○

(98)正しいものはどれか
a、外側膝状体は視覚の中継核である。  b、鳥距溝は聴覚の中枢である
c、テント切痕ヘルニアでは瞳孔が縮小する  d、副交感神経は胸髄からでる
e、下垂体には血液脳関門がない
1,a,b 2,a,e 3,b,c 4,c,d 5,d,e 

<解答>2
a,○内側膝状体は聴覚の第一次中枢である。
b,×鳥距溝は大脳半球内側面で頭頂後頭溝の中間点から後頭極付近に至る深い溝で、その周囲は死角連合野で眼球運動・視覚情報の統合を行っている。
c,×動眼神経が圧迫されることにより、動向は散大する。
d,×副交感神経は延髄から出る。
e,○血液脳関門が無いのは、松果体、下垂体、脈絡叢。

(99)正しいものを選べ。
a、神経終末における過剰なグルタミン酸放出は神経細胞死を生じる。
b、多系萎縮症ではα-シヌクレインから成る封入体がみられる。
c、シュワン細胞は再生能力に乏しい。
d、レビー小体はβ蛋白からなる。
e、アルツハイマー神経原線維変化はニューロフィラメントからなる。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

<解答>?
a,? b,○多系萎縮症の病理的所見として認められるグリア細胞内封入体にαシヌクレインが含まれる。
c,×?CharcotMarieTooth病ではシュワン細胞の変性・脱落と再生が繰り返され、onion bulbが形成されると考えられている。
d,×レヴィ小体はパーキンソン病に特徴的な病理所見で、その主成分はαシヌクレインである。β蛋白はアルツハイマー病における老人斑の主成分。 
e,○アルツハイマー神経原線維変化の主体をなすpaired helical filament(PHF)はニューロフィラメント蛋白やタウ蛋白、ユビキチンなどによって構成される。

(100)正しいものはどれか。
a、眼動脈は外頚動脈から分岐している。
b、高血圧患者は權流圧の低下に対する脳血管の拡張反応が亢進している。
c、高炭酸ガス血症では脳血流量が増加する。
d、モヤモヤ病では脳血管の側副血行路が発達しやすい。
e、慢性硬膜下血腫は小児に多い。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

<解答>4
a,×内頸動脈から分岐する。  b,×低下している。
c,○ d,○血管造影で側副血行路がもやもやした血管像として写る。
e,×アルコール多飲者と老人に多い。

(番号不明)脳卒中の画像診断で正しいのはどれか。
a、ラクナ梗塞は、大血管の粥状硬化が原因である。
b、心原性脳塞栓症では、皮質枝領域の塞栓が多い。
c、出血巣は頭部MRIで時間と共に信号強度が異なる。
d、頭部MRI・・強調画像は急性期の脳出血巣の検出に有用である。
e、アテローム血栓性脳梗塞では、境界領域の梗塞は少ない。
1,ab 2,ae 3,bc 4,cd 5,de

<解答>3
a,×アテローム血栓性梗塞のこと。
b,○中大動脈の皮質枝の閉塞を起こすことが多い。
c,○ d,×出血巣はCTにて急性期にはhigh density areaとして、約3週間後にはlow density areaとして描出される。梗塞巣は急性期よりMRIでT1 low,T2 highに描出され、CTでlow density areaが明らかになるのは梗塞後12〜24時間後である。
e,×アテローム血栓性脳梗塞は境界領域(前大脳動脈と中大脳動脈の分水嶺)にまだら状に認めることが多い。

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