臨床遺伝学・遺伝子治療 平成15年度本試験

(1)次の問いに答えなさい。
 @疾患の発症に遺伝要因が関与していることを示す指標(観察)を2つあげよ。

【解答】家族集積。双生児研究。同胞罹患率と一般集団罹患率の比較。遺伝マーカーとの相関。この中から二つ。
【解説】0901のスライド参照

 A正しいものに○、誤りにXをつけよ。
 1.ヒトはゲノムに3-4万個の遺伝子を有する。
 2.連鎖はメンデルの第三法則の例外である。
 3.ある遺伝子型の個体がある表現型をとる確率を浸透率という。
 4.TATAボックスのTがCになる変異を同定した。この遺伝子の翻訳が低下することが予想される。
 5.対立遺伝子がAまたはCとなる一塩基置換があって、1OO人の遺伝子型を調べたら、95人がA/Aホモ接合、5人がA/Cヘテロ接合であった。この置換は多型である。
 6.高血圧患者1万人のDNAサンプルがある。原因遺伝子を同定するために、パラメトリック連鎖解析法が適する。

【解答】(1)○ (2)○ (3)○ (4)○ (5)○ (6)×?
【解説】0901スライド参照

(2)次の記述で、正しいものを5つ選びなさい。

1.遺伝子診療とは、外来遺伝子を体内に投与する遺伝子治療のことである。
2.肝型糖原病の遺伝子診断をするためには、肝生検が必要である。
3.遺伝子診断では、十分なインフォームドコンセントとカウンセリングが必要である。
4.保因者は、正常の約1/2の酵素活性を持つ。
5.染色体欠失では、複数の遺伝子が欠失することがある。
6.常染色体劣性遺伝病では、両親が血族結婚のことが多い。
7.多因子・遺伝病は、遺伝子検査で確実に診断可能である。
8.遺伝子発現に関するセントラルドグマは、mRNA→DNA→タンパク質である。
9.遺伝子のプロモーター領域の変異では、酵素量の不足(量的異常)がおこりうる。
10.遺伝子異常が明確な単因子遺伝病でも、発症前の遺伝子診断は不可能である。

【解答】 (1)(3)(5)(6)(9)
【解説】
(1)たぶん
(2)肝生検は酵素活性測定のため。遺伝子診断に肝生検は不要。
(4)case by case
(7)確実ではない
(8)DNA→mRNA→protein (10)可能

(3)適当な語句を記号で選びなさい。
1.ゲノム上には数多くの繰り返し配列が存在しているが、その中で3塩基の繰り返し配列が異常に延長するために疾患が発症するものを、トリプレットリピート病という。トリプレットリピート病では世代を経るに従って繰り返し配列が延長する事が多いが、そうなると臨床的に発症年齢は早くなり、症状も重篤になる傾向がある。この現象を(1)という。
2.CAGリピート病はリピートが遺伝子内の(2)にあり、CAG配列がアミノ酸に翻訳され、延長したボリグルタミン鎖が形成され、それが核内で封入体を形成し、(3)の起きることが病態に関与すると考えられている。一方、CTGリピー卜病はリピートが遺伝子内の(4)に存在し、リピートの延長した(5)が核内に存在し、他の遺伝子の発現を障害することが病態に関係していると考えられている。
3.CAGリピート病としては、手足に素早く起こる不随意運動と知能低下を伴う(6)、純粋に小脳失調症のみを呈する(7)等があり、CTGリピート病としては、握った手がなかなか開かないミオトニア現象を呈する(8)などがある。
4.中枢神経系にアミロイド蛋白の沈着する疾患としてはアルツハイマー病が有名であり、(9)が老人斑を形成して神経細胞の脱落が生じる。(9)はプロッセンシングの違いにより40アミノ酸と42アミノ酸からなるものがあるが、アルツハイマー病の老人斑には42アミノ酸が多く含まれている。このほかにもいくつかの蛋白質がアミロイド蛋白の形成に関わっていることがわかってきたが、なかでも高齢発症のアルツハイマー病患者に(10)の特有のポリモルフィズムの組み合わせ、特にε4タイプを有する人が多いことがわかった。

【選択語群】

(イ) β蛋白 (ロ)prion related protein(PrP) (ハ)Cystatin−C (ニ)サイコシン (ホ)mRNA (へ)アポリポ蛋白B (卜)アポリポ蛋自E (チ)タウ蛋自 (リ)トランスサイレチン (ヌ)Dentorubropouidoluysian atropy (DRPLA) (ル)Machado-Joseph病 (ヲ)筋強直(緊張)性ジストロフィー(ワ)Chorcot−Marie−Tooth病(CMT) (カ)Huntington舞踏病 (ヨ)Fabry病 (タ)Kennedy-Alter-Sung症候群(KAS;Bulboaspinal muscular atrophy) (レ)Crow-Fukase症候群 (ソ)アルツハイマー病 (ツ)SCA6 (ネ)Creutzfeldt-Jokob病(CJD) (ナ)5’非翻訳領域 (ラ)3’非翻訳領域 (ム)イントロン (ヰ)エクソン (ノ)Contamination (オ)retrospection (ク)anticipation (ヤ)retropulsion (マ)異常リン酸化 (ケ)異常ユビキチン化 (フ)異常プロチオゾーム化 (コ)異常アミロイド化

【解答】(1)ク (2)ヰ (3)? (4)ラ (5)ホ (6)カ (7)ツ (8)ヲ (9)イ (10)ト
【解説】
・アルツハイマー病・・・cf.朝倉p1990 、Step内1p100
・Machado−Joseph病・・・脊髄小脳変性症のサブタイプSCA3。CAG repeat。cf.朝倉p2007,2012、Step内1p199
・脊髄小脳変性症hereditary spinocerebeller ataxia・・・SCA。SCA6、16は小脳症状がメイン。他は小脳症状を含んで多彩な症状。
・Huntington舞踏病・・・cf.朝倉p2002 、Step内1p189

・Dentatorubropapllidoluysian atrophy(DRPLA)・・・歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症。CAG repeat。 cf.朝倉p2012 、Step内1p198
・筋緊張(強直)性ジストロフィー・・・CTG repeat。 cf.朝倉p2163、Step内1p239
・Charcot−Marie−Tooth病(CMT)・・・朝倉p2139、Step内1p224

・Fabry病・・・朝倉p2054
・Crow-Fukase症候群・・・朝倉p1897
・Gerstmann-Straussler-Scheinker病(GSS)・・・プリオン病 朝倉p2023、Step内1p172
・Creutzfeldt-Jakob病・・・プリオン病 朝倉p2023、Step内1p169


(4)次の問いに答えなさい。
@遺伝子について正しい記載の組み合わせを選びなさい。
1.ヒトの1配偶子あたりの塩基数は30億個存在するといわれている。
2.ヒトの遺伝子の数は3万数千個といわれている。
3.DNAは二重らせん構造を呈し、らせんは100塩基対ごとに1周する。
4.DNAの遺伝情報をに伝える過程を翻訳という。(原文不明)
5.翻訳は、細胞質にあるミトコンドリアで行われる。
a)1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】b
【解説】略

A遺伝暗号について正しい記載の組み合わせを選びなさい。
1.エクソンに起こった塩基の変異は、全てタンパク質の変異につながる。
2.ヌクレオチド塩基対は、A≡G,T=Cで構成されている。
3.mRNAは、クローバー状の特徴ある構造で、コドンに対応したアミノ酸と結合している。
4.コドンは、3つの塩基の配列の組み合わせで、一つのアミノ酸のコードを示している。
5.遺伝暗号には余剰性があり異なる塩基配列で同一のアミノ酸をコードすることが可能である
a)1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】e
【解説】略

BPhiladelphia染色体(Ph1)について正しい記載の組み合わせを選びなさい。
1.染色体の欠失の結果、作り出された染色体である。
2.この染色体の大きさは、X染色体と同じくらいの大きさである。
3.慢性骨髄性自血病の患者の90%以上に見られる染色体異常である。
4.FISH法は、この染色体を有する細胞の同定に有効であり、臨床の現場で活用されている。
5.Philadelphia染色体が形成された結果21番染色体上の癌遺伝子の活性化が誘導される。
a) 1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】c
【解説】cf.朝倉p1864
(1)相互転座t(9;22)(q34q11) (2)cf.朝倉p1866の写真参照 (3)○ (4)○

C塩基配列決定法について正しい記載の組み合わせを選びなさい。
1.Maxam-Gilbert法は、酵素を用いない化学的DNA切断を利用した方法である。
2.デオキシリボースの水酸基を水素に置き換えたダイデオキシヌクレオチドを用いることで酵素的伸長反応を止める事ができることが、ダイデオキシ法の原理である。
3.現在は、シークエンサーにより自動塩基配列を行うことができるが、この場合は酵素を用いないMaxam一Gilbert法が汎用されている。
4.酵素DNAポリメラーゼによるDNAの伸長反応は、ヌクレオチド塩基の3'から5'の方向へ向かって進んでゆく。
5.塩基配列決定法は、放射性同位元素を用いる技術であるので、RIの管理施設で行わなければならない。
a)1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】b
【解説】略

DRFLPについて正しい記載の組み合わせを選びなさい。
1.ある特定の塩基配列を認識してDNAを切断する酵素を制限酵素という。
2.放射性同位元素を用いる実験方法である。
3.酵素で切断したDNAの長さは、電気泳動によって測定するのが一般的である。
4.マイクロサテライト多型を解析する時に有用な方法である。
5.酵素素で切断したDNAの長さが異なることで塩基置換があることを認職する方法である。
a) 1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】a
【解説】restriction fragment length polymorphism制限断片長多型
(1) ○ (2)× (3)○ (4)×ミニサテライト解析、DNA fingerprinting (5)○


EDNAの解析方法について正しい記載の組み合わせを選びなさい。
1.Northern blot hybridizationは、ある遺伝子領域に大きなDNAの欠失の有無を調べる事に役立つ。
2.Southern blot hybridizationでは、プローブは目的産物の抗体である。
3.実際に遺伝子に変異があり、遺伝子がコードするタンパクが作り出されていないことを直接明らかにする場合には、Western blotは、有効な解祈方法である。
4.Southern blot hybridizationでは、DNAのアルカリによる変性を行う。
5.Northern blot hybridizationは、SNPを探し出すのに適した解析方法である。
a)1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】c
【解説】(1)×RNA実験用 (2)×DNA probe (3)○ (4)○アルカリ変性なしではプローブと結合不可能 (5)×RNA実験用

FPCR反応について正しい記載の組み合わせを選ぴなさい。
1.微量なタンパクから目的の遺伝子を単離する画期的な方法である。
2.全く酵素を必要とせず、温度の上下を繰り返すことで、DNAの増幅が可能となる。
3.目的遺伝子の塩基配列の情報を必要とせずにDNAを増幅できる点が画期的である。
4.感染症の診断に非常に有用であり、臨床の場で大いに活用されている。
5.DNAを94℃の高温で一本鎖にしてしまうことをannealingという。
a)1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】c
【解説】polymerase chain reaction
(1)× (2)× (3)○ (4)○ (5)一本から二本鎖に戻すこと

G遺伝子多型について誤った記載の組み合わせを選びなさい。
1.VNTRは、染色体上に均等に分布しているので、最も有効な多型マーカーである。
2.遺伝子多型マーカーは、多因子遺伝病解析に有効である。
3.SNPは、遺伝子翻訳領域に限局して存在する遺伝的多型である。
4.疾患に連鎖する遺伝子多型マーカーの近傍に原因遺伝子が存在すると考えられる。
5.同じ染色体上にある二つの遺伝子座間では組み換えはおこらない。
a)1,3,5 b)1,2 c)3,4 d)4のみ e)4,5

【解答】b
【解説】(1)○ (2)○ (3)× (4)× (5)×
VNTR・・・反復配列の繰り返し数の違いに基づく対立遺伝子多型。大体5〜64bp程度でマイクロサテライトDNAなど縦列反復多型とは区別される。

HRFLP法は、多型を解析する際に汎用される方法です。RFLPは、ある専門用語の頭文字を取った略です。この専門用語を英語で書いて下さい。(記述式)

【解答】restriction fragment length polymorphism

ISNPは、「スニップ」と発音しますが、何という言葉の略でしようか?英語で書いて下さい。(記述式)

【解答】single nucleotide polymorphism

(5)単一遺伝子疾患・サラセミアに関連した以下の文の中から正しいものを5つ選び、その番号を記しなさい。
1.常染色体劣性遺伝病では、ヘテロ接合体で発症する。
2.X連鎖劣性遺伝病の男性患者からは罹患児は生まれないが、男性患者を親に持つ女児の半数が保因者となる。
3.優性阻害変異は通常、常染色体優性遺伝病を引き起こす。
4.サラセミアはX連鎖遺伝病である。
5.サラセミアは東南アジア地域に高頻度に見られるが、これはマラリアに対する抵抗性と関連がある。
6.βサラセミアの症状は正球性低色素性貧血であり、重症例では肝脾腫を伴う。
7.βサラセミアでは、HbA2の増加が見られる。
8.HbH病はβサラセミアの一つである。
9,βサラセミアで最も重篤な病型は胎児水腫であり、胎児は死亡する。
10.αサラセミアを合併したβサラセミア患者はβサラセミアだけの患者に比べ症状が重くなる。
11.αサラセミアの多くは欠失により起きる。
12.βサラセミアの多くは欠失により起きる。
13.プロモーター領域内の点変異で起きるサラセミアは重症である。
14.エクソンやイントロン内の点変異によりスプライシングの異常を来すこともある。
15.イントロン内の点変異でナンセンス変異を来すこともある。
16.フレームシフト変異は塩基の欠失で起き、挿入では起きない。
17.βサラセミアの治療は主に輸血やキレート剤の投与であり、骨髄移植が行われることもある。
18.重症のβサラセミアの予防として、出生前診断によりもし胎児がヘテロ接合体であれば人工流産を行う。

【解答】3,5,7,11,14,17?
【解説】
(1)×ホモ (2)×女児はみな保因者になる (3)○ (4)× (5)○ (6)×小球性低色素性 (7)○ (8)×αサラセミアの一つ (9)αサラセミアの重症型が胎児水腫  (10)×α、βの合成比異常が悪化を招くので、合併するとむしろ「比」の上では正常に近づき、症状が軽減することがある。 (11)○ (12)×主としてpoint-mutation  (13)×?プロモーターはある程度の長さがあるので、一塩基置換程度での影響はさほど大きくなりにくい。 (14)○ (15)× (16)× (17)○ (18)×

(6)次の問いに答えなさい。
[1]妊娠初期の出生前診断(染色体異常、DNA診断)に用いられる検査法について正しいのはどれか。
a.絨毛採取法
b.胎児採血法
c.脱落膜採取法
d.羊水採取法
e.分割卵診断法

【解答】a, d
【解説】cf. NEW産婦人科p321

[2]ダウン症候群について正しいのはどれか。
a.母体年齢が25-29歳での発症率は約1%である。
b.染色体核型は46XOである。
c.卵子の成熟分裂異常によるものが多い。
d.母体年齢が30歳以上で本症のスクリーニングの対象である。
e.診断は血清トリプルマーカー検査によって行われる。

【解答】c
【解説】cf.10/13プリント


(7)次の問いに答えなさい。
1.遺伝子治療についてあやまっているものを2つ挙げよ。
(1)遺伝子標識を含む。
(2)対象遺伝子の発現を制御できることが必須条件である
(3)劣性遺伝性疾患よりも優性遺伝性疾患のほうが対象疾患として適している。
(4)米国で行われている臨床試験の対象疾患で最も多いのは悪性腫瘍である。
(5)ADA欠損症では正常遺伝子を導入された細胞が増殖優位性を有する。
解答(    )(    )

【解答】2,3
【解説】cf.9/14、9/8プリント参照
遺伝子治療の条件:単一遺伝子によるもの。発現レベルが低くてもよいもの。過剰発現があっても問題にならないもの。
正常な遺伝子を挿入された細胞が選択的優位に増殖可能なもの。

2.遺伝子治療について正しいものを2つ挙げよ。
(1)ex vivo法ではin vivo法よりも遺伝子導入細胞の安全性を事前にチェックしやすい。
(2)ex vivo法ではベクターの投与が簡単であり、コストダウンがはかれる。
(3)ex vivo法による遺伝子導入では、ウイルスベクターが主に用いられる。
(4)物理化学的方法は、ウイルスベクターを用いる方法よりも導入効率が優れている。
(5)挿入できる外来遺伝子のサイズが最も小さい遺伝子治療用ベクターはアデノウイルスベクターである。
解答(    )(    )

【解答】1, 3
【解説】9/14プリント参照

3.次に示すウイルスベクターのうち、非分裂細胞への遺伝子導入ができないものはどれか。
(1)レトロウイルスベクター (2)レンチウイルスベクター (3)アデノウイルスベクター
(4)アデノ随伴ウイルスベクター (5)センダイウイルスベクター
解答(     )

【解答】1
【解説】9/14プリント参照

4.次に示すウイルスベクターのうち、導入した遺伝子が染色体に組み込まれないものを2つ挙げよ。
(1)レトロウイルスベクター (2)レンチウイルスベクター (3)アデノウイルスベクター
(4)アデノ随伴ウイルスベクター (5)センダイウイルスベクター
解答(    )(    )

【解答】3,5
【解説】9/14プリント参照

5.レトロウイルスベクターを用いたX連鎖重症複合免疫不全症の遺伝子治療は、次のどれにあてはまるか。
(1)コモンガンマ鎖発現細胞の異常遺伝子を正常遺伝子と置換
(2)コモンガンマ鎖発現細胞に正常遺伝子を付加
(3)コモンガンマ鎖発現細胞に異常遺伝子の発現を抑える遺伝子を付加
(4)コモンガンマ鎖発現細胞におけるコモンガンマ鎖発現能の増強
(5)コモンガンマ鎖非発現細胞への新しい機能の賦与
解答(    )

【解答】2
【解説】9/14、9/8プリント参照


(8) 次の染色体の図について、最も適切な選択肢を選びなさい。
 


(1)正常男性型 (2)正常女性型 (3)18トリソミー (4)Turner症候群 (5)脆弱X症候群 
(6)Prader-Willi症候群 (7)47,XXX (8)Down症候群 (9)13トリソミー (10)Klinefelter症候群

【解答】A.4 B.6? C.8 D.1 E.10
【解説】朝倉p2086〜「染色体異常」
18 trisomy
13 trisomy
Turner syndrome・・・XO
脆弱X症候群・・・Xq27.3付近のCGG反復配列異常伸長によるもの。
Prader-Willi症候群・・・父由来の染色体15q11-q13の微細欠失による。
Down症候群・・・21 trisomy
Klinefelter症候群・・・XXY

(9)次の文章を完成させるために適当な語旬を考え解答欄に記せ。
A)双生児法による関節リウマチ(RA)の発病調査により、(1)におけるRAの発病一致率は(2)における発病一致率よりも高く、遺伝的な背景が関与していることをうかがわせる。自己免疫疾患は(3)疾患と考えられる。疾患関連遺伝子としてHLAと高い相関を示すものがあり、強直性脊椎炎やライター症候群では(4)が、ベーチェット病では(5)の存在が診断的に貴重な情報となることが知られている。

B)発現ベクターを用いたcDNAライブラリーの作成により、サイトカイン遺伝子のクローニングが急速に進んだ。マウスの(6)細胞のサイトカイン産生パターンは大きく2つに分かれており、IL-2や(7)を産生するものの(8)・IL-5・IL-6などを産生しないTh1とその逆のパターンを示すTh2があり、免疫反応の方向性を左右するものと考えられる。IL-10はTh2から産生されTh1を抑制する因子として同定されたが、極めて相同性の高い遺伝子が(9)ウイルスにも存在しvIL-10と称されている。このウイルスは(10)細胞に感染した後でvIL-10遺伝子も発現するが、その役割は不明であった。このように役割が不明な遺伝子の機能を類推するために、その遺伝子に相補的な(11)を合成して細胞に添加し、その遺伝子の発現を抑制する方法がとられる。この方法を(12)という。その結果、vIL-10は(10)細胞に感染して、増殖や免疫グロブリン産生に関連していることが間接的に証明された。

C)先天免疫不全症には(13)疾患が多く、サイトカイン遺伝子の異常に関連した病態が明らかになっている。IL-2レセプター(14)はIL-2のほかにもIL4,IL-7,IL-9,IL-15などのレセプターとしても機能するので、この鎖の異常はこれらのサイトカインのシグナル伝達に障害を来すために重症複合免疫不全になると考えられる。種々のサイトカインレセプターの構造が解析され、それぞれのレセプターのドメイン構造が類似していることがわかった。このような遺伝子集団を(15)という。

D)生体内において、種々の遺伝子はその発現様式において(16)なものと(17)なものに分類することができる。遺伝子発現の程度を検出する方法として(18)が行われる。非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAID)はシクロオキシゲナーゼ(COX)という酵素を阻害して作用を発揮するが、この酵素には(16)発現様式のCOX-2と、(17)発現様式のCOX-1の2つのタイプが存在する。NSAIDは生体内の諸臓器の生理機能維持のために重要な(19)発現を抑制するため、種々の副作用発生の原因がここにあると考えられる。いっぽう、ステロイドホルモンやIL4・IL-10などのサイトカインなどの生体内の因子は(20)遺伝子に対する選択的な発現抑制に基づいている。

【解答】
A (1)一卵性双生児 (2)二卵性双生児 (3)遺伝性 (4)HLA B27 (5)HLA B5(B51)
B (6)(ヘルパー)T (7)IFN-γ (8)IL-4 (9)EB (10)B (11)合成オリゴヌクレオチド (12)アンチセンスオリゴ法
C (13)遺伝性 (14)γ鎖 (15)遺伝子ファミリー
D (16)誘導的 (17)構成的 (18)RT-PCR or DNA microarray (19)プロスタグランディン (20)?

【解説】
A)RA cf.朝倉p1215   
強直性脊椎炎 cf. 朝倉p1224
  ベーチェット病 cf.朝倉p1257
  ライター症候群cf.朝倉p1224
B)概略は以下の通り
(マクロファージ・樹状細胞からのIL-12による誘導)
        →→→→→→→→→→→→→→→→→→Th1細胞→→→→→→IL-2,IFN-γ
       ↑                          ↓↑
未分化ヘルパーT細胞(Th0)          抑制(IFN-γ)↓↑抑制(IL-4,IL-10)
       ↓                          ↓↑  
        →→→→→→→→→→→→→→→→→→Th2細胞→→→→→→IL-4,IL-5,IL-6,IL-10,IL-13
(肥満細胞などからのIL-4による誘導)

C)重症複合免疫不全症 cf.朝倉p1324
D) NSAIDs cf.NEW薬理p479。最後の文は意味不明。
RT−PCR・・・RNAを逆転写し、得られたcDNAをPCRする。遺伝子発現(厳密にはmRNA)がどのように起こっているかを見る。
     参考FLASH(English): http://www.bio.davidson.edu/courses/Immunology/Flash/RT_PCR.html
DNA microarray・・・数千の遺伝子発現(厳密にはRNA)を同時に見れる。
     参考FLASH(English): http://www.bio.davidson.edu/courses/genomics/chip/chip.html

(10)多因子遺伝要因、又は一塩基多型(SNP)の解析によって得られる成果について述べよ。

【解答】遺伝子の細かな配列の違いから、個人の特徴の違いが分かるようになるかもしれない。たとえば、表現型(外見や性格)の違い、病気へのかかりやすさの差、薬に対する反応性(効き方、副作用)の差がわかるようになるといわれる。
【解説】9/3プリント参照

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