臨床腫瘍学 平成16年度本試験

平成17年1月12日実施 120分
A4で15枚程度の問題が封筒に入って配られました。封筒ごと全て回収。以下大部分はメモを基に復元。
101人受験、5人不合格。

<骨髄腫瘍の臨床>
1.次の文章のA〜Jの( )内に適当な語句を選び、その番号を記入せよ。
 ・染色体異常t(9;22)は(A)に特徴的で、転座の結果9番染色体上の(B)遺伝子と22番染色体上の(C)遺伝子が融合し、新たな融合タンパクが生じる。この融合タンパクは高い(D)活性を有し、白血病の増殖に密接に関与する。この増殖シグナルを選択的に阻害する合成薬として上市された(E)は(A)の標準的治療になりつつある。
 ・染色体異常t(15;17)は(F)に特徴的で、転座の結果PML/RARAという融合遺伝子が生じ、融合タンパクが産生される。この融合タンパクは(G)の分化をdominant negativeに抑制するが、過剰に投与された(H)はこの抑制機構を一時的に解除し、分化誘導が達成される。
 ・多発性骨髄腫は(I)の腫瘍性増殖疾患で、診断には骨髄における(I)の増殖の他、(J)の存在が重要である。

1.急性骨髄性白血病(AML−M1)  2.急性骨髄性白血病(AML−M3)  3.慢性骨髄性白血病(CML)  4.BCR  5.ABL  6.MLL  7.Ph1  8.マトリックスメタロプロテアーゼ  9.チロシンキナーゼ  10.プロテインキナーゼ  11.イマチニブ  12.リタキシマブ  13.ゲフィニチブ  14.単核球  15.顆粒球  16.B細胞  17.形質細胞  18.T細胞  19.オールトランスレチノイン酸  20.サイトシンアラビノサイド  21.ダウノルビシン  22.G蛋白  23.M蛋白  24.S蛋白
【解答】
A.3 B.5 C.4 D.9 E.11 F. 2 G.15 H.19 I.17 J.23


<腫瘍の放射線治療>
1.括弧内に適語を入れよ
最近の放射線治療の進歩は著しい。(中略)ターゲットの決定においては、理学的所見、画像所見などを総合して(1)(2)(3)(4)[略語で可]などを決定する。ここで、(1)とは、画像や触診で確認できる腫瘍体積であり、(2)とは、(1)と顕微鏡的な進展範囲を含む標的体積、(3)(4)とは、(2)と呼吸性移動や消化管ガスの影響などによる体内の動きによる誤差を考慮に入れた標的体積、(4)とは(3)と毎日の治療における設定誤差(set up margin)を含めた標的体積である。
治療計画とは、これらのターゲットを治療計画装置に入力し、照射方向、放射線のエネルギーなどを決定し、表示された線量分布を評価して、最適な放射線照射法を決定する。この際、(5)[略語で可]はターゲットやその他の重要なリスク臓器の照射線量を各臓器別に線量と容積の関係を示したものであり、治療計画の評価に有用である。
【解答】
(1)GTV(=gross tumor volume) (2)CTV(=clinical target volume) (3)ITV(=internal target volume) (4)PTV(=planning target volume) (5)DVH(=dose-volume histogram)

2.悪性腫瘍に対する近年の放射線治療の進歩について、新しい照射法の種類と、それによりどのような点が改善されたか述べよ。
【解答】
3次元放射線治療(3DCRT)、定位放射線治療(リニアック、ガンマナイフ等)、粒子線治療、密封小線源治療、などにより、主要組織に放射線を集中し、正常組織への被爆を軽減するような治療が可能になった。

<骨腫瘍の臨床>
1.骨腫瘍の通常X線所見について正しい組み合わせを選べ
1)骨巨細胞腫では骨皮質の破壊が見られる。
2)骨肉腫では骨間にsoap bubble appearanceが見られる。
3)長管骨における癌の転移、骨悪性繊維性組織球腫(MFH)では骨膜反応が見られる。
4)骨膜反応とは腫瘍発育に伴う骨膜刺激により骨皮質周辺にできる骨形成像である。
5)Ewing肉腫では骨梁を破壊せずに残したまま間隙を浸潤する像(permeated pattern)が見られる。
a.134  b.145  c.245  d.345
【解答】b
1)○ 良性骨腫瘍でも骨皮質破壊が見られるもの。他に軟骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫など。
2)× soap bubble appearanceは良性所見。
3)× 
4)○
5)○

2.癌の骨転移の診断について正しいものの組み合わせを選べ。
1)腫瘍の進展範囲の把握に最も有用な画像診断法はMRIである。
2)原発巣の検索に最も有用な検査法は骨転移病変の切開生検である。
3)脊椎への転移では通常X腺で椎弓根の欠損像が見られる。
4)骨代謝マーカーでは骨形成マーカーが上昇することが多い。
5)骨転移のスクリーニングでは骨代謝マーカーより骨シンチの方がすぐれている。
a.123  b.124  c.135  d.145  e.234
【解答】c
1)○
2)×
3)○
4)× 骨吸収マーカーが上昇。
5)○ 骨代謝マーカーは骨シンチの補助診断に用いる。

3.癌の骨転移の治療について正しい組み合わせを選べ。
1)骨形成マーカーは治療効果判定に有用である。
2)大腿骨転移の手術では掻爬・骨移植術が用いられる。
3)放射線照射は疼痛改善効果がある。
4)脊椎転移による脊髄麻痺では椎弓切除による除圧だけでなく内固定が行われる。
5)ビスフォスフォネートが有効である。
a.134  b.145  c.234  d.245  e.345
【解答】c
1)× 骨吸収マーカーが有効。
2)○ 
3)○
4)○
5)× ビスフォスフォネートは病的骨折の予防に用いる。

4.癌の骨転移の臨床像について正しい組み合わせを選べ。
1)四肢の長管骨転移のうち最も病的骨折を起こしやすいのは大腿近位部である。
2)肺癌の骨転移では骨転移病巣の発見後の生命予後は平均4年。
3)男は肺癌の骨転移が多い。
4)四肢長管骨では手足など末梢の骨の転移はまれである。
5)長管骨転移例とは異なり脊椎転移例では麻痺はあっても疼痛は伴わないことが多い。
a.134  b.145  c.245  d.345
【解答】a
1)○ 再好発部位は脊椎・肋骨。長管骨の中で最も多いのが大腿骨近位。
2)× 肺癌の骨転移症例での予後はほとんど1年以内。
3)○
4)○ おそらく…。
5)× 疼痛も伴います。

5.単発の骨転移が見られるとき最も生命予後のいいのはどれか。
1)肝癌  2)胃癌  3)甲状腺癌  4)肺癌  5)腎癌
a.1  b.2  c.3  d.4  e.5
【解答】c
甲状腺癌、乳癌の単発例、内臓転移(―)は長期生存が見込まれる。

<呼吸器の悪性腫瘍>
1. 原発性肺癌の治療方針決定のために必要な臨床因子を3つ挙げよ。
【解答】性別・年齢・病期

2. 原発性肺癌の標準術式を記せ。
【解答】?

3. 非小細胞肺癌の臨床TB期−U期は、外科切除の良い適応であるが、術後再発が多く、5年生存率は各々60−70%、40−50%程度と満足できるものではない。この病期群の治療成績を上げる工夫(治療法)について知るところを述べよ。
【解答】切除+化学療法を行う。(よくわかりません…。)

4. 最近、非小細胞癌に対する治療標的治療薬として登場したEpidermal growth factor receptor(EGFR)阻害剤イレッサ(R)が注目されている。本邦では特に有効性の高い患者群が存在することが世界的に注目されているが、どのような患者群なのか記せ。
【解答】EGFR遺伝子の変異を持つ患者群。

5. またその患者群で多く認められるEGFRの特徴について知るところを述べよ。
【解答】?

<頭頸部腫瘍の臨床>
1.63歳の男性。2ヶ月前から続く嚥下痛を主訴に来院した。左梨状陥凹に腫瘍を認め左声帯は固定していた(図)。喉頭ファイバー写真を示す。この疾患について正しい組み合わせはどれか。

a.組織型として腺癌が最も多い。
b.頸部リンパ節転移は少ない。
c.高率に食道、胃などに重複癌を認める。
d.治療法として手術療法、放射線療法、化学療法などがある。
e.摘出手術後は再建手術が行われる。
1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde
【解答】5
下咽頭癌でしょうか。
a.× 扁平上皮癌が多い。
b.× 頸部リンパ節に転移しやすい。

2.口腔癌について誤っているものはどれか。
a.亜部位として口腔底が最も多い。
b.喫煙、飲酒はリスクファクターである。
c.組織学的には扁平上皮癌が最も多い。
d.リンパ節転移を起こしやすい。
e.舌白板症は前癌病変である。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
【解答】1
亜部位で一番多いのは舌。口腔底はその次に多い。

3.正中頸嚢胞について正しいのはどれか。
a.甲状舌管遺残嚢胞である。
b.第2鰓弓の発生異常である。
c.組織学的にはリンパ組織である。
d.放射線感受性が高い。
e.好発部位は舌骨レベルである。
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
【解答】2
b.第2鰓弓ではなく第1鰓弓。

4.55歳の女性。頸部の腫瘤に気づき来院した。他に自覚症状はない。触診では気管の右側に2×3cmの硬い腫瘤を触れ、嚥下運動とともに上下する。右頸部に腫大したリンパ節を触れる。診断確定のために有用な検査はどれか。
a.頸部超音波検査
b.血管造影検査
c.血清抗サイログロブリン抗体測定
d.穿刺吸引細胞診
e.頸部CT検査
1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde
【解答】3

5.58歳の男性。1年前から鼻出血と右耳の滲出性中耳炎を反復していた。2ヶ月前から右頸部に硬い腫瘤が出現し、次第に増大してきた。10日前から複視が出現し来院した。最も考えられるものはどれか。
a.蝶形骨洞癌  b.上咽頭癌  c.中咽頭癌  d.上顎洞癌  e.中耳癌
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
【解答】4?


<悪性腫瘍の病理>
1.術中迅速病理組織診断の目的と具体例を列挙し、その限界についても述べよ。
2.免疫組織化学染色による補助診断で以下の正しいものに○、間違っているものに×を付けよ。
(1)(  )悪性リンパ腫 − LCA
(2)(  )肺腺癌 − Vimetin
(3)(  )絨毛癌 − Desmin
(4)(  )中皮腫 − Calretinin
(5)(  )悪性黒色腫 − S-100 protein
(6)(  )髄膜腫 − GRAP
(7)(  )胃未分化腺癌 − Cytokeratin
(8)(  )平滑筋肉腫 − EMA
(9)(  )横紋筋肉腫 − α smooth muscle actin
(10)(  )血管腫 − CD34
【解答】<11月1日 小田先生 プリント三枚目と授業ノートを参照>
(1)○(2)×(3)×(4)○(5)○(6)×(7)○(8)×(9)×(10)○


<消化器腫瘍の臨床>
1. 食道癌手術について正しい組み合わせはどれか。
1) 食道癌の多くは、腺癌である。
2) 粘膜下層までの食道癌のリンパ節転移率は、30−50%である。
3) 食道切除後の再建ルートの中で後縦隔経路が、再建距離として一番短い。
4) 早期食道癌の5年生存率は、80−90%である。
5) 食道切除後の再建臓器として、小腸を用いることが多い。
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
【解答】d
1)×:プリントp2。大部分扁平上皮癌
2)○:p2。
3)○
4)○:p4。
5)×:p3。多くは胃、結腸。

2. 胃癌について正しい組み合わせはどれか。
1) わが国では、胃癌の死亡率がもっとも高い。
2) 早期胃癌とは、粘膜内または粘膜下層までの癌でリンパ節転移のない症例のことである。
3) Schnitzler転移は、腹腔内に遊離した胃癌細胞がDouglus窩に転移したものである。
4) 進行胃癌においては、術後補助化学療法を施行することが多い。
5) 早期胃癌の再発として、肝転移再発、残胃再発、リンパ節再発、腹膜再発、骨転移がある。
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
【解答】e
1)×:p4。肺癌に次ぐ。男性の罹患率は1位。
2)×:p5。リンパ節転移の有無は問わない。
3)○:p5。
4)○:p6。エビデンスには乏しい。
5)○:p6。

3. 結腸直腸癌について正しいものを選べ。
1) 結腸癌の好発部位は、S状結腸である。
2) 結腸癌の多くは、低分化腺癌である。
3) 結腸癌では、肝転移に比べて肺転移を起こすことが多い。
4) 直腸癌の予後は、結腸癌に比べ不良である。
5) Ducks分類の中で、DucksCの頻度が一番多い。
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
【解答】c
1)○:p6。次は上行結腸
2)×:p7。70〜80%は高分化腺癌。
3)×:門脈を通るため肝転移が最多。
4)○
5)○:p8。A,Bはリンパ節転移なし、各25%。Cはリンパ節転移あり、50%。

4. 肝細胞癌に関して正しいものを選べ。
1) 腹水を伴う症例は手術非適応である。
2) 肝外転移は脳>肺>骨の順に認められる。
3) 肉眼形態はEggelの分類に準じ結節型・塊状型・びまん型に分類される。
4) 腫瘍径3cm、肝内転移なしおよび脈管新生なしの場合、StageTである。
5) 右葉切除では右肝静脈が肝離断面に露出する。
a.1  b.2  c.3  d.4  e.5
【解答】c
1)×:一概にそうは言えない。
2)×:自信ないですが肺が最多ではないかと。
3)○:p9。
4)×:stageTとは、腫瘍径2cm以下、単発、脈管侵襲なし、を満たすもの。
5)×:中肝静脈が露出。

5. 膵癌に関して正しいものを選べ。
1) 膵頭部癌の初発症状としては閉塞性黄疸が最も多い。
2) 腺房細胞癌は膵癌全体の40%を占める。
3) MRCPは造影剤アレルギーのあるものに対しては禁忌である。
4) 主膵管径が7mm以上の分枝膵管型IPMTは手術適応である。
5) 膵管癌に対する治癒切除後の5年生存率は30%を超える。
a.1  b.2  c.3  d.4  e.5
【解答】d
1)×:p14。74%が腹痛で初発。
2)×:p14。3〜5%。膵管癌が95%を占める。
3)×:p15。造影剤を用いず、非侵襲的。
4)○:選択肢より。IPMT=intraductal papillary mucinous tumor
5)×:p15。10%ほど。


<脳腫瘍の臨床>
1. 原発性脳腫瘍の中で頻度が高い腫瘍2つはどれか。
a.神経膠腫  b.下垂体腺腫  c.神経鞘種  d.悪性リンパ腫  e.髄膜腫
1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de
【解答】2
a.23%
b.18%
c.10%
e.28% 以上が上位4つ。(転移性脳腫瘍は除く)

2. 原発性脳腫瘍のおよそ年間発生頻度で近いものはどれか。
a.100人に1人
b.1000人に1人
c.1万人に1人
d.10万人に1人
e.100万人に1人
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
【解答】3

3. 転移性脳腫瘍の原発巣として頻度の高いものはどれか。
a.胃癌  b.腎癌  c.肝臓癌  d.乳癌  e.肺癌
1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de
【解答】5
肺癌が52.7%、乳癌は8.8%。

4. 膠芽腫(Glioblastoma)の記載に関して誤っているものを1つ選べ。
a.神経膠腫に比べて高齢者に多い。
b.手術と補助化学療法を行っても5年生存率は10%以下。
c.内部に出血や壊死を伴うことが多い。
d.石灰化を伴うことが多い。
e.過去20年間で生存率が著明に改善した。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
【解答】4
最も予後の悪いGliomaで、平均生存期間は1年。内部に多量の壊死巣を含む。全摘困難。

5. 2歳男児のGd造影MRIを示す。鑑別診断として考えるべき腫瘍はどれか。
(小脳虫部の病変)
a.膠芽腫  b.神経鞘腫  c.血管腫  d.上衣腫  e.髄膜腫
1.ab  2.ae  3.bc  4.cd  5.de
【解答】4
a.×:小児にはまれ。
b.×:神経鞘腫は聴神経に多く、従ってほとんどは小脳橋角部にできる。
d.○:主に5歳未満の小児の第4脳室壁に発生する。
e.×:小児に発生することはまれ。

6. 60歳女性で、頭痛、ふらつき、難聴で発症した。神経学的検査では右難聴と軽度右上肢失調がみられた。頭部MRI所見より適切な鑑別診断の組み合わせはどれか。

a.髄膜腫  b.神経鞘腫  c.類上皮腫  d.神経膠腫  e.血管芽腫
1.abc  2.abe  3.ade  4.bcd  5.cde
【解答】2
b.成人に多く、女性がやや多い。神経鞘腫のほとんどは小脳橋角部に発生する。
e.成人の腫瘍で約80%が小脳に発生。

7.痙攣発作で発症した61歳男性の造影MRI冠状断を示す。最も考えられる診断はどれか。

a.多形性膠芽腫  b.髄膜腫  c.転移性腫瘍  d.悪性リンパ腫  e.上衣腫
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
【解答】2

8.頭痛,嘔吐で発症した腎癌の既往歴のある47歳男性の造影T1強調及び単純T2強調画像を示す。想定される神経徴候の組み合わせはどれか。

a.Wallenberg症候群  b.Kluever-Bucy症候群  c.Gerstmann症候群  d.片麻痺  e.両耳側半盲
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
【解答】4
a.延髄外側の障害によって、同側の顔面疼痛、小脳失調、嗄声、嚥下障害などが起こる。
b.両側の側頭葉障害によって精神盲、口唇傾向、思考過多、情動亢進、性行動亢進などがおこる。
c.大脳左半球の頭頂葉から後頭葉移行部の障害によって、手指失認、左右障害、失書、失算がおこる。

9.視野・視力障害で発症した24歳女性の(Gd造影MRIを示す。術前内分泌検査に於いてProlactin(PRL)値が12,000ng/mlであった。正しいと思われる組み合わせはどれか。
(下垂体部から大きく上方向に進展した腫瘍)
a.両鼻側半盲を認める。
b.女性に圧倒的に多い。
c.無月経、乳汁分泌を認める。
d.Dopamin投与によりPRL値は上昇する。
e.非機能性のものと比較すると下垂体卒中の危険は少ない。
1.a,b  2.a,e  3.b,c  4.c,d  5.d,e
【解答】4
a.×:あるとすれば視交叉を圧迫することによる両耳側半盲。
b.1:1.4で圧倒的とは言えない。

10.頭痛および多飲・多尿で発症した25歳男性のGd造影MRIを示す。誤りと思われるものを1つ選べ。
(下垂体部の腫瘍)
a.嚢胞内にはモーターオイル様の内容物液を認める。
b.下垂体前葉から発生する。
c.小児期と成人期に二峰性の好発年齢がある。
d.腫瘍内石灰化を高率に認める。
e.治療の第一選択は手術による全摘出である。
1.a  2.b  3.c  4.d  5.e
【解答】2
頭蓋咽頭腫であると考えればほかの4つはすべて説明がつきます。


<泌尿器科領域の臨床>
1. 膀胱癌について正しいのはどれか。
1) 膀胱癌の発生と芳香族アミン化合物(ベンチジン、2−ナフチラミンなど)や喫煙とは学的に相関がある。
2) 痛みを伴う肉眼的血尿を主訴とするものが多い。
3) 皮内癌(carcinoma in situ)は、BCG膀胱内注入療法の適応である。
4) 径尿道的膀胱腫瘍切除術で根治されるものは少なく、多くは膀胱全摘除術を必要とする。
5) 膀胱癌の癌化学療法の代表的なレジメンとしてM−VAC療法がある。
a.123  b.134  c.234  d.135  e.345
【解答】d
2)×:無症候性、間欠性の肉眼的血尿。
4)×?:
5)○:メトトレキセート、ビンブラスチン、アドリアマイシン、シスプラチンの併用療法。

2. 腎細胞癌について正しいのはどれか。
1) 遠位尿細管由来である。
2) 血行性転移よりもリンパ性転移をきたしやすい。
3) 原因不明の発熱、貧血、高ハプトグロブリン血症などの特徴が見られることがある。
4) マススクリーニングとして超音波検査は有用であり、偶発癌の割合が増加している。
5) 肺転移に対し、インターフェロン、インターロイキン2などによる免疫療法が行われる。
a.123  b.134  c.234  d.135  e.345
【解答】e
1)×:遠位ではなく近位尿細管。

3. 精巣腫瘍について正しいのはどれか。
1) 無痛性陰嚢腫大を主訴とすることが多く、精巣捻転との鑑別が重要である。
2) 通常、充実性であり、陰嚢水腫との鑑別は透光性の有無で比較的容易であるが、はっきりしない場合には経皮的超音波ガイド下の針生検が行われることが多い。
3) 精巣腫瘍の腫瘍マーカーとしてAFP、HCG−β、LDHが有用であり、高位除睾術で患側精巣を摘出し、病理診断を行う。
4) 胚細胞性精巣腫瘍は組織学的にセミノーマと非セミノーマに大別され、進行例では前者は放射線療法、後者はシスプラチンを中心とした化学療法が有効である。
5) 非セミノーマには胎児性癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍、奇形腫などがあり、この中では絨毛癌の予後が極めて良好である。
a.123  b.134  c.234  d.135  e.345
【解答】a
4)V期では、両者共に化学療法。ただし、U期ではこの通り。
5)絨毛癌、胎児性癌は予後極めて不良。

4. (  )内に適当な語句を入れよ。
 前立腺癌の腫瘍マーカーは(1)であり、前立腺癌の診断や治療効果の判定に用いられる。前立腺癌は経直腸的超音波断層法では通常(2)領域として描出され、局所病巣の進展度診断にも有用である。治療法としては限局性前立腺癌の場合には観血的治療の根治的前立腺摘除術や(3)療法がおこなわれる。進行性前立腺癌の場合は、外科的去勢(除睾術)、内科的去勢(LH−RHアゴニスト)、抗アンドロゲン剤、エストロゲン剤などの(4)療法、また未分化癌や再燃癌には化学療法もおこなわれる。
【解答】
(1)PSA  (2)低エコー  (3)放射線  (4)内分泌

<婦人科腫瘍の臨床>
1. 次のうち正しくないものを選べ。
a.子宮頸癌のスクリーニングは不正性器出血のある女性を対象としている。
b.子宮頸癌のスクリーニングは浸潤癌の早期発見だけでなく、前癌病変の早期発見をも目的としている。
c.子宮頸癌の発生には喫煙が関連する。
d.子宮頸癌の発生には性行動が関連する。
e.子宮頸癌の発生にはヒトパピローマウイルスが関連する。
1.a 2.b 3.c 4.d 5.e
【解答】1
a.×:20歳以上の女性が対象。
c.○:他に、免疫抑制状態も関係。
d.○:若年での性交開始、多数の性交パートナーはリスクファクターとなる。

2. 次のうち正しくないものを選べ。
a.子宮頸部異形成(dysplasia)は子宮頸癌の前癌病変と考えられている。
b.子宮頸部異形成とは子宮頸部扁平上皮の一部が種々の程度の異型細胞によって置換される病変である。
c.子宮頸部異形成は移行帯から発生する。
d.子宮頸部異形成のほとんどは浸潤癌に進行する。
e.子宮頸部異形成の診断は細胞診、コルポスコピー、組織診の三者を行う。
1.a 2.b 3.c 4.d 5.e
【解答】4
d.×:異形成は経過と共に上皮内癌から浸潤癌に進行する場合もあるが、不変ないし自然消退する場合もある。

3. 次のうち正しくないものを選べ。
a.子宮頸癌が進行すると、基靭帯浸潤をきたす可能性が高い。
b.子宮頸癌が進行すると、膣浸潤をきたす可能性が高い。
c.子宮頸癌が進行すると、膀胱・直腸浸潤をきたす可能性が高い。
d.子宮頸癌が進行すると、腹膜播種をきたす可能性が高い。
e.子宮頸癌が進行すると、骨盤リンパ節転移をきたす可能性が高い。
1.a 2.b 3.c 4.d 5.e
【解答】4
腫瘍の進展:@直接浸潤(膣壁、子宮体部、膀胱、直腸、基靱帯)、Aリンパ行性転移(主に、骨盤リンパ節から上流のリンパ節へ)、B血行性転移。

4. 次のうち正しくないものを選べ。
a.子宮頸部異形成の治療は放射線療法を原則とする。
b.子宮頸癌の治療は広汎子宮全摘術または放射線療法を原則とする。
c.妊娠中の子宮頸部上皮内癌の治療は単純子宮全摘術を原則とする。
d.広汎子宮全摘術においては骨盤リンパ節を郭清する。
e.放射線治療においては全骨盤腔外部照射と腔内照射の併用を原則とする。
1.a 2.b 3.c 4.d 5.e
【解答】3?
a.も×である可能性があります。


なお、本試験に小児科の問題はありませんでした。
追試には出題されたそうです。完全ではありませんが、以下にその復元を掲載しておきます。
空欄に言葉を入れる
1.N−mycは染色体( )のp22,23?にある
2.神経芽腫の_________は1番短腕、DMs、( )の3つである
3.(full spell)症候群はWT1__________(おそらくpoint mutation)で泌尿生殖器異常、仮性半陰陽、Wilms腫瘍を特徴とする
4.in____(おそらく内葉性)(full spell)はperilobar(full spell)より__________間葉組織に分化する
5.肝芽腫の75%で( )の遺伝子の変異がある。(という感じでした。ただしGSD-3βという言葉も出てきてました)

正しいものに○を間違っているものには×をつける
1.INSS分類のstage4Sと日本小児外科学会の病期StageWSは同じである。
2.Beckwith-Wiedemann症候群_____IGF-Uは母親由来のものが_____IGF-Uが2つとも発言している?
3.間葉芽腎腫はWilms腫瘍よりも早い段階で癌化しているので予後不良である
4.N-myc遺伝子が10コピー以下の場合Stage3,4の処方は同じである
5.MyoD____小細胞腫瘍は横紋筋肉腫である
答え上から2、わかりません、Nephrogenic Rest、Denys-Drash、β-カテニン
×?、わかりません、×、×?、○

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