身元不詳の肺癌についての問題プリントがあったので掲載しておきます。「臨床腫瘍学平成14年12月12日」と書いてあったのですが、少なくとも14年度の問題とは異なります。講義の時に「これを勉強しろ」と配られたものかもしれませんし、日付が間違っている15年度(もしくは14年度追試?)の試験問題なのかもしれません。(試験問題としては細かすぎる感もありますが…)
1. TNM病期分類について正しいものに○をつけよ。
A.癌性心膜炎はT3である ( )
B.同側他肺葉転移はM1である ( )
C.横隔膜浸潤はT3である ( )
D.肺内リンパ節転移はN0である ( )
E.気管前リンパ節転移はN2である ( )
F.対側鎖骨上窩リンパ節転移はM1である ( )
G.大動脈下リンパ節転移はN1である ( )
H.T1N1M0はUA期である ( )
I.T3N0M0はVA期である ( )
J.胸膜播種性転移はM1である ( )
【解答】<12月20日 吉野先生 概説講義レジュメとステップ第4巻参照>
A.○(概説講義レジュメp104)
B.○(概説講義レジュメp104)
C.○(概説講義レジュメp104)
D.×(概説講義レジュメp104:N1です)
E.○(ステップp338:気管分岐部リンパ節はN2です)
F.×(概説講義レジュメp104:N3です)
G.×(ステップp338:この情報だけからはN2かN3かは分かりませんが、N1ではないことは確かです)
H.○(概説講義レジュメp104)
I.×(概説講義レジュメp104:UB期です)
J.×(概説講義レジュメp104:胸膜播種や腹膜播種はP1というようにPを使って表すそうです。)
2. 以下の症例について、肺癌における第1選択となる治療法について記号で答えよ。ただし説明のない限り全身状態は各治療法に耐えられるものとする。
K.葉切除不能な低肺機能患者のIA期腺癌 ( )
L.T3N1M0パンコースト型肺癌で腕神経叢浸潤あり ( )
M.T1N2(節外浸潤あり)M0扁平上皮癌 ( )
N.T1N0M1(同一肺葉転移)腺癌 ( )
O.T3(側胸壁浸潤)N1M0腺癌 ( )
P.T1N1M1(骨転移)大細胞癌 ( )
Q.T1N1M0小細胞癌 ( )
R.T1N2M1(肝臓)小細胞癌 ( )
S.T4(左心房)N0M0扁平上皮癌 ( )
T.限局型スリガラス陰影を呈する直径2センチ以下の腺癌 ( )
U.PS4のW期(骨転移)扁平上皮癌 ( )
V.手術不能なIA期扁平上皮癌 ( )
a 標準手術 b 縮小手術 c 拡大手術±補助療法 d 化学療法
e 放射線療法 f 放射線併用化学療法 g 支持療法
【解答】<概説講義レジュメ・ステップ第4巻p325〜参照>
K.b or f(IA期は手術が第1選択なので区域・部分切除をおこなうのでは)
L.c or f or e(ステージVA:術前放射線療法+手術or単独放射線療法:ハリソン内科学より)
M.f(ステージVAのうち、進行性で大きく臨床的に明らかなN2病変は治療的放射線療法+化学療法:ハリソン内科学より)
N.d(M1なのでステージW。)
O.c(胸壁に浸潤している非小細胞(T3)は胸壁を含む腫瘍切除に加えて術後放射線療法を考慮:ハリソン内科学)
P.d(W期ですから化学療法です)
Q.f(小細胞癌のU期の標準治療は化学療法±放射線療法)
R.d(小細胞癌のW期は化学療法)
S.d(ステージVBなので手術はできない。遠隔転移や悪性胸水、心臓転移を伴う患者では、治癒を目的とした放射線療法は通常適応とならない:ハリソン内科学)
T.a(早期肺癌の定義に合致するので、標準手術)
U.g(PS:performance statusの略で、患者さんの状態のこと。0:症状なし、1:症状あり、自由に活動できる、2:1日の50%未満をベッドで過ごす、3:1日の50%以上をベッドで過ごす、4:寝たきり、なので、切除不能でPS4の患者さんの平均生存期間は4週間ということなので、支持療法?)
V.f(IA期なので積極的に治療するのではないでしょうか)
※問題を見てもらえるとわかると思いますが、かなり微妙な問題です。
いろいろな意見や文献を参考にしましたが答を断定することは難しかったので、上記の解答は間違えている可能性があります。色々な意見を書き込んでもらえるとありがたいです。
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