救急医療 平成14年度本試験

授業の内容が違うので過去問は使えないというのが結論です…
1.(橋爪誠:救急医学総論)以下の文章を読んで、正しいものを選べ。
1)現在の国内の救急医療体制は、日常生活圏である二次医療圏において、救急医療機関を初期・二次・三次と機能分担する効率的体制を構築し、完結する事を目指している。
2)三次救急医療機関とは、二次救急医療機関では対応できない複数の診療科領域にわたる重篤な救急患者に対し、高度な医療を総合的に提供する医療機関と定義される。
3)24時間体制の病院、診療所を「救急病院」、「救急診療所」といい、当番日のみ救急患者を受け入れる病院を「輪番制病院」という。
4)災害を大別すると、自然災害と人為災害に大別され、両者の組合せを複合災害という。
5)災害医学は、災害によって生じる健康問題の予防と迅速な救援・復興を目的として行われる応用科学である。
a)1,2 b)1,4,5 c)2,3,4 d)3,4,5 e)1,4,5 f)1〜5すべて
<解答・解説>救急医学概論 漢那先生 9/6プリント 
  解答:f)
  1)2) 救急医学概論2の1枚目。
  3) その通り
  4) 災害=集団災害…通常の救急医療能力の範囲を越える多数の傷病者が同時に発生。 集団災害はその発生原因により、人為災害と自然災害とに大別される。近年両者が複合して発生する複合災害が増加。特に自然災害の場合に、二次的に何らかの人的災害が発生することが多い。例:異常気象→航空機墜落  風水害→堤防の決壊  など。(標準救急P538)
  5)救急医学概論1の4枚目。

2.(古森公浩:第二外科)
解離性大動脈瘤について正しいものには○、間違いには×をつけよ。
1.( )好発部位は腹部大動脈である。
2.( )背部の激痛がある。
3.( )合併症として大動脈弁閉鎖不全がある。
4.( )内膜と中膜との問に解離がおこる。
5.( )発症時に低血圧が特徴的である。
破裂性腹部大動脈瘤について正しいものには○、間違いには×をつけよ。
1.( )動脈硬化症によるものがほとんどである。
2.( )腎動脈を含むことが多い。
3.( )術後の合併症として腸管虚血がある。
4.( )破裂性動脈瘤の手術死亡率は約3%である。
5.( )消化管に破裂して下血を来すことがある。
急性動脈閉塞症について正しいものには○、間違いには×をつけよ。
1.( )塞栓症では心疾患の合併を認めることが多い。
2.( )筋代謝性腎症候群(MNMS)では低カリウム血症になる。
3.( )下肢より上肢の動脈閉塞が多い。
4.( )運動麻痺が認められる症例には積極的に血行再建術が第一選択である。
5.( )血栓症では閉塞性動脈硬化症を合併していることが多い。
<解答・解説>心臓外科救急疾患 益田先生 11/15プリント
  解離性大動脈瘤 1.× 2.○ 3.○ 4.× 5.×
1. 好発部位は上行大動脈内,弓部,および下行大動脈の起始部(左鎖骨下動脈分岐よりすぐ遠位の部分)(大動脈疾患 聖路加国際病院・心臓血管外科 渡辺直 より)
2. プリント6枚目。自覚症状:突然出現した激烈な胸背部痛(90%)で、かつ解離痛の進展に伴い疼痛が移動。(標準救急P461)
3. 解離が大動脈起始部に及ぶと、大動脈弁輪が拡大して大動脈閉鎖不全症(AR)を来たす。代償する暇がなく、肺水腫などの急性左心不全症状を呈する。(STEP P296)
4. プリント6枚目。
5. 重篤感があるにもかかわらず血圧は上昇(70%)(標準救急P461)
  以下2つは授業範囲外なのでカット。

3.(稲葉頌一:輸血部)不適合輸血で起きる致命的な症状を二つ挙げよ。
<解答・解説>不適合輸血 豊嶋先生 10/4プリント
  ショック・腎不全・DIC
  プリント3枚目。凝固の亢進、補体の活性化などが原因。

4.(池田典昭:法医学分野)以下の救急隊によって搬送された患者のうち医師法21条の規定により届出すべき異状死体はどれか
a)高所より転落、頭部を強打、病院到着時既に死亡。
b)末期胃癌で自宅療養中の患者が往診直後に容体急変、病院到着時既に死亡。
c)交通事故で脳挫傷受け入院、二カ月後持病の糖尿病性腎症悪化し死亡。
d)以前より狭心症で通院していた人が自宅で倒れていた。病院到着時既に死亡。
e)腹部に刺し傷、開腹手術で肝臓損傷あり、翌日死亡。
1)a,c,e  2)a,d,e  3)a,b,c,e  4)a,c,d,e  5)すべて
<解答・解説>法医学 池田先生 プリントなし
  解答:2)?
  医師法21条
医師は、死体又は妊娠4月以上の死産児を検案して異状があると認めたときは、24時間以内に所轄警察署に届け出なければならない。
  b) 医師法20条
医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後24時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。
  c) 診療中であり、死因が明らか。
  d) 診療24時間以内やないかもしれんし、狭心症と断定できない?

5.(益田宗孝:心臓外科)心臓血管外科で緊急手術の適応と考えられるものはどれか。
(1)Stanford type Aの解離性動脈瘤で心タンポナーデを認めるもの。
(2)左冠動脈主幹部に有意狭窄を持つ不安定狭心症。
(3)肺血管抵抗が7ウッド単位の単心室症。
(4)肺体血流比が1.8の心室中隔欠損症。
(5)外径4.0cmの真性胸部下行大動脈瘤。
a.1,2  b.1,5  c.2,3  d.3,4  e.4.5
<解答・解説>心臓外科救急疾患 益田先生 11/15プリント
  解答:a
  (1) ○ プリント7枚目。
大動脈瘤が破裂して胸腔や腹腔に大量出血した場合と心嚢内に向かって破裂して心タンポナーデを来たした場合には、血圧は一挙に低下し、ショック状態に陥る。(STEP 循P296)
  (2) ? 不安定狭心症:心筋梗塞に移行する危険性の高い狭心症
分類はSTEP 循P228に。治療はQOL改善と生命予後の改善。治療方針はプリント4枚目。この場合、左冠動脈主幹部なのでするなら冠動脈バイパス手術。緊急かどうかは…判断つきません。
(3) ? 分かりません
(4) ? 自然閉鎖傾向がある本症では内科的治療を優先。できなければ手術。
肺血流量(Qp)と体血流量(Qs)の比が1.5以上ならば手術適応。無症状の未就学児の場合には自然閉鎖を期待して2.0まで待つ。漏斗部に欠損孔がある場合には、大動脈閉鎖不全症やValsalva洞動脈瘤破裂を来たす危険性が高いので、自覚症状や短絡率に係らず、原則として手術適応。(STEP 循P156)
これだけでは判断つきかねます。。
  (5) × STEP 循P293によれば5cm、標準救急P463によれば6cm以上で手術適応。

6.(田口智章:新生児外科部門)新生児の外科的救急疾患について正しい組み合わせを選べ
1)頸部(胸部)にcoil upがみられ腹部に消化管ガスが見られない場合は食道閉鎖のGross C型の可能性が高い。
2)十二指腸閉鎖は腹部単純X線写真にてdouble bubble signを呈する。
3)Hirschsprung病では注腸造影においてcaliber changeがみられる。
4)新生児胃破裂では立位の腹部単純X線写真にてsaddle bag signが特徴的である。
5)直腸肛門奇形(鎖肛)では視診が重要であり、治療方針決定のためにinvertographyは必要ない。
a)123 b)234 c)345 d)145 e)125 f)全部正しい g)全部間違い

7.(中山英樹:周産母子センター新生児内科部門)新生児の呼吸障害について正しいものを選べ。
(a)呼吸窮追症候群(RDS)は、肺サーファクタントの欠乏により起こる未熟児の疾患である
(b)新生児一過性多呼吸は、帝王切開で生まれた児より経膣分娩で生まれた方が多い
(c)胎便吸引症候群は胎児循環遺残症・気胸・肺炎などの合併症を起こしやすい
(d)呼吸音に左右差があれば、気胸・横隔膜ヘルニアなどを考える
1(a)(d)  2(b)(c)  3(a)(c)(d)  4すべて

8.(兼光聡美:小児科)次の文章の( )内に適当な語句を下の選択項目A〜Gから選べ。
1.小児では( )が37.5度あれば発熱といえる。
2.小児のけいれんの原因で最も頻度が高いのは( )である。
3.被虐待児を診察した医師は( )に通告することが定められている。
4.( )があるときに咽頭、喉頭を刺激することは禁忌である。
5.ショック状態で静脈ラインを確保できない場合、緊急的に頸骨部より( )を行う。
6.乳幼児ではタバコ誤飲による( )で致死的になる場合がある。
7.気管内異物患者の胸写は、偏側肺の肺気腫、( )の対側への偏位をしめす。
[選択項目]A.熱性けいれん  B.ニコチン中毒  C.縦郭  D.骨髄輸液  E.腋窩温
F.クループ症状  G.児童相談所
<解答・解説>小児救急疾患 兼光先生 9/16プリント
  1.E 2.A 3.G 4.F 5.D 6.B 7.C 
  1. プリント4枚目。
  2. プリント2枚目。
  3. プリント4枚目。
  4. プリント3枚目。
  5. プリント3枚目。
  6. プリント5枚目。
  7. プリント5枚目。

9.(漢那朝雄:救急蘇生)心肺蘇生法に関連して正しいものの組み合わせを選べ
(1)我が国の病院前心肺機能停止者の社会復帰率は、平成元年・8年の調査ではともに約1%である。
(2)心肺停止者の社会復帰のためには、早期通報、早期心肺蘇生(BLS)開始、早期除細動、早期高度救命処置開始(二次救命処置)の四要素が連動して行われることが重要である。
(3)心停止の心電図を大別すると、VF/pulseless VTと心静止(Asystole)、pulseless electrical activityである。
(4)上記心電図のうち、最も社会復帰率が高いのは、心静止(Asystole)である。
a)(1)(2)(3)  b)(1)(3)(4)  c)(2)(3)  d)(1)(4)
<解答・解説>心肺蘇生法 漢那先生 9/16プリント
  解答:a)
  (1) ○ 授業で言ってました。
  (2) ○ 2枚目。
  (3) ○ 6枚目。
  (4) × 7枚目。

10.(竹下彰、毛利正博:循環器内科)
1)つぎの不整脈の中でただちに電気的除細動の適応となるものはどれか。
1.心室細動  2.心室頻拍  3.torsades de pointes  4.洞不全症候群  5.高度房室ブロック

2)急性心筋梗塞患者の心機能分類(Forrester分類)にもとづく治療について正しい記述は以下のどれか。
a.subset Iでは経過観察が主となる。
b.subset Uでは補液が主体で必要に応じて強心剤(カテコラミン)を用いる。
c.subset Vでは利尿薬と血管拡張薬が主体となる。
d.subset Wでは利尿薬、血管拡張薬、カテコラミンが必要となる。
1(a,b,c,d)  2(b,c,d)  3(a,d)  4(a,b,c)

11.(黒木俊秀:精神病態分野)次の文章のうち、正しいものを一つ選べ。
a)自殺企図により救急部を受診する患者のうち、最も多いのは手首の自傷による外傷である。
b)パニック発作のコントロールには、ベンゾジアゼピン系薬物の他、抗うつ薬も使用される。
c)災害に伴う外傷後ストレス障害(PTSD)が、被災後数年間も持続することはない。

12.(水元一博:腹部救急)35歳女性。夕食後に腹痛を訴え来院した。来院時、38度の発熱があり、上腹部にBlumberg signを認めた。以下の中から考えられる疾患を可能性の高いものから順に3つ選びなさい。
1.急性胆嚢炎 2.急性胃腸炎 3.大動脈瘤 4.十二指腸潰瘍 5.急性膵炎 6.大腸憩室炎
A.1,2,3 B.1,3,4 C.1,4,5 D.1,5,6 E.2,4,6 F.3,5,6
<解答・解説>腹部救急 水元先生 11/17プリント
  解答:C
'03の15参照。
  発熱から炎症を疑う。大動脈瘤はSTEP 循P293によると破裂前は原則として無症状。破裂したらショックになるのでこの場合考えにくい。
  急性胃腸炎、大腸憩室炎についてはなんで外れるのかは分かりません。

13.(黒岩俊郎:放射線科)
1)次の各出血のうち、現在緊急血管造影による治療(Interventional Radiology,IVR)の対象と全くならないものはどれか。
a.くも膜下出血subarachnoid hemorrhage
b.硬膜下血腫subduralhematoma
c.喀血hemoptysis
d.消化管出血gastrointestinal bleeding
e.血尿hematuria
f.不正性器出血atypical genital bleeding

2)動脈塞栓術について正しいのはどれか。
(1)肝動脈に注入されたlipiodolは門脈にも流入する。
(2)外頸動脈の塞栓術では眼動脈塞栓の可能性がある。
(3)気管支動脈の塞栓術では重篤な神経障害の可能性はない。
(4)右結腸動脈起始部の金属コイルによる塞栓は上行結腸の梗塞の危険が大きく禁忌である。
(5)外傷性骨盤出血に対し両側内腸骨動脈をゼラチンスポンジ細片で塞栓してはならない。
a.(1)(2)  b.(1)(5)  c.(2)(3)  d.(3)(4)  e.(4)(5)

3)次の緊急IVRの記述のうち、正しい文はどれか。
a.夜間、血圧が60/mmHgと出血性ショックを呈した動脈性出血患者に対して、直ちに輸血・輸液を行ったところ、血圧は120/60mmHgまで回復し、全身状態は安定したので、緊急IVRの適応ではないと判断し、一晩様子を見ることとした。
b.肝細胞癌破裂症例に対して、緊急血管造影下にゼラチンスポンジ単独にて動脈塞栓術(TAE)を施行した。
c.大量喀血の症例に対し、緊急血管造影下に金属コイル単独にて気管支動脈塞栓術(BAE)を施行した。
d.動脈性出血症例を緊急血管造影下に動脈塞栓術(TAE)を行い、止血に成功したが、再出血の恐れもあるため、念のため輸血をしばらく続けた。
e.消化管大量出血を起こした患者を直ちに血管造影室に搬送した。

<解答・解説>放射線科 田嶋先生 11/8プリント
  1)b 2)dかe 3)b
  1) a. 原因疾患検索のため脳血管撮影が必要。(標準救急P430)
b. 出血源はほぼ脳挫傷。まずCT。瞳孔不同・散大、Cushing現象は脳幹障害を示す症状。一刻も早い減圧開頭・血腫除去術の必要がある。手術を必要としない薄い硬膜下血腫像を示す場合には、意識障害の有無が重要。認めれば広汎性脳損傷を伴うことが多いので、3時間以内に再度CTを撮る。意識障害がなければ多くの場合自然寛解する。(標準救急P305,306)
    c.d.e.fはプリント3枚目に。
  2) (1) ×
    (2) ×:眼動脈は内頸動脈の分枝。ステップ眼科p12。
    (4) ○
  3) a. 出血部位の特定はしないといけない。
    b. ○:プリント8枚目。
    c.
     d. 再出血を起こす危険。
    e. まず全身状態を安定させる。

14.(海塚安郎:形成外科的救急疾患)救急車で、6歳男児、沸かしている風呂に転落し、'両下肢、右上肢に緊満性水庖を認め、水庖底は発赤があり、とても痛がっている熱傷患者があなたの前に搬送されてきました。診断、及び初療時まず必要と思われる処置を3つ箇条書きで記しなさい。
<解答・解説>形成外科的救急疾患 海塚先生 10/4プリント
  解答:浅達性U度熱傷 輸液・局所療法(冷却)・vital sign check・末梢静脈確保 など。
  '03の17参照。

15.(吉野一郎:呼吸器外科)21歳の男性が、突然呼吸困難と右胸痛を主訴に救急外来に搬入された。身長180cm、体重58kg。聴診にて右肺の呼吸音の減弱を認めた。
i)まず行うべき検査はどれか。1つ選べ。
(a)気管支鏡  (b)肺機能検査(スパイログラム)  (c)胸部レントゲン
(d)胸部MRI  (e)喀疾細胞診

A)緊急に行うべき処置はどれか。1つ選べ。
(a)緊急手術(開胸)  (b)心マッサージ  (c)気管内挿管
(d)胸腔ドレナージ  (e)ニトログリセリン舌下

B)手術適応と考えられるのはどれか。
(1)再発性  (2)両側性  (3)血胸合併  (4)肺膨張不全
a.134のみ  b.12のみ  c.23のみ  d.4のみ  e.1〜4のすべて

<解答・解説>胸部外科救急 吉野先生 11/8プリント
  解答:@)(c) A)(d) B)e
  緊張性気胸を疑うので胸部レントゲン。速やかに胸腔ドレナージを開始する。
  手術適応はプリント2枚目に。

16.(漢那朝雄:救急医学概論)救急救命士が行える医療行為、SIDS(乳幼児突然死症候群)などに関連して誤っている組み合わせを選べ
(1)救急救命士は医師の指示のもとに、心肺機能停止者への半自動式除細動、静脈路確保のための輸液、気管内挿管による気道確保などの医療行為を行える。
(2)救急救命士が半自動式除細動を行う際に医師への心電図伝送は必須である。
(3)START方式(現場での具体的トリアージ法)での赤タッグの基準は、意識レベル:「簡単な命令に応じない」、呼吸数:毎分30回以上あるいは、末梢循環:capillary refill>2秒のいずれかを満たす場合である。
(4)窒息死かSIDSかという診断をめぐり、遺族や保育者や医療関係者への精神的負担・責任間題などが社会問題となりつつある。
(5)うつ伏せ寝、両親の喫煙、人工栄養はSIDSのリスクファクターである。
a)1,2  b)1,5  c)2,3,4  d)3,4,5  e)1,2,5
<解答・解説>救急医学概論 漢那先生 9/6プリント
  解答:a)
(1) × 概論2の1・2枚目。'02の試験であることも考えて、気管内挿管はできない。
(4) ○ 概論2の3枚目。
(5) ○ 同上。
  (2)と(3)に関しては分かりません。授業でやってないので。

17.(稲村孝紀:脳外科)頭部救急患者の病歴・現症と診断を5つ示した。病歴・現症と推測される診断としてもっとも不適当な組み合わせのものを選べ。
1.[病歴・現症]65才男性。自転車に乗っていてトラックと接触し受傷した。受傷直後から意識障害がある。JCS(Japan Coma Scale)V−100。
[診断]脳挫傷
2.[病歴・現症]20才男性。オートバイに乗車中に転倒した。ヘルメットはしていなかった。受傷後1時間は意識清明であったが、2時間後にJCS(Japan Coma Scale)V−300となった。
[診断]急性硬膜下血腫
3.[病歴・現症]50才女性。突然の激しい頭痛を訴えて来院した。意識清明で、四肢麻痺はなく、軽い項部硬直がある。
[診断]クモ膜下出血
4.[病歴・現症]47才女性。突然の左上下肢麻で発症。心房細動あり。JCS(Japan Coma Scale)T−1。
[診断]脳梗塞
5.[病歴・現症]60才女性。突然の左上下肢麻で発症。高血圧あり。JCS(Japan Coma Scale)T−1。
[診断]脳出血

<解答>2:硬膜下血腫ではなく硬膜外血腫

18.(財津昭憲:急性呼吸不全)次の文章の空欄( )に[選択項目]から適当な語句を選び番号を入れよ。
急性呼吸不全は、肺における( )の取込が不十分なために低酸素血症となり、細胞レベルで十分な( )代謝を営めず、エネルギー不足で( )の危機的状態にあることをいう。
急性呼吸不全は換気不全と肺酸素化不全、および、その両者の混ざった混合性呼吸不全に分けられる。( )不全は種々の要因で肺胞低換気となり、肺胞気の二酸化炭素分圧が上昇し、二酸化炭素を( )できない分だけ、( )を取り込めなくなった状態である。肺酸素化能には問題ないので、( )療法の良い適応である。
肺酸素化不全は二酸化炭素をむしろ過換気で十二分に排出しているのに、酸素が取り込めない低酸素血症状態である。気道閉塞で( )の無い肺胞に血流が流れる( )肺胞の存在による肺内( )シャント量の増加が原因である。その大部分は体水分の細胞外液に属する肺血管外水分量の増加による沈下性無気肺が原因である。対症療法は酸素投与とCPAP(または、PEEP)で、根本治療は体液管理である。
混合性呼吸不全は肺実質の破壊の進行が原因なので、輸血、気管切開術、ブラ切除、補助換気、究極的には肺移植が必要になる。
[選択項目]1)酸素、 2)二酸化炭素、 3)嫌気性、 4)好気性、 5)生命、 6)代謝、 7)換気、 8)混合、 9)肺、 10)排出、 11)吸収、 12)人工換気、 13)低、 14)過、 15)取込、 16)血流、 17)虚脱、 18)過膨張、

19.(島田光生:消化器・総合外科)21歳の男性。バイクで帰宅途中、転倒し右胸部と右腹部とを打撲し、救急車で来院した。
入院時所見:意識状態は清明だが、表情は苦悶状であった。
脈拍106/分、整。血圧100/70mmHg。眼瞼結膜に軽度の貧血を認め、胸部聴診上の異常はなかった。上腹部に中等度の圧痛を認めたが、筋性防御はみられなかった。
入院後の経過:翌朝も右季肋部痛が持続している。脈拍90/分、整。血圧110/66mmHg。38.7度の発熱がみられた。
検査所見(入院時):
(血計)赤血球369万、Hb 10.6g/dl,Ht 35%、白血球14600、血小板18.6万。
(生化学)総蛋白6.3g/dl,アルブミン3.8g/dl,ビリルビン2.1mg/dl,AST911単位,ALT326単位、LDH2800単位(正常245〜630)、アルカリホスファターゼ12.6単位(正常8.5以下),γ−GTP45単位(正常40以下)
入院時の緊急腹部CTは、肝損傷形態分類Ib型を呈していた。
間1.肝損傷形態分類Ib型の別名はどれか。
a.肝表在性損傷  b.肝被膜下血腫  c.中心性肝破裂  d.深在性肝破裂  e.肝膿瘍

問2.治療方針として適切なのはどれか。
a.肝庇護薬投与  b.輸液と抗生物質投与  c.輸血  d.肝縫合とドレナージ  e.肝右葉切除

20.(岩本幸英:外傷外科的救急処置、整形外科)四肢外傷に関する以下の記載のうち、正しいものの組み合わせを選べ。
1.受傷後12時間経過した開放骨折症例が来院したので、brushing,caleansing,debridementの順に行ったのち、骨接合術を施行した。
2.フォルクマン拘縮はコンパートメント症候群のひとつで、正中神経、尺骨神経麻痺を伴う。
3.肘関節のギプスシーネ固定では、肘屈曲50度を保つ。
4.鎖骨骨折の合併症として、腕神経叢麻痺があげられる。
5.股関節脱白・骨折の合併症として、大腿骨頭壊死があげられる。
A(123)  B(125)  C(234)  D(245)  E(345)  F(1−5のすべて)
<解答・解説>整形外科的救急疾患 前田先生 11/15プリント
  解答:D
1. × golden time(6~8時間)を過ぎてしまったら、皮膚縫合はせずに開放したままにしておき、後日、傷口に感染のないことを確認してから縫合を行う。(赤ひげ.comより)
2. ○ 4枚目。
3. × 上腕骨顆上骨折の治療の場合、肘関節を約110度屈曲させる。(STEP 整形P114)
4. ○ 5枚目。
5. ○ 同上。

21.(入田和男:ショック・麻酔科蘇生科)髄膜瘤修復術の既往があり、両下肢麻痺を合併した40歳の男性(体重95kg)が全身麻酔下に虫垂切除が予定された。チアミラールとマスキュラックスによる急速導入後、酸素−空気−セボフルランによる麻酔維持が行われた。手術開始20分後に多源性心室性不整脈が出現し始めた。血圧60/35mmHg、脈拍105bpm、経皮的動脈酸素飽和度90%(吸入気酸素濃度40%)、呼気終末炭酸ガス分圧44mmHg、最大吸気圧50cm水柱となり、呼吸音は左右両側で聴取困難であった。原因として最もかんがえられるのはどれか?
1)気管支挿管  2)ラテックス・アレルギー  3)肺塞栓  4)誤嚥性肺炎  5)急性心筋梗塞

22.(財津昭憲:MOF/DIC救急部)次の文章の空欄( )に適当な語句と数字をいれよ。
全身性炎症反応症候群(SIRS:systemic inflamatoly response syndrome)の診断基準は、以下の条件の内( )以上を満たすときにSIRSと診断する。
1)( )<( )度、または≧( )度
2)( )≧( )/分
3)( )≧( )/分、または、PaCO2、<32mmHg
4)( )≧12,000/mm3、または、<4,000/mm3、または、( )球≧10%

23.(財津昭憲:救急患者の診察)次の文章の正しいものには○、誤っているものには×をつけよ
1.( )救急患者を診るときは、まず第一に意識の有無を確認すること。
2.( )意識があれば患者は自然開眼し、五感を駆使して情報収集している。
3.( )意識があれば、脳に酸素とブドウ糖が送られていると考えて良い。
4.( )大声で呼びかけて肩を揺すっても覚醒しなかったので、頭部後屈と下顎前方挙上して、気道確保した。
5.( )口元に耳を近づけ、鳩尾の動きを見たが動いておらず、呼吸音も聞こえず、頬に呼気も感じられなかったので、酸素を投与した。
6.( )呼吸も循環もしっかりしている意識消失患者では低血糖の可能性はない。
7.( )植物状態の患者は呼吸循環はしっかりして、自然開眼し、昼夜のリズムがあるが、全く意思の疎通が取れない。
8.( )麻酔剤や筋弛緩剤は使用されていないのに、生命中枢である脳幹部のすべての反射が消失している場合脳死の可能性が極めて高い。
9.( )生命が危機的状態になれば不要不急の血流はカットされ、脳保護に廻されるので、末梢循環不全が現れる。
10.( )生から死への病態変化の早期発見には、交感神経の過緊張に伴う頻呼吸、頻脈、意識レベルの変調の徴候を掴むのに努めると良い。

24.(月森清巳:産科婦人科的救急疾患)
1)28歳の1回経産婦。前回分娩は前置胎盤の診断で帝王切開分娩であった。今回は妊娠39週2日に自然陣痛発来し、入院となった。陣痛発来から約6時問後の内診所見は、外子宮口開大度10cm、展退度100%、先進部は児頭小泉門で下降度+2であった。胎児心拍数陣痛図で胎児仮死の徴候が発現したため吸引分娩を行った。児は3870gの男児で、1分後のApgar scoreは8点であった。子宮収縮は良好であるが、児娩出直後から凝血を含む鮮紅色の出血が持続している。診断として正しいのはどれか?
a.常位胎盤早期剥離、  b.DIC、  c.子宮内反症、  d.弛緩出血、  e.子宮破裂

2)31歳の初産婦。妊娠34週5日、頭痛のため来院した。身長153cm、体重52s、意識清明、呼吸数18/分、子宮底長26cm、腹囲82cm、血圧192/128mmHg、尿蛋白(++)、下肢に浮腫、深部腱反射の亢進を認めた。無痛性の子宮収縮を1時間に3回認め、頸管開大度1cmであった。直ちに使用すべき薬物はどれか?
(1)硫酸マグネシウム、  (2)塩酸ヒドララジン、  (3)α−メチルドーパ、
(4)アンギオテンシン変換酵素阻害剤、  (5)フェノバール
a.(1)(2)  b.(1)(5)  c.(2)(3)  d.(3)(4)  e.(4)(5)

25.(熊本芳彦:顔面頭頚部の救急疾患)顔面外傷の際に、頭部顔面の裂挫傷と、左鼻出血、左耳出血、左頬部変形がみられた。意識障害はなく、躯幹や四肢に異常はなかったが、複視、開口障害、左中等度伝音性難聴のあることがわかった。外鼻変形、耳介の損傷、顔面神経麻痺、咬合異常はなく、軽いめまい感を訴えた。最も考えられる骨折部位を下の中から選べ。
a.鼻骨、鼻中隔骨折  b.上顎骨、頬骨骨折  c.下顎骨骨折
d.左眼窩下壁、内側壁骨折  e.左側頭骨縦骨折
1.a,b,c  2.a,b,d  3.b,d,e  4.b,d  5.c,d  6.d,e

26.(安田修:急性代謝性疾患)54歳、男性、自営業。糖尿病のためインシュリン療法を受けている。全身倦怠感、微熱、嘔吐で上気道炎として入院中であった。入院翌日より、胸部苦悶と呼吸困難が出現した。意識清明。呼吸:30/分。循環:血圧100/60、脈拍120/分。
考えられる病態、鑑別疾患をいくつでも上げなさい。

27.(財津昭憲:外傷外科的救急疾患2)以下の文章が正しければ○、誤りであれば×を入れよ
1.( )創は開放性の機械的損傷で、傷は非開放性の機械的損傷である。
2.( )鈍的外傷は創や外出血を伴わない非開放性外傷が多い。
3.( )鈍的外傷は交通事故や高所からの墜落や転落で起こる。
4.( )鈍的外傷は多発外傷が多い、
5.( )日本では重症外傷の80%は鈍的外傷である。
6.( )鈍的外傷は組織損傷が大きいのに、損傷部位と程度の把握が困難で治療が遅れやすい。
7.( )外傷治療の基本戦略は、1)緊急度の判定、2)救命処置による対症療法、3)病態に応じた特殊検査により損傷部位の範囲、程度を調べ、4)治療を行う。
8.( )脳低温療法の目的は頭部損傷における二次的脳損傷を防ぎ、機能的予後の改善にある。
9.( )脳低温療法は植物症患者を減らす効果が高い。
10.( )低体温<34度での副作用は循環抑制、不整脈、免疫抑制である。

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