老年病学 平成16年度本試験

平成17年1月7日実施、110分
問題、解答は同じ1つの冊子でA4の12枚。以下は余分にもらった問題をデータ化。
100人受験、全員合格。

1. 主要な老化学説を2つあげ、それぞれを支持する具体的証拠を3つ以上あげて2つの老化学説について説明せよ。
解答・解説:11月4日 老化の仕組みと生理機能変化 プリント1枚目
@プログラム説;老化の進行、そして寿命はあらかじめ遺伝子によって規定されており、分化、成熟の過程と同様に老化も遺伝子にプログラムされたとおりに進行するという考え。
具体例;@動物種固有の最大寿命、 
AHayflickの限界
B遺伝的早老症、
C一卵性双生児の寿命の一致、
D交配による寿命の修飾
    Aエラー蓄積説;放射線や化学物質、機械的刺激(磨耗)などによってDNAや蛋白質が損傷を受け、修復されずに、蓄積された結果、細胞や器官の機能低下が生じ、老化が進行するとする説。
     具体例;@フリーラジカル説(酸素消費度の高い小動物は、フリーラジカルによるDNA損傷が高
頻度で発生している。また、哺乳類の最大寿命は、小動物ほど短い。)
         Aクロスリンキング説(クロスリンキングとは、生体内で蛋白質の分子間に化学結合が発生し、より大きな分子となる現象のこと。皮膚の老化や動脈硬化などに見られる。)
B誤り説(DNAの通常の複製過程や転写、翻訳時、DNA損傷修復時に塩基配列の誤りが生じ、異常蛋白質が集積されて、ついには数々の細胞機能障害が生じ、老化が進行するという考え)
C老廃物蓄積説
D代謝調節説

2.高齢者総合機能評価(CGA)について、Barthel Index、IADLを含めて説明せよ。
解答・解説:11月9日 高齢者総合機能評価、生活習慣病 プリント1枚目
   CGAとは、高齢者を疾患単位だけでなく、生活機能障害の立場からもとらえ、それも身体機能のみならず、精神・心理的、社会・環境的側面も重視した、包括的な評価を実施し、能力の維持、機能劣化の予防に対して多職種の専門家からなるチーム医療、看護、介護を行おうとする考え方のこと。
   
   身体機能の評価法の一つに、移動、歩行、階段昇降、摂食、排泄、入浴、更衣、整容など、きわめて基本的な生活能力を評価するBarthel Indexという国際的な評価法がある。また、外出、公共の乗り物利用、買い物、食事の準備、熱源の取り扱い、財産管理などの、手段を用いる生活機能をIADL(Instrumental Activities of daily living)という。
 
3.A群に関係あるものをB群より1つ選び、A群の各語句の( )に記入せよ。
A群
1)Werner症候群( )
2)Cockayne症候群( )
3)副腎アンドロゲン(DHEA−S)( )
4)高齢者糖尿病( )
5)続発性選択的低アルドステロン症( )
B群
a.思春期にピークとなり、加齢と供に低下
b.10歳代まで反応良好、25歳以降反応不良
c.高K血症、高齢者、糖尿病
d.高K血症、副腎不全、インシデンタローマ
e.DNAヘリカーゼ遺伝子異常、鳥様顔貌、日本人に多い
f.IP3キナーゼ遺伝子異常、小脳失調、自己抗体
g.DNAヘリカーゼ異常、鳥様顔貌、精神発達遅延
h.HbA1c7%以上あるいは空腹時血糖140mg/dI以上は高齢者でも血糖コントロールが必要である。
i.平成14年度には日本人の糖尿病患者の40%以上が70歳以上となった。
解答:1)e
   2)g
   3)a
   4)h
   5)c
解説:1)2)3) 11月4日 老化の仕組みと生理機能変化 プリント2枚目
   4)5) 11月9日 高齢者総合機能評価、生活習慣病 プリント3枚目
   
4.以下の設問に答えよ。
(1)動脈硬化の発生・進展機序を「炎症」の視点より説明せよ。
解答・解説:11月30日 加齢と動脈硬化 ノート
   脂質や酸化ストレス、高血圧、シェアストレス等により内皮細胞に機能障害が生じる。すると、白血球浸潤が起こり、サイトカインネットワークが働き始めると同時に、平滑筋細胞も増生を始め、内膜で炎症が起きる。結果的に、血管リモデリングが起こって、動脈硬化が起こる。
   ここで、しみだした白血球は、泡沫細胞となり、アテローマとなる。
   また、肥厚した血管壁に亀裂が入り、組織因子と血液が接触すると、外因系の凝固因子が活性化され
、血栓や潰瘍が生じる。

(2)主な動脈硬化症の発生における血栓の意義について説明せよ。
解答・解説:11月30日 加齢と動脈硬化 ノート
   アテローマと血栓形成により、プラークが生じると、血管内腔が狭くなり、心原性突然死や不安定狭心症、急性心筋梗塞などの急性冠症候群、脳に生じた場合は、脳梗塞を生じる。
   (ロビンス基礎病理学参照)

5.高齢者に対する薬物治療において、肝消失型の薬物と腎消失型の薬物では、どちらの方が、投与量を調節する必要性が高いか。理由と共に答えなさい。
解答・解説:12月13日 高齢者の薬物代謝の特徴と薬物療法
   腎消失型の薬物の方が、必要性が高い。
   なぜならば、高齢者では、糸球体濾過速度、腎血漿流量ともに低下しており、若年者と比べて、糸球体濾過が半分くらいにまで、落ちているが、肝機能は腎ほど低下しないためである。
   (プリント73〜74、76より。76の図3中のアンチピリンとは、肝代謝能の指標である。)

以下の設問に対して、適切なものを一つ選びOをつけよ。
6.老年者の心疾患の一般的特徴について正しい記述の組み合わせはどれか。
(1)心不全が生じやすい
(2)症状が典型的
(3)個体差が小さい
(4)薬物の副作用が生じやすい
(5)多数の疾患を合併することが多い
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:c
解説:11月24日 老年者の心臓疾患 プリント1枚目

7.老年者の狭心症について正しい記述の組み合わせはどれか。
(1)無症候性心筋虚血の頻度が非高齢者に比して多い
(2)安静時心電図で異常を認めることが多く、心電図の比較が重要
(3)冠動脈病変は重症のものが多い
(4)冠動脈バイパス手術の成績は非高齢者と同等である
(5)PTCA後の再狭窄率は非高齢者よりも高い
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:a
解説:11月24日 老年者の心臓疾患 プリント2枚目
   (1)「一般に、労作狭心症の胸痛は、若年者に比べると軽度」と書いてあるので、無症候性心筋虚血
は多いと考えられます。あとは,プリント通り。

8.老年者の心不全について正しい記述の組み合わせはどれか。
(1)腎臓を含め、ほとんどの器官の予備能が低下している
(2)脳循環障害による意識障害として発症することがある
(3)高齢者の心不全の予後は非高齢者と同等である
(4)心不全の誘因が存在することは少ない
(5)甲状腺機能障害が心不全などの心臓の症状として発症することがある
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:b
解説:11月24日 老年者の心臓疾患 プリント3枚目

9.老年者の不整脈について正しい記述の組み合わせはどれか。
(1)加齢に伴い洞結節細胞数は減少しない
(2)無症候性の1度房室ブロックや右脚ブロックも治療の対象となる
(3)高齢者の無症候性の洞徐脈は一般的には良性である
(4)基礎心疾患のない慢性心房細動は加齢とともに増加する
(5)高齢者はリドカイン中毒になりやすいので注意が必要である
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:e
解説:老年者の心臓疾患 プリント4枚目
   
10.一般に老年者でもそれほど低下しないものはどれか
1.最大吸気量  2.最大酸素摂取  3.腎血流量  4.空腹時血糖値  5.神経伝導速度
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:e
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント裏の左側のグラフ
   
11.老年者の病気の特徴はどれか
1.単一疾患が多い
2.症候が定型的
3.妄想錯乱が出やすい
4.検査上、個人差が大きい
5.電解質異常はまれである
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:d
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント裏左側「老人の病気の特徴」

12.老年者の最近の疫学について誤りはどれか
1.男性平均寿命は88歳
2.女性平均寿命は85歳
3.脳卒中死亡内訳では脳梗塞が多い
4.寝たきり原因疾患のトップは脳卒中
5.老年期痴呆(認知症)の約8割が脳血管性
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:b
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント裏右側の新聞記事の下の説明
1. × 男性の平均寿命は78歳。
5.× 痴呆老人の50〜60%が脳卒中後遺症

13.加齢に伴う脳血管障害について正しいのはどれか
1.脳卒中の発症率自体が高くなる
2.脳梗塞に占める脳塞栓症の比率は減少する
3.くも膜下出血は女性に比し男性に多くなる
4.アミロイドアンギオパチーによる脳梗塞が増える
5.「寝たきり」の原因としては骨折より多く第1位である
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:b
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント
1. ○ 裏、右下の久山町のグラフ
   5.○ 裏右側の新聞記事の下の説明

14.脳梗塞について誤りはどれか
1.最近では男性よりも女性に多い
2.脳塞栓症では皮質の病変が多い
3.前大脳動脈梗塞では下肢の麻痺が強い
4.超急性期においてはMRI拡散強調画像が有用
5.日中活動を終えた夜間に発症することが多い
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:a?
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害
1. × 3年次の神経の脳血管障害2の講義プリントより、アテローム血栓性とラクナ梗塞は男>女、心原性は男=女
2. ? 3年次の神経の脳血管障害2の講義プリントより、脳塞栓症の病巣部位は皮質であるとかいてあります。しかし、病変は、脳塞栓症は心原性なので、病変は心疾患?
3. ○ プリント表 前大脳動脈が詰まると、手よりも足に強い麻痺が生じ、同時に、自発性の低下、尿失禁、排尿困難も起こる。
4.○ 3年次、もしくは、4年次の放射線科の講義プリントより。CTでは、超急性期には、変化があまり認められないが、MRIでは、DW1で高信号を呈する。
5. ○ Step内科1 P129 脳梗塞は安静時に、脳出血は日中に生じる。

15.脳梗塞について正しいのはどれか
a.脳血管障害は死因の第3位で、その半分以上が脳梗塞である
b.我が国で最も少ないタイプはラクナ梗塞である
c.アテローム硬化性病変はMRAでは描出できない
d.心原性脳塞栓症は数十分かけて緩やかに完成する
e.一過性脳虚血発作は脳梗塞に移行する可能性はない
解答:a
解説:a.○ 11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント裏
   b.× 3年次の神経の脳血管障害1の講義ノートより、ラクナ梗塞40〜50%、アテローム血栓性脳梗             塞20〜30%、心原性脳塞栓症20〜30%
   c.× MRA(MR angiography)では狭窄・閉塞血管の同定も可能なことがある
   d.× 11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント表
     脳塞栓症は動脈閉塞がきわめて急速
   e.× 11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント表
     将来脳梗塞に移行する確率が高い

16.アテローム血栓性脳梗塞について誤りはどれか
a.糖尿病、高脂血症の合併が多い
b.日本でも都会で最近増えつつある
c.急激な降圧では起こりにくい
d.数日かけて徐々に進行する
e.抗血小板薬を用いる
解答:c
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント表
a.プリント図29 アテローム血栓性脳梗塞は糖尿病や脂質代謝異常などが危険因子としてあげられる。
b.○ 食生活や生活様式の欧米化が都会では進んでいるので、これは○かと…
   c.× Step内科1 P139 アテローム硬化があって狭窄した血管に血圧低下や脱水が加わっても脳梗塞が生じることもある。
   d.○ 
   e.○ 血栓性と塞栓性の場合に適応

17.心原性脳塞栓症について誤りはどれか
a.塞栓源の原因となる心疾患では心房細動が多い
b.高齢者では非弁膜症性心房細動が重要
c.突発完成の重症例が多い
d.穿通枝領域の病変が多い
e.抗凝固薬を用いる
解答:d
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント表
   a.○
   b.○
   c.○
   d.× 3年次の神経の脳血管障害2のプリントより、病巣サイズは小〜大
   e.○ 

18.ラクナ梗塞について誤りはどれか
a.比較的、軽症例が多い
b.高血圧が最重要危険因子
c.長径15mm未満の梗塞をいう
d.無症候性脳梗塞の原因になる
e.多発しても痴呆にはなりにくい
解答:e
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント表
   a.○
   b.○
   c.○
   d.○ 
   e.× 脳血管性痴呆はほとんどが多発性の脳梗塞である。 

19.一過性脳虚血発作について正しいのはどれか
1.アテローム血栓性脳梗塞の前駆症状である
2.意識消失だけの発作も多い
3.症状の持続は5−10分前後が多い
4.再発予防には抗凝固薬を用いる
5.内頸動脈分岐部の病変が重要
a.123  b.135  c.234  d.245  e.345
解答: b
解説:11月29日 老年者の特徴と疫学、脳血管障害 プリント表
   1.○
   2.× 意識消失だけのものは一過性脳虚血発作とみなさない
   3.○
   4.× 抗血小板薬の適応
   5.○ 内頚動脈系、椎骨脳底動脈系の二つに分かれる。内頚動脈系では、一過性黒内症が、
       椎骨脳底動脈系では、drop attack(意識は清明だが、四肢の脱力で転倒すること)が生じる。

20.アルツハイマー病で障害されやすい記憶はどれか。
(1)長期記憶  (2)意味記憶  (3)短期記憶  (4)エピソード記憶  (5)手続き記憶
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:d
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
   アルツハイマーでは短期記憶が障害されやすい。エピソード記憶は短期記憶。

21.65歳以上人口の痴呆患者の頻度はどれくらいか。
a.0.5%  b.1%  c.5%  d.10%  e.25%
解答:c
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
   老年痴呆の有病率は、65歳以上人口の4〜6%

22.老年者の痴呆の原因で最も頻度の多いものはどれか。
a.ピック病  b.アルツハイマー病  c.ハンチントン病  d.進行性核上性麻痺  e.梅毒
解答:b
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
   脳血管性痴呆、アルツハイマー型で、90%を占める。Step内科1 P101にも、アルツハイマーが最も頻度の高い痴呆性疾患と書いてあります。

23.アルツハイマー病と血管性痴呆の鑑別に役立つ検査はどれか。
(1)頭部レントゲン
(2)頭部MRI
(3)脳血流シンチグラフィー(SPECT)
(4)血液生化学検査
(5)脳脊髄液検査
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:c
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
   アルツハイマーの診断にはCT/MRI、大脳萎縮(頭頂、前頭、側頭葉)、PET/SPECT、血流・糖代謝低下、脳波の徐波化 などがある。

24.アルツハイマー病脳で見られる病理所見はどれか。
(1)アミロイドβ沈着
(2)ballooned neuron
(3)Lewy小体
(4)神経細胞脱落
(5)神経原線維変化
a.123  b.125  c.145  d.134  e.345
解答:c
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患プリント
   Step内科1 P102 大脳の全般的萎縮、老人班、神経原線維変化が認められる。大脳の全般的萎縮とは、神経細胞の減少を意味する。また、老人班はアミロイドβで構成されている。
   
25.アルツハイマー病の治療薬はどれか。
a.L−ドーパ  b.MAO阻害薬  c.選択的セロトニン再取り込み阻害薬
d.抗コリン薬  e.アセチルコリンエステラーゼ阻害薬
解答:e
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント

26.血管性痴呆に当てはまるものはどれか。
(1)高血圧症が多い  (2)階段状悪化  (3)腱反射亢進
(4)多幸的  (5)失行・失語・失認がしばしば見られる
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:a
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
   多幸的、失行・失語・失認はアルツハイマー型。

27.感染体による痴呆疾患はどれか。
(1)進行麻痺  (2)進行性核上性麻痺(PSP)  (3)正常圧水頭症
(4)アルツハイマー病  (5)クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)
a.12  b.15  c.23  d.34  e.45
解答:b
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
(1) 進行麻痺とは、梅毒の起炎菌であるスピロヘ―タ・トレポネ―マによって起こる脳炎。(Step内科1 P176)
(2) (4)PSP、アルツハイマーは変性疾患
(3) 正常圧水頭症の原因分類はその他になっている。
(5) CJDはプリオン病。
28.初期からパーキンソニズムが主症状である痴呆疾患はどれか。
(1)アルツハイマー病  (2)レビー小体型痴呆(DLB)  (3)皮質基底核変性症(CBD)
(4)進行性核上性麻痺(PSP)  (5)筋萎縮性側索硬化症(ALS)
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:d
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 
   (1)(2)(3) プリント参照
   (4) Step内科1 P187 PSPの症状はパーキンソニズム、眼球運動障害、偽性球麻痺、痴呆など
   (5) Step内科1 P204 ALSの症状は、上下肢の筋力低下、球麻痺など

29.せん妄に当てはまるものはどれか。
(1)発症は緩徐  (2)持続−固定性  (3)錯覚・幻覚を伴う
(4)夜間精神運動興奮  (5)環境の変化でも起こる
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
解答:e
解説:12月2日 老年者の痴呆疾患 プリント
   発症が緩徐、持続―固定性は、痴呆

30.加齢に伴う肺の変化について誤りはどれか?
A.咳嗽反射の低下  B.肺弾性の低下  C.胸壁の高度の増加
D.肺拡散能の低下  E.換気血流不均等分布の減少
解答:E
解説:12月15日 老年者の感染症、呼吸器疾患 プリントP1
A〜Dが加齢とともに起こることによって、不顕性の換気血流不均等分布が起こる。

31.若年者に比べた時、高齢者の肺炎で頻度が高いものはどれか?
A.発熱  B.意識障害  C.咳  D.白血球増加  E.胸痛
解答:B 
解説:12月15日 老年者の感染症、呼吸器疾患 プリントP3
   A.C.D.Eは高齢者では若年者と比較して、出現しにくい。

32.高齢者の結核で多いのはどれか?
A.塗抹陽性患者  B.ツ反陽性患者  C.初感染患者  D.肺門リンパ節結核  E.有熱患者
解答:A?
解説:12月15日 老年者の感染症、呼吸器疾患 
   高齢者は、免疫能が低下しているので、B.D.Eは多くないかと。また、戦前の結核の流行から見て、初感染も少ないでしょう。

33.COPDについて誤った記載はどれか?
A.加齢と共に進行する  B.喫煙により進行する  C.禁煙により改善する
D.抗コリン剤は予後を延長させない  E.在宅酸素療法は予後を延長させる
解答:D
解説:12月15日 老年者の感染症、呼吸器疾患 プリントP2
   A.B.○ 肺気腫は喫煙と加齢によってもたらされる
   C.○ 肺気腫の進行を防ぐ唯一の方法が禁煙である
   D.× 抗コリン剤と気管支拡張剤の吸入でQOL↑
   E.○ 酸素吸入がQOL改善だけでなく、生存期間延長にも寄与する。

34.高齢者の肺癌について正しい記載はどれか?
A.日本では高齢者肺癌が増えている
B.高齢者は化学療法で生存期間延長は得られない
C.75歳以上の高齢者は外科療法はしない方が良い
D.高齢者に発生する肺癌は喫煙とは無関係である
E.抗癌剤の副作用発現率は年齢と無関係である
解答:A?
解説:12月15日 老年者の感染症、呼吸器疾患 プリント
A.○ Step内科4 P325 原発性肺癌は高齢化が顕著
   B.× プラチナ併用化学療法で高齢者も生存率は上がる
   C.× Step内科4 P340 非小細胞肺癌のT期とU期は手術療法が第一選択。V期Aはケースバイケースということなので、× 
   D.× 喫煙は関係あると思います。
   E.×? 年齢と無関係ということはないかと…

35.老年者の骨・関節疾患に関する以下の設問に答えよ。
(1)骨粗鬆症関連骨折について、正しい記載2つに○をつけよ。
1.80才女性の大腿骨頸部内側骨折は、人工骨頭置換術の適応である。
2.80才以上の大腿骨頸部骨折の原因の2/3は、屋外での転倒である。
3.橈骨遠位端骨折では、骨片の転位が小さくても手術が必要である。
4.大腿骨頸部外側骨折に対する骨接合術の後に、大腿骨頭壊死が好発する。
5.殿部プロテクターにより、大腿骨頸部骨折の発生を防止できる。
解答:1.5
解説:12月14日 老年者の骨・関節疾患 プリント
   1.○ P5 内側骨折は血管損傷があるので、人工骨頭置換術を行う。
   2.× P5 屋内が64.1%、屋外が26.3%
   3.× P3 ずれが小さいならば、ギプス固定でよい
   4.× 標準整形外科学P662 外側骨折で骨頭部が壊死になることはまずない
   5.○ P3 骨折しそうなところにプロテクターを着けると、骨折は↓↓

(2)腰部脊柱管狭窄症について、正しい記載2つに○を付けよ。
1.椎間関節の変性が発症の原因になる。
2.前縦靭帯の肥厚が発症の原因になる。
3.腰椎変性すべり症によるものは男性に多い。
4.脊髄造影では、後屈位よりも前屈位で異常所見がみられやすい。
5.間欠性跛行を呈する。
解答:1.5
解説:12月14日 老年者の骨・関節疾患 プリント
   1.○ P6 
   2.× P6 黄靭帯の肥厚が原因
   3.× P6 男性は変形性脊椎症、女性は変性すべり症によるものが多い。
   4.× P7 後屈の方が黄靭帯のたわみがよく見える
   5.○ P7左上 歩き出してしばらくするとしびれや痛みが強くなり歩きづらくなる=間欠性跛行

(3)股関節病変について、正しい記載2つにOを付けよ。
1.初期変形性股関節症では、嚢胞形成がみられる。
2.臼蓋形成不全を伴う初期変形性股関節症は骨切り術(寛骨臼移動術)の適応である。
3.60歳以上の末期変形性股関節症には、人工骨頭置換術を行う。
4.ステロイドパルス療法により、大腿骨頭壊死症の発生を予防できる。
5.壊死範囲が限局した大腿骨頭壊死症に対して、大腿骨頭回転骨切り術を行う。
解答:2.5
解説:12月14日 老年者の骨・関節疾患 プリント
   1.× P9 嚢胞形成は初期ではなく、もっと進んだ状態。
   2.○ P10  早い時期に股関節の構造を治せば(寛骨臼移動術)、関節症の進行を防止し、疼痛を除去できる。
   3.× P10 人工骨頭置換術でなく、人工関節置換術
   4.× P10 ステロイド投与が原因となる。
5・○ P11 広い壊死範囲だと大腿骨頭回転骨切り術が適応外なので、限局したものにはそれを行うかと…

(4)膝関節疾患について、正しい記載2つにOを付けよ。
1.変形性膝関節症に対して、大腿四頭筋訓練が有効である。
2.変形性膝関節症に対して、DMARDsの関節内注入が有効である。
3.わが国の変形性膝関節症では、外側関節裂隙に圧痛がある症例が多い。
4.膝関節内側に病変が限局した変形性膝関節症に対して、高位脛骨骨切り術が行われる。
5.化膿性膝関節炎による高度の膝関節破壊に対して、人工膝関節置換術が行われる。
解答:1.5?
解説:12月14日 老年者の骨・関節疾患 プリント
1. ○ P11、12 
2. × P11 ヒアルロン酸、ステロイドの関節内注射が有効
3. × P11 内側が多い
4. ? P12 「O脚をX脚へ」=O脚になっている変形性膝関節症の骨をもとの位置へということ。内側に限局している症例とは限らないかも…
5. ○ 標準整形外科学P198 関節破壊が進行した状態では、関節機能の再建を目的とした人工関節手術が行われ、膝関節では良好な結果が得られている。

(5)骨・関節疾患の薬物療法について、正しい記載2つにOを付けよ。
1.骨塩量値がYAMの82%であれば、骨粗鬆症の薬物療法の適応である。
2.骨粗鬆症の薬剤である活性化ビタミンD3は、骨折予防効果が証明されている。
3.関節リウマチの診断がついたら、まず6ヶ月間、NSAIDsの投与を行なう。
4.メソトレキサートは、関節リウマチに対して有効である。
解答:2.4
解説:12月14日 老年者の骨・関節疾患 プリント
   1.× P2 YAMが80%以上で、脊椎X線像で骨粗鬆化がなければ、正常
2. ○ P3 他に、エストロゲン、ビスホスフォネートなどがある
3. × P13 最初は強力な数種類のDMARDsやステロイドを併用し、数ヶ月ごとに漸減する
4. ○ P13 DMARDsのうちの一種

36.以下の設問で正しいものにはO、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
1.閉経年齢は人種差がなく約50歳である。( )
2.estrogen、LHともに低値であれば閉経と診断してよい。( )
3.原因のない無月経が3年以上持続した場合を閉経と診断する。( )
4.更年期とは閉経以降の数年間の時期で卵巣機能が廃絶する時期をいう。( )
5.更年期には卵胞のestrogenとinhibinが減少するのでFSHが上昇する。( )
6.閉経期には副腎からのDHEAも減少する。( )
7.更年期障害のうち血管運動神経症状はHot flushが多い。( )
8.精神神経症状や皮膚粘膜萎縮なども更年期障害に含まれる。( )
9.閉経後骨粗鬆症はestrogen欠乏による骨量減少が主因となって発症する。( )
10.HRTにおけるprogestogenの併用は子宮内膜の保護が目的である。( )
解答・解説 12月21日 加齢と生殖生理
1. ○ 閉経は国、気温などに影響を受けず、どの時代でも、どの地域でも50歳が平均である
2. × estrogenは↓↓、LHは↑↑(ちなみに、progesteronは↓↓)
3. × 1年以上
4. ○ 
5. ○ inhibinはFSHを低下させる働きをもつ
6. × estrogenは副腎皮質には抑制的に働くので、それが減少すれば、DHEAは上昇する。
7. ○ Hot flushとは胸より上が血管拡張で赤くなった後、急に収縮して手足が冷たくなること。ほてり、のぼせ、血管運動神経障害などがある
8. ○ 更年期の疾患に、更年期障害、心血管系疾患(←高脂血症)、骨粗鬆症、短期記憶障害、アルツハイマー型痴呆、皮膚の衰え、老人性膣炎、性交障害、尿失禁などがある。
9. ○ estrogen↓で、カルシトニン↓・副甲状腺ホルモン↓・小腸からのCa吸収↓・1,25(OH)2D3↓
10. ○ HRTにおいて、estrogenだけを投与すると、子宮内膜がんのリスクを高めるが、progesteronを併用すると、リスクが低くなる。

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