リハビリテーション 平成14年度本試験

平成15年度も同じ内容だった、とのことです。

【1】〜【3】が1/6井原先生、【4】〜【9】が12/1と12/8の高杉先生、【10】は不明、【11】が12/9豊永先生の出題。

【1】弓道をしている姿を思い浮かべて欲しい。矢を装着して弓の弦を張ろうとする際に見られる上・下肢の筋の活動順序は以下のどれが正しいであるか?
 a.上肢の筋が下肢の筋よりも早く活動する
 b.下肢の筋が上肢の筋よりも早く活動する
 c.上肢と下肢の筋は全く同時に活動する

【解答】b
授業で弓道についてのコメントはありませんでしたが、ボールをキャッチするときは足の筋がいち早く運動を始める、サッカーボールを蹴るときは支持足がまず反応、という話があったので。支える筋肉が一番に動くのだと思います。

【2】地下鉄に乗っている場合を考えてみよう。電車の中で前の方を向いて手摺りも持たずに立っているとしよう。電車が急に加速した場合、君の身体は後ろへつんのめろうとする。
この際、身体の平衡を保つ(転倒しない)ためには身体はどのような下肢の戦略を取るのであろうか。次のうち、誤っているものはどれか。
 a.片方の足を後へ踏み出し、バランスを取る。
 b. 腓腹筋が働いて足関節を底屈させて、バランスを取る。
 c.前頸骨筋が働いて足関節を背屈させて、バランスを取る。

【解答】b
底屈すると余計にバランスを崩すと思われます。
床が急に前に動いたときに反応する筋肉の順番は授業で出てきたと思いますが、メモできませんでした。
床が急に後ろに動く(体は前につんのめる)ときは腓腹筋→ハムストリングス→脊柱起立筋の順で働き、バランスを取ります。

【3】膝損傷のスポーツ選手に対しては、通常、損傷膝のリハビリテーションを積極的に実施することが多い。では、立位で片足を空で動かす場合、損傷側にとっては、以下のどちらが、より難しいであろうか。
 a.足を空で動かす側にした方が、より難しい
 b.身体を支える側にした方が、より難しい

【解答】b
1/6授業より
懸垂型不安定板(=吊り下がってゆらゆらする板)に足を乗せるとき、健側を板に乗せ、患側で支えた方が難しい、という話が出てきました。

【4】わが国の身体障害者数は、人口比で何%か?正しいものを一つ選べ。
 a.約0.3%
 b.約1%
 c.約3%
 d.約10%

【解答】c
12/1 4枚目

【5】身体障害者の実態について、誤っているものを一つ選べ
 a.年齢層では、「高齢者(65歳以上)」が過半数を占める。
 b.分類では、「肢体不自由」の人数が最も多い。
 c.疾患では、「脳血管障害」の人数が最も多い
 d.等級は、「1級〜5級」に区分される

【解答】d
12/1 4枚目。
d.等級は1~7級に区分される。

【6】社会福祉制度について、誤っているものを一つ選べ。
 a.「精神薄弱」という用語は、全て「知的障害」に置き換えられた。
 b.「国際障害分類(ICF)」は世界保健機構(WHO)が定めている。
 c.「介護保険制度」では、「要介護1」が最低である。
 d.「身体障害者の等級」は、「1級」が最重度である。

【解答】c
a. 12/1 プリント4ページ下
b. 12/8 プリント1枚目
c. 重症な順に、要介護5〜要介護1、その次に要支援、自立、と続きます。
d.1級が再重度、7級まで。手帳は6級から。

【7】福祉の理念について、誤っているものを一つ選べ。
 a.「段差の解消」は、バリアフリーの一つである。
 b.「シャンプー容器の側面のギザギザ」は、ユニバーサルデザインの一種である。
 c.「障害者を、健常者と分離して特別扱いにする事」は、ノーマライゼーションの理念である。
 d.「障害者の受容」のためには、身体機能の回復は必須ではない。

【解答】c
12/8  5ページ
ノーマライゼーション=「障害者を特別視せず…」

【8】リハビリテーションについて、誤っているものを一つ選べ。
 a.リハビリテーションの語源は、名誉・権利の回復である。
 b.リハビリテーションは、治療医学が終了してから開始する。
 c.リハビリテーション医学は、障害学である。
 d.リハビリテーションの発展は、疾病構造の変化によるところが大である。
 e.リハ医療では理学療法士・作業療法士などへの処方は、医師が行う

【解答】b
b.早期リハビリテーションがよい。(12/9講義より)
a.e.12/1プリント1枚目

【9】障害の3つのレベルについて、(a)(b)にあてはまる語句を書きなさい。
  国際障害初版では、機能障害、( a )、社会的不利であり、
  改訂版では、心身機能・構造、( b )、参加である。

【解答】a.能力障害 b.活動
12/8 1ページ 国際障害分類ICIDH(WHO1980年)と国際生活機能分類ICF(WHO2001年)

【10】脳卒中のリハビリテーションについて、正しいものはどれか。
 (1)急性期脳血流自動調節能が働かないから、リハ開始は4週以降とする。
 (2)脳卒中リハの基本は、移動動作の獲得である。
 (3)移動の獲得は、ヒトの正常な動きをたどり、再獲得することである。
 (4)片麻痺患者の80%は実用手となるが,歩行可能となるのは20%以下である 
 (5)右片麻痺患者の30%に失語症を合併するが,言語療法は無効である

【解答】?
すみません、わかりません…。

【11】次の記述に関して、正しいものには○、誤っているものには×を付けよ
 (1)リハビリテーション治療は後療法ではなく,外傷や疾病が起きた時から始めることが大切である。
 (2)誤用症候群の中に、肩関節亜脱臼や反張膝や末梢神経障害が含まれる
 (3)整形外科における術後の腓骨神経麻痺は,廃用症候群である
 (4)膝関節術前・術後の筋力増強訓練のquadriceps settingは,代表的なisotonic exerciseである
 (5)自動運動は他動運動に比べ静脈のPumping作用が強く浮腫が少なくなるため、深部静脈血栓症に有効である。
 (6)リハにおける医師の大切な役割は,予後予測とリスク管理である
 (7)頸髄損傷の「C7」とは,C7以下の麻痺を意味する(C7は麻痺)
 (8)C5(頸髄)車いすとベッドの移乗(transfer)はできない
 (9)頸髄中心型損傷の麻痺は,上肢から回復する
 (10)損傷で合併症の多い順は、尿路感染症・褥そう・呼吸器合併症である
 (11)脊髄損傷のリハでは,最近は起立・歩行訓練が少ないが,起立訓練は大きな意義がある
 (12)T5以上の損傷において,自律神経過反射をみることがある
 (13)L3(完全)レベルにおいては,短下肢装具で歩行可能となる
 (14)切断原因は,現在は血管原性(糖尿病足や閉塞性動脈硬化症)が多くなりつつあり、外傷性切断は減っている
 (15)切断部位は,膝温存の下腿切断が最も多く下腿義足の処方が多くなっている
 (16)切断の術後管理は、soft dressing 法より rigid dressing法のほうが多いが、前者の方が切断痛が少ない。
 (17)最近は大腿義足において、吸着式インテリジェント継ぎ手がよく使用される。しかし、高齢血管性切断者には適応が少ない。
 (18)大腿義足装着者では,健常人の50%増のエネルギー消耗度となる。
 (19)義肢装着後に最も問題となる事に,断端の神経腫や骨突起がある。
 (20)義足・装具の処方は,医師が行わなければならない。

【解答】12/9の講義。
(1) ○
(2) ○ 反張膝…先天性のものもありますが、左右差がある場合には外傷や手術による局所的な骨端軟骨板の損傷が考えられる。(標準整形外科)
(3) × 誤用症候群
(4) ○? 授業では出てきませんでした。Isotonic exercise…等張性訓練。力が一定に保たれている状態での短縮を行う。膝関節周囲の筋力強化にquadriceps settingは行われますが、それがisotonic exerciseの代表であるかはわかりませんでした。
(5) ○? 深部静脈血栓症の予防には自動運動が有効(標準整形外科)。自動運動が他動運動に比べ静脈のPumping作用が強いのかについてはわかりませんでした。
(6) ○ 
(7) × リハビリテーションの立場からは、残像機能高位表示が適切。C7頸髄損傷とは、第7頸髄の機能は残り第8頸髄以下の機能が消失していることを示す。
(8) ○ 「C5(頸髄)損傷では車いすとベッドの移乗(transfer)はできない」と問題文を勝手に解釈しました。移乗可能になるのはC6損傷から。12/9の講義ノートではC7まで保たれたら移乗可能、と書きましたが、C6も上腕三頭筋を支配しているので、移乗は可能になるようです。
(9) × 下肢から回復
(10) × 損傷=脊髄損傷 と判断しました。何といっても褥瘡が一番!(50~80%) 次にくるのが尿路感染症。
(11) ○ 「最近少ない」が正しいかどうかはわかりませんが、起立訓練は大事だ、という話があったので○と判断しました。
(12) ○ 
(13) ○ 授業では出てきませんでした。短下肢装具=膝から足につける装具。L3レベルでは、腸腰筋、内転筋群が完全に機能し、大腿四頭筋は弱いが機能する。短下肢装具に松葉杖か一本杖を使っての歩行ができる。(『理学療法ハンドブック』)
(14) ○ 
(15) ? 膝温存のほうがQOLは良くなりますが…。すみません。
(16) ×? 授業での説明はなかったと思います。Soft dressingとは、古くから行われてきた方法で、断端を弾性包帯でまくものです。簡単に行えるのがメリットです。Rigid dressingとは、断端を弾性のないギプスなどを用いて固定する方法です。(『理学療法ハンドブック』)Rigid dressingの方が一般的に行われているものの、より痛みを伴うのはsoft dressingのようです。Rigid dressing は病巣をきちんとチェックしないと感染を起こしやすい、というデメリットがあります。外傷、悪性腫瘍による切断に適応が多く、糖尿病、血管病変による切断では適応が限られます。http://www.vard.org/jour/01/38/3/choud383.htmも参考にしました。
(17) ○? 授業でインテリジェント膝継手の適応範囲の説明はありませんでした。活動性の高い切断者にはインテリジェント膝継手がよいが、高齢者、幼児、重複障害者では固定膝がよい。(『標準整形外科』)
(18) ? 
(19) ○ 
(20) ○

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