症候学 平成15年度本試験

平成16年1月9日実施
1ページ目(担当:林純)
次の各問いについて下記の解答群より選び答えなさい。
A.@のみ正しい  B.@Aが正しい  C@AB正しい  D.Cのみ正しい  E.全て誤っている

1.呼吸器症状に関することで正しい組み合わせを選べ。
@肺・胸隔が硬くなり、肺活量の低下がみられるのが拡散障害である。
Aタンパク量が2.5g/dl以下の胸水は滲出液である。
B過換気症候群は心性呼吸困難である。
C喀血は泡沫がみられ、凝固する。

解答:E 授業プリントより
@×拡散障害→○拘束性換気障害
A×滲出液→○漏出液
B×心性→○心因性
C×凝固する→○凝固しない

2.次のうち、正しい組み合わせを選べ。
@胸部X線像におけるvanishing tumor shadowは悪性所見の一つである。
A気管支喘息ではfine crackleが聴診される。
B肺吸虫症は腹膜炎の原因となる。
CGoodpasture症候群は肺出血と消化管出血である。

解答:E 授業プリントより
@×悪性所見の一つである→○腫瘍と見間違えやすい
A×fine crackle→○wheezes
B?選択肢より 腹膜炎ではなく気胸の原因になるらしいですがよくわかりません 
C×消化管出血→○腎出血

3.腹痛に関することで正しい組み合わせを選べ。
@内臓痛は緊急手術適応のことが多い。
A腹部所見で筋性防御は内臓痛と関連がある。
B急性腎孟腎炎は緊急手術の適応である。
C急性腹症とは緊急手術が絶対適応の疾患群である。

解答:E 授業プリントより
@プリントNO.4  しないほうがいいです
A内蔵痛ではなく体性痛と関連
BプリントNO.4  適応ではありません
C適応でないものもあります

4.次のうち、正しい組み合わせを選べ。
@グルクロン酸非抱合型の直接ビリルビンは尿に排泄される。
ATreiz靭帯の肛側の出血では吐血する。
B100mlの出血があるとタール便になる。
C500mlの出血があるとショック状態となる。

解答:E 授業プリントより
@×非抱合型→○抱合型
A×吐血→○下血
B×100→○1000
C×500→○1250

5.次のうち、正しい組み合わせを選べ。
@潰瘍性大腸炎の病変は非連続性である。
A嚥下障害の原因として食道静脈瘤が考えられる。
B尿管結石による急性腹症は一般に緊急手術を考慮する。
CHunterの舌炎は猩紅熱の所見である。

解答:E 授業プリントより
@×非連続→○連続  非連続性はクローン病です
A×食道静脈瘤→○逆流性食道炎
Bよくわかりませんがたぶん×です
C×hunterの舌炎→○strawberry tongue

2ページ目(吐血・下血、意識障害)
1)次の文章で正しいものには○,間違っているものには×をつけよ
(1)鼻出血で下血をきたすことはない.
(2)失神とは,意識消失が突然起こり,かつその持続時間が短い状態をいう.
(3)尿毒症性昏睡では,低血圧となる.
(4)新鮮血下血の患者における第一選択の検査は,注腸造影である.
(5)傾眠とは,目を閉じて眠っているようであるが,強い疼痛刺激に対して開眼する状態をいう.
(6)空腸腫瘍からの中等量以上の下血は通常,黒色便となる.
(7)Kussmaul大呼吸を呈する意識障害患者では,脳出血を疑う.
(8)吐血は通常,暗赤色を呈し,泡を含む.
(9)熱射病の意識障害は,低体温性昏睡を呈する.
(10)一般的に2000mlの吐血があれば意識は混濁し、乏尿となる.
(11)吐血は十二指腸乳頭部からの出血でも起こりうる.
(12)吐血・下血患者の診察に際しては,まずバイタルサインのチェックが必要不可欠である.
(13)Glasgow coma scale2点は昏睡状態である.
(14)喀血患者の喀出物はアルカリ性反応を示す.
(15)非ステロイド系抗炎症剤服用中の患者が吐血した場合,まず食道潰瘍を疑う.
(16)アルコール過飲後,嘔吐とともに吐血した場合,Mallory-Weiss症候群が疑われる.
(17)上下肢を回内伸展した姿勢の意識障害患者では,間脳レベルでの脳損傷が疑われる.
解答  授業プリントより
1○  P3
2○  P4
3×  P5 高血圧になります
4○? P3 プリントは大腸内視鏡検査または注腸造影となっています 
5×  P4 昏迷のことです
6○  P3
7×  P5 脳出血ではなく糖尿病を疑います
8×  P1 泡は含みません
9×  P5 低→高
10○ P2 
11○ P1
12○ P2 
13○ P5
14○ P1
15× P3 急性胃粘膜病変を疑います
16○ P3
17× P5 中脳か橋上部の被蓋部の病変

2)次の表の空欄に下段の選択項目から適切な語句を選び,記号を記入せよ.
ただし選択項目には不適切な語句,ならびに解答が重複する語句も含まれる.
(A)覚醒の臨床的評価法としてよく用いられるJapan Coma Scale
T刺激しないでも覚醒している状態
1.(18)とはいえない
2.(19)がある
3.自分の名前,(20)が言えない
U刺激すると覚醒する状態
10.(21)で容易に(22)する
20.痛み刺激で(23)する
30.痛み刺激を加えつつ(24)を繰り返すとかろうじて(25)する
V刺激をしても覚醒しない状態
100.痛み刺激に対し,払いのけるような動作をする
200.痛み刺激で少し手足を動かしたり顔をしかめる
300.痛み刺激に(26)しない
【選択項目】
a.発語  b.生年月日  c.閉眼  d.意識混濁  e.呼びかけ
f.反応  g.見当識障害  h.開眼  i.住所  j.意識清明

解答  授業プリントより
18 j
19 g
20 b
21 e
22 h
23 h
24 e
25 h
26 f


3ページ目
(B)意識障害の鑑別診断
意識障害…明らかな誘因
     ・あり−(27)、ガス・薬物中毒、インスリン注射、熱射病
     ・なし…発症形式
         ・突然…局所障害を示唆する神経症状
                    ・あり−(28)
                    ・± −てんかん
                    ・なし−(29)
         ・亜急性または反復性…局所障害を示唆する神経症状
                    ・あり…炎症所見
                        ・あり−(30)
                        ・なし−(31)
                    ・なし−代謝性疾患(DM、肝、腎、肺)、(32)
【選択項目】
a.心疾患(Adams-Stokes症候群、心筋梗塞)  b.慢性硬膜下出血
c.頭部外傷(脳震盪、脳挫傷、硬膜外血腫)  d.炎症性疾患(脳炎、髄膜炎)
e.高血圧性脳症  f.脳血管障害(出血、梗塞、クモ膜下出血)

解答 授業プリントより
27 c
28 f
29 a
30 d
31 b
32 e


4ページ目(担当:名和田新)
1.下記の各設問に適切な言葉を回答欄に記入しなさい。
生体内ビリルビンの由来は(1)が70%を占め、残り30%は(2)、及び(3)である。
血清間接型ビリルビンは肝細胞に取り込まれ(4)抱合し、直接型ビリルビンとなり、毛細血管より胆汁内に排泄され、腸内細菌により還元され、(5)となる。
間接型高ビリルビン血症を呈する疾患として、無効造血の病的増加による(6)と溶血の亢進する(7)があげられる。
体質性黄疸を来す疾患として間接型高ビリルビン血症を呈し、間接型ビリルビンの肝細胞への移送障害を来す(8)と、ビリルビン抱合障害を来す(9)と直接型高ビリルビン血症を呈し、ICG試験が高度異常を来す(10)があげられる。
肝外性閉塞性黄疸では尿中ビリルビンは(11)し、糞便は(12)色を呈し、一方溶血性黄疸では尿中ビリルビンは(13)する。

解答 授業プリントより
1 老廃赤血球
2 肝ヘム蛋白
3 無効造血
4 グルクロン酸
5 ウロビリノーゲン
6 ?シャントビリルビン血症
7 溶血性黄疸
8 Gilbert症候群
9 Crigler-Najjar症候群
10 Rotor症候群
11 上昇
12 灰白
13 低下

2.次の症候及び特徴を示す疾患名を一つ挙げなさい。
@クモ状血管腫、手掌紅斑、腹水           →肝硬変
A標準体重の−20%以上のやせ、食行動の異常、若い女性に多い    →神経性食欲不振症
B満月様顔貌、中心性肥満、血中コルチゾール高値    →クッシング症候群
C遺伝性肥満、知能障害、筋力低下、性機能低下     →?prader-willi症候群

3.次の言葉を100字以内で説明しなさい。
@Courvoisier徴候
    胆嚢より下方の胆管が閉塞することによって胆嚢が無痛性に腫大すること

AMetabolic syndrome
    内臓肥満やインスリン抵抗性を背景に高血圧や糖尿病、 高脂血症などの動脈硬化の危険因子が重なって起こる病態で、腹部肥満、耐糖能異常、高トリグリセリド血症、低HDLコレステロール血症、高血圧の3つ以上を保有する場合のこと

BBMI(body mass index)
    身長の二乗で体重を割ったもので、22でもっとも有病指数が低いとされている。これによって理想の体重を知ることが出来る。22より低すぎる場合は感染症などにかかりやすくなり、高すぎる場合は糖尿病などにかかりやすくなる

C内臓脂肪
    大網、小網、腸間膜、腹膜直下、腎周囲などの脂肪組織にたまる脂肪

5ページ目
次の文章は発熱、皮膚、腫瘤、貧血の症候学について述べたものです。( )内に適切な語を入れ、その番号にしたがって下段に記せ。
1.内因性発熱物質としては(1)、IL−1、IL−6、IFNがよく知られており、これらは体温中枢の(2)を刺激し、その結果発熱が生じる。
2.不明熱の原因として最も多いのは感染症であるが、その他に(3)や(4)も重要である。
3.貧血の発生機序には出血および、赤血球の(5)と破壊亢進であり、破壊亢進の代表的疾患は(6)である。
4.貧血は赤血球指数によって、小球性貧血、正球性貧血、大球性貧血に分類されるが、小球性貧血および大球性貧血の代表的疾患はそれぞれ(7)と(8)である。
5.最も高頻度に見られる貧血は(9)であり、MCHは(10)を示す。
6.黄疸は赤血球の破壊により生じた(11)が血中で過剰となり全身の組織に沈着した状態で、血中濃度が(12)mg/dl以上に増加すると眼球結膜の黄染が見られる。
7.種々の原因で止血が困難になると出血傾向が見られる。原因は大きく@血小板減少による一次止血異常、A(13)の量的・質的異常による二次止血異常に区別され前者では(14)が、後者では深部出血が特徴的である。
8.リンパ節腫脹は@感染症による腫脹、A感染症以外の反応性腫脹、B悪性腫瘍による腫脹に分類されるが、感染症リンパ節腫で肉芽腫を形成する(15)は最近注目されており、悪性腫瘍によるリンパ節腫脹は(16)が最も多い。
9.脾腫は感染症、膠原病、血液疾患などに伴って見られるが、高度の脾腫がみられるのは血液疾患では慢性白血病と(17)、肝疾患では肝硬変と(18)である。
10.高度の貧血、出血傾向、発熱が遷延する場合、鑑別すべき最も重要な血液疾患は(19)と(20)である。

解答 授業プリントより
1 TNF−α
2 PG受容体
3 悪性腫瘍
4 膠原病
5 産生の障害
6 溶血性貧血
7 鉄欠乏性貧血
8 巨赤芽球性貧血
9 鉄欠乏性貧血
10 低値(<80fl)
11 ビリルビン
12 2〜3
13 血液凝固因子
14 紫斑
15 結核
16 悪性リンパ腫
17 骨髄線維症
18 門脈圧亢進症
19 白血病
20 多発性骨髄腫
                         おわり

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