免疫・移植の臨床 平成12年度本試験

1.表1は、同種骨髄移植後の急性GVHD(中等症以上)の頻度を示しています。この表から言えることを5つ記せ。
表1

HLA適合度 GVHD予防法 日本(%) 米国(%)
血縁者間移植
  遺伝子型適合(兄弟間移植) MTX 27 34
CSP 31 54
MTX+CSP 5 33
  表現型適合(親子間移植) MTX+CSP 25 37
  一座不適合 MTX+CSP 47 61
非血縁者間移植
  適合 MTX+CSP 32 78

<解答>
(1)日本のほうが、米国に比べて急性GVHDの発症頻度が低い。
(2)遺伝子型適合による移植での結果を見ると、MTX、CSP単剤投与より、MTX+CSP2剤投与のほうが、急性GVHDの発症頻度が低い。
(3)同じ予防法(MTX+CSP)で比較すると、日本でも米国でも遺伝子型適合(兄弟間移植)が一番急性GVHD発症率が低い。
(4)日本では、同じ予防法(MTX+CSP)で比較すると、血縁者間一座不適合での移植の場合が一番急性GVHD発症率が高い。
(5)米国では、同じ予防法(MTX+CSP)で比較すると、非血縁者間HLA適合での移植の場合が一番急性GVHD発症率が高い。
<解説>
GVHD(graft versus host disease):移植片対宿主病移植骨髄中のリンパ球やその前駆細胞が宿主を非自己と認識して攻撃する病気のことです。これには急性GVHDと慢性GVHDの2種類があり、前者は移植後2週間ころに、後者は移植後約3ヶ月ころに、皮膚の紅皮症、発熱、下痢、黄疸などで発症します。これらに対しては、副腎皮質ステロイドやシクロスポリンなどの投与を行います。
MTX:メトトレキサート。葉酸代謝拮抗性免疫抑制。
CSP:シクロスポリン。T細胞のサイトカイン産生抑制による免疫抑制。
HLAが一致しているのに、何故拒絶反応が起こるのでしょうか。それはHLAを規定している遺伝子は第6番染色体にあり、染色体は2本のペアになっているので、対立遺伝子が存在し、表現型が同じでも遺伝子型は一致しない場合があります。骨髄移植に際して一致させているHLAは原則として表現型なので、遺伝子レベルでは異なる可能性が十分にあり、この微妙な違いが拒絶反応を引き起こすのです。
その為、単一民族国家に近い日本に比べ、米国のGVHD発症率は高くなっています。

2.図1は、移植のタイプおよびGVHD発症と移植後白血病再発の関係を示した図です。この図から、言えることを3つ記せ。

(1)同種骨髄移植と比べて、同系骨髄移植は移植後白血病再発率が高い。即ち対立遺伝子が異なる可能性の低いほうが、再発率が高いということが分かる。
(2)同種骨髄移植の中では、T細胞除去骨髄移植が白血病再発率が高い。即ちGVHDを引き起こす原因と言われているT細胞を除去すると、再発率が高くなるということが分かる。
(3)急性GVHD、慢性GVHD、それと両方発症した場合を比較すると、再発率が高い順に並べて、急性GVHD>慢性GVHD>両方発症となる。これはGVHDがより重症化している時のほうが再発率が低くなるということが分かる。
<解説>
移植に際して輸注されたリンパ球が残存白血病細胞を攻撃することで、移植後再発率が低くなることが分かっています。これをGVL(graft versus leukemia)効果と呼んでいます。従って、いかにして重篤なGVHDを起こさずにGVL効果を引き出すことが出来るかが課題となっています。(STEP感染症・血液p.259〜260参考)
図1

3.輸血後GVHDの予防法を2つ記せ。
(1)白血球除去フィルターで白血球の混入を防ぐ
(2)輸血する血液に放射線照射し、リンパ球数を減らしたり、その機能を抑制したりする。
<解説>
授業では、全てのT細胞を取り除くと、ドナーの造血幹細胞がレシピエントのリンパ球に攻撃され排除されてしまうので、移植片がレシピエントに生着するためには最低でも5×10^5cells/kg in the graftが必要だ、とのことです。

4.臍帯血バンク・移植の利点と問題点を2つずつ列記せよ。
利点
・ドナーの負担がほとんどない
・移植までの時間が短い
・CMVなどの感染症のリスクが低い
・GVHDが軽い
問題点
・ドナープールを作っておかなければならない。
・採取量に限界がある
・出生早期の不顕性疾患が移行する可能性がある
・造血能回復の遅延
・腫瘍性疾患に対する治療効果(GVL効果)が期待できないのではないか

5.正しいものに○をつけよ。
( )視床下部・下垂体・副腎系は一般に免疫系に抑制的に働く
( )炎症性サイトカインは視床下部・下垂体・副腎系を活性化する
( )炎症性サイトカインは一般に性腺系を活性化する
( )視床下部・下垂体・甲状腺系は一般に免疫系を活性化する
( )成長ホルモンは免疫系を一般に活性化する
( )炎症性サイトカインは一般に視床下部・下垂体・甲状腺系を抑制する
<解答・解説>
1.○:視床下部・下垂体・副腎系では副腎皮質ステロイドの分泌を促進し、副腎皮質ステロイドは免疫系を抑制する働きがあります。
2.○:炎症性サイトカインは視床下部・下垂体・副腎系を活性化して免疫抑制作用をもつ副腎皮質ステロイドの放出を促進させる。これは免疫反応の暴走に歯止めをかけるフィードバック作用であると考えられます。HPA系の活性化の鍵はコルチコトロピン放出因子(CRF)を産生する室傍核細胞にあります。
3.×:代表的な炎症性サイトカインであるIL−1は、IL−6やTNF−αなどと同様に、CRHの分泌を促す(上述したとおり)。このCRHを介して甲状腺系や性腺系に対して抑制的に作用します。
4.○
5.○
6.○:ネガティブフィードバックですかね?

6.正しいものには○、誤っているものには×を( )内に記入しなさい。
1.胎児・胎盤系は母体に対して父系抗原を有する半同種移植片である。( )
2.プロゲステロンはTh0細胞からTh2細胞への分化を促進する。( )
3.Th2細胞から産生されるエストロゲンはトロホブラストを刺激する。( )
4.流産や妊娠中毒症においてはTh1細胞の活性が増加している。( )
5.絨毛細胞が発現するHLA−G抗原によりNK細胞からの攻撃が回避される。( )
6.血液型不適合妊娠ではIgM抗体が胎盤を通過するために溶血を起こす。( )
7.習慣流産の原因として抗リン脂質抗体症候群を考慮することが重要である。( )
8.抗リン脂質抗体症候群では低容量アスピリンとヘパリンを併用する。( )
9.抗精子抗体を保有する女性不妊症では体外受精・胚移植が有効である。( )
10.顕微授精は抗精子抗体を保有する男性不妊症に有効である。( )
<解答・解説>
1.○:妊孕現象は、母体にとって父系抗原を有する半同種移植片semiallograft=異物である妊卵、胎児・胎盤系が免疫学的に拒絶されることなく、生着・発育する現象です。
2.○:妊娠黄体ならびに胎盤から産生されたプロゲステロンはTh0細胞からTh2細胞への分化を促進します。
3.×:Th2細胞から産生されるIL4、IL6(×エストロゲン)はトロホブラストからのhCG放出を促進し、hCGは妊娠黄体からのプロゲステロン産生を亢進します。
4.○:妊娠時はTh2細胞がTh1細胞に対し、優位となっている。流産や妊娠中毒症では、Th1細胞が活性化されているとの報告があります。
5.○:絨毛細胞はclassical HLA抗原を発現しておらず、多型性に乏しいnon-classical HLA抗原であるHLA−G抗原を発現しています。この特異な抗原性が、絨毛細胞をNK細胞からの免疫的攻撃を阻止するメカニズムである可能性があります。即ち、HLA−G抗原はNK細胞上のkiller inhibitory receptorを刺激して、NK細胞の攻撃を回避している可能性があります。
6.×:胎盤を通過するのはIgG抗体です。(IgM抗体は通過出来ません。)
7.○:その通りです。
8.○:病態が不明なことが多く、治療方針は決まっていないが、低用量アスピリン療法、ヘパリン療法を行うとプリントに書いてあります。
9.○:女性では抗精子抗体のない体外環境で受精を成立させるため、有効。
10.○:顕微授精=卵細胞内精子注入だと思うので、正解だと思います。

7.胎児・新生児の免疫に関する記述のうち正しいものに○、誤ったものに×を記せ。
( )T細胞は胸腺において抗原認識の多様性、MHC拘束性、および自己寛容性を獲得する。
( )新生児は成人に比して好中球走化能が低く、補体価も十分でないため敗血症や膿皮症をおこしやすい。
( )新生児は母乳より分泌型IgA、胎盤を介してIgGを受動免疫として賦与される.したがって、この時期の高IgG血症も移行抗体によることが多い。
( )2歳未満の児では、莢膜多糖体を有する細菌(encapsulated bacteria)に対する感染防御抗体の産生がよくない。
( )未熟児の末梢T細胞のCD4/CD8比は低く、CD45RA陽性細胞が少ない。PHA反応も成人より不良である。
<解答・解説>
1.○
2.○
3.○
4.○:莢膜多糖体を有する細菌=グラム陰性桿菌のインフルエンザ桿菌、髄膜炎菌、肺炎球菌などに対する感染防御抗体としてIgMがあり、IgMはオプソニン活性により感染防御の役目を果たす。
5.×:全く逆。PHAとは、Tリンパ球を増殖させるphytohemagglutininというマイトジェン(=休止期にあるリンパ球を抗原非特異的に刺激して芽球化させ、分裂増殖を促す物質)の一種。

8.旧来からの梅毒反応(STS,あるいはWassermann反応)と抗リン脂質抗体症候群の抗原性について述べなさい。
<解答>
抗リン脂質抗体症候群である場合、梅毒抗原に対する反応(TPHA)が陰性であるにも関わらず、脂質抗原(カルジオリピン抗原)と反応する抗体が陽性となる、梅毒血清反応の生物学的偽陽性(BFP)となる。
<解説>
抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome=APS)とは、血中に抗リン脂質抗体が証明され、動静脈血栓症、習慣性流産、血小板減少をきたす自己免疫疾患である。この症候群は、全身性エリテマトーデス(SLE)などの自己免疫疾患に合併することが多い。

9.下記のキーワードを利用して、腫瘍局所における樹状細胞の腫瘍抗原認識から所属リンパ節における細胞傷害性T細胞(CTL)の誕生および腫瘍細胞排除までのシナリオを説明しなさい(図で示しても良い)。
 キーワード:腫瘍細胞,内在性抗原,外在性抗原,樹状細胞,抗原提示細胞,貪食,輸入リンパ管,ケモカインレセプター,抗原ペプチド,腫瘍,組織適合遺伝子複合体産物(MHC),T細胞レセプター,MHC classT分子,MHC classU分子,CD8陽性T細胞,CD4陽性T細胞,サイトカイン,インターフェロンガンマ(IFN−γ),インターロイキン−12(IL−12),細胞傷害性T細胞,MHC/抗原複合体,T細胞の活性化
<解答例>
 腫瘍は抗原性が不均一なため、それに対応する免疫も様々な反応をして対応する。
 腫瘍細胞が外在性抗原となる場合、それを樹状細胞が貪食・分解し、抗原プロセッシングを行いつつ、所属リンパ節の輸入リンパ管に到達し、抗原ペプチドを組織適合遺伝子複合産物(MHC)の1つであるMHC classU分子と結合させ、MHC/抗原複合体として細胞表面に抗原提示する。これをCD4陽性T細胞が認識し、T細胞の活性化が起こる。

 まず活性化したCD4陽性T細胞のうちで、Th1細胞は主にサイトカインであるインターフェロンガンマ(IFN−γ)やIL−2を産生し、CD8陽性T細胞の分化、活性化を行う。この活性化されたCD8陽性T細胞は細胞傷害性T細胞となり、腫瘍細胞をパーフォリンなどの膜傷害性糖タンパクで破壊したり、腫瘍細胞のFas抗原に結合してアポトーシスを誘導したりして破壊する。

腫瘍細胞が内在性抗原となり、その分解産物がMHC classT分子に結合してMHC/抗原複合体として細胞表面に表出されている場合は、それをCD4陽性T細胞が認識し、T細胞の活性化が起こる。それ以降のメカニズムは上述した通り。

尚、最近では抗原提示細胞によって産生されたインターロイキン−12(IL−12)により、癌抗原感作T細胞におけるケモカインレセプターの発現が亢進され、このケモカインレセプターがさらに癌局所で産生されたMIPにより刺激を受け、T細胞の腫瘍周辺血管への接着能が高くなり、その結果腫瘍部への遊走能が高まることが分かっている。

<解説>
なお、MHC classT分子の発現が低い腫瘍細胞も存在する。このような場合はNK細胞が認識、破壊に大きく貢献している。詳しくは戸田新細菌学改訂第32版p339を参照してください。

10.
1.HIVの感染経路について記せ。
性行為、HIVに汚染された血液の受注(輸血など)、母子感染

2.AIDS発症と確定診断される日和見感染症を?つ記せ。
カリニ肺炎、カンジダ症、CMV、カポジ肉腫など

3.HIV感染患者の治療について述べよ。
逆転写酵素阻害剤とプロテアーゼ阻害薬の併用療法(HAART療法)
<解説>
きわめて強力な抗レトロウイルス治療highly active antiretroviral therapy(HAART)」が登場して以来、HIV感染者は、複数の抗HIV剤を組み合わせて服薬している場合が多い。3剤(ヌクレオシド類似体2剤+プロテアーゼ阻害剤1剤)併用により、単剤投与に比べて薬剤耐性ウイルスの出現が抑制される。(戸田新細菌学改訂第32版p.273より)

11.以下の文章の内、正しいものの番号に○印をつけよ。
1.( )細胞性免疫とはB細胞による抗体産生系による生体防御機構をさす。
2.( )IL−4は液性免疫を誘導する。
3.( )脾臓摘出術後は,特に莢膜を有する細菌による敗血症を起こすリスクが高い。
4.( )遺伝性家族性の血球貪食症候群は、多くが乳児期に発症し予後不良である。
5.( )Toxic Shock Syndromeおよび新生児TSS様発疹症は、A群レンサ球菌由来のスーパー抗原であるTSST−1が関与していることで共通している。
<解答・解説>
1.×:細胞性免疫はマクロファージ、CTLなどの細胞による生体防御機構。
2.○:IL−4は休止中のB細胞に作用して増殖を促す因子として同定されました。(戸田新p.388より)
3.○:莢膜を有する細菌は感染に際し、食細胞の食菌作用に抵抗性を持ち、自然免疫のみでは排除しにくい。このような細菌には、IgMを中心とするオプソニン効果が非常に重要で、抗体産生を促進しなければならない。ここで、このような細菌(抗原)が直接血管系に入った場合、脾臓の辺縁帯に存在する樹状細胞によって抗原処理され、抗体産生が促進されるので、脾臓を摘出した場合には抗原産生が菌の増殖に追いつかず、敗血症になるリスクが高くなる。(戸田新p.47莢膜のところを読んでね)
4.○:いろいろ調べたけど、教科書には載ってないし、授業中に言ったのかな?プリントにも載ってないし。ネットで調べたら英文論文にどうやらそれらしき文章発見。化学療法を用いても予後は非常に悪く、5年生存率が10%と書いてあるんだけど。
http://www.mednet.gr/eae/haema/h32-6.htm参照)
5.×:TSSは黄色ブドウ球菌が産生するTSST−1が関与しており、新生児TSS様発疹症はMRSAと関連している。A群レンサ球菌が原因になるのはToxic shock like syndrome(TSLS)です。

12.Th1細胞とTh2細胞の機能をそれぞれ簡単に述べよ。
Th1細胞:細胞性免疫、IL−2、INF−γの産生
Th2細胞:液性免疫、IL−4,5,10の産生、免疫グロブリン生成に関与

13.血球貪食症候群Hemophagocytic lymphohistiocytosis(HLH)でみられる主な臨床症状、検査所見を4つ以上あげよ。
1.発熱(ピーク時が38.5度以上、7日間以上の持続)
2.脾腫(肋骨下3cm以上)
3.血球減少(骨髄が低形成でなく、末梢血でも2〜3系統の減少)
4.ヘモグロビンが9.0g/dl以下

14.経胎盤性獲得性胎児・新生児自己免疫疾患を3つあげよ。
1.新生児ループス
2.新生児Basedow病
3.新生児溶血性貧血
4.重症筋無力症
5.新生児ITP(特発性血小板減少性紫斑病)

15.正しいものはどれか。a−eより正しい組み合わせを選べ。
1.心理・社会的ストレスにより免疫機能が抑制されることがある。
2.喪失体験、対人ストレスなどにより口唇ヘルペスが再発することがある。
3.うつ病では、PHA反応が上昇していることが多い。
4.自然災害は、ストレッサーとして作用することはない。
5.乳癌では、「前向き」に病気を受容している患者は予後不良であることが多い。
a.(1,2)  b.(2,3)  c.(3,4)  d.(4,5)  e.(1,5)
<解答・解説>
解答:a
解説:ストレスで免疫は抑制されるということが分かっていれば解けます。PHA反応は上述しています。

16.正しいものはどれか。a−eより正しい組み合わせを選べ。
1.神経系と免疫系はそれぞれ独立したシステムで動いており、相互作用はない。
2.神経系と免疫系は共通の情報伝達物質、受容体機構をもつ。
3.発熱を誘導する代表的サイトカインとしてIL−1とIL−6がある。
4.視床下部を破壊しても免疫機能はまったく影響を受けない。
5.脳幹網様体を破壊すると遅延型過敏反応は抑制される。
a.(1,2)  b.(2,3)  c.(3,4)  d.(4,5)  e.(1,5)
<解答・解説>
解答:b
解説:神経系、免疫系はそれぞれ相互作用しており、その協調によって人体のホメオスタシスが維持されています。従って1、2、4は×、○、×です。3はその通り。5はよく分かりませんが選択肢より×。

17.以下の内、肝移植の禁忌とならないものを1つ選べ
a.転移性肝癌
b.原発性肝癌
c.進行した心肺腎障害
d.肝胆道系以外の重症感染症、敗血症
e.AIDS発症者
<解答>b
<解説>
転移性肝癌だと、肝臓移植する前に原発巣をどうにかしたほうがよいでしょう。進行した心肺腎障害では手術に耐えられないでしょう。重症感染症、敗血症も同様。AIDS発症者に肝移植しても、根本的治療とはならないのでは。

18.以下の内、劇症肝炎の肝移植適応基準項目として不適当なものを1つ選べ
a.患者年齢>45歳
b.急性型(黄疸から脳症発症まで10日以内)
c.プロトロンビン時間(%)<10%
d.総ビリルビン値≧18mg/dl
e.直接ビリルビン/総ビリルビン比≦0.67
<解答>b
<解説>初発症状から脳症発現までの日数が11日以上(亜急性型)が適応基準らしいです。つまり亜急性型(初発症状から脳症発現まで11日以上)なら正解。以上の5項目のうち、2項目以上を満たす場合は、肝移植を行う。(http//www8.ocn.ne.jp/~halfboil/criteria/tab-b10.html参照)

19.肝移植に関して正しいものを2つ選べ
a.肝移植では、HLAの適合したドナーが選択される。
b.最近の移植後の1年生存率は50%前後である
c.日本ではこれまで約1000例が行われており、大部分は生体移植である。
d.血液型不適合移植の場合、成人例では肝生着率は約30%である。
e.門脈血栓症は肝移植の禁忌である。
<解答>
c、e?
<解説>
aは誤り。肝移植では「血液型」の適合したドナーが選択されます。
ではbcdのうちどれが○か、ということになりますが、この点は自信がありません。
ただいくら何でも1年生存率が50%は低すぎると思います。手持ちの教科書で1988年時点の欧州での1年生存率が70%を超えてますし。よってbは×。
cは00年度時点では○である可能性があります。(94年度までで200例ほどらしいので)ただこれが○かどうかを議論するのはばからしいので、今年7月までに生体肝移植が2800例(うちドミノ12例)、脳死肝移植が25例施行されていることを頭に入れておきましょう。
dについては資料が見つからなかったのでわかりません。
eは多分○。肝移植の相対的禁忌として門脈血栓があげられています。
http://www.med.osaka-u.ac.jp/pub/surg2/www/group/livertranspl/patient/tspl.html

20.サイトメガロ感染につき間違ったものを2つ選べ
a.サイトメガロウイルスはDNAウイルスである。
b.日本人成人は90%が抗体陽性である。
c.サイトメガロ感染の診断にはIgM抗体の測定が有用である。
d.サイトメガロ感染症の治療には抗ウイルス薬のアシクロビルが有効である。
e.肝移植後のサイトメガロ感染症の致命率は50%である。
<解答>
d、e
<解説>
a.CMVはDNAウイルスです。
b.日本人成人は80〜90%抗体陽性です。
c.その通り。
d.は明らかに間違い。無効です。(戸田新p.276参照)
e.ということは2つ目の間違いはeなんですかね?

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