免疫・移植の臨床 授業ノート

<<免疫・移植の臨床>>
※ プリントが配られなかった9/1の講義については少し詳しくまとめて、その他の講義については先生が大事、試験に出るとおっしゃったところなどを記しておきます。
※"◎"のついてるところは、一応、大事と思われるところです。

☆ 9/1 移植(3)臓器移植(副島先生)
この回は授業中にプリントが配られていないので、以下に簡単にプリントの内容をまとめておきます。十分気をつけたつもりですが、写し間違いなどがあったらすみません。プリントの欲しい方は、授業のあと外科の事務室(?)までプリントをもらいに行った人が何人かいると思いますので、その人達からコピーさせてもらってください。

◎特に先生が覚えておくようにいったところ
● 臓器移植と免疫抑制剤の歴史(プリントp1)
・ 1997年 臓器移植法が施行(10月16日)
● 拒絶反応の種類(p7)
・ Hyper Acute Rejection(超急性拒絶反応)
移植後24時間以内→今はほとんどない(異種移植、既存抗体陽性の場合だけ)
・ Accelerated Acute Rejection(促進型急性拒絶反応)
移植後1週間以内→治療:MP pulse + OKT3 or ALG/ATG、血漿交換
・ Acute Rejection(急性拒絶反応)
移植後3ヶ月以内/主に細胞性免疫
→治療:MP pulse ,OKT3,ALG/ATG,DSG
・ Chronic Rejection(慢性拒絶反応)
移植後6ヶ月以降/機序は不明
→治療:基本的にはなし、抗凝固剤などを時に使用
※「急性拒絶反応」のところは特に大事らしい…?
● 免疫抑制剤の作用機序(p7)
・ CyAとFK506はCalcineurin inhibitor

〜プリントのまとめ(プリントp1−10)〜
● 臓器移植と免疫抑制剤の歴史
<臓器移植>
・1963年:世界初の死体肝移植 
・1967年:世界初の心移植
・1989年:国内初の生体部分肝移植(島根医大)
・1997年:臓器移植法が成功(10月16日)
・1999年:日本初の脳死ドナー肝移植(信州大)

<免疫抑制剤>
・ 1970年:シクロスポリン発見 
・1984年:タクロリムス発見

● 移植の種類
・自家移植→骨髄移植
・同種移植→骨髄移植
   −異所性移植:腎移植、膵移植
   −同所性移植:肝移植、心移植、肺移植、小腸移植
・異種移植→ブタ・ヒヒ

●提供できる臓器・組織
・ 脳死下:心臓・肝臓・肺・小腸
・ 心停止後:眼球(角膜)・皮膚・耳小骨・心臓弁・気管・血管・骨
・ ↑のどちらでも:腎臓・膵臓

「脳死について」
● 脳死とは
『脳の機能が不可逆的に失われているが心臓がまだ動いている状態』
・ 竹内基準に基づいた脳死判定
@ 深い昏睡A瞳孔の散大と固定B脳幹反射の消失C平坦な脳波D自発呼吸の停止E6時間以上経過した後の同じ一連の検査
必要な知識と経験を持つ移植に無関係な2人以上の医師が実施
※@深昏睡:顔面への疼痛刺激→痛みに反応しない
※A瞳孔散大:瞳孔に光を当て観察→直径4mm以上で、外からの刺激に変化がない
※B脳幹反射の消失:喉、角膜の刺激、耳の中に冷たい水を入れる、瞳孔に光を当てる、顔を左右に振る、痛みを与える
※D自発呼吸の消失:無呼吸テスト→自力で呼吸できない
※二次性脳障害、6歳以上の小児ではそれ以上の観察期間をおく

● 脳死体
脳死体とは、脳幹を含む全脳の機能が不可逆的に停止するに至ったと判断された者の身体

●植物状態の定義と脳死の判定基準
<植物状態の定義>
@ 自力で移動できないA自力で食物を摂取できないB糞尿失禁状態があるC目で物を追うが認識できないD簡単な命令には応ずることもあるが、それ以上の疎通ができないE声は出すが意味のある発言はできない
以上の6項目を満たし各種の治療が奏効せず3ヶ月以上の長期にわたり継続し、ほぼ固定した状態
<脳死の判定基準>
前述の竹内基準参照

「肝移植の歴史と現状」
● 肝移植の歴史
・ 1989年:日本で初めての生体ドナー肝移植(島根医大)
・ 1999年:日本で初めての脳死ドナー肝移植(信州大)
・ 2003年:日本で23例目の脳死ドナー肝移植(九州大学)

●肝移植〜脳死肝移植と生体肝移植の違い〜
脳死ドナー→全肝移植:標準肝容積のほぼ100%、保存時間長い

生体ドナー(レシピエントの近親者)
→部分肝移植
→小児レシピエント:標準肝容積のほぼ100%、保存時間短い
→成人レシピエント:標準肝容積の30〜50%、移植後再生が必要、保存時間短い

●脳死肝移植(p5)
・Sir R.Y.Calne(イギリス、ケンブリッジ):有名な人らしい。顔が特徴的で覚えやすいとか言ってましたが、たぶん別に覚えなくていいと思います。

「免疫抑制剤」
● 免疫抑制剤の位置づけ(p6)
・ このピラミッドの図は知っておいたほうがいいのかも?
導入療法補助免疫抑制剤:Basiliximab/Daclizumab/ALG/DSG
拒絶反応治療剤:Steroid/OKT3/DSG/ALG
補助免疫抑制剤:ミゾリビン/アザチオプリン/ステロイド
基本免疫抑制剤:CYA/FK506
・現在は、CYA or Fk506+Steroid+αの3剤併用療法が中心(肝移植では2剤)

●拒絶反応の種類(p7)
・ ここは↑の「先生が覚えておくようにいったところ」に書いてます。

● 免疫抑制剤の作用機序
・ ここも↑に書いてます。

● 肝移植における拒絶反応
(a)好発時期(b)病理所見(c)予後
<急性拒絶反応>(a)移植後5〜30日 (b)・門脈、肝静脈の血管内皮炎・門脈域への多様な細胞浸潤・小葉間胆管の障害、変形 (c)治療に対して反応、一般的には予後良好
<慢性拒絶反応>(a)移植後2週間以降(b)・ 胆管の変性消失・中等度の太さの動脈壁へのfoam cell 浸潤、閉塞・中心静脈周囲細胞脱落(c)不可逆的であることが多い,再移植を要する

● 急性拒絶反応
Rejection Activity Index(RAI)
・ Portal Inflammation(P):0-3
・ Bile Duct Inflammation or Damage(B):0-3
・ Venous Endothelial Inflammation(V):0-3
Evaluation
RAI=0-2:no rejection(3:borderline)
RAI=4-5:mild acute rejection
RAI=6-7:moderate acute rejection
RAI=8-9:severe acute rejection

「生体肝移植」
● 肝の亜区域分類とグラフトの種類
S2+3:外側区域グラフト→小児に
S5+6+7+8:右葉グラフト→容積60〜70%
S2+3+4(+1):左葉グラフト→容積30〜40%
※それぞれの亜区域の場所については各自、教科書などで調べてください。

● 肝移植適応疾患
・ (先天性)胆道閉鎖症(※小児のほとんどはこれ)
・ 進行性肝内胆汁うっ滞症、
:原発性胆汁性肝硬変、原発性硬化性胆管炎を含む
・ アラジール症候群
・ バッドキアリー症候群
・ 先天性代謝性肝疾患(FAPを含む)
  :Wilson病、高シトルリン血症、高チロジン血症、糖原病など
・ 多発嚢胞肝、カロリ病
・ 肝硬変(非代償期)
:肝炎ウイルス、二次性胆汁性、アルコール性、その他
・ 劇症肝炎
:ウイルス性、自己免疫性、薬剤性、成因不明を含む
・ 肝細胞癌
:遠隔転移と血管侵襲なし。径5cm、1個又は径3cm、3個以内

 ※C型肝炎は脳死肝移植の30〜40%だそうです。

● 成人間生体肝移植:右葉か左葉か?
グラフト:当初:左葉グラフト→Small-for-size graft(過少グラフト)
     現在:ほとんど右葉グラフト

● ドナーのリスク
欧米における右葉グラフトドナー:1%近い死亡率 

プリントp11−22はグラフや表・写真が主で、授業でもさらっと流していただけだった気がするので省略します。長くなりますし。


☆ 9/7 移植(1)臍帯血移植 (住江先生/原先生)
この日は台風だったので授業に出ていなかった方も多いと思います。プリントを持ってない方は、持ってる方のものをコピーしてください。

<住江先生>プリント1枚目「臍帯血移植の実際」
◎テストは全部正解できるような○×問題だそうです。
◎先生がヤマだとおっしゃったところ(プリント参照)
・ 1番のポイント:UBMT/UCBT/T−UBMTにおける短期予後および長期予後
(UBMT=非血縁骨髄移植、UCBT=非血縁臍帯血移植、T−UBMT=T細胞を除いた非血縁骨髄移植だそうです)
・ 臍帯血移植の特徴
・ 非血縁臍帯血移植の利点
(※↑の3項目はプリントの右下の方にあります。)

〜ノートより(覚えておくようにいわれたところ)〜
・ 生着:好中球≧500/mlになるのに2ヶ月かかる。

<原先生>プリント2枚目「臍帯血幹細胞移植」
◎ 先生がヤマだとおっしゃったところ(プリント参照)
・ 表4.臍帯血バンクの利点
・ 表5.臍帯血バンクの問題点


☆ 9/9周産期の免疫と臨床(1)生殖と免疫 野崎先生
◎ 試験は、プリントの内容から10問○×問題が出るそうです。

「免疫学的妊娠維持機構について」(プリントp1〜2)
◎ 今日の講義で1番大事らしい(p1最初の3行)
・ 妊孕現象は母体にとって父系抗原を有する半同種移植片=異物である妊卵、胎児・胎盤系が免疫学的に拒絶されることなく、生着・発育する現象である。
1. 妊娠性ホルモンとサイトカイン:重要
 ◎プロゲステロンはTh0細胞からTh2細胞への分化を促進する。
2. 絨毛細胞の抗原性;HLA−G抗原の発現:重要
◎絨毛細胞はHLA−G抗原を発現している。

「抗リン脂質抗体症候群と習慣流産」(プリントp3)
#3治療
◎3)ヘパリン療法:標準的な治療法

「妊娠中毒症における免疫応答の関わり」(プリントp5)
◎血管内皮細胞の障害:これが本態


☆9/10 移植(2) 造血幹細胞移植 原田先生
◎ 大事!
輸血で起こるGVHDは致死的→輸血に用いる血液にはX線照射


☆ 9/15 周産期の免疫と臨床(2) 胎児新生児の免疫能発達 大賀先生
◎ 大事or試験に出るといわれたところ
・ プリント@―3.FOUR MAJOR COMPONENTS (1枚目) 4つ言えるように!
(1)Phagocyte(2) T-cell(3) Antibody(B-cell)(4) Complement
細胞性…(1)(2)、液性…(3)(4)
非特異的…(1)(4)、特異的…(2)(3)
・ プリントC ヒトの胎児における免疫系の発達 (2枚目)
・ プリントD 胎児、新生児の血清免疫グロブリン:この図は試験に出る!!(2枚目)
・ プリントI 免疫機構の個体発生(3枚目)
・ プリントJ 新生児の免疫能の特徴(3枚目)
   INF-γ↓、NK・貪食細胞系↓、補体の血中濃度:成人の50〜60%
・ プリントK まとめ:試験に出る!!(3枚目)

特にDとKが大事らしい・・・? 

〜スライドより〜
・(定義)T細胞…T細胞レセプターをもつもの→CD3陽性
    B細胞…B細胞レセプターをもつもの 
・ 自分を決めてるのはMHC、それを認識するのはT細胞
・ クラスTMHC…内因性抗原、クラスUMHC…外因性抗原


☆ 10/6 小児疾患と免疫 野村先生
〜試験に出ると言われたところ〜
T.サイトカインと小児疾患
◎サイトカインの分類(プリント1枚目右上)
1. 炎症性サイトカイン…IL-1,IL-6
2. 主に免疫に関与するサイトカイン…IL-2,IFN
 特に抗体産生に関与…IL-4
3. 造血に関与するサイトカイン
4. 抗炎症性、免疫抑制性サイトカイン

○ サイトカインと疾患(プリント1枚目右)
1.サイトカインあるいはサイトカインレセプター欠損による
(免疫不全症)
・commonγR欠損→重症複合免疫不全
・IFN-γR欠損、IL-12R欠損、IL-12欠損→食細胞機能異常、細胞内寄生菌易感染
2.サイトカインの過剰発現あるいは調節異常による(高サイトカイン血症)
  ◎全身性炎症反応症候群:SIRS
◎血球貪食症候群:HLH/HSP
1. Primary/Inherited
2. Secondary/Reactive
◎感染(特にウイルス)に誘導されることが多い。なかでもEBウイルス。(大事!)
(Infectious-associated hemophagocytic syndrome (IAHS))

U.免疫に関連した主な小児疾患(プリント2枚目)
C.自己免疫疾患
◎移行抗体により引き起こる疾患→どんな病名があるか覚えておく!
新生児ループス…特に抗SS-A抗体は児に房室ブロックを起こすことがある(大事!)
新生児Baswdow病、新生児ITP、重症筋無力症、新生児溶血性貧血

D.その他
2)Super抗原が関与する疾患
◎Super抗原の定義(試験に出るかも!)
「T細胞レセプターβ鎖とMHC分子に結合し、抗原特異性に関係なくT細胞を活性化させて細胞増殖やアポトーシス、アナジーに導く物質。スーパー抗原に対するT細胞の反応は、T細胞の個体発生や、自己免疫疾患をはじめとする様々な疾患の病因や病態に関係していると考えられる。」
・ Toxic shock syndrome(TSS)…黄色ブドウ球菌が産生するTSST-1による。
・ 新生児TSS様発疹症(NTED)…主にMRSAによるTSST-1によって引き起こされる新生児期早期の発疹症。発熱、発疹、血小板減少。

〜スライドより〜
◎ ALPS(autoimmune lymphoproliferative syndrome)
アポトーシスに関連するシグナルの異常。


☆ 10/7 感染と免疫、AIDS 林先生
◎ 大事かも
・ CD4陽性Tリンパ球<200/mm3は要治療(プリント2枚目右上の表)

〜プリントの内容に付け加え〜
14.どのような場合HIV感染を疑うか
@ホモセクシャルA不特定のsex partnerB薬物濫用者C性感染症患者DHIV高浸淫地域出身者E特有の合併症
15.HIV感染症に対する近年の進歩と今後の問題
(近年の進歩)…HARRT療法
・NRTI2剤+PI1剤
・NRTI2剤+NNRTI1剤
・NRTI2剤+PI2剤
(問題点)
@抗HIV薬の副作用A薬剤耐性株の出現Bアドヒアランスが悪いC延命した感染者における癌の合併D臨床効果のモニターE治療の複雑化

☆ 10/7 自己免疫疾患 大塚先生
プリント2枚目の図12:「臓器特異的自己抗体と関連疾患」(とくに抗受容体抗体)、図15:「自己免疫疾患に見いだされる疾患特異的自己抗体」のところを覚えるよう言われてました。
あと、ANCAはわりと疾患特異的なのにくらべて、抗核抗体陽性は疾患との関連性は低いということを強調されてました。また、リウマトイド因子が陽性だからといって、RAとは限らないということも強調してました。

もどる

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送