腎・高血圧 平成14年度概説試験

授業プリント、過去のタイプリ、教科書などをもとに友人の助けを得て作りました。間違いがあったらすいません。見つけたら管理人さんに教えてください。
病理
以下の記述の正誤を解答欄に○×で記入せよ。
1. 血管極に存在する傍糸球体装置は、血管平滑筋細胞に由来する顆粒細胞が産生するレニンの生理作用により血中のアンジオテンシン系を介して血中Na濃度、血圧の調節に関与している。
A.○ 血管平滑筋細胞が特殊に分化した類上皮細胞を顆粒細胞という。

2. 腎内に分布する糸球体の全てに病変が存在する場合をglobal、また個々の糸球体の一部に病変が限局する場合をfocalと呼ぶ。
A.× global → diffuse、focal → segmental

3. 増殖性変化を示す糸球体病変では、白血球浸潤、また内皮細胞や上皮細胞の増生が目立つ。
A. ○だと思いますたぶん。メサンギウム細胞も増生。

4. 半月体(crescent)形成には、糸球体毛細血管の透過性が破たんして生じるBowman嚢腔内フィブリン沈着が原因となる。
A.× Bowman嚢腔内上皮細胞の増殖が原因。

5. 腎炎にみられる免疫複合体は、免疫抗体法により係蹄壁に線状に分布することが多いが、Goodpasture症候群では顆粒状分布を示すのが特徴的である。
A.× 腎炎にみられる免疫複合体として線状パターンは少数。Goodpasture症候群では線状分布が特徴的。

6. 溶連菌感染後糸球体腎炎では、電顕で基底膜内にhumpが出現するのが特徴的である。
A.× 基底膜「内」→「外」

7. 膜性増殖性腎炎の基底膜変化の特徴はスパイク(spike)形成であり、一方膜性腎炎では二重膜構造を呈することが鑑別点となる。
A.× 逆です。

8. 膜性増殖性腎炎では低補体血症を伴うことが多く、その原因に補体の古典的(classical)活性化と共に活性化替路(alternative pathway)が関与している。A. ○

9. 膜性糸球体腎炎の多くは特発性であるが、SLE、糖尿病や感染症等に合併することがある。
A.× 糖尿病→薬剤使用、ループス腎炎、梅毒。

10. 糖尿病に基本的な腎病変の1つは基底膜のびまん性肥厚であり、この変化は本症の臨床経過によく相関する。
A.おそらく○。

11. DICの微小血栓は腎糸球体に最も好発する。A. ○

12. SLEやWegener肉芽腫症に随伴する腎炎の鑑別には、血中ANCA値の上昇とその種別が参考になる。
A. × SLEでANCAの上昇はみられないようです。

13. 我が国に最も多い腎炎型は、IgA腎症である。A. ○

14. IgA腎症の糸球体所見としてびまん性のメサンギウム増殖性変化が特徴的である。
A. × このような所見がみられることもあるが、組織的にはかなり多様。特徴的なのはメサンギウム領域中心のIgA沈着。

15. 糸球体硬化症は、特発性は小児に多く、続発性の代表的基礎疾患は糖尿病でネフローゼ症候群の原因となる。A. ○


小児
問1. 下記の文章より正しいものを2つ選べ。
1) 胎児期の両腎の無形成や極度の低形成、異形成、嚢胞腎、尿路の閉塞等による羊水過多は胚低形成の原因となり、Potter症候群と呼ばれている。
2) 幼児の血清クレアチニン値1.0mg/dLは正常値である。
3) 年齢が低い程体内総水分量の割合は多いが、細胞外液量は比較的一定である。
4) 学校検尿で反復性尿路感染症を発見した場合には排泄性膀胱造影等を行い、膀胱尿管逆流現象等の先天成人・尿路奇形の発見に努める。
5) 小児は成長期にあるので腎疾患の存在で栄養障害、発育障害をきたしうる。
A.1)× 羊水過多→羊水過少
 2)○
 3)外液量→内液量
 4)× 先天性腎疾患は血尿・蛋白尿を伴わないので発見できない。
 5)○

問2. 急性糸球体腎炎について下記の文章より正しいものを2つ選べ。
1) あらゆる年齢に発症するが、好発年齢は5〜12歳である。
2) 血尿、蛋白尿、高血圧が三大主徴である。
3) 肉眼的血尿はほぼ必須の所見である。
4) 通常では溶連菌による咽頭感染の1〜2週間後に発症する。
5) C3、CH50などの低補体血症が認められ、遷延化することが多い。
A.1)○
 2)× 蛋白尿→浮腫。
 3)肉眼的血尿は半数以下。
 4)○
 5)× 遷延化する場合は他の疾患を疑う。

問3. 小児のネフローゼ症候群について下記の文章より正しいものを2つ選べ。
1) 小児のネフローゼ症候群はまず腎生検を行い、組織型を確認して治療方針を決定する。
2) 小児のネフローゼ症候群の約9割が原発性腎疾患で、そのうち微小変化が多ネフローゼ症候群が約60%を占める。
3) 微小変化型ネフローゼ症候群の好発年齢は3〜6歳で、男女比は約2:1で男児に多い。
4) 重大な合併症である血栓症は腎動脈に多い。
5) 微小変化型ネフローゼ症候群の9割以上はステロイド剤に反応し完全寛解するが、その7割は再発し、2〜4割程度がステロイド依存性、頻回再発する。
A.1)× 腎生検はステロイドに対する反応性を確認。
 2)× 60%→85%
 3)○
 4)× 腎動脈→腎静脈
 5)○

問4. Henoch-Scholein紫斑病について下記の文章より正しいものを2つ選べ。
1) 三大症状とは、皮膚症状、腹部症状、出血症状である。
2) 腎炎、腸重積、腸管穿孔を合併することがある。
3) 出血時間、凝固時間の延長と共に、凝固第]V因子活性の低下がみられることがある。
4) 腎炎の合併は約10%である。
5) 腎炎合併例では糸球体のメサンギウム領域にIgA腎症と同様のIgAの沈着がみられる。
A.1)× 出血症状→関節症状
 2)○
 3)× 出血時間、凝固時間は正常。
 4)10%→3分の1で腎炎症状が見られる。
 5)○

問5. 下記の文章より正しいものを2つ選べ。
1) 溶血性尿毒症症候群(HUS)の三徴は、下痢症、溶血性貧血、腎障害である。
2) HUSは腸管出血性大腸菌感染症(VTEC)感染者の約80%に発症する。
3) 眼脳腎症候群(Lowe症候群)では眼症状、神経症状と共に、近位尿細管性アシドーシスを呈する。
4) Alport症候群は糸球体基底膜の異常が病因であり、ネフローゼ症候群で発症することが多い。
5) Bartter症候群はヘンレループにおけるナトリウムの再吸収障害により低カリウム血症性アルカローシスをきたす。
A.1)× 下痢症→血小板減少。
 2)×
 3)○ 近位尿細管性アシドーシス=Fanconi症候群
 4)○
 5)× ナトリウム→ClまたはNaCl。 

問6. 下記の文章より正しいものを2つ選べ。
1) 微小変化型ネフローゼ症候群では電顕所見として上皮細胞下に特徴的なhumpが見られる。
2) ネフリン(nephrin)は糸球体上皮細胞足突起間のスリット膜部に存在する蛋白で、先天性ネフローゼ症候群のフィンランド型(Finnish type)はこの異常により発症する。
3) 学校検尿で発見された蛋白尿単独陽性例のうち体位性蛋白尿は立位あるいは前弯負荷にて蛋白尿が陰性化する。
4) 小児慢性腎不全の原因として腎尿路奇形の頻度は低い。
5) 小児の慢性腎不全において維持透析としては腹膜透析(CAPD)が第一選択である。
A.1)× Humpは急性糸球体腎炎。
 2)○
 3)× 陰性→出現。
 4)× 44.4%と高い。
 5)○


移植
問1.腎移植について正しいものを選べ。
1) 血液型B型のドナーから血液型A型のレシピエントに腎移植を行うと、超急性拒絶反応がおこる可能性がある。
2) 腎移植を行う時、腎動静脈はそれぞれ大動脈、下大静脈に吻合する場合が多い。
3) サイクロスポリンやタクロリムスはTリンパ球のIL-2産生を抑制する。
4) University of Wisconsin液は、腎臓の環流・保存に使われる。
a.1のみ b.1,2 c.2,4 d.1,3,4 e.すべて
A.d 2)腎動脈→内腸骨動脈、腎静脈→外腸骨静脈。

問2.下記の免疫抑制剤の代表的な副作用をA-Dから選べ
1) ステロイド
2) タクロリムス
3) アザチオプリン
4) サイクロスポリン
   A.骨髄抑制  B.消化性潰瘍 C.手指振戦 D.腎機能障害
A.1)B 感染症の増悪、糖尿病
 2)C 腎毒性、対糖能障害など
 3)A 
 4)D 腎障害者への投与は禁忌。

問3. 移植について正しいものを選びなさい。
1) ラットとラットの間で腎移植を行うことを同系移植という。
2) 腎移植では、HLA抗原の適合度が高いと拒絶反応を起こしにくい。
3) 最近の免疫学の進歩により、慢性拒絶はほとんど見られなくなった。
4) 移植した腎臓の急性拒絶反応の担い手は、おもにBリンパ球である。
a.1のみ b.1,2 c.2,4 d.1,3,4 e.すべて
 A.b 3)超急性、急性拒絶に対する対策が進歩。
    4)Tリンパ球。

問4.腎移植について正しいものを選べ。
1) 生体腎移植と献体腎移植の5年生着率は、それぞれ66%、77%である。
2) 急性拒絶反応の治療としては、ステロイドを用いる。
3) 慢性拒絶反応の治療としてはタクロリムスを用いる。
4) 脳死ドナーからの臓器提供は法的判定に従っている。
5) 心停止ドナーからの臓器提供は生体ドナーよりも多い。
a.2,4 b.2,3 c.1,2,5 d.3,5 e.1,4
 A.a 1)逆。
    3)慢性→急性。 
    5)心停止ドナーよりも生体ドナーのほうが多い。


泌尿器
問1.正しい組み合わせを選べ。
1) 膀胱尿管逆流現象(以下VUR)は、高齢女性に多い。
2) VUR患者の約半数が末期腎不全へ進展する。
3) gradeの低い小児のVURは自然に消失(治癒)することがある。
4) VUR患者の腎機能保存には尿路感染予防が重要である。
 A (1,2)  B (2,3)  C (3,4)  D (1,4)  E (1,3)
A.C 1)小児に多い。
    2)半数ではなく1%。

問2.正しい組み合わせを選べ。
1) VURの診断には(排尿時)膀胱造影が有用である。
2) VUR患者の約8割が腎瘢痕を形成する。
3) 腎瘢痕の診断には超音波診断が有用である。
4) VURに伴う腎障害、特に腎皮質障害の評価には腎シンチグラフィーが有用である。
 A (1,2)  B (2,3)  C (3,4)  D (1,4)  E (1,3)
 A.D 2)30%〜60%。
     3)腎シンチ・IVPが有用。

問3.正しい組み合わせを選べ。
1) 血管平滑筋のβ受容体刺激は血管を弛緩させる。
2) 腎瘢痕形成の細菌側要因として細菌からの活性酸素発生が問題となる。
3) 逆流性腎症のほとんどは逆流消失後も進展し、腎機能の悪化を認める。
4) VURに伴う腎瘢痕形成、蛋白尿、高血圧、腎機能障害を総称して逆流性腎症と呼ぶ。
 A (1,2)  B (2,3)  C (3,4)  D (1,4)  E (1,3)
A. D 2)活性酸素ではなくMS線毛。
    3)回復を認める。


高血圧
問1.正しい組み合わせを選べ。
1)血管平滑筋のβ受容体刺激は血管を弛緩させる。
2)動脈圧受容体は主に左心房や肺静脈に存在する。
3)尾側延髄腹外側野(CVLM)の活動性亢進は交感神経を抑制性に調節し、一方、吻側延髄腹外側野(RVLM)の活動性亢進は交感神経を興奮性に調節している。
4)一酸化窒素(NO)は主に血管内皮細胞で産生され、一方、エンドセリンは血管平滑筋で産生される。
5)本態性高血圧患者では腎臓の圧利尿曲線は右方に偏位している。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
 A.C 2)頚動脈洞や大動脈弓。
     4)血管内皮細胞で産生。

問2.レニン・アンジオテンシン系に関する記述として正しい組み合わせを選べ。
1)キマーゼはアンジオテンシンTの主な産生酵素である。
2)アンジオテンシンU2型(AT2)受容体の刺激により血管拡張が惹起され、細胞増殖は抑制される。
3)アンジオテンシンUはレニン分泌を抑制する。
4)アンジオテンシン変換酵素阻害薬はブラジキニンの分解を抑制する。
5)アンジオテンシン変換酵素は肺胞上皮に特異的に存在する。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
 A.D 1)T→U
     5)存在しない。

問3.老年者高血圧の病態に関する記述として正しい組み合わせを選べ。
1)心拍出量、総末梢血管抵抗はいずれも低下する。
2)一般的に拡張期血圧は上昇し、脈圧は減少する。
3)食後低血圧を呈することがある。
4)圧受容体反射機能が低下している。
5)主要臓器における血流の自動調節能の下限域が高圧側にシフトしている。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
 A.F 1)心伯出量は低下、総末梢血管抵抗は上昇。
     2)拡張期血圧低下、脈拍は上昇。

問4.次の症例について答えよ。
症例:52歳男性
病歴:45歳頃より会社の健康診断で肥満、尿糖陽性、血糖値軽度上昇を指摘されていたが、放置。本年の健康診断で、さらに蛋白尿と高血圧(160/92mmHg)を指摘され、当院を紹介された。
家族歴:父親に高血圧、母親に糖尿病、既往歴:特になし、生活歴:たばこ30本/日、ビール500cc/日
外来時診察所見:身長167cm、体重82kg、脈拍72/分、整、血圧162/96mmHg(座位、右)、甲状腺腫なし、
頸部雑音なし、心音と呼吸音に異常なし、腹部所見なし、下肢浮腫なし、神経学的所見:膝蓋腱反射軽度低下、下肢振動覚軽度低下、眼底(右)Keith-WagenerT度、点状出血2ヵ所、白斑なし。
検査所見
 検尿:蛋白+、尿糖++、潜血-、血計:正常。
 血液生化学:総蛋白7.2g/dL、アルブミン3.5g/dL、クレアチニン1.8mg/dL、BUN 25mg/dL、ATL 52IU/L、AST 72IU/L、γ-GTP 220IU/L、電解質正常、総コレステロール282mg/dL、中性脂肪326mg/dL、HDLコレステロール34mg/dL、血糖139mg/dL、HbA1C 8.0%、心電図所見なし、胸写所見なし。

このような患者の治療方針で正しい組み合わせを選べ。
1)血圧は軽度高いのみであり、減塩やカロリー制限などの食事療法と運動療法で経過を見るように指導し、6ヵ月後の来院を指示。
2)慢性糸球体腎炎の合併が疑われるため、腎生検が必要である。
3)投与する降圧薬としてACE阻害薬が望ましい。
4)降圧目標レベルは、140/90mmHgである。
A(1のみ)、B(3のみ)、C(1、3)、D(3、4)、E(1、3、4)、F(すべて)
A.たぶんBだと思います。1)軽度ではないし、6ヶ月は長い。
             2)腎組織は悪くないから腎生検はしない。
             4)糖尿病合併者と考えて、正常より低めに設定する。(135/85mmHg未満)

問5.老年者高血圧の治療に関する記述として正しい組み合わせを選べ。
1)老年者であっても生活習慣の修正、特に減塩が必要である。
2)80歳以上の高血圧は治療を必要としない。
3)第一選択薬として、β遮断薬またはα遮断薬が推奨される。
4)老年者の服用頻度が高い非ステロイド系消炎鎮痛剤(NSAIDs)は降圧薬の作用を減弱する。
5)降圧目標は生理的年齢を考慮し、140-160/90mmHg未満とする。
A(1、3、4)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(1、4、5)、E(2、3、4)、F(3、4、5)
A.D 2)必要とする。 
    3)Ca拮抗薬が第一選択。

問6.降圧薬と副作用の組み合わせが正しいものを選べ。
1)ACE阻害薬…乾咳、高カリウム血症
2)Ca拮抗薬…浮腫、動悸、便秘
3)サイアザイド系降圧利尿薬…低カリウム血症、耐糖能低下、インポテンツ
4)α遮断薬…起立性低血圧、浮腫
5)β遮断薬…徐脈、気管支攣縮、
A(1、2、3)、B(1、2、4)、C(2、3、4)、D(2、3、5)、E(3、4、5)、F(すべて)
A.A かB  1)2)はあっています。

問7.非薬物療法の中で降圧作用が確認されている組み合わせを選べ。
1)減塩
2)体重減量
3)ビタミンC
4)アスピリン
5)定期的な運動
A(1、2、3)、B(1、2、4)、C(1、2、5)、D(2、3、5)、E(3、4、5)
A.C

問8.正しい組み合わせを選べ。
1)血圧レベルは脳卒中と深い関連があるが、虚血性心臓病との関連はない。
2)血圧値が140/90mmHg以上では心血管病のリスクが増加する。
3)我が国の食塩摂取量は戦後一貫して低下しているが、食事の西洋化により脂肪摂取量が増加しており、対策が必要である。
4)数回の来院で安定して血圧160/95mmHg以上を高血圧と考える。
5)家庭血圧測定での血圧は、白衣高血圧の除外に役に立つ。
A(1、2)、B(2、5)、C(1、3、4)、D(3、4、5)、E(1、3、5)、F(すべて)
A.B 1)虚血性心臓病との関連もある。心血管疾患とも。
    3)食塩摂取量は低下してはいない。
    4)家庭血圧値および24時間血圧が135/80oHg以上を高血圧として対処。

問9.正しいものを選べ。
1)カルシウム拮抗薬とβ遮断薬の組み合わせは有効である。
2)利尿薬とACE阻害薬との組み合わせは有効である。
3)妊婦にはACE阻害薬の投与は禁忌である。
4)気管支喘息患者へのカルシウム拮抗薬の投与は禁忌である。
5)第一次選択薬にβ遮断薬は含まれていない。
A(1、2、3)、B(1、2、4)、C(1、3、4)、D(3、4、5)、E(1、3、5)、F(すべて)
A.A 4)β遮断薬が禁忌。
    5)含まれる。Ca拮抗薬、ACE阻害薬、All、少量の利尿薬なども。

問10.正しくないものを選べ。
1)脳梗塞患者では血圧が上昇していることが多く、再発予防のため早急に至適血圧(120/80mmHg未満)にする必要がある。
2)ACE阻害薬は腎機能を悪化させるため、慢性腎不全では使用しない。
3)左室肥大の改善効果はβ遮断薬がもっとも強い。
4)閉塞性動脈硬化症では浮腫の副作用があるカルシウム拮抗薬は使用しない。
5)利尿薬は尿酸排泄を促進するため痛風を有する高血圧患者でよく使用される。
A(1、2、3)、B(1、2、4)、C(1、3、4)、D(3、4、5)、E(1、3、5)、F(すべて)
A.F 1)急性期原則として降圧薬は使わない。ゆっくりと1ヶ月後から始める。脳梗塞では通常目標血圧を高めに設定する。
    2)蛋白尿の抑制作用、腎障害の進展予防などの効果がある。
    3)ACE阻害薬が有効に使われる。
    4)Ca拮抗薬は使う。原則としてβ遮断薬がダメ。
    5)尿酸を上昇させるので禁忌。

問11.原発性アルドステロン症に関して正しい組み合わせを選べ。
1)二次性内分泌性高血圧の中で最も頻度が高い。
2)低カリウム血症、代謝性アルカローシスがみられる。
3)血漿レニン活性、血漿コーチゾル濃度はともに低い。
4)特発性アルドステロン症の治療は、まず副腎摘出術を考える。
5)腺腫によるものはACTH依存性である。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
A.B 3)血漿コーチゾル濃度は上昇。
    4)抗アルドステロン薬のスピノロラクトンを使用する。

問12.褐色細胞腫に関して正しいものを選べ。
1)副腎髄質や傍神経節に存在するクロム親和性細胞が腫瘍化したものである。
2)腫瘍の発生部位として後腹膜腔が最も多く、しかも半数以上は悪性である。
3)主症状として頭痛、動悸、発汗があげられる。
4)降圧薬を用いる場合はβ遮断薬を第一選択薬とする。
5)甲状腺髄様癌と合併したSipple症候群では両側性、家族性のことが多い。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
A.C 2)悪性は10%。
    4)発作を活発にするのでダメ。α遮断薬を使う。

問13.(  )内の正しいものを選べ。
1)血圧は一般に昼間高く、夜間就寝中に低下する日内変動を示すが、夜間の血圧降下が減少ないし消失する代表的病態として(A:腎血管性高血圧、B:クッシング症候群、C:本態性高血圧)がある。
2)動脈硬化による腎動脈狭窄は腎動脈の(A:起始部、B:中間部、C:遠位部)に多い。
3)腎静脈分腎レニン検査で、腎動脈狭窄側の静脈血レニン活性が健常側に比し、(A:1.3、B:1.5、C:1.7)以上の場合有意な左右差があるとみなされる。
4)腎血管性高血圧では、アンジオテンシン変換酵素阻害薬のカプトプリル負荷により血漿レニン活性は著しく(A:低下する、B:不変である、C:上昇する)。
A.1)B
  2)A
  3)B
  4)C

問14.先天性副腎過形成に伴う高血圧に関して正しい組み合わせを選べ。
1)酵素欠損のためにコルチゾルが低下した結果、ACTH分泌亢進をきたす。
2)高血圧をきたすのは11β-hydroxylase欠損症と17α-hydroxylase欠損症である。
3)高血圧とともに高カリウム血症がみられる。
4)治療は、まず副腎摘出術を考える。
A(1、2)、B(1、3)、C(2、3)、D(2、4)、E(3、4)
A.A 3)低K血症。
    4)グルココルチコイドの補充療法を行う。

問15.アンジオテンシン変換酵素阻害薬の禁忌、または適していない病態を選べ。
1)両側性腎動脈狭窄
2)糖尿病合併高血圧
3)妊娠高血圧
4)うっ血性心不全
5)高カリウム血症を伴う高血圧
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
A.C

問16.悪性高血圧に関する記述で正しい組み合わせを選べ。
1)悪性高血圧症は拡張期血圧が130mmHg以上で、かつ眼底所見がKeith-WagenerW度の所見を呈するのもと定義されている。
2)Keith-WagenerW度の所見はKeith-WagenerV度の所見に加えて軟性白斑を伴うものである。
3)悪性高血圧の症状として視力障害が多くみられる。
4)合併症のない悪性高血圧は高血圧緊急症(Hypertensive emergency)であり、1時間以内に降圧を図るべき状態と理解されている。
5)悪性高血圧に見られる低カリウム血症はレニン・アンジオテンシン系の亢進によることが多い。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
A.C  1)○
     2)× 軟性白斑→うっ血乳頭
     3)○

問17.妊娠高血圧に関する記述で正しい組み合わせを選べ。
1)妊娠中毒症の主徴は高血圧、蛋白尿、浮腫である。
2)妊娠初期には血圧下降し、後期に上昇する。
3)妊娠中の高血圧は収縮期血圧160mmHg以上、かつ拡張期血圧95mmHg以上とされている。
4)子癇前症の頻度は初回妊娠よりも経産婦に高い。
5)妊婦の高血圧の急性期治療にはニフェジピン、ラベタロール、ヒドララジンが用いられる。
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、3、5)、D(2、3、4)、E(2、3、5)、F(3、4、5)
A.A 5)ヒドララジンを使う。

腎臓
1.腎生検で糸球体に以下の所見を認めた。@PAS染色で、メサンギウム領域の拡大、管内性.菅外性の細胞増殖と分葉傾向、A蛍光抗体法で、IgG、IgA、IgM、C3、C1qが陽性、B電子顕微鏡で、メサンギウム領域、基底膜内皮下に高度のdense depositを認めた。
この所見で最も考えられる腎病理の組織診断は次のうちどれか。
(1)IgA腎症
(2)原発性膜性腎症
(3)ループス腎炎
(4)糖尿病性腎症
(5)アミロイド腎
A.(3)?先輩は原発性膜性増殖性糸球体腎炎を選んでいるが選択肢にありません・・・。

2.ネフローゼ症候群について記述した文章を示す。最も可能性がある組織学的診断を下の選択肢の中から各々選べ。
1)尿蛋白の選択性が高く、蛍光抗体法では全て陰性である。   A
2)高齢者に頻度が高く、蛍光抗体法ではIgGと補体C3が顆粒状に沈着する。   G
3)持続的な低補体血症が特徴で、糸球体病変は分葉状を示す。   @
4)腎生検で得られた糸球体の係蹄の一部に分節性の硬化病変を有す。   E
5)最も頻度が高い増殖性糸球体腎炎で、蛍光抗体法でIgAが陽性である。   D
【選択肢】
@膜性増殖性糸球体腎炎、A微小変化群、Bループス腎炎、C糖尿病性腎症、DIgA腎症、
E巣状糸球体硬化症、F悪性腎硬化症、G膜性腎症、H腎アミロイドーシス

3.以下の糸球体腎炎ないしは腎症の中で低補体血症を特徴とするのはどれか。
 (1)膜性腎症
 (2)急性糸球体腎炎
 (3)IgA腎症
 (4)巣状糸球体硬化症
 (5)糖尿病性腎症
A.(2) 他にはSLE,膜性増殖性糸球体腎炎

4.急性腎不全の病態を表す語句を下の選択肢の中から2つずつ選べ。
1)腎後性急性腎不全      B.C
2)腎性急性腎不全       @.D
3)腎前性急性腎不全      A.E
【選択肢】
@急性尿細管壊死、AFENa1未満、B前立腺癌、C腎瘻術、D抗生物質、E心不全

5.いわゆる高齢者の腎疾患として、頻度が高い疾患はどれか。
 (1)ANCA関連糸球体腎炎
 (2)溶連菌感染後急性糸球体腎炎
 (3)膜性腎症
 (4)Fanconi症候群
 (5)ループス腎炎
A(1、2)、B(1、3)、C(1、4)、D(2、3)、E(2、5)
A.B 

6.次の症例についての質問に答えよ。
【症例】75歳、男性。主訴:腰痛、体重減少。
検尿:尿蛋白;テステープ法(−)、ズルホサルチル酸法(+).尿潜血反応(−)、尿糖(±)
血液生化学検査:血清クレアチニン 3.8mg/dL、BUN 68mg/dL、Ca 11.3mg/dL.
【問1】疾患としては何が最も考えられるか?次のうちから選べ.
 (1)IgA腎症
 (2)多発性骨髄腫
 (3)腎後性急性腎不全
 (4)急性尿細管壊死
 (5)糖尿病性腎症
A.(2)

【問2】その診断を選んだ根拠を記述せよ。
テステープ法(−)―Bence Jones蛋白の偽陰性 ズルホサルチル酸法(+)―感度の高い検査 
尿潜血反応(−) 血清クレアチニン上昇(正常値0.8から1.3mg/dl) BUN上昇 (正常値8から20mg/dl)
Ca上昇(正常値8.6から10.2mg/dl)

7.次のような病歴、現症、入院時検査所見を示した例で腎生検をおこなった。予測される組織像としてどれが最も考えられるか.
【症例】38歳、女性、【主訴】嘔気、食欲不振。既往歴、家族歴、生活歴に特記事項なし。
【現病歴】
6月中旬、上気道炎(発熱39℃)罹患。近医で抗生物質と、解熱薬を投与され軽快。7月3日、尿蛋白(±)、血清クレアチニン値1.6mg/dL.7月5日、血清クレアチニン値3.6mg/dLと上昇し、腎障害の精査.治療を目的に入院。
【入院時現症】血圧144/86mmHg、脈拍72/分、皮疹.浮腫.リンパ節腫脹なし。
【入院時検査所見】
検尿;蛋白(±)、血尿(±)、糖(+)、尿沈査(一部好酸球を認める)。検血;赤血球415万/μl、Hb12.0g/dL、白血球9300/μl、血小板23.2万/μl.
血液生化学的検査;TP 6.8g/dL(Alb 3.5g/dL)、BUN 54mg/dL、Creat 4.5mg/dL、Na 139mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 111mEq/L
血清学的検査;CRP 1.2mg/dL、CH50 31、ANF(-)、ANCA(-).
腎径(腎エコー)右13cm、左13.5cm、水腎症なし、
Gaシンチグラフィー:両腎に有意のRI取り込み像を認める。
【選択肢】
@半月体形成性腎炎、A急性間質性腎炎、B膜性増殖性糸球体腎炎、
C糖尿病性腎症、D微小変化群
A.A  血中好酸球が認められる。βラクタム系抗生物質の投与により、間質に浮腫を生じる急性間質性腎炎を起こしたとかんがえる。

8.人工腎臓(血液透析、腹膜灌流)によって速やかな改善が期待できる病態として正しい組み合わせはどれか。
(1)肺水腫
(2)代謝性アシドーシス
(3)高カリウム血症
(4)腎性貧血
(5)尿毒症性末梢神経障害
A(1、2、3)、B(1、2、5)、C(1、4、5)、D(2、3、4)、E (3、4、5)
A.A

9.肝不全の患者で低Na血症(118mEq/L)を有し、輸液治療で、低Na血症の補正を試みた。3日後、血清Na濃度は165mEq/Lと上昇し、意識障害が発現した。適切な臨床診断は次のうちどれか。
 (1)急性硬膜下血腫
 (2)脳出血
 (3)橋中心髄鞘崩壊症
 (4)クモ膜下出血
 (5)多発性硬化症
A.(3)脳細胞脱水により起こる。

10.次の症例の第一選択薬はどれか。
【症例】60歳、男性。血痰、全身倦怠感、微熱、蛋白尿(3+)、顕微鏡的血尿、血圧160/96mmHg、血清カルシウム8.6mg/dL、血清リン5.4mg/dL、血清カリウム5.4mEq/L、血清クレアチニン5.2mg/dL、BUN72mg/dL、C-ANCA 100EU、血液ガス(pH 7.36、PO2 56mmHg、PCO2 35mmHg)、胸部X線撮影で多発性の境界不明瞭な浸潤影。
 (1)活性型ビタミンD
 (2)副腎皮質ステロイド
 (3)ループ利尿薬
 (4)経口活性炭吸着薬
 (5)アンジオテンシンT変換酵素阻害薬
A.(2) Wegener肉芽腫である。(C−ANCA陽性。)

11.臨床的所見として以下のような特徴を有する糸球体疾患として最も考えられる疾患名を記入せよ。
1)学校検診や職場の健康診断での検尿異常(蛋白尿、血尿)や肉眼的血尿で発見される。
2)咽頭・扁桃炎罹患後に、急激に乏尿、浮腫、高血圧を呈して発症する。
3)若年者で、急激に進行する浮腫で気付く。
4)高齢者で、蛋白尿が陽性の期間が長く、徐々に浮腫が進行することで気付く。
5)高齢者で、呼吸器感染症罹患後から急激に尿毒症状態を発症する。
 A.1)無症候性血尿・蛋白尿
   2)急性糸球体腎炎(溶連菌感染後)
   3)小児ネフローゼ症候群
   4)慢性糸球体腎炎  
   5)尿毒症肺     

12.次のような患者が救急車で搬入された。病歴と主な緊急検査所見を提示する。以下の設問に答えよ。
【患者】56歳、男性【家族歴】父が尿毒症で死亡。兄弟3人が慢性透析療法を施行中。
【現病歴】
5年前に腎臓が悪いといわれた。この3年間で腹部の腫瘤が増大し、最近、食後の腹部膨満感が高度になってきた。10日前より風邪をひき食欲が低下し、水も飲まず家で寝ていた。この2・3日は尿量も減ってきた。ある日、姉が尋ねていった時、呼びかけにも応じなかったので、すぐに救急車を呼び搬送されてきた。
外来受信時の緊急検査所見:
末梢血:Hb11g/dL、Ht 34%、WBC10,800/μl、血小板12万/μl
動脈血ガス;pH 7.14、HCO3 6mEq/L、PO2 98mmHg、PCO2 17mmHg.
電解質;Na 156mEq/L、K 5.0mEq/L、Cl 118mEq/L.
血液生化学;BUN 140mg/dL、クレアチニン3.2mg/dL、HbA1c 4.5%

【問1】 アニオンギャップ (mEq/L) を計算せよ。
A.アニオンギャップ=Na−(Cl+HCO3)=156−(116+6)=32

【問2】本例の体液異常の是正を輸液療法で行う場合、主体となる薬剤(溶液)の組み合わせはどれか。
 (1)生理食塩水
 (2)重炭酸ナトリウム
 (3)血液(輸血)
 (4)5%ブドウ糖
 (5)KCl
A(1、2)、B(1、3)、C(1、4)、D(2、3)、E(2、5)
A.E

【問3】慢性腎不全の原因疾患としては、どれが最も考えられるか。
 (1)本態性高血圧症
 (2)IgA腎症
 (3)腎アミロイドーシス
 (4)多発性嚢胞腎
 (5)糖尿病性腎症
A.高K血症、尿毒症によるアニオンギャップ上昇、常染色体優性遺伝する、腫瘤に触れる。高血圧。
  →(4)

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