泌尿・生殖器 平成14年度卒業試験

<泌尿器科>

1 以下の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ。
(1) 尿路性器外傷のうち頻度が高いのは腎外傷、膀胱外傷である。
(2) 腎外傷において血尿は必発であり、血尿を認めない場合腎外傷は否定できる。
(3) 非開放性腎外傷のほとんどは腎摘除術の適応である。
(4) 後部尿道の損傷は骨盤骨折に伴うことが多い。
(5) 精索捻転症は発症後48時間以内であれば患側清掃機能の廃絶の可能性は低い。

A(1)のみ  B(2)のみ  C(3)のみ  D(4)のみ  E(5)のみ
F(1)(2)  G(2)(3)  H(3)(4)  I(4)(5)  J(1)(5)

解答:D
解説:1・× 腎は後腹膜臓器で可動域があり、胸郭で守られているため尿路腎外傷にしめる割合は小さい。
   2・×約90%は肉眼的血尿が見られるということではあるが、約半分のケースに出血が見られなかったという報告もあり、否定はできない。
   3・×腎外傷で手術適応になるのは出血をコントロールできなかったときのみ。85%は保存的治療となる。
   4・○
   5・×6時間以内。24時間以上梗塞状態になると精巣壊死を起こす。

2 尿路結石について正しい答えの組み合わせはどれか。
(1) 感染結石として重要な成分はリン酸マグネシウムアンモニウムである。
(2) 感染結石は尿のpHがアルカリ性、Ca結石は酸性、尿酸結石は酸性で出来やすい。
(3) レントゲン陰性結石で遺伝的疾患としての側面を持つものはシスチン結石である。
(4) アロプリノールは尿中への尿酸の排泄を促し尿酸結石の成因となる。
(5) 尿路結石に対し最も多く行われている手術はESWLである。

A(1)(5)  B(2)(3)(5)  C(1)(3)(5)  D(3)(4)(5)
E(1)(2)(5)  Fすべて正しい。

解答:C?
解説:1・○ウロキナーゼ産出性の細菌によるアンモニア
   2・?Ca結石については記述がない。残り二つは正しい
   3・○シスチン結石は常染色体劣性遺伝でX線透過結石
   4・×尿酸結石の治療薬で、尿中排泄量を減らす働きをもつ
   5・○?体外衝撃波粉砕術のこと。最も多く行われているかは不明だが、ESWLと経尿道的尿管結石摘出術が中心である。


3 以下の文章で適切なものはどれか。下のa?hの組み合わせの中から選び、記号で答えよ。
(1) 尿流量検査で最大尿流量率が低下していれば、膀胱の排尿機能は低下していると言ってよい。
(2) 腎機能障害症例に対し排泄性尿路造影検査を行う場合、描出をよくする為に造影剤の量を多くする。
(3) 先天性水腎症の逆行性腎盂造影所見は、腎盂尿細管移行に狭窄が認められる頻度が高い。
(4) Chain cystography(チェーン膀胱造影)は、切迫性の失禁の診断方法として用いられる。
(5) 骨シンチグラフィーで異常集積が認められれば、骨転移と診断してよい。
(6) 膀胱癌の存在診断では膀胱鏡が最も優れている。

解答:
解説:1・×年齢や性別などのさまざまな因子が作用するため。
   2・×? 多くする必要はないかと思われます。腎機能も悪いので。
   3・○
   4・×膀胱尿道角の測定。腹圧性尿失禁の診断に用いられる
   5・×骨の炎症性病変や骨折でも認められる
   6・○膀胱鏡で確定診断。

4 以下の項目の中で正しいものを選べ。
(1) 片側の腎無発生では腎機能が半減するので十分な注意が必要となる。
(2) 融合腎(fused kidney)の中で最も多いのは馬蹄鉄腎である。
(3) 多のう腎(multicystic kidney)が進行すると嚢胞腎(polycystic kidney)とよばれ、高血圧、腎不全の原因となる。
(4) 腎盂・尿管移行部や尿管膀胱接合部狭窄による水腎(水尿管)症では尿流障害による腎盂内圧の上昇が腎実質を圧迫して腎障害をもたらす。
(5) 幼少児の腎盂腎炎(pyelonephritis)は膀胱尿路逆流(vesicoureteral reflux)の関与が多い。

A(1)(2) B(1)(4) C(2)(3) D(2)(5) E(3)(4) F(3)(5)
G(1)(2)(3) H(1)(4)(5) I(2)(3)(5) J(2)(4)(5)
K(1)(2)(3)(4) L(1)(2)(4)(5) M(2)(3)(4)(5)
N(1)(2)(3)(4)(5

解答:
解説:1・×片側が頑張って働く。代償性肥大を起こしやすい。
   2・○
   3・×別の疾患のため前半の記述が不明。
   4・○腎盂腎杯の拡張と腎実質の萎縮を起こす
   5・○

5 正しい答えの組み合わせはどれか?
(1) 射精は副交感神経の興奮によっておこる。
(2) RPLND(後腹膜リンパ節廓清)では射精障害はおこらない。
(3) TUR-P後の合併症として逆行性射精を比較的高頻度に認める。
(4) 精索静脈瘤は左側に多い。
(5) 脊髄損傷患者でも正常な射精機能は保たれている。

A(1)(2) B(2)(3) C(3)(4) D(4)(5) E(1)(5)
Fすべて正しい  Gすべて間違い H上記のいずれの組み合わせでもない。

解答:
解説:1・×射精は下腹神経や陰部神経、骨盤神経などさまざま関与しており、主に交感神経の興奮で起こる
   2・?
   3・×前立腺肥大症の治療のひとつで経尿道的前立腺切除術のこと。スッテプには術後の合併症として出血、精巣上体炎、真性尿失禁、尿道狭窄が書いてある。高頻度に見られうるなら記載があるはずだと思う。
   4・○
   5・?記述がありません。

6 正しいものはどれか。
(1) 大動脈からの腎動脈分岐部は後腹腔動脈分岐部より頭部にある。
(2) 腎動脈は腎盂の前面にある。
(3) 左腎静脈は右腎静脈より長い。
(4) 左腎動脈は右腎動脈より長い。

A(1)(3)(4) B(1)(2) C(2)(3) D(4) E(1)-(4)のすべて


解答:
解説:1・?よく分かりません。まず腹大動脈は大動脈かという疑問と、後腹腔動脈とは何かという疑問があり、ちなみに、腹腔動脈のことなら×ですが。
   2・○腎門部での動静脈、尿管の前後関係は前方からVAUとなっている。
   3・○下大静脈が右、腹大動脈が右を走行
   4・×?

7 正しい組み合わせを選べ。
(1) 機能性尿失禁とは排尿反射に対する上位中枢からの抑制路が何らかの原因で遮断されて生じる失禁で、トイレまで我慢できずに尿が漏出してしまうものである。
(2) 血尿は初期血尿、終末時血尿、全血尿に大別されるが、膀胱腫瘍では排尿痛を伴う終末時血尿が特徴的である。
(3) 腎後性無尿は骨盤内臓器腫瘍による浸潤や圧迫、後腹膜リンパ節転移による圧迫等が原因となっていることが多く、治療として経尿道的尿管ステントの留置や経皮的腎瘻増設術が行われる。
(4) 尿量が1日100ml以下の場合を無尿と呼ぶが、尿閉との鑑別には膀胱部の超音波検査が有用である。
(5) 腎の大きな結石ではしばしば疝痛発作をきたすことがある。

A(1)(2) B(1)(3) C(1)(4) D(2)(3) E(2)(4) F(2)(5)
G(3)(4) H(3)(5)

解答:G
解説:1・×切迫性尿失禁のこと
   2・×腫瘍では無症候性血尿
   3・○  
   4・○
   5・×小さな腎結石が何かの拍子に尿管に詰まると疼痛発作を起こす

8 精巣腫瘍について、正しい組み合わせはどれか。
(1) 有痛性陰嚢腫大を主訴とすることが多く、精巣上体炎、精巣炎との鑑別が重要である。
(2) 通常、充実性であり、陰嚢水腫との鑑別は透光性の有無で比較的容易であるが、はっきりしない場合には経費的超音波ガイド下の針生検が有用である。
(3) 胚細胞性精巣腫瘍は組織学的にセミノーマと非セミノーマに大別され、進行した症例では前者は放射線療法、後者はシスプラチンを中心とした化学療法が有効である。
(4) 非セミノーマには胎児性癌、絨毛癌、卵黄脳腫瘍、奇形腫等があり、この中では奇形腫の予後が極めて不良である。
(5) 基本術式は高位除睾術であり、経陰嚢的に患側精巣を摘出する。

A(1)(2) B(2)(3) C(2)のみ D(3)(4) E(3)(5) F(3)のみ

解答:
解説:1・精巣腫瘍は無痛性
   2・×精巣腫瘍は転移しやすく、生検は禁忌
   3・○
   4・×奇形腫は予後は良好
   5・×高位除睾術は経精索的に行う

9 腎不全、腎移植について正しいものの組み合わせはどれか。
(1) 血液透析療法は、メリットとして簡便で、循環動態や血圧に対する影響が少ない。
(2) 我が国の腎移植成績は種々の免疫抑制剤の登場で年々向上しており、近年の生体腎移植における一年生着率は約70%である。
(3) 我が国の腎移植において、脳死体腎移植数は減少している。
(4) 腎移植後のウイルス感染症として代表的なものはサイトメガロウイルス感染症でganciclovirが治療に用いられる。
(5) 腎移植手術においては、一般的には腎動脈は内腸骨動脈、腎静脈は内腸骨静脈に吻合する。
(6) 近年、配偶者をドナーとする非血縁者間生体腎移植が増加している。

A(1)(2) B(3)(4) C(5)(6) D(4)(6) E(2)(6)
Fすべて正しい  Gすべて間違い H上記のいずれの組み合わせでもない。

解答:B
解説:1・?簡便かどうか分からない。
   2・×90%くらい。5年生着率が70%くらい
   3・○おそらく
     4・○
     5・×腎静脈は外腸骨静脈吻合
     6・?おそらく×でしょう


10 45歳の男性。血清尿素窒素52mg/dl、血清クレアチニン4.6mg/dl。腹部触診で両側腎の腫大を認める。最も考えられるのはどれか。
  A 慢性腎盂腎炎
  B 腎癌
  C 痛風腎
  D 骨髄腫腎
  E 嚢胞腎

解答:A?
解説:

11 左右の腎機能を区別して検査できるのはどれか。
(1) 静脈性腎盂造影
(2) レノグラム
(3) PSP排泄試験
(4) 尿濃縮試験
(5) インジゴカルミン排泄試験

A(1)(2)(3) B(1)(2)(5) C(1)(4)(5) D(2)(3)(4) E(3)(4)(6)

解答:B
解説:H14年概説参照

12 正しい文章の組み合わせを選べ。
(1) 原発性膀胱癌の組織型としては大部分が扁平上皮癌である。
(2) 原発性膀胱癌の腫瘍形態としては乳頭状癌が多い。
(3) 原発性尿道がん(膀胱癌及び腎盂尿管癌合併例は除く)は女性に多い。
(4) 原発性腎盂尿管癌において自排尿の尿細胞診の陽性率は非常に高い。
(5) 原発性陰茎癌の所属リンパ節は鼠径リンパ節のみである。

A(1)(2) B(2)(3) C(3)(4) D(4)(5) E(1)-(5)すべて

解答:?
解説:1・×移行上皮ガンが80%を占める 
   2・?・・・どれが多いかという記述は見つけられませんでした。ちなみに表在ガン(乳頭状ガン)、浸潤ガン、上皮内ガンの3つの形態があります。
   3・×中年男性に多い
   4.×自排尿では陽性率は低い。分腎尿細胞診や擦過細胞診を用いる  
5.×骨盤内リンパ節も含まれる。

13 過っている組み合わせはどれか。
(1) 骨盤腎--------------------------------------------尿管の延長
(2) 下大静脈後尿管--------------------------------左水腎症
(3) 完全重複腎右尿管-----------------------------Weigert-Meyer法則
(4) 馬蹄鉄腎-----------------------------------------腎長軸延長線の下方交差
(5) 海綿腎--------------------------------------------腎石灰症(nephrocalcinosis)

A(1)(2) B(1)(5) C(2)(3) D(3)(4) E(4)(5)

解答:E
解説:H15年卒試より解答をいただきました
×(1)骨盤腎とは、胎生期の腎の上昇が骨盤腔内で止まったもの。よって尿管延長ない。
×(2)下大静脈後尿管とは、右尿管の一部が下大静脈の背側から前面へと迂回するもの。血管との交叉部で血流が障害されると水腎症になりうるだろうがもちろん右側である。
○(3)重複腎盂尿管とは、腎盂が腎の上極・下極の2ヶ所ににあってそれぞれの腎盂から尿管が走行するものであり、膀胱への開口がそれぞれ別個であるものを完全型という。上半腎の尿管口は下半腎のそれよりも遠位に位置することをWeigert−Meyer法則という。
○(4)馬蹄鉄腎とは、左右の腎の下極のみが融合して馬蹄鉄のような形をとるものであり、腎長軸延長線は腎より尾側において交叉する。
○(5)腎石灰症は、上皮小体機能亢進証、海綿腎、腎尿細管性アシドーシスによるものが多い。

14.高熱をきたすのはどれか。
(1) 急性精巣上体(副睾丸)炎
(2) 急性前立腺炎
(3) 急性腎盂腎炎
(4) 急性膀胱炎
(5) 急性尿道炎

A (1)(2)(3) B(1)(2)(5) C(1)(4)(5) D(2)(3)(4) E(3)(4)(5)

解答A
解説:急性膀胱炎や急性尿道炎のような管腔臓器の炎症では原則的に発熱は見られない

15 腎細胞癌につき正しいのはどれか。
(1) 糸球体由来である。
(2) 血行性転移よりもリンパ行性転移をきたしやすい。
(3) 原因不明の発熱、貧血、抗ハプトグロブリン血症等の徴候がみられることがある。
(4) mass screening として経静脈性腎盂造影(IVP)は有用である。
(5) 肺転移に対し、インターフェロンによる免疫療法が有用である。

A (1)(2)(3) B(1)(3)(4) C(2)(3) D(2)(4)(5) E(3)(5)

解答E?
解説:1・?
   2・×血行性転移の方が多い
   3・?抗ハプトグロビン血症の記述がない。高カルシウム血症ならある。ちなみに三主徴は肉眼的血尿、側腹部腫瘤、側腹部疼痛。
   4・×
   5・○

16 37歳女性。2年前から、徐々に体重増加と満月様顔貌を認めるようになった。6花月前から無月経となった。同じ頃に高血圧を指摘され、降圧薬を投与された。血中コルチゾール26.6μg/dl(正常5-15)、dehydroepiandrosterone sulfate 22μg/dl(正常130-160)。
この患者でみられる所見はどれか。

(1) 血中ACTHは低下する。
(2) 血中コルチゾールは日内変動を示す。
(3) デキサメサゾン8mgを二日間投与すると、尿中17-OHCS/日は減少する。
(4) メチラポン(メトピロン)試験で尿中17-OHCS/日は著増する。
(5) 131Iアドステロール副腎シンチグラフィーにより一側に強い放射能集積を見る。

A(1)(2) B(1)(5) C(2)(3) D(3)(4) E(4)(5)

解答B
解説H15年卒試より
中年女性、体重増加、満月様顔貌、無月経、高血圧、コルチゾール高値よりCushing症候群の診断は問題ないだろう。ポイントはdehydroepiandrosterone(DHEA)の値である。これは、テストステロンの前駆体であり、副腎アンドロゲンと呼ばれる男性ホルモンのことである。これが低値になるのは、副腎が勝手にコルチゾールをがんがん分泌して、ACTH分泌が抑制されている副腎腺種しかない。副腎腫瘍なら癌も考えられるが、癌の場合自ら副腎アンドロゲンを産生するため著明に増加するので否定できる。
○(1)
×(2)Cushing症候群ではコルチゾールの日内変動は消失する。
×(3)、×(4)キサメサゾン8mg抑制試験、メトロピン試験が陽性であればCushing病(下垂体腺種)である。
○(5)副腎腺種なので、患側のみに集積を認める。

17 尿路感染症に関する記載のうち正しいものを選択せよ。
(1) 尿路感染症は多くの場合、腎からの順行性感染でおこる。
(2) 単純性膀胱炎における起炎菌は、ブドウ球菌が最も多い。
(3) 複雑性尿路感染症においては基礎疾患の治療が大切である。
(4) 腎盂内にカテーテルが留置された患者に細菌尿がみられた場合、症状がなくても注射薬による治療を14日間程度行うべきである。
(5) 急性腎盂腎炎をくり返す患者に対しては排尿時膀胱造影を行うべきである。

A(1)(2) B(1)(3) C(2)(4) D(3)(5) E(4)(5)

解答:D
解説:1.×上行性が多い
   2・×大腸菌が最も多い
   3.○
   4.×無症状なら基本的に投薬は不要。
   5.○反復性ということなのでVURを疑うべき

18 膀胱尿管逆流(VUR)について正しいのはどれか。
(1) 両側性発生は稀である。
(2) 女性に多くみられる。
(3) 神経因性膀胱にも合併する。
(4) 排尿時膀胱造影は診断上有用である。
(5) 保存療法で治癒は望めない。

A (1)(2)(3) B(1)(2)(5) C(1)(4)(5) D(2)(3)(4) E(3)(4)(5)

解答:D
解説:1.×両側に発生するものも多い
   2.○  
   3.○  
   4.○
   5.×Gradeによるが自然消失もある


19 ( )内に適当な語句を入れよ。
前立腺癌の腫瘍マーカーには(1)があり、前立腺癌の診断や治療効果の判定に用いられる。治療法としては、外科的去勢、内科的去勢(LH-RHアゴニスト)、エストロゲン剤、抗アンドロゲン剤等の(3)療法や放射線療法、また、未分化癌や再燃癌には(4)療法も行われる。また、比較的年齢が若く限局性前立腺癌の場合には、観血的治療として(5)が行われる。

解答
1(PSA    ) 2(      )
3(ホルモン  ) 4(化学    )  5(?     )

(婦人科担当分)
1. 女性生殖器の発生・解剖に関して正しいものを1つ選べ。
a. 組織学的内子宮口は解剖学的内子宮口より上方にある。
b. グラーフ卵胞の卵胞腔は内側から卵胞膜、顆粒膜の順に囲まれている。
c. 骨盤は左右の寛骨と後方の仙骨及び尾骨から構成されている。
d. 子宮円索は子宮峡部で子宮を支え、卵巣動静脈を含む。
e. 子宮、卵管、卵巣はミュラー管から発生する。

解答:c
解説:a・解剖学的子宮口のほうが上
   b・内側から顆粒膜、きょう膜
   d・子宮円索は子宮体部から恥骨結合に達している
   e・ミュラー管から分化するのは、卵管、子宮、膣上部1/3

2. 正しいものを1つ選べ
a. エストロゲンの増加に伴いFSH産生が増加する。
b. 排卵はLHサージのピークの12時間前におこる。
c. GnRHは、黄体期では30分周期でパルス状分泌される。
d. LHは卵巣の内莢膜細胞に結合してエストロゲンの産生を刺激する。
e. 顆粒膜細胞から黄体細胞が形成されプロゲステロンが合成される。

解答:e
解説:
a・エストロゲンの増加により、FSHはネガティブフィードバックを受け減少、
LHはポジティブフィードバックにより増加する。
b・36から48時間後らしいです
c・通常は60から120分後。応対のみに関する記述はなし。
d・LHでなくFSHの作用。
e・LHの刺激を受けて、顆粒膜細胞と夾膜細胞から黄体が形成されて、
プロゲステロンを分泌する。

3. 29才の主婦。通常の月経に引き続いて1週間の性器出血を認めたため、婦人科を受診した。子宮頚部及び子宮内膜には特に異常所見はなかった。この症例について正しいものを1つ選べ。
a. 多嚢胞性卵巣症候群の治療に経口避妊薬を投与する。
b. 月経前緊張症候群の治療に経口避妊薬を投与する。
c. 妊娠の可能性があるので経口避妊薬を投与する。
d. 機能性子宮出血の治療に経口避妊薬を投与する。
e. 卵巣過剰刺激症候群の予防に経口避妊薬を投与する。

解答:d
解説:性器に器質的な異常を認めない出血をいう。無排卵性の破綻出血。このことではないかと思う。

4. 正しいものを1つ選べ。
a. ターナー症候群のLH・FSHは低値で、無月経や第二次性徴の遅れで受診することが多い。
b. 性腺分化以前の個体にはWolff管とMuller管の両方が存在している。
c. クライネフェルター症候群は、一般に染色体は47XXY、低身長で筋肉質である。
d. 内性器が女性形に分化するには、臨界期における少量のエストロゲンが必要である
e. 8歳での第二次性徴発来、10歳での初経初来は思春期早発症である。

解答:b 性の分化のプリント参照

5. 正しいものを1つ選べ。
a.排卵誘発試験を行う時には、超音波断層法による卵巣の観察は必要無い。
b.性交後試験(フーナーテスト)は月経周期のどの時期に行っても判定可能である。
c.血中プロラクチン(PRL)値は一般に夜間の方が高い。
d.多嚢胞性卵巣症候群は卵胞刺激ホルモン(FSH)>黄体ホルモン(LH)で確定診断される。
e.尿中のヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は妊娠2週で検出される。

解答:c(消去法)
解説:a・排卵の確認のために必要
   b・月経12〜14日におこなう
   d・診断は血中LH/FSH比>3.0.
   e・妊娠4週から陽性になる

6. 子宮内膜症について正しいものを1つ選べ。
a. 過多月経を認め貧血を合併することが多い。
b. 保存的治療としてGnRHパルス療法が行われる。
c. 卵巣機能不全や黄体機能不全の原因となる。
d. 子宮内膜炎を合併することが多い。
e. エスロトゲン依存症の良性疾患である。

解答:c?
解説:a・不妊、月経痛が主訴となる
   b・パルス療法でなくGnRHアナログによるDown regurationをはかる。
   c・子宮内膜症は基本的に子宮周囲に発生する外性子宮内膜症をいい、卵巣にできると卵巣が破れることもある
d・×…合併などはないとのこと
   e・良性でしょうか?


7. 症例:29歳 女性 未経妊未経産
 3年前に結婚し、妊娠しない為に来院した。1年程前より次第に月経時の経血量が増加しているという。初診時の血液検査では、白血球数7200/μl、赤血球数395万/μl、ヘモグロビン9.0g/dl、血小板25万/μlであった。
月経第五日目の血中ホルモン値は、LH 5.3mIU/ml、FSH 8.2mIU、PRL 6.6ng/mlで、図1(別紙)は月経第九日目に行った子宮卵管造影法において油性造影剤を5cc注入した所である。翌日の単純骨盤撮影では造影剤の拡散像が認められた。

(1) 診断として正しいものを1つ選べ
a. 子宮内膜ポリープ
b. 漿膜下筋腫
c. 両側卵管閉塞
d. 粘膜下筋腫
e. 中隔子宮

(2) 行うべき検査・治療の組み合わせとして正しいものを1つ選べ。
a. 性交後試験 精液検査 鉄剤投与 排卵誘発 中隔切除術
b. LH-RH負荷試験 性交後試験 精液検査 腹腔鏡及び卵管鏡下卵管開口術
c. LH-RH負荷試験 性交後試験 精液検査 体外受精胚移植
d. 子宮内膜分別掻爬 鉄剤投与 性交後試験 精液検査 排卵誘発
e. 鉄剤投与 性交後試験 精液検査 子宮鏡下筋腫核出術

(3) この患者について正しいものを1つ選べ。
a. 尿路系の奇形を合併しやすい。
b. (2)で選んだ治療を行った場合、帝王切開の適応となる。
c. GnRHアナログの投与を行う場合、大量出血に注意する必要がある。
d. 挙児希望がなければ放置してもよい。
e. 子宮内膜症は合併していない。

解答:分かりませんでした。

8. 婦人科検査法について最も正しいものを1つ選べ。
a. コルポスコピーを行ってから子宮頚部擦過スメアを行った。
b. 偏平円柱上皮境界(SCJ)の周辺に異形成と思われるコルポスコピー所見を認めた。
c. コルポスコピーで厚い白色上皮を認め浸潤癌と診断した。
d. パパニコロウ(Papanicoloau)分類のIVなので子宮頚部異形成と診断した。
e. 子宮内膜症を疑ったので子宮内膜細胞診(エンドサイト)を行った。

解答:b(よく分からない)
解説:a・コルポスコピーの前に細胞診をする
   b・モザイク模様のことでしょうか?
   c・白い上皮は角化上皮の酢酸処理で見られる。浸潤ガンは出血や隆起状病変が見られたら疑う
   d・分類のWは上皮内ガンに相当する。(極めて悪性腫瘍が疑わしい。異形成はV)
   e・子宮内膜症に細胞診は役に立たない

9. 婦人科良性腫瘍について最も正しいものを1つ選べ。
a. 卵巣の内膜症性嚢胞が茎捻転を合併した。
b. 卵巣腫瘍は充実部のない多房性嚢胞であり漿液性嚢胞腺腫を疑った。
c. 繊維腫に胸水が合併しておりクルッケンベルグ(Krukenberg)腫瘍と診断した。
d. 子宮筋腫が閉経後に次第に増大した。
e. 漿膜下子宮筋腫の患者に強い過多月経と月経困難症を認めた。

解答:a
解説:a・卵巣腫瘍に伴って茎捻転はおこる
   b・多房性なら粘膜性嚢胞腺腫を疑う
   c・クルッケンベルグ腫瘍は、両側付属器腫大と腹水があれば疑われる
   d・子宮筋腫は閉経後には縮小する
   e・粘膜下筋腫と筋層内筋腫の症状。漿膜下筋症は無症状が多いそうです

10. 次の症例を読んで、(1)から(2)の設問に答えよ。
【症例】60歳の既婚婦人が下腹部の膨満感を主訴として来院した。内診では子宮は前傾前屈で鶏卵大、両付属器領域に手掌大の無痛性腫瘤を触知した。検査所見:CA125 300U/ml(正常35以下)、CEA0.5ng/dl(正常2.5以下)、CA19-9 200U/ml(正常32以下)。胸部単純X線写真撮影で異常を認めず。
手術所見:両側卵巣にいずれも計10cmの嚢胞性一部充実性の腫瘍を認めた。子宮に拝上を認めなかった。漿液性の腹水500mlを認め、骨盤腹膜、大網、横隔膜下面に播種性の転移巣を認めた。腹水細胞診は陽性であったが、摘出した全ての後腹膜リンパ節に転移はなかった。摘出腫瘍のHE染色標本では淡明な胞体でグリコーゲンに富む細胞が腺管状に発育する部分(図2、別紙)と書く芽細胞の結う裏面に近く突出する犬釘細胞(hobnail cell)型の細胞乳頭状に増殖する部分(図3、別紙)を認めた。

(1) この卵巣細胞癌の進行期はどれか。
a. 1a期
b. 1c期
c. 2期
d. 3期
e. 4期
(2) この腫瘍の病理診断はどれか。
a. 漿液性嚢胞腺癌
b. 粘液性嚢胞腺癌
c. 明細胞癌(類中腎癌)
d. 類内膜腺癌
e. クルッケンベルグ腫瘍(印環細胞癌)

(1) 解答:d
解説:腹腔内に転移が認められ、後腹膜リンパ節に転移がないため

(2) 解答:e?
解説:両側の付属器腫大と腹水が見られるためクルッケンベルグ腫瘍が疑われる。
グリコーゲンに富む細胞は印環細胞だと思われるが

11. 外陰・膣の疾患について最も正しいものを1つ選べ。
a. 小陰唇に毛包を認める。
b. 硬化性苔癬は外陰癌に分類される。
c. 尖圭コンジローマの病変からはヒト単純ヘルペスウイルスが同定される。
d. バルトリン腺炎の起炎菌にはカンジダが多い。
e. 外陰癌は骨盤リンパ節に転移する。

解答:e
解説:a・小陰唇には陰毛(―)
   b・前癌病変である外陰ジストロフィーに分類
   c・HPVが認められる
   d・連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌、淋菌で起こる。真菌やトリコモナス原虫では起こらない。
   e・鼠径リンパ節を通して骨盤リンパ節に転移する


12. 婦人科炎症性疾患について最も正しいものを1つ選べ。
a. デーデルライン桿菌が腟内を酸性に保つ。
b. 単純ヘルペスウイルスの初感染は副腎皮質ステロイドで治療する。
c. カンジダ腟炎では膿性の泡沫状黄色帯下を認める。
d. トリコモナス腟炎の起炎菌はクラミジアである。
e. 骨盤内炎症疾患(PID)は子宮内膜症を合併しやすい。

解答:a
解説:b・アシクロビル等の抗生物質膣錠でしょう
   c・白色ヨーグルト状帯下がキーワード。泡沫状黄色帯下はトリコモナス腟炎
   d・×
   e・たぶん×でしょう

13. 症例は56歳、G0P0、閉経52歳の既婚婦人で、不妊症の治療歴があります。4?5日前より少量の性器出血を訴えて来院された。内膜組織診で腺癌と診断された。この疾患について記述で正しいものを1つ選べ。
a. 平均年齢は40代後半である。
b. プロゲステロン優位なホルモン環境で発生しやすい。
c. 一般的に無症状のものが多い。
d. 我が国では子宮頚癌より羅患数が多い。
e. 最近では、肥満、高血圧、糖尿病も高危険因子とされている。

解答:e
解説:子宮体ガン・・・好発年齢は50代、最近は40代も増えているとのこと。高エストロゲン環境と関係が深く、プロゲステロンは抑制的に働く。初発症状は不正性器出血。腰痛や腹痛(Simpson症候)も認められる。リスクファクターは肥満、糖尿病、高血圧、未産婦、不妊など。
   子宮頚ガンとどちらかが多いかは分かりませんでした。

14. 次のうち、正しくないものはどれか。
a. 子宮脱は腹圧性尿失禁や排尿障害を伴うことが多い。
b. 全四級立つとは子宮全体が腟外に出た状態をさす。
c. 膣欠損症では卵巣の欠損を伴う。
d. 処女膜閉鎖症では膣留血症を伴う。
e. ミュラー管由来臓器の奇形は尿路奇形を伴うことが多い。

解答:c
解説:膣欠損の多くは、卵巣卵管は存在している。

15. 次の文を読み、問に答えよ。
38歳女性。接触出血を訴えて受診した。
(1) 図4(別紙)は子宮腟部より採取した擦過細胞診像である。次のうち、正しくないものはどれか。
a. 核のクロマチンの増量がみられる。
b. 核の大小不動がみられる。
c. 多角化がみられる。
d. 核分裂増が多数みられる。
e. 炎症細胞浸潤がみられる。
      

(2) 図5(別紙)はこの症例のコルポスコピー像である。所見として正しいものはどれか。
a. 白色上皮
b. 赤点斑
c. モザイク
d. 異常血管域
e. コンジローマ

解答:分かりません 2001年の卒試を参考にしてください

16. 次のうち、正しくないものはどれか。
a. 胞状奇胎娩出後の一次管理中に尿中又は血中のhCGが判別線以下を推移する場合を経過順調型と言う。
b. 胞状奇胎妊娠の1?2%は絨毛癌を続発する。
c. 細胞遺伝学的に全胞状奇胎の全ての染色体は母親由来である。
d. 肉眼的に全ての絨毛が嚢胞化していても、胎芽を伴う場合は部分奇胎と診断する。
e. 組織学的に証明されていなくとも基準を満たせば臨床的絨毛癌として取り扱ってもよい。

解答:c
解説:雄性発生…父親からの染色体のみが二倍体となってできる


<病理学>
次の文章のうち正しいものには○、間違っているものには×をつけよ。

1) 乳管内乳頭腫(intraductal papilloma)は乳管内腔に突出するように増殖し、乳管上皮細胞と筋上皮細胞の2層構造は認められないことが多い。

2) 乳腺症(mastopathy)の多くは両側性に発生し、圧痛、腫脹を認め、乳腺組織の増殖と萎縮性変化として乳頭腫、嚢胞性変化、アポクリン化生を認める。

3) 硬癌(scirrhous carcinoma)は癌細胞層に比べて間質結合織の増生が著明な乳癌であるため、浸潤性乳管癌の中では比較的予後良好である。

4) Paget病において乳頭表皮内に伸展した乳管原発の腺癌組織をPaget細胞と呼び、大型の明るい細胞質と大きく目だつ核を特徴とする。

5) 前立腺肥大症(prostatic hypertorophy)は内腺から発生しやすく、外腺発生の前立腺癌に比べ一般に尿道狭窄症状をきたしやすい。

解答:○

6) 高分化型の前立腺癌(prostatic carcinoma)は腎尿細管上皮由来で組織像が多彩であり、腫瘍血管は乏しい。

解答:×?
解説:外腺発生のため、腎尿細管上皮由来ではないと思います

7) 腎細胞癌(Renal cell carcinoma)は腎尿細管上皮由来で組織像が多彩であり、腫瘍血管は乏しい。

解答:×
解説:血管は豊富です

8) 腎血管脂肪腫(Angiomyolipoma)の多くは血管、筋肉、脂肪性分からなり、多発することはあるが転移や悪性化は極めて稀である。

解答:○

9) 腎異形成(Renal dysplasia)は前癌病変である。

解答:×
解説:腎異形成とは後腎組織の分化異常に伴う腎奇形のこと

10) 腎盂、尿管、膀胱及び尿道の粘膜は移行上皮により覆われため、いずれの部位においても悪性上皮性腫瘍の中では最も移行上皮癌が発生しやすい。

解答:○

11) 精巣のセミノーマ(seminoma)は大型の円形ないし多角形の境界明瞭な腫瘍細胞が蜂巣を形成し、その淡明な胞体にはグリコーゲンを含む。

解答:○

12) 尖圭コンジローマ(condyloma acuminatum)は粘膜皮膚境界部に発生する増殖性変化で、陰茎に好発し、その発生にhuman pappiloma virusが関連している。

解答:○

13) 子宮頚管ポリープ(Endocervical polyp)は発生頻度の高い子宮頚癌の良性上皮性腫瘍であり、組織学的には錯走配列を示す平滑筋細胞で構成される。

解答:×
解説:平滑筋細胞は関係ないとのこと

14) 子宮頚部異形成(dysplasia of cervical epithelium of the uterus)は子宮頚部扁平上皮に種々の異形成を示す細胞がみられる疾患であり、自然治癒することがある。

解答:○ 軽〜中異形度はかなりの割合で自然治癒

15) 子宮頚部の上皮内癌(carcinoma in situ)では上皮細胞全層に異型細胞が存在するが、一部に基底膜を破って間質内への侵入を認めることがある。

解答:×
解説:子宮頸部の上皮内ガンは間質への浸潤はしないそうです

16) 子宮体癌(endmetrial cancer)のほとんどは閉経後にみられ腺癌が最も多いのに対して、子宮頚癌(uterine cervical cancer)は閉経前後に好発し、扁平上皮癌が最も多い。

解答:○

17) 卵巣嚢胞性腫瘍には卵管上皮に類似した漿液性腫瘍、子宮頚管腺に類似した粘液性腫瘍及び子宮内膜に類似した類子宮内膜腫瘍がある。

解答:○? 卵管上皮に類似した漿液性腫瘍というのは調べれませんでしたが

18) 癌肉腫(carcinosarcoma)は上皮性の癌腫部分と非上皮性の肉主成分が混在する。

解答:○

19) 成熟奇形腫(mature teratoma)では3肺葉由来の組織が混在するが、未熟奇形腫(immature teratoma)では1種類の単独胚葉由来の幼若組織からなる。

解答:○?
解説:未熟奇形腫は未熟な神経組織からなることが多いそうです

20) 絨毛癌は出血・壊死を伴い、異型の強い合胞体型栄養細胞(syncytiotrophobrast)のみで構成される腫瘍で浸潤性増殖が特徴である。

解答:○?

乳腺、乳管のところはテスト範囲から外れるということですので、解答は割愛させていただきます。

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