泌尿・生殖器 平成15年度概説試験

平成16年2月23日実施(120分)102人中19人不合格。

<泌尿器科>
1.以下の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ。
(1)副腎動脈は下横隔膜動脈、大動脈、腎動脈からの分枝より栄養される。
(2)右副腎中心静脈は右腎静脈に注ぐ。
(3)左腎静脈は大動脈の背側を横断し下大静脈に注ぐ。
(4)左精巣(睾丸)静脈は左腎静脈に注ぐ。
(5)左腎静脈が腹部大動脈と上腸間膜動脈との間で圧迫されることがある。
a.124  b.125  c.135  d.145  e.345
(解答)d
(解説)「泌尿器生殖器総論・症候学」プリント1枚目参照。
(1) ○ 
(2) × 副腎静脈は右は下大静脈に直接、左は左腎静脈に流入する。
(3) × 大動脈の腹側を横断する。
(4) ○ 
(5) ○ 

2.排尿障害があることを証明する検査を2つ選べ。
(1)検尿・細菌培養 (2)残尿測定 (3)膀胱内圧測定
(4)膀胱造影 (5)腎孟造影 (6)括約筋筋電図
(7)排尿記録(あるいはCup & stopwatch法)
a.12  b.13  c.15  d.24  e.26  f.27  g.34  h.37  i.45  j.67
(解答)j
(解説)自信ありません。排尿障害の基礎疾患を証明するものなら(1)〜(7)どれでもよさそうですが、排尿障害自体を証明するのは(6)と(7)かと。

3.糖尿病性神経因性膀胱患者が示す可能性のある愁訴3つを選べ。
(1)尿意頻数  (2)排尿痛  (3)夜間遺尿
(4)溢流性尿失禁  (5)切迫性尿失禁  (6)排尿困難
a.123  b.146  c.234  d.345  e.346
(解答)e
(解説)神経で習ったことによると糖尿病性ニューロパチーは知覚性だったので、膀胱からの知覚路の障害により尿意が消失していると考えられます。
(1) × 尿意は消失していると考えられます。
(2) × 選択肢から。
(3) ○ 同上。
(4) ○ 膀胱内の尿量が大量になると膀胱内の圧が上昇し尿が漏れる。
(5) × たぶん。尿意(−)とすれば「尿意を感じるがトイレに間に合わない」切迫性尿失禁はないかと。
(6) ○ 

4.左右の腎機能を区別して検査できるのはどれか。
(1)静脈性腎孟造影
(2)レノグラム
(3)PSP排泄試験
(4)尿濃縮試験
(5)インジゴカルミン排泄試験
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
(解答)b
(解説)
(1) ○ 尿路結石、腎血管性高血圧の診断など。
(2) ○ 腎血管性高血圧の診断など。
(3) × 
(4) × 
(5) ○ 静注or筋注し、膀胱鏡で尿管からの排泄を見る。

5.以下の記述のうち正しいものの組み合わせを選べ(血尿:肉眼的血尿)。
(1)初期血尿後部尿道〜膀胱頚部からの出血
(2)終末時血尿前部尿道からの出血
(3)全血尿頚部以外の膀胱〜上部尿路(腎・尿管)からの出血
(4)無症候性血尿尿路悪性腫瘍
(5)終末時排尿痛急性膀胱炎
a.123  b.234  c.135  d.145  e.345
(解答)e
(解説)「泌尿器生殖器総論・症候学」プリント6枚目参照。
(1) × 初期血尿−前部尿道からの出血
(2) × 終末時血尿−後部尿道〜膀胱頚部からの出血

6.高熱を来すのはどれか。
(1)急性尿道炎
(2)急性精巣上体(副睾丸)炎
(3)急性腎孟腎炎
(4)急性前立腺炎
(5)急性膀胱炎
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
(解答)d
(解説)
(1) × 選択肢から。
(2) ○ 選択肢から。
(3) ○ 症状:発熱、腎部痛、腰痛。
(4) ○ 38℃以上の発熱(year note E-89)。
(5) × 頻尿、排尿痛、尿混濁が3主徴で発熱を伴わない。

7.乳児期に発見されたA群に示す尿路先天異常に対して、B群の病態の説明のうち正しい組み合わせはどれか。(表示の都合上、先天異常名(A群)と病態説明(B群)を「:」でつなげて表記しています。)
(1)多嚢腎(多嚢胞性異形成腎):ウイルムス腫瘍の発生の危険性が高いため腎摘出の対象となることが多い
(2)先天性水腎症:多くは腎孟尿管移行部狭窄によるもので、程度の軽いものは自然軽快するので経過観察でよい
(3)尿管異所開口:本邦ではThom分類の1型である、単一尿管の膀胱頚部への異所開口が最も多い
(4)尿管瘤:一時的な尿ドレナージのため経尿道的な尿管瘤切開術を試みることが多い
(5)膀胱尿管逆流症:1歳未満で発見されるVURは圧倒的に女児に多く、gradeV以上は早期手術の適応である
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345  f.すべて
(解答)
(解説)
(1)
(2) ○ 自然治癒することが多い。
(3) ○ 
(4)
(5) × 1歳以下では男児が70〜90%。学童期には女児にやや多い。また、治療は基本的に保存的治療である。

8.正しいものを選びなさい
(1)尿路結石による尿管閉塞が高度であれば、24時間内に閉塞を解除するのが原則である
(2)尿路閉塞があるとNa排泄/GFRは増加する
(3)尿路閉塞に腎孟腎炎を合併した場合、抗生剤により感染をコントロールした後、D−Jカテーテルなどで閉塞解除するのが原則である
(4)小児上部尿路閉塞の原因としては、尿路結石が多い
(5)尿管結石において排泄性腎孟造影で造影剤の尿路外溢流があるときは腎孟破裂を疑う
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345  f.すべて
(解答)a
(解説)「尿路閉塞・泌尿器科疾患に伴う高血圧症」プリント参照。
(1) ○?選択肢から。尿路結石は基本的に保存的治療だが、症状が激しい時は閉塞を解除(ESWL)など。
(2) ○ Na吸収↓、GFR↓より増加。
(3) ○ 感染症には直ちに対応。 
(4) × 先天性腎盂尿管移行部狭窄、VUR、二分脊椎症によるものが多い。
(5) × 腎杯円蓋部から漏れ出る。

9.尿路感染症について正しいものはどれか。3つ選べ。
(1)急性単純性尿路感染症の原因菌としてブドウ球菌が多くを占める。
(2)性交は再発性膀胱炎の危険因子である。
(3)急性単純性腎孟腎炎では発熱を伴うことが多い。
(4)留置カテーテルは単純性尿路感染症の原因となる。
(5)感受性検査法には、MIC値が用いられる。
a.123  b.124  c.145  d.234  e.235  f.すべて
(解答)e
(解説)「尿路・性感染症」プリント参照。
(1) × E.coliが多い。
(2) ○ 選択肢から。
(3) ○ 症状:発熱、腎部痛、腰痛(ちなみに急性単純性膀胱炎の3主徴は頻尿、排尿痛、尿混濁)
(4) × 留置カテーテルは複雑性尿路感染症の原因となる重要な基礎疾患である。
(5) ○ 最小発育阻止濃度測定法。他にディスク拡散法がある。

10.性感染症について正しいものはどれか。2つ選べ。
(1)わが国で淋菌感染症は1995年以降漸減している。
(2)淋菌性尿道炎の治療には、ニューキノロン系薬が用いられる。
(3)非淋菌性尿道炎の起炎微生物では、クラミジア・トラコマティスが多い。
(4)女性には、クラミジア感染症は少ない。
(5)尖形コンジローマの原因微生物はHuman papilloma virusである。
a.12  b.13  c.14  d.15  e.23  f.24  g.25  h.34  i.35  j.45
(解答)i
(解説)「尿路・性感染症」プリント参照。
(1) × 中洲の薬剤耐性淋菌が増えて云々と授業で言ってました。
(2) × セフォジジム、スペクチノマイシン。
(3) ○ 
(4) × STD中最多。子宮頚管炎、非淋菌性尿道炎、卵管炎など。
(5) ○ 

12.以下の記述のうち誤っているものの組み合わせを選べ。
(1)腎外傷において血尿は必発であり、血尿を認めない場合腎外傷は否定できる。
(2)非開放性腎外傷の多くは腎挫傷であり、保存的治療が可能である。
(3)後部尿道の損傷は骨盤骨折に伴うことが多い。
(4)腎梗塞は、直ちに手術的に治療する必要がある。
(5)精索捻転症は発症後48時間以内であれば、患側精巣機能の廃絶の可能性は低い。
a.123  b.234  c.124  d.235  e.145
(解答)e
(解説)「尿路性器外傷と泌尿器科的救急処置」プリント参照。
(1) × 血尿が見られるのは90%。腎茎部損傷、腎盂損傷の1/3で血尿が見られない。
(2) ○ 腎外傷中最も多い(60〜70%)。合併症の発生が少なく保存的治療。
(3) ○ 
(4) × 選択肢より。
(5) × 発症後12時間を越えると精巣機能廃絶の可能性大。

13.尿路結石について正しい答えの組み合わせはどれか?
(1)感染結石として重要な成分はリン酸マグネシウムアンモニウムである。
(2)アルカリ性尿は感染結石、酸性尿は尿酸、シスチン結石、高カルシウム尿はシュウ酸カルシウム結石ができやすい。
(3)シスチン尿症は常染色体優性遺伝であり、その結石はレントゲン陽性結石である。
(4)アロプリノールは尿中へ尿酸の排泄を促し、尿酸結石の成因となる。
(5)尿路結石に対し最も多く行われている手術はESWLである。
a.123  b.234  c.125  d.145  e.235
(解答)c
(解説)
(1) ○ 細菌の代謝によりリン酸マグネシウムアンモニウムの沈殿を生じる。
(2) ○ 
(3) × 常染色体劣性遺伝で、シスチン結石はXp描出困難。
(4) × アロプリノールは尿酸合成阻害薬であり、尿酸結石の治療薬。
(5) ○ ESWL(体外衝撃波結石破砕術)

14.腎細胞癌につき正しいのはどれか。
(1)近位尿細管由来であり、画像上hypervascularな像を呈することが多い。
(2)血行性転移よりもリンパ行性転移をきたしやすい。
(3)原因不明の発熱、貧血、高カルシウム血症などの徴候が見られることがある。
(4)根治的腎摘除術ではまず腎動静脈の結紮を行うが、副腎は副腎不全予防のため摘出してはならない。
(5)肺転移に対し、インターフェロンやインターロイキン2等の免疫療法が行われる。
a.123  b.234  c.135  d.145  e.235
(解答)c
(解説)「腎腫瘍・陰嚢内腫瘍」プリント参照。
(1) ○ 
(2) × 血行性転移が多い。
(3) ○ 
(4) × 腎、腎周囲脂肪織、副腎を包むgerota筋膜ごと一塊として摘出。
(5) ○ 免疫療法が20%ほどに有効。

15.正しい答えの組み合わせはどれか?
(1)経口勃起障害治療薬Sildenafil(バイアグラ)はphoshodiesterase typeVの阻害剤である。
(2)糖尿病患者のEDの原因はほとんどが心因性のものである。
(3)EDのriskは年齢と共に増加するが、日本とアメリカでは日本の方が発生率が高い。
(4)Sildenafilは性的興奮が起こってはじめて効果を発揮する。
(5)日本で最も用いられているEDの治療はProstaglandin E1の海綿体自己注射である。
(6)Sildenafilは硝酸剤やエリスロマイシン、シメチジンを投与されている患者には禁忌である。
a.12  b.13  c.14  d.16  e.23  f.24  g.25  h.34  i.36  j.46
(解答)h
(解説)
(1) × PDE5の阻害剤である。
(2) × 多くは器質性。ただしEDの多くは両者が絡み合っている。
(3) ○ 
(4) ○ 
(5) × 
(6) × 硝酸剤は禁忌だが、残り2つは禁忌ではない。

16.正しい文章の組み合わせを選べ。
(1)原発性腎孟尿管癌において自排尿の尿細胞診の陽性率は非常に高い。
(2)原発性膀胱癌の組織型としては大部分が移行上皮癌である。
(3)膀胱癌の発生と芳香族アミン化合物(ベンチジン、2−ナフチラミンなど)の相関は、疫学的には認められない。
(4)上皮内癌(carcinoma in situ)はBCG膀胱内注入療法の適応である。
(5)尿路変向術には失禁型の尿管皮膚痩や回腸導管、自然排尿型のHautmanやStuder法などがある。
a.124  b.234  c.125  d.145  e.245
(解答)e
(解説)
(1) × 自排尿では陽性率が低い。分腎尿細胞診や擦過細胞診を利用する。
(2) ○ 95%以上。
(3) × 職業性膀胱癌の原因となる。
(4) ○
(5) ○

17.精巣腫瘍について、正しい組み合わせはどれか。
(1)有痛性陰嚢腫大を主訴とすることが多く、精巣上体炎、精巣捻転との鑑別が重要であり、経皮的超音波ガイド下の針生検が有用である。
(2)精巣腫瘍の腫瘍マーカーとしてAFP、HCG−β、LDHが有用である。
(3)転移巣があっても高位除睾術を行い、患側精巣を摘出し病理診断を行う。
(4)胚細胞性精巣腫瘍は組織学的にセミノーマと非セミノーマに大別され、前者は放射線療法(+化学療法)、後者はシスプラチンを中心とした化学療法が有効である。
(5)非セミノーマには胎児性癌、絨毛癌、卵黄嚢腫瘍、奇形腫などがあり、このなかでは奇形腫の予後が極めて不良である。
a.123  b.234  c.124  d.235  e.245
(解答)b
(解説)
(1) × 無痛性の陰嚢腫大が特徴。針生検も禁忌。
(2) ○ AFP:卵黄嚢腫瘍、hCG:絨毛性腫瘍、LDH:未分化胚細胞腫。
(3) ○ 病理診断が確定診断である(転移巣があっても行う)。
(4) ○ セミノーマは放射線に対する感受性が高い。
(5) × 絨毛癌と胎児性癌の予後が悪い。

18.40歳の女性。2年前から、徐々に体重増加と満月様顔貌とを認めるようになった。6ヵ月前から無月経となった。同じころに高血圧を指摘され、降圧薬を投与された。血中コルチゾール26.6μg/dl(正常5−15)、dehydroepiandrosterone sulfate 22μg/dl(正常130−160)。この患者でみられる所見はどれか。
(1)血中ACTHは低下する。
(2)血中コルチゾールの日内変動は消失する。
(3)デキサメサゾン8mgを2日間投与すると、尿中17−OHCS/日は減少する。
(4)メチラポン(メトピロン)試験で尿中17−OHCS/日は著増する。
(5)131Iアドステロール副腎シンチグラフィーにより一側に強い放射能集積をみる。
a.123  b.235  c.125  d.145  e.245
(解答)c
(解説)中年女性、体重増加、満月様顔貌、無月経、高血圧、コルチゾール高値よりCushing症候群とわかる。dehydroepiandrosterone(DHEA)の値であるが、これはテストステロンの前駆体であり、これが低値になるのはACTH分泌が抑制されている副腎腺種しかない。
(1) ○ 
(2) ○ Cushing症候群ではコルチゾールの日内変動は消失する。
(3) × デキサメタゾン抑制試験で多量(8mg)で抑制はCushing病(下垂体腺腫性)。
(4) × (3)同様、陽性はCushing病。
(5) ○

19.以下の記述で正しいものの組み合わせを選べ。
(1)高齢者ほど前立腺癌の潜在癌の頻度は高い。
(2)前立腺内に限局する前立腺癌では経尿道的前立腺切除術が根治的治療となる。
(3)前立腺癌の約50%は内分泌療法が無効である。
(4)高分化の前立腺癌は、低分化のもめに比べ内分泌療法に良く反応する。
(5)内分泌療法に抵抗性となった前立腺癌ではcisplatinを中心とする抗癌化学療法が有効であることが多い。
a.12  b.13  c.14  d.15  e.23  f.24  g.25  h.34  i.35  j.45
(解答)d
(解説)「前立腺腫瘍」プリント参照。
(1) ○
(2) × 根治的前立腺敵除術はここ数年で腹腔鏡アプローチが増えたと授業で言ってました。
(3) × 約80%に制癌作用あり。ただし、3〜5年後にはこの半数以上が治療抵抗性(year note E-87)。
(4) × 選択肢から。
(5) ○

20.腎移植について正しいものの組み合わせはどれか。
(1)我が国の腎移植成績は種々の免疫抑制剤の登場で年々向上しており,近年の生体腎移植における1年生着率は約70%前後である。
(2)我が国の腎移植おいて,脳死体腎移植数は減少している。
(3)腎移植後のウイルス感染症として代表的なものはサイトメガロウイルス感染症でganciclovirが治療に用いられる。
(4)腎移植手術においては,一般的には腎動脈は内腸骨動脈,腎静脈は外腸骨静脈に吻合する。
(5)近年,配偶者をドナーとする非血縁者間生体腎移植が増加している。
a.123  b.234  c.235  d.145  e.345
(解答)e
(解説)
(1) × 90%前後である。
(2) ×
(3) ○ CMVにはガンシクロビルが有効。
(4) ○
(5) ○


<婦人科>
1.女性生殖器の発生・解剖に関して正しいものをひとつ選べ。
a.骨盤漏斗靭帯は子宮を支える支持組織で子宮動静脈を含む。
b.卵管、卵巣、子宮、膣の一部はすべてミュラー管から発生する。
c.卵管は子宮側から間質部、峡部、膨大部、采部に分かれている。
d.子宮頸管上皮は扁平上皮に被覆されている。
e.卵胞の内層は卵胞膜、外層は顆粒膜からなる。
(解答)
(解説)
a.× 骨盤漏斗靭帯=卵巣堤索。子宮動脈を包むのは子宮広間膜。
b.× 卵巣は生殖腺由来。
c.○
d.× 単層、円柱状の粘液分泌上皮。
e.× 逆。

2.30歳の主婦。月経不順と3ヵ月間の無月経を訴えて婦人科を受診した。内診と超音波断層法にて子宮および付属器に異常はなく、基礎体温測定を指示された。その後1ヵ月間の基礎体温は低温一相性である。この症例について正しいものをひとつ選べ。
a.無排卵周期症の治療に排卵誘発剤を投与する。
b.早発閉経の予防にエストロゲン製剤を投与する。
c.機能性子宮出血の予防にプロゲステロン製剤を投与する。
d.破綻出血の予防にダナゾール製剤を投与する。
e.妊娠の可能性があるのでホルモン治療は行わない。
(解答)?
(解説)bかcかで意見が分かれている問題です。基礎体温から少なくともプロゲステロンは低値であることがわかりますが、エストロゲンはどうなのかわかりません。論点としては、@エストロゲンも低値だとしたらエストロゲン製剤の投与で早期閉経は予防できる。が、このとき子宮に異常はないのか?Aエストロゲンは正常だとしたら、機能性子宮出血はプロゲステロン製剤により消退出血に導ける。が、不正性器出血は予防すべきものなのか?ということです。僕はbを選びましたが・・・。
a.無排卵周期症は、月経(+)、排卵(-)。
e.妊娠4ヶ月までは高温相が持続する。

3.正しいものをひとつ選べ。
a.初経はエストロゲンによる破綻出血である。
b.プロゲステロンの分泌は初経の発来に必要である。
c.インヒビンはLHの分泌を特異的に抑制する。
d.エストロゲンのネガティブフィードバックで排卵する。
e.GnRHの分泌は常に律動性に行われている。
(解答)e
(解説)
a.× 消退出血です。
b.× 必ずしも必要ない。
c.× FSHを抑制。
d.× エストロゲン→LHへのポジティブフィードバック→LHサージ→排卵。 
e.○ 90分に2度パルス分泌。

4.婦人科検査法について誤っているものをひとつ選べ。
a.子宮膣部の変換帯とは扁平上皮化生が生じている部位である。
b.閉経婦人のコルポスコピー所見には不適例(UC)が多い。
c.パパニコロウ(Papanicoloau)分類のクラスVbは高度異形成に相当する。
d.子宮内膜細胞診(エンドサイト)で異常が出たら子宮内膜組織診を行う。
e.子宮内膜はMRIのT2強調画像で低信号に(黒く)描出される。
(解答)?
(解説)
a.○?
b.○ らしい。
c.○
d.○?かな?
e.?

5.正しいものをひとつ選べ。
a.妊娠の診断には、尿中hCGの定量が必要である。
b.血中プロラクチン(PRL)の高値は排卵障害の原因となる。
c.黄体形成ホルモン(LH)や卵胞刺激ホルモン(FSH)の測定は任意の時期に行える。
d.性交後試験(フーナーテスト)の結果で体外受精の適応が決まる。
e.多嚢胞性卵巣症候群(PCO)ではLHよりFSHが高値である。
(解答)
(解説)「不妊症」プリント参照。
a.× 定性のみでよい。
b.? year note D-12から不妊の原因にはなるとわかりますが。
c.× 月経5日目に行う。
d.?
e.× LHのみ高値、FSHは正常(year note D-73)。

6.正しいものをひとつ選べ。
a.ミューラー管の一部が分化して形成される。
b.外性器の分化には、それぞれエストロゲン、テストステロンが必要である。
c.性腺の発達に重要な遺伝子のひとつはSRY遺伝子である。
d.クライネフェルター症侯群は真性半陰陽のひとつである。
e.ターナー症候群では、ほとんどの症例に月経を認める。
(解答)c
(解説)
a.? 主語が「膣」なら×。
b.× 未分化外生殖器の女性化には性ホルモンは関与しない。
c.○ Y染色体上のSRY遺伝子は、未分化精巣から精巣を分化させる。 女性では、SRY遺伝子がないために未分化生殖腺は卵巣へと分化する。
d.× 真性半陰陽はXXを含む46染色体。クライネフェルター症侯は47、XXY。
e.× U度無月経。

7.子宮内膜症について正しいものをひとつ選べ。
a.子宮内膜炎や子宮内膜過形成を合併することが多い。
b.保存的治療としてGnRHアナログのパルス療法が行われる。
c.GnRHアナログ療法では骨量減少に注意する必要がある。
d.エストロゲン依存性であるためタモキシフェン療法が有効である。
e.過多月経のために貧血を合併することが多い。
(解答)c
(解説)
a.× 
b.× 「パルス」が×。
c.○
d.× タモキシフェンは、乳腺に対して使う。子宮に対してエストロゲン作用がある為、子宮内膜が増殖してしまうので有効ではない。
e.× 不妊・月経痛の主訴が多い。

8.Rokitansky-Kuster-Hauser症候群に関する次の記述のうち、正しい組み合わせをひとつ選べ。
a.原発性無月経を主訴とすることが多い
b.腎尿路奇形を合併することが多い
c.膣留血腫を合併することが多い
d.染色体は46,XYであることが多い
e.治療としての適応となる
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
(解答)b
(解説)「女性生殖器形態・位置異常」プリント参照。
(1) ○
(2) ○ 47%。骨格奇形は12%。
(3) × 膣は先天的欠損。
(4) × 染色体は正常。
○?選択肢から。

9.30歳の女性が結婚後3年経っても妊娠しないため受診した。結婚前も妊娠分娩歴はない。月経は比較的順調であるが、基礎体温は測定していない。一方、夫は結婚歴があり、前妻との間に一児がいる。
[1]正しいものをひとつ選べ。
a.診断は続発性不妊症である。
b.月経周期第5日頃に性交後試験を行う。
c.月経周期第5日頃にプロラクチンを測定する。
d.月経周期第5日頃に子宮卵管造影を行う。
e.胸写と月経血の結核菌培養を行う。
(解答)c
(解説)「不妊症」プリント参照。
a.× 過去に一度も妊娠をしていない婦人の不妊症を原発性不妊症、一度でも妊娠がある婦人なら続発性不妊症と言う。
b.× 性交後試験は排卵期に行う。
c.○
d.× 排卵直前あたり。
e.×?クラミジア検査と引っ掛けているのでしょうか?

[2]この患者の子宮卵管造影図1(別紙1)をみて正しいものをひとつ選べ。
図1

a.不妊症の原因として子宮因子の存在が疑われる。
b.不妊症の原因として頚管因子の存在が疑われる。
c.不妊症の原因として卵管因子の存在が疑われる。
d.不妊症の原因として染色体異常の存在が疑われる。
e.不妊症の原因として子宮および卵管に異常は認められない。
(解答)c
(解説)子宮因子:着床障害が生じるような病態(子宮奇形、内膜炎など)が子宮に存在する場合。卵管因子:卵管に通過障害がある場合。とプリントにあります。

[3]この患者への説明として適切なものをひとつ選べ。
a.頚管無力症が疑われるので、頚管縫縮術が必要である。
b.治療法として卵管鏡下卵管形成術が考えられる。
c.まず人工授精を行い、妊娠しない場合体外受精・胚移植を行う。
d.子宮筋腫を認めるので子宮筋腫核出術を勧める。
e.現時点では不妊の原因は不明であるので経過観察を行う。
(解答)b
(解説)卵管の通過障害を疎通させる。

10.婦人科良性腫瘍について誤っているものをひとつ選べ。
a.卵巣の粘液性嚢胞腺腫は単房性であることが多い。
b.卵巣の内膜症性嚢胞は茎捻転を起こしにくい。
c.子宮内膜症で占拠された骨盤を凍結骨盤と呼ぶ。
d.子宮腺筋症ではCA125が上昇することが多い。
e.筋腫分娩は粘膜下子宮筋腫が外子宮口から膣内に脱出したものである。
(解答)a
(解説)
a.× 多房性であることが多い。

11.症例は40歳、接触出血を訴えて受診した。図2(別紙2)は子宮膣部より採取した擦過細胞診像である。
図2

[1]次のうち、正しい組み合わせをひとつ選べ。
(1)背景に炎症細胞と壊死像を認める
(2)核の大小不同を認める
(3)紡錘型異型細胞を認める
(4)コイロサイトーシスを認める
(5)腺腔形成を認める
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
(解答)a?
(解説)
(1) ○ たぶん。
(2) ○
(3) ○
(4) ×?コイロサイトーシス=細胞質が明るく、核が多角形。HPV感染の指標らしいです。
(5) × たぶん。

[2]推定する病理診断はどれか
a.トリコモナス膣炎
b.カンジダ膣炎
c.異形成
d.腺癌
e.扁平上皮癌
(解答)c?
(解説)細胞異型、核異型から・・・。

12.外陰・膣の疾患について誤っているものをひとつ選べ。
a.小陰唇に毛包を認める。
b.外陰癌には扁平上皮癌が多い。
c.バルトリン腺炎の起炎菌には連鎖球菌、ブドウ球菌、大腸菌が多い。
d.外陰ヘルペスでは細胞診で核内封入体と多核巨細胞を認める。
e.尖圭コンジローマの病変からはヒトパピローマウイルスの感染が同定される。
(解答)a
(解説)「外陰・膣疾患」プリント参照。
a.× 小陰唇には毛包は無い。

13.次の症例を読んで[1]〜[2]の設問に答えよ
[症例]40才の既婚婦人。腹痛、腹部膨満をともなう体重減少を主訴として来院した。
子宮は前傾前屈で鶏卵大。両側の付属器に手拳大の腫瘤を触知する。CA125:50単位(正常35以下)、CEA:10.5ng/ml(正常2.5以下)、AFP:10ng/ml(正常20以下)、SCC:0.5ng/ml(正常1.5以下)。開腹術後の摘出標本(別紙2:写真3)で、卵巣腫瘍の割面は両側共に硬い白色の充実性腫瘍であり、左卵巣の割面には出血巣を認めた。卵巣腫瘍組織のH−E染色標本(別紙2:写真4)では、細胞質に粘液を有し、核が偏在した癌細胞の集団が、細胞密度の高い卵巣間質の中に散在していた。
写真3

写真4

[1]開腹術の前に行うべき検査として最も重要なものをひとつ選べ。
a.子宮頸部細胞診 b.膀胱鏡 c.消化管造影 d.骨盤血管造影 e.腹腔鏡
(解答)
(解説)

[2]摘出卵巣腫瘍のH−E染色標本より考えられるのはどれか。
a.漿液性嚢胞腺癌 b.明細胞癌 c.顆粒膜細胞腫 d.印環細胞癌 e.ブレンナー腫瘍
(解答)
(解説)

14.絨毛性疾患に関する次の記述のうち、正しい組み合わせをひとつ選べ。
(1)全胞状奇胎の多くでは、染色体はすべて精子由来である。
(2)絨毛癌は高率にリンパ節転移を来す。
(3)胞状奇胎の娩出後の管理に際しては、血中α-fetoprotein測定が必要である。
(4)胞状奇胎の組織学的診断には絨毛間質の水腫性嚢胞化が重要である。
(5)部分胞状奇胎の多くでは、病理学的に胎児由来の成分を認める。
a.123  b.125  c.145  d.234  e.345
(解答)b?
(解説)
(1) ○
(2) ○?
(3) ×?hCGの測定が必要。
(4) ×?
(5) ○ 子宮内に胎芽・胎児・靭帯があり一部に胞状危胎を認めるものを部分胞状危胎というらしいです。

15.症例は56歳、閉経50歳の既婚婦人で、数日前から少量の性器出血があり来院された。経膣超音波検査で子宮内膜の厚さは12mmであり、内膜細胞診は陽性で、内膜組織診で悪性細胞が認められた。この疾患のリスクファクターをひとつ選べ。
a.妊娠・分娩回数が多い。 b.ピルの服用。 c.HPV感染 d.子宮筋腫 e.糖尿病
(解答)e
(解説)リスクファクターとして以下のものがあります。
・妊娠・分娩の経験が無い。
・授乳経験が無い。
・高血圧、糖尿病、肥満  など。

16.婦人科炎症性疾患について誤っているものをひとつ選べ。
a.デーデルライン桿菌が膣内を酸性に保つ。
b.小児期の膣炎は大腸菌により生じることが多い。
c.骨盤内炎症性疾患(PID)はヒトパピローマウイルス(HPV)により生じることが多い。
d.カンジダの治療に抗真菌剤を用いる。
e.単純ヘルペスウイルスの初感染では有痛性の外陰潰瘍を形成する。
(解答)
(解説)「婦人科炎症性疾患」プリント参照。
c.× クラミジア感染症に多い。


<病理>
1.腎細胞癌についての以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)淡明細胞型の癌細胞の細胞質はPAS陽性で、それは豊富な粘液を蓄えているためである。
2)腎尿細管上皮由来である。
3)癌胞巣間は毛細血管からなり、間質の線維成分に乏しい。
4)腎異形成は、前癌病変である。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)c)
(解説)
1)× 粘液→グリコーゲン。
4)× 腎異形成は後腎組織の分化異常に伴う腎奇形のことを言う。

2.以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)腎芽腫は小児の多く発生し、約90%は7歳未満である。
2)腎横紋筋肉腫様肉腫は高齢の女性に好発する。
3)腎血管筋脂肪腫は血管、筋肉、脂肪成分からなる。
4)腎血管筋脂肪腫は悪性化することはまれである。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)a)
(解説)
2)×?横紋筋肉腫は小児に発生。
3)○ 
4)○ 

3.以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)膀胱腫瘍では移行上皮性のものが最も多い。
2)尿管腫瘍では移行上皮性のものが最も多い。
3)移行上皮腫瘍で乳頭状増殖をするものが80%である。
4)尖形コンジローマはHPVによる。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)e)
(解説)すべてその通りです。

4.前立腺に関する以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)前立腺肥大症は腺組織と間質のそれぞれの過形成である。
2)尿道は前立腺を貫通する。
3)前立腺癌の診断には、尿細胞診が有用である。
4)前立腺に配列する上皮は移行上皮細胞と基底細胞からなる。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)b)
(解説)
3)× 直腸診、PSA、経直腸エコーで癌が疑われたら、経会陰の針生検・病理診断で確定。
4)× 腺上皮と基底細胞の2層構造。

5.胚細胞腫瘍に関する以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)定型的セミノーマは、グリコーゲンを含む淡明な胞体を持つ。
2)胎児性癌は、20〜30歳代に多い。
3)卵黄嚢腫瘍は、AFPを産生する。
4)絨毛癌の組織像は、細胞性栄養細胞の外側に、合胞体性栄養細胞が胞巣を形成する。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)e)
(解説)
2)○ 一般に幼少期を含めた20歳前後の若年層に好発する。

6.精索・間質腫瘍を選べ。
1)ライディク細胞腫  2)奇形種  3)セルトリ細胞腫  4)顆粒膜細胞腫
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)a)
(解説)
2)奇形腫は胚細胞腫瘍です。

7.以下の部位の内腔とその上皮の、正しい組み合わせを選べ。
1)子宮体部 − 高円柱粘液上皮
2)子宮膣部 − 吸収上皮
3)子宮頸管 − 移行上皮
4)膣    − 重層扁平上皮
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)
(解説)
1)
2)
3)
4)○

8.以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)子宮頸癌は、子宮頸部扁平上皮から発生する扁平上皮癌が多いが、頸部腺から発生する腺癌も見られる。
2)子宮頸管ポリープは錯走配列を示す平滑筋細胞で構成される。
3)子宮頸部異形成は自然治癒することがある。
4)子宮頸部の上皮内癌では、間質内への癌の浸潤は認められない。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)a)
(解説)
2)×

9.以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)絨毛癌は、病理組織学的に絨毛構造を呈することが、侵入(破壊)胞状奇胎との鑑別点である。
2)子宮の平滑筋肉腫は平滑筋腫に比べて境界が不明瞭で、出血・壊死傾向が強い。
3)子宮内膜増殖症は、卵巣顆粒膜細胞腫が原因となることがある。
4)子宮体癌の好発年齢は40歳代である。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)c)
(解説)
1)× 絨毛癌は通常の妊娠、胞状奇胎に認められる絨毛構造を認めない。
4)× 50〜60位。

10.以下の記述の中で、正しいものの組み合わせを選べ。
1)クルーケンベルグ腫瘍は、その多くは腹腔内原発腫瘍からの転移で、特殊染色において粘液反応高度陽性である。
2)卵巣子宮内膜症は、チョコレート嚢胞を形成する。
3)卵巣顆粒膜細胞腫はアンドロゲン産生腫瘍である。
4)卵巣成熟奇形種は中胚葉由来の組織で構成される。
a)1,3,4のみ  b)1,2のみ  c)2,3のみ  d)4のみ  e)1〜4すべて
(解答)b)
(解説)
3)× エストロゲン産生腫瘍。
4)× 組織発生学的に外・中・内の三胚葉由来の組織が種々混在。

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